第69回~「規則」改正による「変化」よりももっと凄い「世の中の変化」~

業界のご意見番・小森勇の一喝 第69回

~「規則」改正による「変化」よりももっと凄い「世の中の変化」~

 

1.明治維新と似てきた、今のパチンコ業界

 

(その根拠)
ⅰ.明治2年に「版籍奉還」が行われ、封建制度上の藩主が無くなり、新たに県知事制と成った。
明治3年(1869年)に函館戦争が終結し、最終的に旧:徳川幕府残党軍の抵抗も終結、ようやく明治維新らしくなってきた。
しかし、「明治」という時代の日本の国家をどのように描いていくのか?その時点で明確なビジョンをもっていた日本人は、その時《誰もいなかった!》のではなかろうか。
討幕の最大の功労者=西郷隆盛自身が、そんなビジョンは持っていなかった。
(※ 司馬遼太郎の『翔ぶが如く』参照)

ⅱ.一般的には明治4年6月~6年(1872年)9月の、明治政府による正式な「岩倉欧州使節団」(岩倉具視、大久保利通、木戸孝允、伊藤博文ら)がヨーロッパを廻り、ナポレオン三世のフランスが普仏戦争で新興国=プロシア(プロイセン)に完敗し、時代の趨勢がもう既に「共和政治」→「国家資本主義」による富国強兵へと向かっている事を見てしまった事が、後の明治政府の富国強兵政策に決定的な影響を与えたと云われている。

ⅲ.しかし既に幕末1863~1869年にかけて、長州藩が(のちに)「長州ファイブ」と呼ばれる5人(伊藤博文、井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、井上勝)の若者をロンドン留学に送り出している。
※伊藤博文と井上馨の2名は下関戦争開戦の新聞を見て翌1864年に急きょ帰国。遠藤謹助は1866年、山尾庸三と井上勝は1869年に帰国。

ⅳ.幕末1865年に薩摩藩も、(薩英戦争に負けたことで)15名の若者をロンドンに留学させる。
※森有礼ら。15人の中にはロシア、アメリカに転留学した者もいる。なんと、ロンドン大学で、“敵”であるはずの薩摩藩の若者と接触・交流している。

ⅴ.明治2年(1868年)、西郷従道、大山巌、山県有朋らの軍人が、ヨーロッパの軍制を学ぶため訪欧。プロイセンの軍制を日本の基本にする構想を学んだと思われる。

ⅵ.明治5年(1871年)明治政府の司法省の西欧法制視察名目で、西郷隆盛の同郷後輩の川路利良(※後の初代警視総監)らが、江藤新平の期待を担い渡仏。皮肉な事に上司であった江藤新平や、同郷の大先輩=西郷隆盛を鎮圧する側に立ってしまう。

以上、長々と一般的には注目されない「海外視察組」の事を連ねた。
驚くべきことに明治→大正→昭和へと向かう日本の流れを実際に作っていったのは、坂本龍馬でもなく、高杉晋作でもなく、西郷隆盛でもなく、木戸孝允でも、板垣退助でもない!という事である。

足軽あがりの伊藤博文、山県有朋(奇兵隊出身)らの、幕末維新の“末席”に居りながら、当時最先端のヨーロッパのプロイセンの富国強兵政策や、アメリカ合衆国をその目で見て来た当時の若手であった!・・・という厳然たる事実である。

 

2.パチンコ業界を取り巻く、急速な「社会全般の大変化」

 

❶ 「規則改正」により、どうパチンコ業界が変わってしまうのか?という命題よりも先にもっと重大な社会の変化が、いつの間にか我々を包み込んできている事を意識していますか。

 

Ⅰ.ケータイ端末により広範囲な情報が検索・集積できることで、「時間」と「空間」が“超越”できた!という幻想。

Ⅱ.Amazonに代表されるネットショッピングの急速な普及により、ヒトはリアル店舗でどんどん買い物をしなくなった。

Ⅲ.その結果、リアル店舗の売上がどんどん下がり、従来の流通崩壊が起こっている。
・アメリカ「トイザらス」の倒産
・アメリカ「スポーツ・オーソリティ」(全米約450店)の全店閉鎖
・ウォルマートが中小型店中心の出店戦略への変更。ネットショッピング企業をМ&A
・日本のホームセンターの月間坪売上の大減少
25年前の平成初期には、坪340万円売っていた➡現在では、坪50万円売るのが精一杯
・このままいくと「百貨店」もいずれ一部中心地を除き、無くなってしまう

Ⅳ.ネット普及で、買物のため家を出ることが少なくなる。➡街中の「歩行客」の急激な減少買物は、“楽しみ”では無くなりつつある。

こういう「社会の大変化」に対し、
◎「ぱちんこ店」は、(買い物とは違う意味での)『リアル店舗』ではないか。「ぱちんこ店」に出向くことも“ものぐさ”で“面倒臭く”なるのだろうか?

 

3.「遊技機規則」「風営法施行規則」改正後のぱちんこ店の未来像

 

❶ 2016年12月までの「ぱちんこ店」は、「社会の大変化」とは無縁のところで、一攫千金の“基本原理”が働く世界に位置していたと思われます。

※ぱちんこ「牙狼魔戒ノ花」で50,000発出したとか、「凱旋」「バジ絆」で10,000枚出した!とかの“勝ち負け原理”を体現してくれる機械が、“左右両サイド”に君臨していた以上、この“勝ち負け原理”を否定することは、“空論”でしかなかった訳です。
かろうじて、所謂「10割等価」➡「11割分岐」に持って行かせることが“やっと”のところだったと思います。
「ぱちんこ牙狼魔戒ノ花」や「バジリスク絆」を頂点とする遊技機が頂点に君臨している間は、世間がいかに「ネットショッピング」の時代だ、云々と叫ぼうと、『リアル店舗』に脚を運んでもらうという原理に、大きな崩れはみられなかった!と総括できると思います。

 

❷ しかし、この2月1日以降、ぱちんこMAX機は市場から一掃され、もう50,000発の出玉を追いかけるお客様は全国どのお店にも見かけなくなりました。

※たとえば1/319の代表的な機種であった「牙狼」の稼働は、全国の新店を廻ってみても、(残念ながら)高稼働のお店は殆ど見かけません。MAX機の「牙狼魔戒ノ花」とのギャップを否応なくお客さんは感じておられるのでしょう。
SLOTは「検定切れ」“みなし機”、「認定切れ」“みなし機”の市場からの早急な撤去が話題の中心と成るなか、お客様のマインドも少し“冷えて”いる気がしないでもありません。
ただ、某「全国データ」を見ても、4円Pが14,000発、20円Sが8,800枚強と、パチンコMAX機撤去後のこの1年間、ほとんど変わらない稼働推移です。

 

❸ 今後のパチンコ業界を見つめる視座として最も重要なポイントは・・
『一人のお客の遊技時間の短縮』は更に、徐々に進む(?)という事ではなかろうか。
その訳は、やはりネットの影響です。
ケータイ端末を通して時々刻々と新しい情報が勝手に飛び込んでくる、という日常の中で、リアル店舗である【ぱちんこ店】に於いてどれだけ時間を使ってもらえるか?

もう、嘗ての様に【出玉の量】を最大の契機として稼働を引っ張る時代ではないような気がしています。
では「他の契機」とは何なのか?
【リアル店舗だけが持つ】現場の臨場感・・・とでも云いますか。
・接客の際の、声かけ
・「のめり込み防止対策」をキッカケとした個々のお客への「ふれあい」対応
・他方で、LINE、Twitter等を使った、店舗スタッフとお客様との直接的「やりとり」も同時に大切かと・・

そして何よりも大切な事は、【「今の」リアル店舗をより多く見ること】だと思います。
特に、最近の「新店」は極力、一店舗でも多くじっくり見て廻るべきでしょう。

前々回2月7日の『一喝(68)』に記載した計53店舗の「新店」の多さには、見て廻るだけでもため息が出そうです。
なにせ、北は北海道の「KEIZ手稲店」から、西は「スーパーDステーション女神店」まで見て廻ろうとすれば、軽く1カ月はかかりそうです。
同一県内でのみ使用可能な(人気の)『認定機』がその店に〈アル〉のか?無いのか、〈アル〉とすれ
ば、店内での配置場所はどこで?それが〈どの程度稼働しているのか〉? 「新台」のお客付きと比較して〈稼働が上なのか、下なのか〉?同時にその新店の近くの強豪店と比較して、雰囲気がどのように違うのか・・・?

見るべきポイントは沢山あると考えます。
それによって、急速に変わりつつある「今」の時代を感じ取り、予想するしか他に方法は有りません。

 

 

▼幕末維新の根拠地であった長崎にできた[スーパーDステーション女神店]

 

▼年末2店舗のみの新店マルハンの1店舗は、なんと福島県矢吹町[マルハン矢吹店]

カテゴリー: その他,パチンコ

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