~ 年末商戦の「ぱちんこ機」につき考える《前編》 ~

業界のご意見番・小森勇の一喝 第62回

~ 年末商戦の「ぱちんこ機」につき考える《前編》 ~

❶ 風営法規則、検定規則の改正が9月4日(月)に公示され、施行は来年平成30年2月1日(木)からと正式に決まりました。
6月に警察庁から規則改正案が発表され、それに対するパブリックコメントの募集から始まり、この10月6日位まで、この業界内では様々な憶測に基づき識者たちによる「予想」が入り乱れた感があります。
中には「認定」や「みなし機」の問題について、(今となっては)どう見ても“怪情報”と思われる2021年までの「機械撤去スケジュール」なるものまで堂々とまかり通って、全国のホール営業所を混乱に陥れていた事も、また事実でありましょう。

特に「認定」問題については、「認定制度」という素晴らしい仕組みが“大昔から”遊技機規則「第一条」から謳われているにもかかわらず、前回平成16年(2004年)の規則大改正時に於いても【殆どのホールが認定制度を利用しなかった】ないしは【認定制度をどう利用してよいか知らなかった】というのが“悲劇”の実情であった訳です。
今回様々な方が「認定問題」につき“自己流の法解釈”に基づき、様々な近未来予測をしてましたね。
その結果ホールオーナーさん始め営業所の幹部の方も、そうした“ガセネタ”に一喜一憂したこの3カ月だったんじゃないでしょうか。

ところが9月22日になって、全日遊連と日遊協からの通達により、検定の有効期間内であれば、2月1日後に検定期間が終了する機械についても、原則として「認定申請」が可能であることが、あっさり告知されたことにより、「認定問題」“論争”の大きなヤマは越えました。
その結果22日からの一週間は、今度は急に「みなし機問題」が今後どうなるか?関心の論点が移り、これまた侃々諤々の一週間でしたね。

 

❷ ところがです⁉ 「認定の実務」においては、ホール(営業所)は当該遊技機の製造メーカーに頼んで『遊技機試験』(遊技機規則第13条、第14条)を受けてもらうという方式は採っておらず、全遊商ないし回胴遊商加盟の“機械屋”さんに、(必要書類を用意の上)営業所の所轄警察署を経由して、都道府県公安委員会に書類提出の手続き代行をしてもらうという方式が採用されています。
つまり、当該“検定が切れそうな遊技機”を一括してメーカーが主体と成って認定手続きを行うのではなくて、あくまでも「認定手続」は資格を有する販社の打刻書類を基に、各所轄が実質的な確認チェックを行うというカタチで行われる訳です。

という事は、改正された規則上では、来年2月1日を過ぎた場合でも〈検定期間が残っているのならば、検定切れのおおよそ1カ月前くらいに認定申請すれば足りる〉と成っているのですが、認定実務は中央の保通協で行うのではなく、各県の“現場の所轄実務”に全て委ねられている以上、【規則改正が施行された2月1日以後に、2017年現在の現行規則で認定手続きを行っていくというダブルスタンダード”状態】になります。
これにより、所轄の担当官に過大な事務負担をかけてしまう惧れが高いわけです。

という事で、【来年、再来年に検定が切れる機械でも、原則として認定されるものの】【認定申請手続きは、規則改正施行前の来年1月31日までに行ってくれ!】という結論に行きつく訳です。
※ハッキリ申し上げて「ぱちんこ機」の認定申請は実際問題非常に困難なのではないでしょうか。

例えばホールでメイン機種として今でも使われている『北斗無双』と『スーパー海in JAPAN』、『スーパー海in沖縄4』を例に取り上げます。
各機には「取扱説明書」が付いていて、釘の間隔や盤面との角度が細かく規定されている訳ですが、ぶっちゃけホール現場で使われている“真っすぐな”釘とはずいぶん異なる内容が取扱説明書には記載されている筈です。
取説どおりの釘に“直して”認定申請するなどとは、およそ“現実離れ”してくるのではないでしょうか。
また『沖海4』に至っては、更にこれに「算定書」なるものが添付されている訳だから、検査した結果、算定書の数値と乖離していると“いったいこりゃ、どういうこっちゃ!”と云う事にもなりかねません。
因って、今回の“早期認定”の対象と成る機械は、殆どが“釘の無い”スロットマシンということになるだろうと思われます。

 

❸ ま、ともあれホールの店舗責任者にとっては、この10月から来年1月末までは、《どの機械を認定に出し、どの機種は認定申請しないで検定期間めいっぱい使うか、あるいは早期に中古売却してしまうか?》を予想し、かつ事務書類作業をしなければならない!という“超繁忙期”に入り無茶苦茶忙しく成ってしまう訳です。

とは言え、一方では何と云っても年末商戦の仕掛けの為の「新台選び」は抜かりなくやっておかなければならない重要任務であることは、例年となんら変わりません。
そこで今回は【温故知新】と【長期的ビジョン】を両方絡めて、筆者なりの大胆な予想を述べさせてもらいたいと思います。

まずは【温故知新】から。昨年末までのМAX機の“回収・撤去”に合わせ、
・昨年10月 3日に、「沖海4」
・昨年10月24日に、「牙狼~闇を照らす者~」
・昨年10月24日に、「ルパン三世~Lupin The End~」
・昨年11月14日に、「花の慶次~雲のかなたに~」
・昨年12月 5日に、「ANOTHER牙狼~炎の刻印~」
・昨年12月19日に、「ヱヴァンゲリヲン~いま、目覚めの時~」
・昨年12月19日に、「牙狼・魔戒ノ花~beast of gold~」
と、ポストMAX機としての期待を集めた1/319スペックの著名ブランド機が、ご覧の様に7機種出ましたが、今年の3月末時点でホールのメイン機として稼働貢献できた機械は、【沖海4、ルパン三世、花の慶次】の3機種に絞られた、というのが筆者の正直な感想です。

 

❹ ★問題は【どうしてそうなったのか?】の振り返りです。

(仮説1)MAX機の回収・撤去期限を昨年末に控え、実はMAX機の稼働はかなり“下がった”状況にあった。
一部にMAXの撤去を前にギリギリまでMAXに“しがみ付く”お客は居たことは居たが、「ネットでの情報化時代」ということもあり、全国的にMAXの撤去が進んでいく事をお客も敏感に察知し、MAX機を“回収台”と見ていたのではなかろうか。
それよりかは「新台のミドル」に期待する空気が全国ほとんどの店で蔓延していた。
ちょうどその時期に「沖海」という“鉄板ブランド”が10月頭に一斉に導入されたことで、「1/319ミドル」に向かう流れは、非常に良いスタートが切られた。

(仮説2)逆にMAX機の“チャンピオン”として定着していた「牙狼魔戒ノ花」は昨年夏までの出玉感のイメージが“強すぎた”ためか、1/319として出て来たリユース仕様に“ガッカリ感”が先行してしまった可能性が高い。
昨年10月から12月にかけて3カ月連続で「牙狼」がリリースされたことも、新鮮期待感の減退という“逆効果”を招いたのではないか?
またホールとしても、リリースされた3種類の牙狼に対して、焦点が絞り切れなかったので、どの牙狼にも力を集中できなかったキライが感じられる。

(仮説3)その点、「ルパン三世」と「花の慶次」は両機とも新枠での“気合の入った”デヴュー。
しかもルパン三世は1年3カ月ぶり、慶次は1年10カ月ぶりの登場という事で、「4個賞球&継続率65%の新内規機」となり、お客には充分な期待感を持たせるタイミングでのリリースだったと考えられる。
細かい事に拘る“データ至上主義者”の中には、「慶次」のTY期待値の方が“少し上”だとして、慶次の方を“本命”で推す動きもあったが、今年3月末の時点では、殆ど違いは見られなかった。
とにかく、MAX機撤去で大きく落ち込むかに予想された「パチンコ市場」を、なんら打込み=OUT数では落とすことの無い【大きな貢献】を約5か月間果たしてくれて、ホントに“ご苦労さん!”と評価できる結果と成った。

(仮説4)「ヱヴァンゲリヲン」については、残念ながら年末ギリギリの登場と成ったことで、既にホールとしては「ルパン三世」と「慶次」で“勝負を賭け”てしまったこともあり、導入台数も少なめで、MAX機撤去後の“大貢献とは成らなかった”という評価にならざるを得なかった。
ホールとしては昨年9月段階でMAX機の4円稼働が12,000発程度であったので、年末ギリギリに、新内規のミドルで“勝負を賭ける”気持ちには、とても成らなかったというのが正直な実情であろう。

 

❺ 以上が「温故知新」のスタートです。
ここから何を学ぶべきでしょうか?
一部のコンサルタントは、MAX機が無くなると「ぱちんこ」の稼働は2~3割下がってしまう!
と叫んでいましたが、モノの見事に外れました(笑)。
やはりお客様はパチンコに期待しています。「新台」に期待しています、その「新台」が“新台らしい”新鮮味のあるスペックで登場するならば、お客様はチャンと打込んでくださるという事が、今年の年初には【証明されました】。
「4個賞球」に成った分だけ「爆発力」が落ちる!という、コンサルタントらしい想像は、「杞憂」である事が証明されたと思います。

今は完全に「通常ベース」30以上の遊技環境の中で(瞬発力は下がったかもしれないけれど)、上皿に玉持ちの良い状態で、適度に遊べているというのが実態ではないでしょうか。
ホール側の言い分としては、「粗利が以前より取りづらくなった」という考え方も有るとは思いますが、最近の某社の全国データを拝見しても、〈ホールとお客様との適度な均衡関係〉が成立していて、決してホール経営が成り立たない程の低粗利に落ち込んでいるとは思えません。

つまり、MAX機の回収・撤去からやがて1年を迎え、「新内規ぱちんこ」による新しい均衡関係が業界的に既に作られており、【あとは年末の素晴らしい「新台」を待つばかり】にスタンバイされている状態にあると考えます。

 

❻ さて、次は【長期ビジョン】で見た場合の「新台」の選定です。

これについては今号では紙幅が尽きていますので、数日中に内容を発表したいと思います。
個人的には、今気になって仕方がないのはパチンコでは、「ウルトラセブン2」、スロットでは「戦国コレクション3」です(笑)。

次号(63)号につづく。

 

カテゴリー: パチンコ,業界動向

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