新時代の「パチンコ営業」はもうとっくに芽生えて来ている(上)

業界のご意見番・小森勇の一喝 第58回

新時代の「パチンコ営業」はもうとっくに芽生えて来ている(上)

2カ月ぶりの寄稿です。
2月には〈『のめりこみ問題』の本質考察〉と題して書簡を記しました。
手前味噌ではないですが、あれ以来全国の有名ホールを中心にだいぶRSN(リカバリーサポート・ネットワーク)のポスター掲示が進む等、一定の取組実績が見られるようになりました。
業界14団体で組織される業界最大の団体=「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」が旗を振って、『安心パチンコ・パチスロアドバイザー』の講習、修了認定制度も立ち上ろうとしています。
ただ、今年の1月から始められた『のめりこみ問題』対策の諸取組みは、行政から炎の矢を射かけられ、業界がその投げかけに対して急いで諸々の取り組みを始めたという傾向が否めません。
本当に業界が変わっていくためには、私を含めて業界人が【内在的に】【このままじゃ本当にマズい!】と真に感じ、自らの心のエンジンに【着火】しないとダメだと思います。
つまり、“カジノ法”が出来た“とばっちり”で、依存問題や18歳未満問題などに“余計な労力”を割かねばならない!
と云った“被害者的”“対処療法”では、実は業界の本質はチットも変わらないという訳です。

━パチンコ営業に対する認識の変化━

(1)では【内在的に】業界自らが変わるには、どうしたら良いのでしょう?
一つヒントになるのは、「イソップ童話」の〈北風とお日様〉の寓話かもしれません。
道行く旅人の分厚いオーバーコートを脱がせる話です。
北風は頑張ってより強い風を拭く付けますが、旅人は踏ん張ってオーバーを脱がせる事はできませんでした。
結局、太陽のポカポカ熱い光線の前に旅人は遂にコートを脱ぎ棄てます。
パチンコ業界も少々強い規制の“嵐”が吹こうとも、知恵を振り絞ってその嵐をやり過ごそうと必死の努力をします。
その最たるものが、昨年末までに、パチンコにあっては「北斗無双」「GANZ」を“頂点”とする、現行合法機の中で最も出玉力のある機械を、相当な高額中古価格にも関わらず買い集めて、可能な限りお客の“射幸心”の“頂点”を目指そうという流れでした。
パチスロにあっては、GOD凱旋、ハーデス、バジリスク絆を中心とする5.0号機による“籠城作戦”であったような気がします。
そして、そうした“高価な”機械による“籠城作戦”はみごとに一定の成果を出してきた様にも感じられます。
しかし、“籠城作戦”というものは、お分かりの様に味方の援軍が来てくれるという保証が在る限り有効なのですが、援軍が来ないとなると、いずれは通用しない作戦であることは明白です。
ハッキリしている事は、いわゆる「MY」「TY」等に於いて今後、上記の“籠城機”を超えるモノは絶対的に市場に投入されることは無い!という厳然たる事実です。
こうなって来ますと、上記の様な“籠城型店舗”は、主要な“籠城機”を検定が切れる猶予期間に、如何に最大限にアピールした営業を継続できるか、という戦略・戦術になってくると思います。
いっぽう悩ましいのは、今後の新台アピールにおいては、〈新台大量導入〉という「伝家の宝刀」が使いづらいというパラドックスです。

しかし、ぱちんこ営業において、果たして今日お客様が機械選択する根底は、「MY」「TY」という適度な射幸心を満たしてくれる指標の「優位性」なのでしょうか??

(2)ぱちんこ機においては、ハッキリ言って昨年末のMAX機の完全撤去前後から導入が始まった「新基準機」は“出玉性能”において、そう大した相違は無い筈です。
MAX機無き後の“ハイミドル”機と云われる「ルパン三世9」「花の慶次X」「ヱヴァンゲリヲン11」の代表的3機種をみても、慶次が“若干”、一回の出玉が多いと云うことで、慶次のボリュームを熱くされたところも多かったと見受けます。
しかしそれらの導入から約半年余り経って、現在の時点で検証してみるとどうでしょう?
実際の稼働は(慶次の方が4,000発ほど上回ってはいるものの)さほど大きな差とは言えません。
これに対し、確変継続率こそ「慶次」「ルパン」の65%より低めの60%である「沖海4」は導入開始日は上記3機種より1~2カ月先の機械であるにもかかわらず、昨日の稼働で見ても40,000発近く稼働していて“盤石”の領域に入っているといえます。
興味深い事は、現時点での平均設置台数が「沖海4」23台、「慶次」11台、「ルパン」8台と成っており、店内で設置台数が目立つ主力ブランド機としては、台数の積極的に多い台ほど動きが良い!という分析ができることです。
それともう一つ、現在のお客様は、〈確変継続率が65%だから打つ、60%だと打たない〉という事は無くなっているのではないか!?という分析です。

━営業におけるステージの変化━

(3)ここいらで昨年3月に「真北斗無双」、10月に「沖海4」、「ルパン三世9」、11月に「花の慶次X」、12月に「ヱヴァンゲリヲン11」、そして昨年末にMAX機完全撤去、1月初めに「GANZ」、最近では一週間前の4月「北斗の拳7転生」と続いた、ぱちんこ【ブランド機】のまとめ総括を簡単にしてみたいと思います。

①“出玉瞬発力”で他機種より一段上を行く「真北斗無双」を“頂点”とするミドル機の“ヒエラルキー(※ギリシア語で階層の意味)”は、あと2年間は継続すると思われる。
但し、「真北斗無双」は中古でとんでもない価格が付いていて、中小零細ホールには、とても手が出ない事も事実である。
まあ、いわば“別格”扱いということか(笑)。

②MAX機の“代替え機”として注目を一手に集めた「ルパン」「慶次」「EVA」の3機種については{MY}や「TY」の差による“優劣”と云うよりかは、結果として、ホールが積極的に導入したかどうかの差になっている!と云うのが真実ではないか。
(※ヱヴァンゲリヲンについては、MAX機撤去の手順がほぼ終了がけの納品開始だったのが“災い”して、2017年のミドル機主力には残れなかったというのが残念な結果である。)

~ ここまでが『第一ステージ』である。 ~

③「GANZ」は当初あまり注目されていなかった。
京楽グループの㈱オッケーの機械と云う事もあり、KYORAKUブランドで約2年程ヒット機に恵まれていなかったという事情もあったかと思われる。
しかし設置されてみると、出玉スピードの速さが抜きんでているという評価が一気に広まり、「真北斗無双」に次ぐヒエラルキーに“君臨”するに至った。
参考中古価格も75万円ぐらいと高止まりしている。
しかし、このGANZは販売台数が少ロットであったためか、一部の大手企業たちが設置を独占していて、中小零細ホールには正直なところ手が届かない商品と成っている。

~ これがMAX機撤去後の、『第二ステージ』である。 ~

④『第三ステージ』は、いよいよ4月17日から導入の「北斗の拳7転生」である。
このビッグタイトルはちょうど「ルパン」「慶次」の稼働が半年経って約1/2に下がって来ている事からも、大いなる期待を集めた機械である。
某全国データによれば、導入1週目の稼働が4円コーナーで46,000発強と、ほぼ期待通りの数値と成っている。
昨年秋よりぱちんこ機のスタート賞球が4個ということで、当時MAX機撤去のあおりで、パチンコ離れが一気に加速するのではないか?とのネガティブな予想は“見事に”外れたと言える状況である。
やはりパチンコ市場というモノは《ビッグタイトルの新台は何としても打ってみたい!》という基本原理はいささかも変わっていない事を裏付けられて、ホットできるのではあるまいか。

~ これが4個賞球が完全に定着した、『第三ステージ』である。 ~

(5)さあ、いよいよGW明けの最大の関心機は、「必殺仕事人Ⅴ」ということに成りそうです。
昨年10月から始まった4個賞球による新内規のぱちんこ機の“完成機”としての出来栄えだと思います。
自分は実機を始めて打たせてもらった際、思わず【これはぱちんこのランボールギニーだ!】と叫んでしまいました。
思えば5年半前の2011年暮れに「必殺仕事人Ⅳ」が発売された時の事を思い出してしまう。
当時(今では信じられないかも知れないが)大当りすると透明枠のLEDランプがくるくる回り出すとか、ハンドルレバーがブルブルっと震えるとか、スピーカーから出てくる音質が高品質であるとか、あらゆる面に於いて、ぱちんこメーカーの殻を大きく破る機械の登場で、市場が一気に沸いたことが懐かしく思い出されます。
「必殺仕事人Ⅴ」は、この5年半前の驚きに勝るとも劣らない「アッ!」という機械に仕上がっています。
「牙狼―魔戒」が登場した時のひさしの様な枠上のファンファーレの飛び出し、「叩け」のびっくりマークの叩きボタンの代わりに、「刺せ」の刀の柄。
まるでランボールギニーのGULLウイングのようなものではないか。と感心しました。
この必殺仕事人Ⅴに“乗ってしまう”と、もう他の機械に“乗っても”感動し無くなってしまうんじゃないか、と感じる次第である。
スペック的には「沖海4」と同じく60%継続となっているが、永く長期稼働させようと思えば、もう65%だ、60%ではどうだ?という時代ではない事は「沖海4」で実証済みであろう。
「牙狼―魔戒」の新枠で、ほかのメーカーが追随を“諦めた”ように、今度の「必殺」の新枠はこれからのパチンコ業界に大きな旋風を巻き起こすのではないだろうか。

~ これが、新内規の『第四ステージ』の始まりではなかろうか。 ~

(6)こうして、パチンコ業界の新しい「営業原理」は、射幸心の優劣→ぱちんこ好きに長期的に遊んでもらえる「本格的な機械」の市場投入の時代へと、大きく舵を切ったのではないかと思います。
この好調な流れが、GW後の“垂れる”市場がおおいに活性化してくる事を期待したいと思います。

次回は、今後のパチンコホールに於ける「主力機」の使い方と、島構成図について論考したいと思います。

カテゴリー: パチンコ,戦略・戦術,業界動向

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