「ストコン(store comparison/競合店比較調査)」のあり方(最終章)

業界のご意見番・小森勇の一喝 第13回

「ストコン(store comparison/競合店比較調査)」のあり方(最終章)

3回目となる今回はストコンの最終です。1回、2回の骨子は以下のとおりです。
・新店、話題店の周辺ライバル店はどういう営業形態なのか? 何か対抗策を講じているのか? 何も対策を講じていないとすれば何故なのか?
・新店、話題店のお客さんの来店エリアはどこまでなのか?
・どうして「その」場所への出店なのだろうか?

◎ 対象店舗は「長持ちしそうな」お店かどうか?

誰でもストコンされると当然のごとく“客入り”はどうか? どのコーナーがパンパンで、どこがスカスカなのか? を第一に見ます。当たり前だといえます。問題は「1年後、3年後にもう一度見に来た時はどうなんだろうか?」をイメージできるかどうかだと思います!
具体例で見てみます。よく覆面調査では、接客、クレンリネス、店内装飾、賞品品揃えの充実度、トイレ等へのサインの見易さ、etc. 定性的に何十個あるチェック項目に点数を付けていくやり方が一般的かと思いますが、そういうやり方は大卒2年目の社員でもできるように組まれたやり方で、“プロ”はもっと根源的で深い所を見ていかないとストコンしたことにはならないと感じます。
抽象的に奥歯に物の挟まった言い方をしても分からないと思うので、具体例で見ていきましょう。

『マルハン新宿東宝ビル店』と『日拓エスパース歌舞伎町店』

4月24日に全国の注目を集めてワンフロアとしては都内最大級(1,160台)の話題店をマルハンがオープンさせました(※既に詳細はこのサイトでもレポートされているので割愛します)。

① 出玉を出せるのか?
② 出玉を出すのか?

上記の①と②は異なります。②は仮に企業として出玉を出せるポテンシャルがあるとしても、現実的に“そこで”出すのかどうか? を推測するものです。

1.①の「出せるか?」どうかという点では日拓に「ぶ」があると思います。なぜなら日拓の方は土地建物とも自社所有だから「家賃」がゼロで、かつ投資回収もとっくの昔に終わっているので“背負う荷物”が背中に無い! と同じ状況だからです。他方マルハンの方は、真向かいの「マルハン歌舞伎町店(642台)と併せて1,802台ですが、2店合わせての家賃は恐らく毎月5,000万円はゆうに超える支払いが有ると推定されます(※東京都心のパチンコ不動産物件のほぼ“常識”です)。この違いはやはり大きいと思います。計算上はマルハンさんの方は毎日の各台の稼ぐ粗利から約1,000円分は家賃として外に流出してしまうことになるからです。

2.②の「出すのか?」という点はまた別の考慮です。極端な話、マルハンと日拓とで“ドンパチ”やっているというワイガヤ感でもって想定以上に人が集まってくるものであれば、双方とも必要以上に出玉競争に走る必要性は薄くなってしまうからです。多分いまのところ両社ともこの構えの様です。もしそうなら皆は「さすが歌舞伎町!普通の出玉でこれくらい集まるとは!」と称賛の声をあげることでしょう。
問題は仮に6月位になって歌舞伎町全体の遊技客数が3月時点に戻ってしまったら? 仮にそうなると“エライこと”です。機械を大量に買って大型入替、“リニューアル”等を盛んにやらないといけない状況になってきます。そうなると、家賃負担の無い日拓に有利に働くことが予想されます。このケースでも恐らく目に見えにくい「出玉」よりも、目に見えやすい「新台」にまず走り、「出玉」はメボシイ新台が無いときに期待をすることに成りましょうか。
こういう風にストアコンパリゾンを行ってみられるのは如何でしょう。

『マルハン新世界店』(1,400台)と『アロー浪速店』(1,200台)

※地下鉄御堂筋線でわずか1駅ちがい。完全にガチンコです。

1.関西最強の“対決”という構図ですので必ず両店を見比べてみないと意味アリマセン。なんばのエリア台数規模12,000台強のストコンも勿論ですが、個人的には大型駐車場を有するこの超大型の両店の営業推移の方に、より関心が向きます。
マルハン新世界の方はグランドオープンから4ケ月半経過してますが、意外と機械を大量に入替えず安定した高稼働を維持しているようです。ポイントは1パチ=277台とパチンコ全体の約30%という絶妙の比率にし、4パチの無駄な入替台数の抑制に成功している点です。例えば新宿東宝ビル店ではガロ144台、北斗の拳6(拳王)108台を必要としたのに対し、新世界店ではガロシリーズ90台、北斗の拳6が80台と少し“控えめ”です。
かたやアロー浪速店の方は逆に1パチの比率がパチンコ全体の約15%と、マルハン新世界店の約1/2です。アローの方は元祖大阪府下最強店のプライドにかけて、“パワーゲーム”を徹底的に仕掛てくると思われます。

2.スロットについてはマルハンが483台中74台が5スロなのに対し、アローのほうは5スロ無しの432台でのこれまたガチンコです。ですからこういう場合は機種構成を細かく分析する必要があります。
―了―

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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