年末商戦の「ぱちんこ機」につき考える《後編》

業界のご意見番・小森勇の一喝 第63回

~ 年末商戦の「ぱちんこ機」につき考える《後編》 ~

 

❶ 《前編》では年末商戦の“注目機”について「さあどうだろう?」というところで終わりました。
来年2月以降に保通協に持込まれる「ぱちんこ機」は、ご案内の様に出玉性能が現行機の約2/3程度に“抑えられ”たり、また新たに「中時間=4時間試験」が導入されたり、大当りの最大ラウンド数が16R➡10Rに抑制されたりと、射幸性が現行機よりも更に“落とされる”事が確定しています。

そういう(或る意味)HOTな時期に差し掛かって来ている以上、余計、年末商戦の「大型版権ブランド」機に注目を集中せざるを得ないところでしょう!
勿論、ぱちんこ市場を引っ張って行く“機関車”の役割は、いわゆる「ミドル」「ハイミドル」と言われる機械であることもまた、論を俟たないところです。

※「秋の閑散期」と言われる今この時期に市場に投入されている機械、例えば、
・攻殻機動隊(Sammy)
・魔法先生ネギま(Sansei)
・交渉人真下正義(平和)
・春一番(西陣)
・秘宝伝2(大都)
等は、どれも販売台数的にみても“バラエティ”向きの台数なので、この閑散期には必要な新台ですが、とても来年2月以降をリードできるものではないでしょう。
※唯一の例外といえる(まとまった台数が設置された)「ぱちんこ魔法少女まどかマギカ」(京楽産業)が、導入1カ月経った先週の某全国データでも、4円パチンコで25,000発強と稼働貢献している。
「準主力機」としての育成が期待できる機種と言えるかもしれない。

 

❷ 昨年10~12月に導入された有名「ミドル機」のうち、現在も稼働面で「稼働貢献中」なのは、『沖海4MTC』のみです!
この点については《前編》でふれた様に、「ルパン三世」も「花の慶次」も「ヱヴァンゲリヲン」も決してスペックが悪かった訳では無く、MAX機完全撤去という大激動によりホールが急激に下がるという予想を覆し、何とか上手に“ソフトランディング”される大貢献をしてくれた!と評すべきでしょう。
その結果、今年の3月まではホールの稼働を牽引する役割を十分果たしてくれたので、ホントに“ご苦労様”と総括すべきだと思います。

そして、“出玉力”では“一番劣った”「沖海4」が残ったのです。
まことに皮肉な現象であると共に、《ミドル機の大当りは1,500発というスタンダード》を一定程度作ってくれたものとお評価できますね。

あと、現在ホールの4円パチンコを支えているのは8月から稼働始めた『牙狼GOLDSTORM翔』と、去年の3月からの名機『真・北斗無双FWN』の2機種のようです。
これを簡単に評するならば、

ⅰ)「牙狼」・・・昨年末の「リユース機」3機種による(残念ながら)新鮮さの欠如と、MAX機との瞬発力の落差感が大きかった訳だが、今度の新枠の「GOLDSTORM」によって、なんとか9年続いた〈牙狼ブランドの面目〉を保つことができた!――と云うべきでしょうか。
ⅱ)「真・北斗無双」・・・“最後の3個賞球機”という“特殊な事情”のおかげで、瞬発力は現行機の中では頂点に立つ機械である。
一時は中古価格が200万円にも高騰するという“勲章”を背負っていることで、直近の某全国データにおいても、約19,000発という週間平均稼働を維持している。
しかし《前編》でもふれた様に、実際問題「認定」は難しいであろうから、残り1年5カ月の“賞味期限”と成らざるを得ないであろう。

という訳で、年末を迎える現在の“閑散期”において、マーケット全体が切に求めるのが【メシア=救世主の出現】という事に成ります。
※まして「みなし機」の今後の扱いが、県によっては非常に厳しい状況であり、甘デジを中心にかなりの台数、来年早々の撤去を覚悟しなければならない情勢です。
内容の伴う新台で早急に補填する必要性は、例年よりも格段に高まっていると申せましょう。

 

❸ さて、年末11~12月にかけての“BIGコンテンツ機”というと、
ⅰ)「不二子」(平和)
ⅱ)「大海4」(三洋)
ⅲ)「真・花の慶次2」(ニューギン)
ⅳ)「ウルトラセブン2」(京楽)
の4機種に絞られて来ると言っても過言では無いと思います。
結論的に云って、上記の4機種とも「それぞれ」外れはなく、皆期待して良かろうと思います。

問題は、この4機種間の、自店に於ける【序列】ないし【台数比率】をどうするか?です。

昨年秋にもこの『一喝』で書いたと思いますが、一番悪いやり方は、上記4機種を按分してほぼ均等に導入する入替の仕方です!!
これでは、11月13日~12月末にかけて、【自店内の店内移動を促して、どの機種もトップ稼働をしない】状態を作り出してしまう事は必定です。
失礼ながら世の中には「海」の強いお店というものはそこそこ在る訳ですが、「ルパン(不二子)」「慶次」が主力機というお店はほとんど存在しないと思います。

という事は、筆者は年末も〈「大海」で行け!〉という事でしょうか(笑)。ちょっとだけ違います。
昨年末の場合は〈沖海3➡沖海4へのチェンジ!〉という事で、店もお客様も充分納得できる素地は在ったと思います。ところが今年は次の様に考えます。

ⅰ)4円「沖海4」や「海ジャパン」のOUTが30,000発を超えているお店でしたら、「大海4」への“全とっかえ”もアリかと。
このケースでも「大海4」以外の機械の、4円ミドルへの「新台」の積極導入は(台数にもよりますが)必須です。

ⅱ)4円「沖海4」「海ジャパン」のOUTが20,000発前後のお店の場合、既存の「4円海」の1/3程度を減台して、そこに「大海4」を埋め込むのが良いのではないでしょうか。
もし導入後に、「大海4」の全体バランスが非常に良いという事であれば、年を越して「大海4」の増台をかけるのが順当だと思います。
このケースでは、「大海4」以外の4円ミドルへの「新台」の積極導入の必要性は、ⅰ)より高く成ります。

ⅲ)(「沖海4」に限らず、「海ジャパン」ででも)4円の「海」のOUTが14,000発(※いわゆるSIS平均値)前後のお店に在っては、(失礼ながら)「海」以外への新台投資をお勧めします。
単純にこうしたお店では〈海を入替えても、海客はほぼ増加しない〉からです。

 

❹ さてそれでは、いよいよ「大海4」以外の「新台」のお勧めは何か?に移ります。
※ よく世間では「新台評価」なる言葉を、「導入前」に発表される方が居られますが、殆どがどこか外れます(笑)。
「評価」なる言葉は、「導入後」にするべきだと考えます。

端的に云って自分は、「ウルトラセブン2」がイチ押しです。理由はこうです。
ⅰ)有名版権モノの主力機が業界的には多くて、
ヱヴァ12を筆頭に、
不二子でルパンシリーズの第11弾(?)、
真・花の慶次2で第9弾(?)、
牙狼GOLDSTORMで第7弾(?)
ではないでしょうか。
ぱちんこユーザーは新台好きが多いので、そろそろ【新しいBIGコンテンツ】を待ち焦がれていると思います。
この点「ウルトラセブン2」は何と12年ぶり(=干支一周)です。
嘗ての初代L77は1/479タイプで、確変継続率81%、平均特賞回数も6.4回の期待値という、今となっては幻の様な名機でしたね
(※1/397のM75も同年に出ましたが、最後まで人気のあったのはL77でした)。

12年ぶりの版権復活というのも、この業界では滅多に無いのではないでしょうか。
著名な円谷プロの版権という事で誰でも知っているので、どんな出来なのか?期待感は他を圧倒しますよね。

ⅱ)7~8年前くらいから、〈ホールの同質化〉という事を、我々コンサルタントは叫び続けてきています。
去年末のMAX機撤去の時もそうだったのですが、結局メリハリをつけずに、話題の新台をほぼどれも均等に(例えば)10台ずつ入れたお店が、けっこう“不成功”に終わっていました。
下馬評的に高いとか、地域の大手がアレを何台買ったから!とかの噂で、自店の導入機種や購入台数を決めていませんか?
もうそういうクセは止めて、あくまで[現時点➡1年後]の自店の姿を夢見て、入れる機種と台数を決めるべき時です。
その際のコツは「メリハリ」です。新基準の下で、(多少の違いは有るにせよ)極端な出玉性能の違いは無いのであれば、その中でも一番“尖がっているkyoraku”「ウルトラセブン」を、今後一年の店の看板機種に育て上げる!くらいの、個性化、差別化を絶対図るべきだと考えます。

ⅲ)さて、スペック的にも「ウルトラセブン2」は、「必殺V」や「AKB48」で見られた間延びしないでサクサクと大当りの“塊”を出す“KYORAKUらしい開発の遺伝子”は健在です。
2400発の大当り払出しが、何と云っても魅力です。
※このあたりは表現の仕方によっては《いたずらに射幸心を煽る》と言われかねませんので、いつもの『小森節』ということで、阿吽の呼吸をお察しください(笑)。
オオ!よくこのスペックを世に出してくれるものだ!と唸らせられます。

16R×15個賞球×10カウント=2,400個の払出しは、おそらく今後もう期待できないのではないでしょうか。
という事は(現在の真・北斗無双がそうであるように)今後充分2年間は「稼働貢献」する機械として、「海物語」と並び、ミドルの主力機として、育てられるのではないでしょうか。

ⅳ)(某全国データでも最近顕著ですが)、時代はどんどん《ライトミドルやライト機》の稼働と粗利の比重が高くなって来ています。
そんな中にあって、「真・北斗無双」「牙狼」と並ぶ、3本目のハイ・ミドルの「主力機」として、この「ウルトラセブン2」を育てていくべきだと思います。
また充分その育成の価値のある機械に仕上がっていると思います。

❺ という訳で、来年2月以降に「新規則」に基づいて出荷される「直前」の、“最後の”年末商戦機としての「ハイ・ミドル」の大型版権機には、みな期待したいところです。ここの機械投資に躊躇が伴うようだと、積極投資したお店とは、正月以降“取り返しがつかない程”差が付いてしまうと考えます。

ただ繰り返しますが、発売される大型版権機を全部大量に買ったからと云って「大成功」する訳ではありません。
極端な話し1000台クラスの超大型店で、「不二子」40台、「大海4」80台、「慶次2」40台、「ウルトラセブン2」40台という様に導入したからと云って、全ての新台が正月明けに40,000発稼働しているというイメージは沸いてきません!

自店の「新台の主力機」は何なのか!
がハッキリとお客様に伝えられる【台数のメリハリ】と『配置場所』に、プロとしての全知全能を傾けて頂きたいと思います。
「不二子」で初っ端、他店に大いに差別化の“風穴を開けたい”マネジャーであれば、「慶次2」の台数を(失礼ながら)抑えて、「不二子」で勝負を賭け続けるべきです。
その場合は12月予定の「ウルトラセブン2」が丁度第二弾の仕掛けとして相応しいですね。
逆に12月に勝負を賭けたいお店であれば、逆に11月の「不二子」はほどほどに“抑えて”、「慶次2」で勝負して、「ウルトラセブン2」でダメ押しというパターンに成りましょうか。

 

❻ 昔(2002年)に新宿歌舞伎町の「エスパース歌舞伎町店」(当時約1060台)の立ち上げを手伝ったとき、もう一つの日拓さんの拠点である「エスパース溝の口本館」(860台)もちょくちょくチェックに行ってました。
90年代は「大工の源さん」の下皿の玉落とし蓋が壊れてるようなのも、バリバリで高稼働してました。
「源さん」が無く成った跡を埋めていたのが、実は初代「ウルトラセブン」だったのです。
あの時のイメージが今でも目にこびりついて離れません。
当然「エスパース歌舞伎町店」の方も、ウルトラセブンが圧倒的に入っていました。
自店の個性主張アピールの好例として、皆様のご参考になれば幸甚です。

カテゴリー: パチンコ,戦略・戦術,業界動向,機種構成

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