第68回 ~ 2017年末・2018年新年の新店を評する(総集編) ~

業界のご意見番・小森勇の一喝 第68回

~ 2017年末・2018年新年の新店を評する(総集編) ~

 

 

1月19日から連載を開始した「新店評価シリーズ」も今回で第4回目となります。
そこで今回は前3回をも含めた分析の総集編としたいと思います。

まず私がここで使う「新店」の定義をハッキリさせておく必要があります。「新店」とは・・・
ⅰ)まず、全くP店の無かった場所にP店が造られた、文字通り完全な「新規店舗」
ⅱ)同一敷地内での「建替え」「大幅増床」「店舗の一部分離」などは、新店とは見なさない。
しかし、同一市町村内ではあっても、元の建物とは別の敷地に新築で造る場合は、(たとえ以前の店と同一屋号であっても)「新店」と見なす。
ⅲ)逆に、いわゆる「居抜き」形態で、たとえ店名が全く変わらず以前の店名のままであっても、会社の吸収分割等によって、経営法人が全く第三者に成った場合は、経済活動的には「新店」であると云わざるを得ない
(※たとえお客の目には全く新店には見えなくとも)。

 

❶ 以上の「新店の定義」で2017年12月1日~2018年1月31日までの年末・年始の2カ月の「新店」はと云うと、(自分の計算では)全部で「53店舗」となる。
以下に、北は北海道から順に南にかけて順に書き出してみる。
※ 勿論これで全く抜けが無いとは言い切れないかもしれないが、
その節はお許しいただきたい。★印が、全くの「新規店舗」と云う事に成ります。

1. (北海道)★KEIZ手稲(1060台)
2. (北海道)アーリーバード弟子屈(235台)
3. (岩手)ESPASO盛岡(359台)
4. (岩手)★セントラル釜石(592台)   ※場所移転で新築
5. (岩手)INDY500花巻(432台)
6. (宮城)アムズガーデン古川(448台)
7. (宮城)Dステーション仙台泉(840台)
8. (福島)★マルハン矢板(560台)
9. (栃木)ライブガーデン宇都宮野沢(714)※栃木のデルグランド→五月女総合プロダクト㈱
10. (茨城)MAX坂東(504台)      ※山口商事㈱→福島の㈱ミナミ・エンタープライズ
11. (茨城)★二ラク常陸大宮(560台)
12. (群馬)★Dステーション前橋エキータ(762台)
13. (埼玉)ベルシティ ザシティ深谷(722台)※東京の福神商事㈱
→神奈川の㈱シティコミュニケーションズ
14. (千葉)国際センター七光台(238台)
15. (千葉)★Dステーション妙典駅前(609台)
16. (山梨)ニューアサヒ甲府昭和(700台)
17. (神奈川)★123横浜西口(657台)
18. (神奈川)キコーナ白楽(303台) ※東京の㈱ガイア  →アンダーツリー㈱
19. (神奈川)キコーナ大船(360台) ※クラブニューヨーク→アンダーツリー㈱
20. (神奈川)チャンピオン田名(482台)
21. (神奈川)デルーサMAX四季の森(576台)※大阪の㈱光輝グループの㈱座間グリフィン
→埼玉の㈱遊楽〈ガーデン〉グループ
22. (神奈川)デルーサ・ザ・MAX座間(777台)※大阪の㈱光輝グループの㈱座間グリフィン
→埼玉の㈱遊楽〈ガーデン〉グループ
23. (新潟)★メガGAIA上越(1568台)
24. (富山)カラット入善(416台)
25. (石川)LUCKY白山(336台)  ※京都の㈱ジョイナス→福井の㈱アレア
26. (長野)★がちゃぽん上田(647台)
27. (静岡)AAA榛原(447台)
28. (岐阜)★VEGAS1200岐阜六条(1200台)
29. (三重)キング777栗真(712台)
30. (滋賀)アネックス         ※京都の㈱ジョイナス→香川の㈱グランド商事系
パチンコステージ(400台)            の株グランド近江
31. (滋賀)アネックス         ※京都の㈱ジョイナス→香川の㈱グランド商事系
スロットステージ(508台)            の㈱グランド近江
32.(滋賀)泰豊豊郷ANNEX(480台)※京都の㈱ジョイナス →香川の㈱グランド商事系
の㈱グランド近江
33.(大阪)G-ONE南茨木(506)   ※東京のパラッツオ  →香川の㈱グランド商事
34.(大阪)G-ONE枚方宮之坂(468台)※東京のパラッツオ →香川の㈱グランド商事
35.(兵庫)Dステーション姫路(903台) ※岡山の㈱ゲンダイ →NEXUS㈱
36.(岡山)123+N岡山本店(1030台)※岡山の㈱ゲンダイ →延田グループ
37.(島根)★マンモス出雲(512台)
38.(高知)マルハン土佐道路西(640台)
39.(福岡)メガGAIA本城(832台)  ※元:FLAG & FRIEND→株ガイア
40.(福岡)A1宗像(402台)
41.(福岡)スーパーDステーション福岡本店(1200台)※㈱パラダイス全株をNEXUS㈱が取得
42.(福岡)スーパーDステーション伊都(1060台) ※       (同上)
43.(福岡)スーパーDステーション筑紫野(1640台)※       (同上)
44.(福岡)Dステーション福重(940台)      ※       (同上)
45.(長崎)スーパーDステーション諫早(1120台) ※       (同上)
46.(長崎)Dステーション大村(669台)      ※       (同上)
47.(長崎)Dステーション佐世保南(795台)    ※       (同上)
48.(長崎)Dステーション大野(616台)      ※       (同上)
49.(長崎)スーパーDステーション佐々インター(1020台)※    (同上)
50.(長崎)Dステーション松浦(720台)      ※       (同上)
51.(長崎)Dステーション長与(834台)      ※       (同上)
52.(長崎)スーパーDステーション女神(1200台) ※       (同上)
53.(大分)ダイナム大分中津(476台) ※元:ダイヤモンド中津

※よく最近話題となる「メガGAIA青森中央」(1315台)、「メガGAIA一宮」(1513台)、「スーパーコンコルド浜松市野(1506)は、元々あった場所での大幅増床ないし建替えなので、私の定義では「新店」には該当しません。
4.の「セントラル釜石」は建替え事例ではありますが、場所が移転しての新築なので、お客様的には「新店」と見えると思います。

という風に(自分の調べられる限りでは)なんと!!「53店舗」も新店が有ります。
単純な比較はできませんが、全日遊連に登録される昨年1年間の「新店」数が123店舗とありますから、その約40%強の新店が、この年末年始に“集中した”との見方もできるかもしれません。

 

❷ 正直云って、これは驚くべき数字です。
その理由は・・・

ⅰ)2月1日からの新規則(遊技機認定検定規則と風営法施行規則の2つの規則)の改正により、一般的に出玉がこれまでの2/3に“抑えられる”と云われ、オーナーのマインドが一般的には“冷え切って”いる中での、“新店ラッシュ”です。
ⅱ)現行機の「認定申請中」という、“身動き取りづらい”この時期に於ける、法人売買が多い!という事実。
ⅲ)集客力のあると云われている人気の「認定済みの」5.0号機は、同一県内の同一法人でしか設置の移動が出来ない!という(非常に稀な)制約の下での新規出店であることです。

上記の53店舗のうち、全くの完全新規店は「11店舗」ということで、たしかに例年に比べると少ないかもしれません。
しかし逆にこの残り「42店舗」は、法人売買とか、法人の吸収分割契約という、経済的価値の評価(Due Diligence)が伴う財務的作業が伴うことから、却って単純な店舗の売買よりも余計手間がかかり難しいとも言えます。
そういう意味で、上記計「53店舗」という数字に驚きを覚えざるを得ないわけです。

 

━この時期、この規則改正間近で新規出店すると言う判断は━

 

❸ という事は、この規則改正施行直前での「新店」の多さについては、次の様に分析できると思います。
▲お店を「売ったオーナー」(遊技機や設備内装譲渡を含む)からすれば、【規則が変わる直前の今がまさに売り時】。
◎お店を「買った法人」からすれば、この時期に売りに出る店舗は“程度の良い”店が比較的多くて、この時期を過ぎれば“再生しにくい”店舗が増えてくる事が分かっていて、買いを決断された。
――と云う事ではないでしょうか。

やはりこの業界は“逞しい!”と思いませんか。
1/31までの旧“現行機”を150万台近くも「認定申請」されたことといい、今回の「53店舗」の新店出店といい、決して「マイナスの風評」だけに右往左往する訳では無い!という事が、ここから看て取れると思います。
残念ながら自分はこのうち1/3位の18店舗程しか実際に見に行けていませんが、18店中の2店舗以外は“採算ベースに乗る”営業が出来ており、実はホッとしています。
やはりお客様は“元気のある”お店にバッチリ注目されています。

業界が“景気が悪い”と一般的に云われれば云われるほど、元気のある「新店」に余計注目される事が、今回明らかになっていると思います。
2016年盆前の「新店」の成功率が、おおよそ30%、2016年末の成功率が40%、2017年盆前の成功率がおおよそ55%であったことと比較しても、“打率”は「上がって来ている」と思います。

 

❹ そもそも「新規出店」の“成功or不成功”を規定する要因とはいったい何でしょうか?

ⅰ)稼働を“保証する”「良い」機械が数機種あることでしょうか?
ⅱ)ランチェスター戦略ではないけれど〈周辺競合店の1.7倍以上の規模〉のお店を造る事でしょうか?
ⅲ)出店するエリアの〈台当り人口が多くて〉、遊技台設置の余地がまだまだ〈ある〉エリアに出店する事で、成功の確率が上がる、という事なのでしょうか?

この点は、「いま」大変「難しくて」、「重要な」考察を必要とすると思われます。

■ほんの4~6年前の2012~2013年頃は、上記のⅰ)~ⅲ)において「YES」であったと思われます。
ちょうどマルハンさんが「横浜町田店」(1400台)、「千葉北店」(1151台)、「千葉みなと店」(当初1117台→現928台)、「東大和店」(1151台)を立て続けに出店された頃です。
とにかく、パチンコでは『海(うみ)』を確実に“稼働付け”し、スロットでは『ジャグラー』(中京エリアの一部にあってはハナハナ系)をバッチリ稼働付けでき、かつ1000台程の規模で周辺を圧倒すれば、ほぼ“成功”は保証された様なものだったと思います。
※もっと古い話になりますが、12~13年位前の「スロット4号機」の時代には、〈ミリオンゴッド吉宗、北斗の拳、番長〉等の人気SLOTをある程度以上確保できていれば、【どなたが為さっても】ほぼ90%の新店は、成功した時代もありました(笑)。

■しかし現在は、上記のⅰ)~ⅲ)の“必勝方程式”は【相当崩れている】様に感じます。
【機械さえ良ければ】という時代でもないし、
【規模で圧倒すれば】という時代でもなくなって来ている、
と感じます。
この新しい現象を、根底に於いて支える「原理」を考えてみましょう。

 

━新店の成功法則が崩れた今の考察━

 

◎2年程前までは、パチンコでは頭の中で無意識に“20,000発”位の出玉をどこかイメージして来店するかたが、少なくともミドル機ユーザーの3~4割はいらっしゃったのではないでしょうか。
しかしパチンコMAX機が無くなって「もう」1年以上経過しました。
スマホで、自分では到底処理できない情報が溢れるこの時代には、昔だったら「たった1年前」だったことが、【もう1年も経ってしまったのか】という感覚に逆転してしまいます。

◎もう一つの重要な時代の要因は、やはり「非正規雇用の拡大」と「勤労者の実質所得の伸び悩み」でしょう。
ホリエモンさんに代表されたような“一発逆転の人生”を夢見ることができないことが、社会一般に定着していますよね。
あれは小泉首相に代表された既存特権の破壊という社会世相の中で、いっときは風靡しましたが、あれからはや10年以上経過して、結局“一攫千金”なんて無いんだ!というなかば“諦め”ムードが日本社会を覆っています。
パチンコ業界も全くこの世相とパラレルで、「身の程に合った」出玉と遊び時間で事足りるという感覚が一般的になったのではないかと思います。

◎従って、TY8,000発とか、MY19,000発とかいう指標で以って、主流と成るお客様の満足度を測るという感覚も、既に【時代遅れ】に成って来ているのかもしれません。

 

❺ 思いますに、時代が恐ろしいくらいに日々変化しています。
高齢者も過半がスマホを利用し、LINEやTwitterで瞬時に情報が拡散し、容易に欲しい情報が手に入る時代です。
その分、従来のチラシを使った店のお披露目というスタイルはだんだん過去のモノと成りつつあります。
パチンコユーザーは、【今日、どの店で打とうか?】と検索する時代です。

こんな時代にあって大切な事は、日々お店の最新情報を更新できる【情報力】だと思います。
従って、たとえ1,000台超の遊技台数が無かろうとも、またスロットに於いては、世間では必須だろうと云われるマシンが仮に無かったとしても、それをカバーする『設定力』や、情報発信力に於いて優れていれば、「新店」はなんとか【成功】に導いていける時代に成った、と云うべきではないでしょうか。
2017~2018年の新店を見て来て、つくづくそのことを感じるしだいです。

 

 

▼パラッツオから取得してイメチェンした[G-ONE南茨木店]

▼外観がとても駅前店とは思いない程、斬新で派手。大成功の[G-ONE枚方宮之阪店]

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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