パチンコ遊技機は何処へ…、日遊協総会(6月11日)における行政講話(全文掲載)

 

平成27年6月11日、一般社団法人日本遊技関連事業協会の第26回定時社員総会が東京都新宿のハイアットリージェンシー東京で開催された。

同総会で警察庁生活安全局保安課の大門雅弘課長補佐は、小柳誠二保安課長の講話を代読した。内容は射幸性の抑制と適正管理の実現を最優先課題と位置付けて、業界の健全化を厳格に推進するよう厳しく要請するものだった。

特に遊技釘の問題で、「釘の問題については、曲げれば不正改造というだけの単純な問題ではなく、遊技性能、すなわち遊技機の射幸性の適正管理を侵害するというパチンコ営業の規制の根幹を揺るがす問題であることを強調しておきます」と述べ、過度に偶然性に偏った遊技性能等、著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機として営業の用に供していることが見とめられれば、風営適正化法第20条第1項違反として行政処分の対象となると…。さらには、「仮にメーカーがこのように著しく射幸心をそそる恐れのある性能を有した遊技機を、検定を受けた型式に属する遊技機として販売したり、不正の手段により検定を受けたり、遊技機取扱説明書の内容が正しく記載されていないことが判明した場合は、当該検定が取り消されるとともに、当該メーカーはこの先5年間、検定を受ける資格を失うこととなります」とメーカーの責任にも言及した。

パチンコは歴史上、かつてと言えばよいのか、遊技客は釘を読んでパチンコ台に相対したものだった。ノスタルジー的に言えば、パチンコファンは釘師との勝負だった。今やパチンコ遊技機は…。そしてこれからは何処へ向かうのだろうか。

業界に身を置く我々は、今、業界で何が起こっていて、何処へ向かおうとしているのかを、しっかりと直視していかなければならないだろう。

今回の日遊協総会における行政講話を全文掲載するので、是非、目を通しておいて欲しい。

以下、行政講話全文

小柳誠二保安課長の行政講話、大門課長補佐代読

(冒頭挨拶省略)
皆様方におかれましては、庄司会長のもと業界唯一の横断的組織という、その特色を発揮され、1円パチンコに代表される遊技料金の低価格化、遊技機の不正改造防止対策、射幸性を抑えた遊技機の開発など、遊技客が少ない料金で安心して遊技そのものの面白さを楽しんでもらうための努力を続けられ、業界をリードしてパチンコ産業の健全化に尽くされてきたものと承知をしております。

本年に入り業界関係14団体を会員とするパチンコ・パチスロ産業21世紀会としての活動としても、貴協会がいかんなく指導力を発揮していただいたことにより、パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドラインや同運用マニュアルなど、速やかに策定していただいたことについては、業界の健全化に一定の成果を納めたものと頼もしく感じております。また、東日本大震災への復興支援ボランティアを始めとし、里山造成事業、清掃活動等、様々な社会貢献活動を継続して行ったほか、依然として社会的な課題となっている電力問題を含めた環境問題についても、省エネ対策を始め、積極的に社会的責任を果たそうとご尽力をされ、相応の実績を上げてこられたものと思っております。

しかしながら、依然としまして、のめり込みに起因すると思われる各種問題や、賞品買取事犯、遊技機の不正改造事犯、違法な広告宣伝、賞品提供等が後を絶たないなど、パチンコ遊技の健全化を阻害する要因が残されていることも事実であります。

特に去年は通称IR法案と呼ばれる特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案が国会で審議されるなかで、パチンコ遊技に対する遊技客の依存、のめり込みが大きな問題として取り上げられ、ギャンブル依存の疑いがある方が536万人と推計された厚生労働省の研究班の調査対象にパチンコも含んだ数字として報道されるなど、パチンコ産業に向けられる国民の視線はこれまで以上に厳しくなっております。

貴協会におかれましては、このような業界を取り巻く厳しい現状に危機意識を強くもっていただくとともに、パチンコが低予算で安心して遊べる娯楽として社会から認められるよう、貴協会を始め、業界が一致団結をし、早急かつ着実に対処していただきたいと考えております。

そこで、本日は業界の健全化を推進するうえで、特に必要であると考えていることを何点かお話をしたいと思います。

まず、射幸性の抑制に向けた取組みについてであります。

パチンコ産業の現状について申し上げますと、公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2014」によれば、平成25年、市場規模が18兆8千億円と高水準で推移する一方で、パチンコ遊技への参加人口は、対前年比で140万人減少し、1,000万人を割り込む970万人となりました。このことからすると、いわゆるヘビーユーザーへの依存度が高い状況が続いていると推察されます。近年のこのヘビーユーザー化の傾向については、ホールの営業者自身が営業活動の現場において肌で感じていることと思いますが、今一度、我々行政からも強調しておきたいと思います。

市場規模の18兆8千億円を、遊技人口970万人で割ってみますと、一人当たりの年間遊技費用の概算が算出されますが、概ね200万円の遊技費用となります。驚くべき数値であります。参考に、平成元年当時の数値を見てみますと、市場規模が15兆3千億円、遊技人口が2,990万人ですから、一人当たりの年間遊技費用は、概ね50万円でありました。それを平成25年と単純に比較をしますと、一人当たりの年間遊技費用は4倍となります。毎月5万円で遊んでいた人が、毎月20万円で遊ぶようになったということになります。遊技人口が年々減少する中で、市場規模がさほど変化していないパチンコ産業の推移の裏側では、遊技客の遊技費用の増加が顕著になっているのであり、このことが、近年業界でよく言われるヘビーユーザー化を示す一例ではないかと思います。

あくまで一例ではありますが、業界の皆様にあっては、こうしたヘビーユーザー化が進行した今の射幸性の高い営業が、果たして、パチンコにのめり込んでいる方を家族に持つ方々を始めとして、多くの国民の理解が得られるものかどうか、まずは、自問自答していただきたいと思います。「客が射幸性の高い遊技を求めるのだから仕方がない」という言い訳は、これだけパチンコ依存を問題視する声が大きくなった現状においては、もはや通用するものではありません。

パチンコ営業が「射幸心をそそるおそれのある営業」である限り、射幸性の適度な抑制は、健全な営業であるための不可欠な条件でありますが、今の営業実態とパチンコに対する国民感覚とは大きく乖離しているのではないかと危惧しております。そのような認識を貴協会においても持たれることを願って止みません。

去年8月に21世紀会として決議した方針に基づき、業界全体によるのめり込み対策の強化を継続されていると承知をしておりますけれども、のめり込ませない対策の本質は、パチンコ遊技の射幸性の抑制にあります。その実現には、具体的には、遊技客の費消金額や獲得賞品総額を抑えることや、偶然性に過度に依存しない遊技を創出していくことなどが必要であると考えております。少額で遊べる遊技や、短時間で終了する遊技の創出について、メーカー、ホール双方の視点から検討されていると承知をしておりますけれども、貴協会におかれましては、それらの検討が実際に遊技台の前に座るユーザーに届く対策となり得るのかという尺度で見極め、実効的な射幸性抑制対策の実現に向けて、各関係団体を牽引する役割を担っていただきたいと思います。

続いて、いわゆるのめり込み問題を抱えている方への対策について3点お話をします。

1点目は、21世紀会として策定していただいた「パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」および「同運用マニュアル」についてであります。この業界をあげた取組みの目的は、のめり込みを事前に防止し、のめり込んだ人が抱える問題解決に寄与するとともに、その家族を始めとした関係者の理解を得ることでもあると承知をしておりますが、その実現にはこのガイドライン等が今後どのように現場で運用されるかが重要であると考えております。そのためには、実際にガイドライン等を運用していくホールの現場への指導を徹底することに加えて、必要があればガイドライン等をさらに実践的なもの、効果的なものに改訂をしていくことも重要であると思いますので、適切なフォローアップを随時実施していただきたいと思います。

2点目は「認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク」についてであります。同法人に寄せられた平成26年中の電話相談件数は3,077件であり、前年と比べて微減しているものの依然として電話相談を必要としている方の存在が伺われる状況にあります。引続き広報ポスターの掲示と営業所内外における広報・啓発等の取組みを推進することで、パチンコに問題を抱える方に対し、相談窓口の門戸が開かれていることの認知度を高めていただくとともに、同法人の事業活動に関する負担を考慮して、さらなる支援をお願い致します。

3点目は、児童の社内放置事案防止についてであります。去年6月、駐車場の車内に乳児が放置をされ、熱中症により亡くなるという痛ましい事件が発生しております。また、業界で取組まれている巡回活動等により、例年数十件もの児童の発見事案が継続していることを考えれば予断を許さない状況が続いているものと言わざるを得ません。本年もこれから暑い時期を迎えますが、このような痛ましい事件の絶無に向け、油断することなく各種未然防止対策を積極的に進めていただきたいと思います。

のめり込み問題はパチンコ遊技の負の側面と言われることもありますが、この負の側面から目を背けることなく、問題解決に積極的に取組むことが、業界の社会的責任であることを自覚していただき、先にお話した射幸性の抑制に向けた取組みとあいまって、引続き業界全体で真摯に対応していただきたいと思います。

次に、パチンコ営業の賞品に関する問題について3点お話し致します。

1点目は、賞品買取事犯についてであります。平成26年中における賞品買取事犯の検挙件数は9件で、前年に比べ4件増加しており、近年の増加傾向に歯止めがかからない状況にあります。また、事件の内容を見てみますと、法人の役員ぐるみで数店舗にわたって組織的に買取行為を行っていた事案など、悪質な事案が後を絶ちません。

こういった危機的現状も踏まえて警察庁では本年4月1日付で風営適正化法に関する処分基準のモデルの一部を改正し、現金等提供禁止違反および賞品買取禁止違反についての量定基準の見直しを行い、営業停止の基準期間を三月(さんつき)相当に引き上げました。賞品買取行為の規制は、パチンコ営業が賭博と一線を画すための非常に重要な規制であり、パチンコ営業の根幹に関わることを業界内で今一度周知徹底していただき、賞品買取事犯の絶無を期していただきたいと思います。

2点目は、賞品の取り揃えの充実についてであります。賞品の取り揃えの充実については、平成18年に業界の取り決めとしてパチンコ営業にかかる賞品の取り揃えの充実に関する決議がなされたものと承知しておりますが、現在においてもその履行状況は不十分であると認識しております。皆様方におかれましては、自らたてた目標がまだ達成されていない状況を真摯に受け止めていただき、さらなるご努力をお願いしたいと思います。

3点目は、適切な賞品提供の徹底についてです。賞品の提供方法については、等価交換規制がなされていることは皆様も当然ご承知のことと思いますが、残念なことに依然として一部の営業者が、この等価交換規制に基づかない賞品交換を行っており、行政処分等厳しく指導・取締りを継続している状況にあります。適切な賞品を適切に提供するということが、業界の共通認識となりますよう周知徹底に努めていただきたいと思います。

次に遊技機の不正改造の絶無についてお話し致します。

近年の不正改造の手口は、主基板の改造や、周辺基板のロムのプログラム改ざんが、疑似カシメ等の工作により巧妙に隠されたものも見とめられているなど、一層悪質巧妙化をしております。このような厳しい状況のなか、業界では不正改造情報の収集や、これを活かした不正に強い遊技機づくり等の様々な取組みを推進され、一定の成果が挙げられているものと考えておりますが、このように悪質巧妙化している不正事案に対しては、引続き手を緩めることなく、より効果的な対策を模索して施策を進めていただきたいと思います。

また、一般社団法人遊技産業健全化推進化機構(以下、推進機構)の活動につきましては、立入検査店舗数が去年末時点で2万店舗を超え、この立入検査を端緒に検挙に至った事例も多数あるなど、着実に実績を積み重ねております。

しかしながら、推進機構の立入検査活動において、去年12月にも立入検査の妨害事案が発生した他、妨害には至らないまでも、それに近い事案もあったと承知しております。立入検査を妨害するような行為は、不正改造の根絶を目指す業界全体の取組みに真っ向から背を向ける行為であり、断じて許されるべきものではありません。このような事態が継続して発生していることを業界としても重く受け止め、再びこのようなことが起こることのないようパチンコ業界全体における不正改造対策への意識改革を行うとともに、推進機構の活動についての周知徹底をお願い致します。警察といたしましても、引続き推進機構と積極的に連携をしつつ、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

次に、遊技釘の問題についてお話しします。

釘を曲げるなどして検定や認定を受けた遊技機と異なる遊技性能を創出することについては、悪質な不正改造事案であるのはご承知の通りでありますが、依然として同種事案の発生に歯止めがかからない状況にあります。

特に現在、パチンコ遊技機市場の大半を占めるデジパチについては、大当り抽選が作動する中央始動口のみを入賞させるよう、両脇その他の一般入賞口に玉が入らない仕様に改造する釘曲げ行為が懸念される状況にあります。具体的には、現在、市場に出回っているパチンコ遊技機について、検定を取得したときの設計値によれば、一般入賞口に入る玉数は10分間に数十個、1時間に数百個がコンスタントに入る性能となっていますが、この性能を有する遊技機の一般入賞口に玉がほとんど入らなくなっているとすれば、極端に性能が改変させられた遊技機が営業の用に供されていることとなり、異常な事態であると言わざるを得ません。

そのような状況を改善すべく、本年6月から推進機構の検査活動として「釘に関する遊技機性能調査」を実施していただくこととなったのは、先月通知をした通りであります。この釘の問題については、曲げれば不正改造というだけの単純な問題ではなく、遊技性能、すなわち遊技機の射幸性の適正管理を侵害するというパチンコ営業の規制の根幹を揺るがす問題であることを強調しておきたいと思います。

ご承知の通り、釘は遊技機の性能に直結する重要な部品であるため、釘の角度や方向等を変更することは、検定を受けた型式の性能を改変することに他ありませんが、過度に偶然性に偏った遊技性能等、著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機として営業の用に供していることが見とめられれば、風営適正化法第20条第1項違反として行政処分の対象となります。この違反は当庁で定める量定基準では、営業停止の基準期間につき三月(さんつき)相当として、非常に重い処分となっております。

また、仮にメーカーがこのように著しく射幸心をそそる恐れのある性能を有した遊技機を、検定を受けた型式に属する遊技機として販売したり、不正の手段により検定を受けたり、遊技機取扱説明書の内容が正しく記載されていないことが判明した場合は、当該検定が取り消されるとともに、当該メーカーはこの先5年間、検定を受ける資格を失うこととなります。

このように、遊技機の射幸性の適正管理を侵害する違反が、非常に厳しい理由は、先ほど申し上げた通り、風営適正化法においてパチンコ営業を規制するうえで、射幸性の適正管理が制度の根幹のひとつであるからに他ありません。また、冒頭、射幸性の抑制の重要性を申し上げましたが、これを実行していただくための大前提は、当然のことながら射幸性が適正に管理されていることであります。射幸性の低い遊技機の開発・普及への取組みをいくら強調してみたところで、遊技客に遊技サービスが提供される時点で、不正に性能が改変されているのであれば、射幸性の抑制は有名無実となります。射幸性の適正管理なくして、射幸性のさらなる抑制なしであります。

貴協会におかれましては、釘の問題が不正改造事案であるばかりでなく、パチンコ営業における射幸性の適正管理を侵害するという制度の根幹を害する事態であるとの認識に改めていただき、貴協会が業界横断的組織であるという立場から釘に対する健全化対策を業界をあげた取組みとして、率先して推進していただきたいと思います。

目指すべきは、検定を受けた型式と同じ遊技性能を有する遊技機が、全国ホールの営業の用に供されることでありますが、その実現に向け、本年6月から開始された推進機構の「遊技機性能調査」をきっかけに、必要があればその結果も利用しながら、ホール団体としてやるべきことは何か。また、メーカー団体、販売業者団体としてやるべきことは何か。貴協会が是非ともリードをしていただき、改善に向けた取組みを早急に検討、実行していただきたいと思います。

今後の業界の成熟のためにも、推進機構からの警察への通報制度が開始された以降の警察の摘発により、健全化が図られるものであってはならないと考えております。

次に、遊技機の設置や部品変更に伴う適正な手続きの徹底についてお話をします。

風営適正化法令においては、ホールに適切な遊技機が設置されるよう、遊技機設置や部品交換時の変更承認手続きにおいては、メーカー等が作成した保証書の添付が義務付けられているのはご承知の通りであります。しかしながら、昨今、検定を受けた型式に属さない遊技機がホールに設置されるケースや、部品交換時の保証に必要な点検確認が適切になされていないケースなど、保証書に関する取扱いが適正に実施されていないのではないかと疑われる事案が立て続けに発生をしており、流通過程における取扱い業務の健全化の精神が業界内で風化しているのではないかと危惧しております。

そのため、この保証書の取扱いについて、今一度少し詳細にお話しをさせていただきたいと思います。

まず保証書で何を保証しているのかということですが、ホールに設置されようとしている遊技機や部品交換により変更された遊技機が検定を受けた型式と同一であることを保証します。すなわちこの保証がなければ、変更承認申請を受けた都道府県公安委員会としても、申請対象の遊技機が検定機であるか否か判断ができない、ホールの営業の用に供してよい適正な性能の遊技機か否か判断ができない、ということでありまして、その意味でこの保証の問題も、先ほど釘の問題でも申し上げました遊技機の射幸性の適正管理の問題であるということができます。どうか、このことを軽く考えないでいただきたいと思います。

変更承認を要する場合として新台入替え、中古機入替え、部品交換の3つがありますけれども、そのうち中古機入替えの保証の実務としては、業界全体で取り決めている中古遊技機流通健全化要綱に則り、遊技機取扱い主任者の資格を有する者を従業員とする販売業者において適正に遊技機の保証行為が行われるよう、厳格に中古機流通制度が運用されることにより、メーカーでない者が中古機入替えの保証を行うことが可能となっているものであります。

一方で、新台入替えの保証については、当然メーカーによる保証となりますが、昨今、ホール設置前に不正改造される事案など、検定機と異なる遊技機が設置されてしまう例が散見されるのはご承知の通りであります。その原因のひとつは流通過程の複雑化にあると考えております。つまり、メーカーの発送からホールに設置されるまでの間において、メーカーと委託契約などをした販売業者、運送会社、設置会社、それらの下請け会社というように数多くの関係会社が介在するのが一般的な流通形態となっております。特に遊技機客やホールに人気があり、販売台数が多くなる機種ほど、孫請け会社などを含め、それらの関係会社の数が膨れ上がることとなり、当該メーカーが把握もできないような状況になりがちで、そのような人気の機種ほど、不正改造がされやすい傾向にもあります。

このような状況において、はたしてホールに設置されようとしている遊技機一台一台についてメーカーが適切に保証を行えているのでしょうか。メーカー保証の現状は、中古機流通制度における販売業者による保証行為よりも劣っていると言わざるを得ないのではないのでしょうか。

また、部品交換のメーカー保証についても同様の問題をはらんでいることに加えて、部品交換により変更された遊技機が検定機と同一であることの点検確認がなければ、適切に保証ができないという課題も抱えております。

このように新台入替えと部品交換における保証については、メーカーの名のもとに行われるべきであるとは言え、メーカー単独での保証行為が困難な現状にあるのであれば、適正に保証が行われるためには新台入替えと部品交換の保証についても、中古機流通制度のような厳格な制度管理として新台流通制度や部品流通制度が新たに必要なのではないでしょうか。

少なくとも、保証行為において不正や不備があった場合には、保証名義人が責任をきちんと負うことが明確にされている必要があると考えます。このようなメーカー保証に関する制度については第一義的にはメーカー団体により検討作成されるべきものでありますが、貴協会におかれましては遊技機販売業者登録制度や遊技機取扱主任者制度について有する知見からメーカー団体の検討に協力するなどして、保証に関する厳格な制度設計を構築することにより遊技機の射幸性の適正管理を実現していただきたいと思います。

次に、広告宣伝等の健全化の徹底についてお話を致します。

広告宣伝等に関する違反については、依然として特定の日に特定の遊技機を示しイベント開催を告知して射幸心をあおるものや、釘を開く等の違法行為の宣伝に関するものが発生している他、限定会員のみが閲覧できるWeb媒体や隠語を用いた伝達手段により、規制の目をかいくぐろうとする悪質な事案も把握しております。

現在、のめり込み問題対応ガイドラインを策定するなど業界をあげて、のめり込み対策を進めている一方で、このような著しく射幸心をそそるような広告宣伝等が根強く行われていることは残念でなりません。

皆様方におかれましては、さらなる広告宣伝等の健全化を徹底することはもとより、のめり込み対策とあいまって射幸性に頼らなくても遊技機客が気軽に楽しめる遊技環境を創出する機運を業界に根付かせることにご尽力をいただきたいと思います。

最後に、ホールにおける置引き対策についてお話します。

置引きにつきましては、認知件数の総数が減少するなかで、パチンコ店における置引きの認知件数が近年、高水準で推移していることは去年2月に発出した指導文書の通りでありますが、去年の発生状況についてもパチンコ店内の置引き認知件数が、引続いて全体の20%を超えており、改善の兆しが見えない厳しい状況にあります。業界団体としましても本年3月、21世紀会として置引き防止マニュアルを策定していただきましたが、置引きの発生に歯止めを掛けることができるかどうかは、今後のホールの現場における運用に掛っております。

貴協会におかれましては、マニュアルの策定に満足することなく、これをいかんなくホールに浸透させるとともに、ホールがより効果的に活用できるよう必要に応じてマニュアルの改訂も視野に入れながら、さらに強力に防止対策を推進していただきたいと思います。

パチンコ産業は遊技人口が減少しているとは言え、非常に多くの方々が参加している遊技産業であります。冒頭、申し上げましたように、現在のパチンコ業界を取巻く環境は、非常に厳しいものとなっております。そのような状況の中、毎年のように行政から指摘される違法行為が根強く敢行され続けるパチンコ業界は、今や岐路に立っていると感じております。

日遊協を始め、業界の皆様におかれましては、是非とも、行動を起こしていただくとともに、その結果を示していただきたいと思います。例年お話する講話を講話のままで終わらせてしまうのではなく、今日から動き出すことを期待しております。

課題は山積しておりますが、射幸性の抑制と適正管理の実現を最優先課題として位置付けるとともに、その他の課題についても一つ一つ、真摯に対応していただくことはもちろんのこと、その結果が世間から評価されるということにこだわっていただきたいと思います。その実現なくして、パチンコは健全な遊技たり得ないと考えます。

今後のパチンコ業界の皆様のご努力に期待致します。

カテゴリー: その他,パチンコ

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