「部下指導に失敗する上司×成功する上司」 ―責任を部下にも与える上司は部下指導に成功する―

社員研修のオーソリティ・藤崎敏郎が伝授する人財育成の真髄 第16回

「部下指導に失敗する上司×成功する上司」 ―責任を部下にも与える上司は部下指導に成功する―

とても誠実でありながら部下指導に失敗する上司は、仕事の責任を全部取ろうとします。部下指導に成功する上司は、自分が責任を取るべき場面と部下が責任を取るべき場面を分かっています。

一つの事例ですが、部下に対して、「任せた。何かあった時は俺が責任取るから!」と言う上司がいたとします。これって良い自立型人材の育成法でしょうか。間違っているとは思いませんが、自立型人材育成のある段階ではふさわしくありません。

部下の成長状況を考えないとならないのです。「守、破、離」という言葉があります。もともとは茶道の言葉だそうです。これを私なりに説明すると、しっかりと基本に忠実に仕事をさせる「守」の段階、少し改善を始める「破」の段階、自分の考えを出してオリジナリティー豊かに仕事をする「離」の段階、この三段階のどこに部下がいるかを考えて言葉をかけないとなりません。

「守」の段階の部下は、いわゆる箸の上げ下ろしまで徹底的に指導しなければなりません。だから、任せてはいけません。スポーツの基本運動と同じです。テニスや卓球でフォームを固めるために素振りをするのと同じなのです。それができないで試合の場に立たせてはなりません。仕事も任せてはいけないのです。「任せた」と言う言葉が強いプレッシャーになって、会社を辞める部下が発生するケースもあります。

「破」の段階は自立的な行動を開始するタイミングです。このような部下には、「任せた。何かあったら俺が責任を取るから」と言う言葉は、とても嬉しいでしょう。上司の後押しがあるからと、自分の力を安心して発揮することができます。ただ、まだ、自分で責任を取る覚悟まではありません。

「離」の段階の部下には、「任せた。何かあったら俺が責任を取るから」と言うのは、逆効果です。嬉しくありません。心の中で、「私に責任を取らせてくださいよ。でないと本気になれません。それに、仕事をした本人が責任を取る覚悟がないと、いい仕事ができるはずはありませんよ」と思っています。だから、この言葉を上司に言われると、やる気がなくなるケースもあります。

この段階の部下には、仕事だけ“ムチャぶり”すれば、どんどん自分で責任を取る覚悟で仕事をしてくれます。多少の失敗があったとしても、その失敗を次の成功のステップに改善していってくれるのです。自分が責任を取る覚悟で仕事をするから成長できるのです。必死で考えるのです。自分で責任を取らない仕事に熱意が入るわけがありません。

だから、部下指導に成功する上司は、気安く、「俺が責任を取る!」とは言わないのです。

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カテゴリー: 人材教育

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