第65回 2017年末の新店を評する(1)

業界のご意見番・小森勇の一喝 第65回

~2017年末の新店を評する(1) ~

 

2018年が始まりました。

そろそろ《2017年末の新店》はどうだったのか?という分析が出ても良さそうですネ。
ところが人間というモノは“前に前に”行くことで頭が一杯で、実は直近の“総括”というモノは、案外しない!のが通常です(笑)。
勿論“総括”とは言っても、年末の新店が出来てオープンして、まだ高々一カ月ですので、この時点で“成功だった”“失敗だった”と軽々に結論付けることは厳に戒めなければなりません。

しかしながら、国会議員の当落予想にも似て、グランドオープンからの「出だしぶり」を周辺マーケットとの絡みでじっくり見れば、ほぼ「今後の」稼働推移もかなりの確率で“外れ無く”予想し、現状での“成功度合いの評点”を付けることは出来るのです。
早速、第一回目の観察と評価をスタートさせましょう。
まだ新店を全て回り切れていないので、第一回は、何と云っても年末2日間だけで〈16店舗〉を一挙にオープンさせた「D’STATION」のうち、福岡県内の4店舗だけを多少とも分析してみようと思います。
残りは(2)以降です。

❶ D’STATION(※以下「Dステ」と略させて頂きます)=㈱NEXUSさんが昨年暮れに一挙16店舗をオープンさせた一覧は以下の通りです。

➀「スーパーDステ福岡本店」  (1200台) 福岡県糟屋郡郡粕屋町
②「スーパーDステ伊都」    (1040台) 福岡市西区、 ※JR「九大学研都市駅」徒歩2分
③「スーパーDステ筑紫野」   (1640台 福岡県筑紫野市
④「Dステ福重」        ( 940台) 福岡市西区
⑤「スーパーDステ女神」    (1200台) 長崎市
⑥「スーパーDステ諫早」    (1120台) 長崎県諫早市
⑦「スーパーDステ佐々インター」(1020台) 長崎県佐世保市
⓼「Dステ佐世保南」      ( 795台) 長崎県佐世保市
⑨「Dステ大野」        ( 616台) 長崎県佐世保市
⑩「Dステ松浦」        ( 720台) 長崎県松浦市
⑪「Dステ大村」        ( 669台) 長崎県大村市
⑫「Dステ長与」        ( 834台) 長崎県西彼杵郡長与町
⑬「Dステ姫路」        ( 903台) 兵庫県姫路市
⑭「Dステ妙典駅前」      ( 609台) 千葉県市川市 ※東京メトロ東西線「妙典駅」前
⑮「Dステ前橋エキータ」   ( 762台) 群馬県前橋市 ※JR両毛線「前橋駅」北口
⑯「Dステ仙台泉」       ( 840台) 仙台市泉区

こうして見てみると、九州の西端~東北仙台までの1000km超の拡がりにただ驚くばかりです。
恐らくDステ様の幹部の方でも、この16店舗全店を廻られている方は、恐らく10人はいらっしゃらないと思います。それくらい“難行”です。

戦略的なロケーションとしてこの16店舗を見る場合、⑮の「前橋エキータ」店以外は大変素晴らしい出店場所ばかりだと、これまた感心致します(※⑮については後日見解を述べさせて頂きます)。

 

━福岡4店舗の視察時の状況━

 

❷ まず福岡県の4店舗ですが、総じて《上手くいっている》と感じます。
今後余程早く回収にかからない限りは、当分は好調を維持していくのではないでしょうか

 

➀ 「福岡本店」
真隣が「ワンダーランド福岡東」(823台)ということで、九州進出にあたり敢えて「本店」と銘打ったと思います。
ワンダーのこのお店は“九州の王者”ワンダーさんの中でも昔から指折りの強豪店として有名です。
だからDステになる前の「P・ZONE」の時も、いくらワンダーを上回る1200台ではあっても、通常200人くらいしか入らず、ワンダーに人数で“勝った”事は一度も無かった筈です。
それだけにグランドオープン前の昨年11月あたりからの強烈な販促量(TV、ネット、SNS)で《Dステーション》という名前の浸透に心砕かれたと聞いております。
また福岡の人も概して《新しいモノの情報に敏感》かつ、福岡という伝統で《大のパチンコ好き県》という観点からしても、《関東方面からドバっと進出して来る新規企業》に対して関心が高まらない筈がありません。

※ただ注意しなければならないのは、《新しもん好き》の反面、根っこは非常に“保守的な県”であるので、既存の強豪店のお客を本当に“奪う”のは案外苦戦する、という同時二面性を弁えておかねばならない事です。
ですから本当の意味で福岡で成功しようと思えば、初っ端のインパクトだけではなく、何波にも亘って“太かこっ、ごたる”パフォーマンスを見せなければならない!訳です。
ちょっと誤解を招く云い方かもしれませんが、《あん店はコンピュータで遠隔ば、やっちょる!》と云われる位のインパクトが必要といえば必要なのである(笑)。
今のところ、以前のスカスカだったP・ZONEのイメージを変えてしまう事には成功しているので、一安心と云うところでしょう。

 

② 「伊都店」
2008年春にグランドした「FACE830」(当時844台)に“ぶつける”カタチで、翌2009年夏に「P・ZONE伊都」(当時1200台)として開店した当時が思い出されます。
当時九大キャンパスがココから更に西にできるということで、出来たての九大学研都市駅を降りたら丸見えのP・ZONEでした。
そのためFACEさんは目隠しされて駅からは見えなく成ったので、当時おそらくFACEの福山社長は“めっちゃ”怒られたことと推測します。
しかしながら出玉放出力では負けないFACEの本領発揮され、P・ZONEはあえなく2割稼働以下に“撃沈”しておりました。

この“負け犬”P・ZONEのイメージを、新規のDステが崩してしまえるのか?が最大の見どころです。
げんにFACEさんもDステ“迎撃”のため1週間ほど休んで、906台➡1030台へと更に増台され、12月28日の“決戦”の日に「スーパーDステ」vs「メガFACE1030」の同日オープンという、九州人にとっちゃあ涙が出そうな位のSHOWを、この九大学研都市駅周辺で繰り広げてくださいました。
※FACEさんはすでに昨年夏、宗像店(1490台)の真隣に、大阪の「スタジアム2001」(900台)を“ぶつけられ”、かつ優位にディフェンディングしている、という“実践”をご経験済みですから。

両店の遊技台数は「スーパーDステ」が1040台、対する「メガFACE」は1030台と、台数だけ見れば僅か10台の差。
しかし「スーパーDステ」の方はPS共に《各台計数で玉・コイン積み無し!》なのに対し、「メガFACE」の方は(低玉を除き)基本《玉・コイン積み!》という対照的なスタイルです。

またスロット台数だけ見ると、「スーパーDステ」の400台(5スロ有り)に対し、「メガFACE」の方はSが502台で全て20円スロットのみ!という強気の営業です。
スロットの機種構成を見ても、「スーパーDステ」は、沖ドキ30φが無く、KINGハナハナ30φが40台、GOD凱旋40台、バジ絆20台、番長3が20台、ジャグラー系102台、といったラインナップに対し、「メガCFACE」の方は、沖ドキ30φが67台、GOD凱旋21台、ハーデス9台、バジ絆32台、バジⅢ20台、番長3が40台、政宗2が8台、ジャグラー系207台、そしてパイオニアの30φ無し!と成っています。

こうしてみるとスロットでは、「FACE」の方が「Dステ」を基本的に“包み込んでいる”と云っても良いかと思われます。
しかも「Dステ」はコイン積み無しです。
この機種構成を見ただけでも、メガFACEさんが、西区の“牙城”を“死守”せん!とばかり、半端ではない“気合い”が入っている様子が観てとれると思います。
さてや、福岡を代表するFACEさんの気迫に対し、“挑戦者”Dステがどこまで新規出店の勢いで迫ることができるやら?今後3月位までの“マッチプレー”ぶりに注視を続ける必要がありそうです。

 

③ 「福重店」
940台も有るのに敢えて“スーパー”の冠を被せてはいません。このあたりは何と生真面目といいましょうか。
この店は或る意味“最高の立地環境”の中にあるお店と云えるかもしれません。
福岡都市交通の高速道路の下を走る〈外環状線〉と、国道202号線の交差点にあり、しかも店の周辺2km圏内は皆住宅地で人口密集です。
ただ高速の真横過ぎて、高速の陰に店が隠れて見えるのが難点と云えば難点でしょうか(笑)。

この福重店の最大のライバルは、2.5km北の海側に構える「ワンダーランド小戸&小戸Ⅱ」(合計台数は1437台)です。
このワンダーさんは毎月の稼働データでも常に九州のベスト5には必ず入るという超優良店です。立地やアクセスの点でも、両者は五分の引き分けでしょう。
営業スタイルでみても、「Dステ」は(伊都店と同じく)PS共に《玉・コイン積み無し!》なのに対し、「ワンダー小戸」の方は《玉・コイン積み》と、これまた対照的。
しかもワンダー小戸の方は、低貸し無し!なぜなら直ぐ傍に低貸し(1円&5スロ)専門の「小戸Ⅱ」(648台)が有るからです。
したがって、ここでも“新規店舗だ!”と云うだけでは、既存の“王者”=「ワンダーランド小戸&小戸Ⅱ」に“勝つ”のは至難と云えましょう。
出玉力では九州の王者ワンダーの名声と、何十年ものプレイヤーへの擦り込みに勝てないと言った方が良いかもしれません。

さて「Dステ福重店」、2年後に人気のスロット機がライバル店からも無く成る事を見据えた中期的な戦略戦術をたて、それを着実に実行に移していけるかどうかが、ここでも問われます。

 

④ 「筑紫野」
福岡Dステの最後のお店は、1640台です。
かつて2004年1月時点では、その同年4月の「日拓エスパース歌舞伎町」(※2館をくっつけ当時2011台)、同年12月の「パラッツオ鳩ケ谷」(当時2026台)が追いかけてくるまでは、日本一の超巨艦店として全ての業界誌がこぞって追いかけたものです。
しかし福岡市内ならいざ知らず、ここ筑紫野市ではやはりどうしても規模が大きすぎたと思います。
しかしこれ位インパクトのある大きさにしないと、北の太宰府市や、南の小郡市、鳥栖市からお客を引っ張れないと考えただろうことも、また事実でありましょう。
当時できて1年後の2005年だったかに覗きに来た頃を思い出します。
あんりゃま~、田村設計の田村先生、1000台に飽き足りず、遂に2000台の世界に突入ですか!?と、にんやりしたものです。

さてこの店が「スーパーDステ」に“変身”するに当たって、台数の方はどう成ったでしょうか?ここは流石に星野会長、意地や面子で2000台に拘るのではなく、1640台とゆったり目に改装を施して筑後地方に旗を挙げました。
というのも2004年当時ならいざ知らず、その後福岡市内にも1000台クラスの強豪大型店が次々と出来て、その結果この筑紫野市で2000台クラスで“突っ張る”必要性は大いに減ったと思われるからです。
とは言っても、この筑紫野という市は、北は巨大ベッドタウンの大野城市、南は筑後地方の入口に成る鳥栖市や小郡市という戦略的重要性から、1640台という規模に落着したのであろうと推測致します。

さてこの「スーパーDステ筑紫野」も、PS共に《玉・コイン積み無し!》のスタイルで徹底しています。
結局今回P・ZONEをM&Aしてグランドオープンした福岡県内の4店舗のうち、玉積みしているのは、「スーパーDステ福岡本店」のみという事に成ります。
恐らく推測ですが、福岡本店のある糟屋郡粕屋町周辺のマーケットは、真隣の「ワンダー福岡東」(823台)だけではなく、「マルハン二又瀬」(760台)も存在するという、三つ巴の“厳しさ”を想定に入れられて、出玉感にもこだわり、敢えて《玉・コイン積み》を選択されたのだろうと思います。

 

❸ ちょうどこの原稿を書き終える頃、大好きな『enterprise』による頭数稼働率データを友人から届きました。
1/9~1/17までの9日間のデータのようです。それに拠ると・・・
・スーパーDステ福岡本店     54.9%
・スーパーDステ筑紫野      50.5%
・Dステ福重           45%
・スーパーDステ伊都       36%
と云う事らしいです(※大体の目安と捉えたほうが良いとおもいますが)。

正月営業が実質1/8(月)まで続いた事を考えると、正月明けの反動による落ち込みを考えても、この稼働状況は上々と云うべきではないでしょうか。
ただ、ひとつ心配であった「伊都店」については、FACEさんが店休をけっこう取られて1030台へと大幅増台されて、しかも12/28に同日オープンされたという“九州らしい”戦いのあおりを受けて、やや“苦戦ぎみ”なのが気に成ります。
今後の各社の《福岡ぱちんこの盛り上げ方》に大いに期待して、また3月頃にもリサーチしたいと思います。
連載第一回目をこのあたりで終えたいと思います。

 

▼Dステーション福岡本店

▼スーパーDステーション伊都

▼Dステーション福重

▼スーパーDステーション筑紫野

▼ワンダーランド小戸ⅰ

▼ワンダーランド小戸Ⅱ

▼MEGAFACE伊都

カテゴリー: ニュース,パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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