第66回~2017年末の新店を評する(2)~

業界のご意見番・小森勇の一喝 第66回

~ 2017年末の新店を評する(2) ~

 

 

昨年末の新店評価の第二弾は《岐阜市》です。
※実はこのsiteの中の『小森黄門ちゃまの業界漫遊記』で、

〈145号上越〉

〈146号横浜西口〉

〈147号仙台市泉区〉

〈148号姫路北部〉

を既に掲載していますが、内容的には今思えば、昨年末の新店評価と云えなくも有りません(笑)。
しかし今さら、同一エリアを新店の細かい分析で重ねて論評することもナンですから、この『一喝(66)』は、まだ今年に入って取り上げてはいない<岐阜市>にしたいと思います。

岐阜市と云えば、思い起こせば“岐阜六条戦争”とまで云われ、全国の注目を集めた2006~2007年が思い出されます。
あれからもう11年も経つんですね!
当時名古屋では“1000台店を巡るツアー”が田村設計さん等によって企画実行されていた訳ですが、その1000台ブームがこの岐阜にも“伝染”したのみならず、岐阜六条の「KEIZ」さんと「マルハン岐阜六条」さんとの距離は400m強しかないという事からも、余計注目を浴びた訳です。

その後の岐阜市周辺では、更にそれから6年経った2012年末の「ZENT市ノ坪」(1012台)と、隣の各務原市で2013年4月に「ZENT各務原」(808台)が連続して開店するという出来事があり、その後はここ5年程“静か”だったのではないか、と思われます。
そうしますと今回、昨年末12/30にまたしてもここ岐阜六条にグランドオープンされた久々の新店も、この岐阜のトレンドに沿って、5~6年に一度は起こる“岐阜異変”の伝統を正しく引き継いでいると云えましょうか(笑)。

 

❶ 〈認定申請中の機械は、原則的に認定通知書が届くまではチェーン店移動もできない〉という特異な環境の中での大型グランドオープンが、この岐阜県岐阜市でありました。
言うまでもなく、㈱ダイハチさんの「VEGAS1200岐阜六条」です。
場所はと云えば「KEIZ」さんの道路挟んだ対面で、なんでも元:東洋健康ランドの跡地とか。
「VEGAS」さんと「KEIZ」さんとは、将にKEIZさんの本社所在地の多治見市でもまともに“ぶつかり合った”仲のはず。
両社はなにか因縁でもあるのか?と勘繰りたくもなります。
そしてまたしても“戦場”は岐阜六条ですか・・・これによって、東から「VEGAS」→「KEIZ」→「マルハン」と3つの巨艦店が一列に並び、その距離はたかだか500m強という接近戦。
こりゃ中京人の血を沸き立たせる要素は充分にありますね。

思い起こせば15年前の岐阜六条周辺と云えば、「BIG MAX」と「キクヤ」と「花まる屋チョコ茜部」の3店が仲良くやっているだけの、何と云う事は無いマーケットだったのに、今は「キクヤ」は撤退し、「BIG MAX」は低玉・低スロ専門館になってしまい、「花まる屋チョコ」はかつて超優良店だったのに、今は2パチ、10スロ専門店として往時の影は微塵も残っていません。
15年間でこれだけ変わってしまうと云うのも、“モノのあわれ”を通り越して“悲惨”な変化と言った方が良いかもしれません。

では、VEGAS1200オープン前の《岐阜六条》は、「KEIZ」さんと「マルハン」さんの2つの大型店で“鉄板”の守りだったかというと、どうもとてもそんな風には見えません。
とすれば「VEGAS」さんにも十二分に【岐阜市一番店】になり得るチャンスがアリ!と云う事に成ります。
ここのところが、非常に重要なポイントだと思います。

 

━新店の是非に関わる重要な人材と組織力━

 

❷ それはどういうことか?
実は㈱平成観光(=「KEIZ」)さんも、㈱マルハンさんも、岐阜市内では決して《TOPブランド》ではないと思われる事です。
というのも、2004年に名古屋市港区に「KEIZ港」を華々しく開業され、その後もこの「KEIZ岐阜六条」(2006年)、岐阜県美濃市の「KEIZ美濃インター」(2007年末)、名古屋市緑区の「KEIZ大高」(2010年)と次々と成功店を出店された頃は、中京地区有数の勢いのある企業と云ってよかったと思います。

ところが“或る事があって”岐阜の中津川店を閉店されて(→千葉のHAPSさんに譲られた)以降は、何故か出店される大型店が今一つの状況であったと、外部からは観察されます。
恐らく推測ですが、その原因は《組織の問題》にあるのではないか?と思います。
昔の様に“ジャンジャンバリバリ”やり手の店長(係長)さんがお辞めになられたか、社外へ流出されたのではないでしょうか。
いわゆる《幹部の流出》ですね。それが良いか悪いかは別として、やり手の幹部が減ってしまうと、たとえどんな大手企業であろうとも《勢いは確実に減退》します。

同様の事は、現在のマルハンさんにも云えるのではないでしょうか?
全国を廻っていて感じることですが、300店舗に近づくあたりから“手の付けられない程強い”マルハン店舗というのはかなり減ってきた様に感じます。
自分の知り合いの企業さんたちにも“元マルハン”の店長、マネージャーだった方がかなりの数お見えです。
ここ岐阜六条のマルハン店舗もグランド時から、非常に外観におカネをかけて造った店舗な訳ですが、当初から「ぱちんこ店らしく無く」結婚式場のようにも見える、という地元ユーザーの声を聞いた事があります。
さて、ネットの大普及とともに、人材の他企業への流出も相当数起こっている今日この頃ではないでしょうか。

上記の事が、たまたまこの岐阜市においては、KEIZ&マルハン両社に顕著に見られるという偶然が重なったところへ、丁度ダイハチさんの「VEGAS1200」の進出という11年ぶりの出来事が起こっている!というのが客観的な状況分析と成りましょう。
こうなるとあとは、「VEGAS」さんの組織しだいと云えるかもしれません。
月並みな云い方になるかもしれませんが、情報の集積・分析力、そして直ちに決定して、即100%実行に移す行動力、と云ったところでしょう。

 

❸ つまり、総じて現在の岐阜市内においては“絶対的一番店”と云えるものは存在していない?という事ではないでしょうか?
と云う事は、岐阜市周辺も含めて、小エリア毎に中心となる店舗は存在するものの、圧倒的な一番店はこれまでの推移で存在しないまま、「VEGAS」のグランドを迎えたという総括をしてみたいと思います。

では岐阜市以外での周辺の強豪注目店と云えば、どこが挙げられるのでしょうか?
小生の知る限りでは、
東の各務原方向では    ➡➀「グランワールドカップ各務原」(1120台)
西の瑞穂市・本巣市方向では➡②「キクヤ穂積」(1202台)③「グランワールドカップ本巣」(1200台)
南は木曽川を越えてP店集積の➡愛知県一宮市
あたりの大型店の存在により、皮肉にも“岐阜市一極集中”という事態に成る事が免れられている、という事ではないかと思われます。

では、岐阜市内での小エリア毎の中核店というものは存在するのでしょうか?
小生の拙い知識と経験では、
岐阜駅 ➡東の各務原市方向にある④「ZENT市ノ坪」(1012台)
➡西の本巣市方向にある、⑤「キクヤ島」(888台)
の2店が優良店ではないかと推定されます。

ちょっとコメントを加えさせて頂きます。
➀③の「グランワールドカップ」さんは、元々鳥取県のホール企業ですが、10年位前から岐阜県に早々と大型の拠点を築かれて成功されている、“稀有”な企業の事例となります。
或る意味、豊橋市本社の『がちゃぽん』=㈱立岩さんが、南は鹿児島から、北は北海道の帯広まで約2000km近くも離れた店舗を展開されて成功されているのに似ています。
専務さんが岐阜県に張り付いておられる事で上手くいっているのだと思われます。

②⑤の「キクヤ」さんは言うまでもなく、30年前から(「MAX」=㈱敬愛さんと共に)岐阜を代表する、岐阜駅前本社の老舗企業であることは論を俟たないのですが、岐阜市内の柳ケ瀬店、柳津店、六条店、岩田店、又丸店などの中型店を次々に閉めたり、他の企業に物件を貸したり・・・と、とにかく“見切り千両”の天才的企業と云っても過言では無い企業さんです(笑)。
そうした中で3年前の2014年9月に瑞穂市の大型ショッピングセンター内にオープンした②「キクヤ穂積」が非常に好調で、全国のキクヤさんの中でも最高のお店に仕上がっています。
⑤の「キクヤ島店」は7年前には、444台の中型店だったものが、今回気が付いたらいつの間にか丁度2倍の888台の大型店に“変身”していました。
恐らく次に記す2012年の「ZENT市ノ坪」が出来るあたりに“大増台”を仕掛けられたのではないか?と推測します。
それもまた大正解だったことでしょう。

④の「ZENT市ノ坪」は、5年前の年末に、激戦区である〈六条〉を避けるかのように、幹線道路で云えば(国道21号線を避けて)、富山に向かう国道156号線沿いに出店したものです。
非常に細長い敷地の形状ながら、5年ぶりに覗かせて頂いた際も“安定した”稼働を維持しているようです。
何と云っても激戦区の〈六条〉から5.5kmも離れている!という地理的要因が大きいのではないでしょうか。
あとは何と云っても善都さんの《組織の強さ》でしょうね。
聞くところでは善都さんは、組織の離脱者は非常に少ないとのことです。

 

━機種構成で見る強豪店━

 

❹ さて最後と成りましたが、新店の「VEGAS1200岐阜六条」(1200台)についてコメント加えさせていただきます。
経営される㈱ダイハチ様とは親しく付き合わせて頂いた訳では無いので、あくまでも外形的な批評と成ります。

この企業に注目したのは2011年にJR岡崎駅西口に800台の新店を出されていきなり成功された時でした。
立地的には決して岡崎市内の良い場所とは思えない所だっただけに驚きでした。
その後は、3年前の2015年春の長野県安曇市の「VEGAS1200」、同年盆前に大阪府に進出された「VEGAS1700枚方」、そして2017年3月、長野市への「VEGAS1300」へと、怒涛の様な“進撃”で全国のパチンコ関係者の注目を一斉に浴びたわけです。
前作である長野の「1300」が相当苦戦されたみたいなので、《すわ、今度の岐阜や如何に!》と、否応なく関心を持たざるを得なかったわけです。
視察した先週月曜の15日の午前中の感想では、何とか“岐阜市内の一番店”の座を維持することが可能だと感じました。
「機械力」で全てが決まる訳では毛頭ありませんが、VEGASさんは、岐阜県内での認定済み機の移動ができる他の店舗をお持ちなので、モノの見事に人気の集客マシンが導入されています。具体的に見ていきます。
※あくまでも20円スロット、4円パチンコでの機種比較のみですが・・・

【VEGAS1200岐阜六条】
(スロット)「沖ドキ30φ」68台、「GOD凱旋」18台、「HADES」20台、「バジ絆」19台、「番長3」38台、「ハナハナ30φ系」合計96台、「ジャグラー系」合計40台・・・
(パチンコ)「大海4」41台、「沖海4」40台、「真・北斗無双」37台、「真・花の慶次2」41台、「牙狼GOLD STORM」41台、「F.ガンダムR」10台・・・

【KEIZ岐阜六条】
(スロット)「沖ドキ30φ」72台、「GOD凱旋」9台、「HADES」9台、「バジ絆」18台、「番長3」12台、「ハナハナ系」合計69台、「ジャグラー系」合計25台・・・
(パチンコ)「大海4」36台、「沖海4」36台、「真・北斗無双」36台、「真・花の慶次2」36台、「牙狼GOLD STORM」18台、「F.ガンダムR」36台、「地獄少女」18台・・・

【マルハン岐阜六条】
(スロット)「沖ドキ30φ」40台、「GOD凱旋」8台、「HADES」8台、「バジ絆」16台、「番長3」14台、「ハナハナ系」合計80台、「ジャグラー系」合計29台・・・
(パチンコ)「大海4」7台、「沖海4」7台、「真・北斗無双」18台、「真・花の慶次2」18台、「牙狼GOLD STORM」5台、「F.ガンダムR」18台、「地獄少女」8台・・・

如何でしょう。こうしてみてくると、機械の主力機種構成では殆ど“同質競争”であって、ただし、台数では「VEGAS」さんの方が、他の2店のライバル店を“包み込んでいる”様子が観てとれると思います。

 

❺ さてさて、今後如何にこの岐阜マーケットが沸いていくのか?また人気店の序列は如何に成って行くのか・・・現時点で軽々に論評することは厳に慎まなければなりません。
ただ、前回の福岡に於ける「Dステ」さんのスタートの場合と同じく、「VEGAS」さんは、先ずは上々のスタートを切られたという事は云えると思います。

まもなく、遊技機規則が変わり、「出玉性能」に関して今後は現状より更に“下がり”更に過去4年間ほど新店の成功を“裏打ちして来た”スロット5.0号機の“高射幸性機”が、あと2年強で市場から消えて無くなる!・・・という事が見えていて、今後新店を出店しても“意味無いんじゃないか?”的な空気が、ホール企業オーナーに蔓延している中にあって・・・たとえそれがM&Aとか、同一県内での認定機の移動とか云った手段によるものであるにしても・・・。

新規出店をしていこうという考えは、決して“向う見ず”では無い、のではないか。
という事を、今回の「一喝」レポートでも感じ取って頂けたのではないでしょうか。

 

▼いつもながら外観のインパクトは強烈![VEGAS1200岐阜六条]

▼巨艦店[KEIZ岐阜六条]

▼強豪店[マルハン岐阜六条]

▼岐阜エリアの活躍目覚ましい[ZENT市ノ坪]

▼11年前のZENT出店時、2P専門店日本一とも云えるお店だったが…[花まる屋チョコ茜部]

 

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,店舗動向,注目ホール,注目市場

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