~ 盆前商戦の「ぱちんこ機」につき考える《前編》 ~

業界のご意見番・小森勇の一喝 第70回

~ 盆前商戦の「ぱちんこ機」につき考える《前編》 ~

❶ いつも思う事なんですが、この業界は万事に流れが“早過ぎて”、ちょっと一息ついて振り返ってみようと思ったら、もう次の機械のことやら、毎日の稼働・粗利データやらのことで忙殺されて、「あの話題の機械は、今どうなっている?」を検証する暇も無く、いつの間にか“とっくに昔の話”みたいな扱いに成っている事が日常の習わしですよね。
これは実はとんでもなく悪い悪習です。
ところがよくよく考えてみると、《あの機械が結果としてどうだったのか?》を検証するスキームを【誰も持ってない!】ことに気付かされます。

というのは、機械が発売される前は、やたら【予想MY値、モードTY値、時短回数、特図2の場合のラウンド振り分け比率、損益分岐スタート値】etc.について、コンサルタント達が侃々諤々の論調をネットで展開します。
しかし、御多聞に漏れず3カ月~6カ月後になって《ところでブッチャケあの機械どうだったの?》と振り返ろうとすると、誰も総括している人がいない!事に気付かされます(笑)。
結局この業界というのは、〈前へ前へ〉と今後を見る事しか興味が無く、キッチリ検証し一歩下がってから前へ進むことが本当に苦手な業界なんだなあ!と思います。

 

でも更によく考えると、この悪習の原因は、なにも個々のコンサルタントの資質が悪い事に起因する訳でもないことに気付かされます。
つまり、こういう事です・・・
ⅰ)「結果としての」機械の良し悪しは、決して発売前のスペック分析だけでは毛頭決まらない!という、厳然たる事実です。
ⅱ)むしろ、「どの地域の」「何という店が」「どれだけの台数を入れて」「どう運用したか?」の4つの要因を細かく見ないと、その機械が《良い機械なのか、悪い機械なのか》は判定できない!

という事に最近気づきました。
上記のⅰ)ⅱ)については、従来あまり指摘されてこなかった観点かと思います。

更に云えば、
ⅲ)「どの新店に」or「どの居抜き出店の店に」問題と成る機械が「どれだけ」入って「どのように使われたのか?」まで分析しないと、その機械がその地域で話題の新台と成ったかどうか?
の答えも出ないのではないか、と思います。
ⅳ)残念なことに、《機械分析に専門知識を持った人》と、《出店戦略・戦術に経験の多い専門家》とは(ほぼ)両立しません。そんな両立するカタを見た事がありません。

ところが「どの地域一番店に」or「どの話題の新店に」どれだけ入り、どう運用されたかにより、その地域での人気度合いや増台傾向は、全く違った結果になるのが最近の顕著な傾向です。
最近出店を加速されている「GAIA」さんや「Dステ」さんをウォッチしていると、上記の事がつくづくよくわかる筈です。

 

━ライトミドルがトレンドの訳ではない━

 

❷ そこで早速ですが、まず初めに昨年盆前の7月位の話題機から振り返ってみましょうか。
何と云っても昨年お盆の最大の話題機であり、功労機でもあった「牙狼GOLDSTORM」はどうでしょう。
驚くべきことに、ダイコク電機様のSIS(先週のデータ)等を拝見させて頂いても、上位100位のランキング「外」となっています。

昨年末位までは全国平均稼働位は動いていたと思いますが、今ではあたかも“役割を終えて”ドックに仕舞われた船の様です。
〖身近で有名な店で云うと、新宿歌舞伎町の「エスパース新宿歌舞伎町店」(1689台)の中に、「牙狼は、メインタワー館の方では無く、奥の新館2階のバラエティコーナーの近くに15台あるのみ〗
この現象をどう評するのか?いろいろ議論は分かれるでしょうが、プラス思考で云えば“功労者”の牙狼に依存しなくても、店の営業が上手く回る状況にある!という意味では、今の業界は悪くないのかもしれません。

次に昨年9月の代表的機種である「ぱちんこ魔法少女まどか☆マギカH2」(1/319)と、「F.シンフォギア」(1/199.8)の2機種はどうなっているでしょう。
「まどか」の方は稼働こそ4円で10,000発で、全国データの平均13,000発を下回っていますが、粗利貢献度は現在でも高く、ダイコク電機様のSISランキングでも今だに65位に位置し頑張っています。

他方「シンフォギア」の方は稼働が23,000発、平均台粗4,852円で、堂々の11位に輝いています。
別に特定のメーカーをえこ贔屓する訳では全くありませんが、盆を挟んで「牙狼」より20日間遅れ盆明けに稼働開始した「シンフォギア」がここまで好調に稼働貢献している現象を何と評すればよいのでしょうか?
〈ライトミドルだから遊び易い〉という説明は成り立たないと思います。
実は「シンフォギア」の玉単価は1.6円と成っていて、ハイミドル機となんら遜色ないからです。
玉利は0.21円で、そんなに抜きまくってランキングを上げている訳でもありません。
勿論この一事をもって《ライトミドルこそが流行トレンドだ》と決めつけるのも早計です。

もうこうなって来ると、細かな機械スペックに関する重箱の隅をつつくような議論をしても虚しいことに、薄々気付かれるのではないでしょうか。
《業界のご意見番》とか云われる不肖な小生の知る限りでは、いまや業界大手企業に絶大な影響力をもつ「中嶋塾」の中嶋優さんが、セミナー等で昨年9月から「シンフォギア」を一押ししていた事で、中古価格も急騰し、全国のホールが急に注目るようになった事だけは確実に断言できます。

 

━昨年~年始の話題機を振り返る━

 

❸ いよいよ直近の昨年暮れ~今年年始にかけて発売された話題機の今日の状況を振り返ってみる事にしましょう。
以前この『一喝(63)』(2017年10月13日付)でもだいたい取り上げましたが、
➀「大海物語4MTB」(1/319.6)      2017.11.27初導入
②「不二子~Lupin The End」(1/319.6) 2017.11.20初導入
③「真・花の慶次2」(1/319.6)     2017.12.18初導入
④「黄門ちゃま6 L9BZ6」(1/199.8)   2018. 1. 9初導入
⑤「F.機動戦士ZガンダムR」(1/319.7) 2018. 1. 9初導入
の、5機種に焦点を当てて良いと思います。

このうち➀の「大海4」は、ダイコク電機様の先週のSIS上、4円Pで21,690発、玉単価1.39円、玉利0.11円と、優等生の様な使われ方をしています。
やはり「海」ブランドだけは天皇陛下の様に神聖にして冒すべからざるものがあるのでしょうか!
当初「沖海4」よりもスタートが回せないから苦戦するかも?という心配は杞憂の様です。
ダイコク電機様のランキングでも堂々の27位です。
他方、ミドルの「沖海4MTC」の方は稼働が16,540発と、大海4よりも5,000発ほど落ちています。
世間では《もう「海」だらけの時代ではない!》とか一部では云われる事も有りますが、
「海」の時代は“復活”するのではないか?と我々を期待させてくれますね。

問題は②の「不二子」です。
もう既にダイコク電機様のSISランキングでは100位以内には全く入っていません!
「大海4」と同日に発売されたというのが、不運だったのか?販売台数もさほど伸びず、1BOXを形成できた大型店も非常に少なかったのではないか、と思われます。
スペック的には何ら不安要素は無かったと思いますが、やはり少数台数ずつの導入では、パチンコ市場に影響を及ぼすには至らない!という、大変厳しいマーケットの反応ではないでしょうか。
「不二子」の大ファンとしては非常に悲しい現実ですが…。

③そして昨年末の“大本命”であった「真・花の慶次2」は、導入からやがて満4カ月に近づこうという今日でも、ダイコク電機様のSIS上で15,610発、台粗3,355円と非常に検討していると思います。
「大海4」の27位のちょっと後ろの「30位」で健闘しています。《転落抽選のミドル機は当たらない》《「F.ガンダム」の様なオーソドックスな確変ループ機が後で市場投入されたら一気に稼働が落ちるだろう》との有力コンサルタントの意見は見事に“外れた”格好となりました。
※“同盟関係”にあるTKCの高橋正人氏も最近の有料コラムで「転落抽選」仕様というカテゴリーの検証に触れておられます。

④の「ガンダム」も非常に良く出来たスペックであるとして、個人的にも花の慶次と並ぶ〈春先の切り札〉として期待していたのですが、販売台数でみた場合、「ガンダム1:慶次2.5」の比率で、案外販売台数が伸びなかった事で、これまた市場を大いに沸かせるには少し力不足であった気がします。
やはり、販売台数という“物量”の違いがモノをいうのでしょうか(笑)。

⑤の「黄門ちゃま6」はライトミドルスペックながら、平和さんにとっては「不二子」の“不発”を補って余る活躍をしている事にホッと為さっているのではないでしょうか。
「シンフォギア」に触発されてライトミドル機の人気上昇の気流に乗れたのでしょうか?
また、年末商戦に裁量の機械を投入すれば良い!という訳でも無く成って来ているのでしょうか。
それとも、「みなし機」撤去の心理的重圧の中で、たまたま今年の1月はグッドタイミングに過ぎなかったのでしょうか?

❹ こうして、つい3カ月前までの話題の主力機に付いて、簡単なコメントと共に【反省】の切り口を提起してみた訳です。
さて、この辺で一服しましょう。次回は「FAIRY TAIL」以降の新台の検証と、いよいよ話題の夏以降の大型版権の機械たちについて検証を進めていきましょう。

カテゴリー: パチンコ,戦略・戦術,業界動向,機械,機種構成

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