スロット“6枚営業”“7枚営業”はタブーか?

業界のご意見番・小森勇の一喝 第32回

スロット“6枚営業”“7枚営業”はタブーか?

行政・ホール・メーカーの三者が協力して前向きに!

❶ ぱちんこについては、近々12月1日にでも日工組から発表されるであろう「回収リスト」に基づき、あとはホール営業所側が回収対象機と差し替える新内規の新台と如何なるスピードで交換していくのかに舞台が移っていくことになりました。もちろん回収の対価は幾らとなるのか? 回収に直ちに応じず検定期間いっぱい迄使おうとするホールに対して、組合はどう対応するのか? 当局からの何らかの法的サンクション(制裁)は有るのか? 等の大きな問題が残っていることも、また事実でありましょう。

しかし、大きな流れとしては「前向き」思考で<行政・ホール・メーカー>三者が協力して業界の本来あるべき姿を共に模索、見出していくしかなかろう! という事に落ち着かざるを得ないと思います。ここで「最大の責任者は誰だ!? 2番目の責任者は誰だ!?」の議論に熱中することは「後向き」の議論であって、そんな事で丁々発止をやったとして、果たして誰が得をするのでしょう? 怒りにまかせて<メーカーの逃げ得を許さない!!>とやってみたところで、ホール側に利益がころがり込むことが有るでしょうか? また<ウチはそんなベースの低い機械を望んだ覚えはない!!>と胸を張って法廷で証言できるホールが10,500店舗のうち、一体何軒あるでしょうか?

今回11月18日の余暇振秋季セミナーでの大門課長補佐のご講話は、私に言わせてもらえれば優れて「大岡裁き」のようなものです。AもBもCも、ここはひとつ“痛み分け”で上手に事態を収拾し、早く前向きに業界の未来を描くよう“産みの苦しみ”を味わおうではないか、という大岡越前流の裁定だと思います。

このぱちんこ機回収問題については、いずれ稿を改めなければならないかとは思いますが、今日はむしろ、これに当然関連してくるスロットの場外での買取り問題(※いわゆる「交換枚数」問題)に焦点を当ててみたいと思います。

7枚、8枚交換になったらスロットは壊滅するのだろうか?

❷ 前回の寄稿でも断言しましたが、<ぱちんこMAX機禁止 → 一般入賞口に玉が飛び込まない問題 → 検定通過時と全く同一ゲージでの出荷 → 恐らくベースが40以上になる??>という問題の流れと、東京都遊協で11月より業界等価の廃止 = 交換個数が上がる、という問題とは『不即不離』の関係にあります。これまで約20年の間、“換金等価”という禁断の実を食べ続けてきた営業所の方だったら、この両者が密接不可分だということは、一発でご理解されるでしょうね(笑)。20年間というものこの“換金等価”に対して、当局から“弾圧”が入らなかったものだから、パチスロ等価は当たり前のこと、7枚交換なんて一体誰が打つんだ! という論調を全てといってよいブロガー、コンサルタントが叫んできたと思います。

こうした人達は、20円で借りたコインが7枚交換になって1枚14円余りに成るから、始めから5.7円“負けている”からバカバカしい! という議論です。でも業界等価のスロットが(特にART機が)殆ど設定①であるという現実をどう釈明するのでしょうか? いわく①の方が暴発が起きた時のハネ返りの味が忘れられない……ということですね。でもそれを言うんだったら、アメリカのラスベガスかマカオ、韓国のカジノへ行くべきでしょう。日本には刑法第185条の賭博罪の規定があって、10,000枚のコインで20万円の“換金”ができるなどということは明確に処罰の対象となってくるのです。もし意地の悪いネット右翼たちがアチコチで、かかる“換金等価”を放置してきた行政の「不作為違法確認訴訟」でも起こしてこようものなら、最も激怒なさるのは、我々の監督官庁である警察庁であるということがどうして分からないのでしょう??

➌ こうして、「業界等価」のパチスロを渋々“あきらめた”として、もし仮に「ぱちんこ」がベース40~45時代にでも成れば、とても28玉交換上限でも“やってられない”状況になり、それに合わせてパチスロも6枚はおろか、7枚、8枚交換に合わせざるを得なくなる?! という状況を、まだ誰も想定したくないと思います。

曰(いわ)く、7枚、8枚になったりしたらスロットは“壊滅する”と。

本当にそうなんでしょうか? 今日はこのあたりを冷静に考察してみたいと思います。

断っておきますが、自分は15~20年前の7枚交換、8枚交換の時代が良かった、あの時に戻れ、と言っている訳では決してありません!! そうした回顧趣味では何も事態は進展しません。風俗営業の本質論から出発させないとニッチもサッチも行かないという立場です。

恐らく6枚交換ですらクソ味噌に仰る方は、≪6枚にしたところで、どうせ設定①のままでボッタくるホールが殆どだ!≫という根強い想いがおありだからだと思います。私もたしかにそう感じます。しかし、そうしたボッタくるホールはいずれ近いうちにお客の一斉離反が起こることは必定です。

スロットの設定に①から⑥がある理由は!?

➍ そもそも、何のためにスロットの設定には①~⑥があるのでしょうか? 真剣に考えられたことがありますか? 「有る」という方にもお聞きしますが、今人気No.1のバジリスク~絆~の設定⑥がどれ程の赤字額になるか即答できますでしょうか? ――恐らく20,000枚入って台当り▲72,000円の赤字になることでしょう。では何のためにメーカーは、こんな大赤字になる設定⑥を作ったのでしょうか? それは(断っておきますが)“脱法意識”などで設計しているのではありません。回胴式遊技機本来のおもしろさを実感してもらう為に①~⑥の設定幅を設け、お客に遊技技量によって大いなる“泣き笑い”を体験してもらうことによって、スロットのおもしろさを体験し、日常のうさ、ストレスに沈みこまない為のゲーム機をこしらえたのだと思います。だから名機として圧倒的な支持を受けるのじゃありませんか?

そもそもバジリスク、で、そんな“恐ろしい”設定⑥なんか使ったことも無いホールが多数でしょうね。中には「最初から赤字になるような③~⑥は投入禁止にしているホールも多いことでしょう。こうしたホール様が「換金等価廃止に反対」と叫ばれるのだと思います。案外この業界で1,000億円の年商を超える大手さんの中にもこうした企業様が多いものです。従って<ホールは殆どが設定①だ!>という“固定観念”がこびり付いてしまっていて、5.5枚交換にする事すら、心理的抵抗が強いのは、そうしたこの20年の時代背景があると思います。

7枚交換、8枚交換で業界は顧客からソッポを向かれるのか?

➎ 問題はここからです。前にも記しましたが、自分は何も“昔の方が良かった、昔に戻ろう”と言っているのでは毛頭ありません。自分も個人的にはART機で4,000枚出して8万P(ポイント)以上をゲットしてヌカ喜びした想いが有ります。しかしそれは“禁断の実”であって、三店方式を基本的に無視した、そうした“店外換金”によって浮かれる事が、やがて大きな業界の大陥没にはまることを我々は知らねばなりません。

正直言って、20円で借りたコインを20円で店外換金する以外はすべて損する! と思うお客が市場から居なくなる! と言うなら、それは仕方がないことだと悟るしかないと思います。本当にそれでパチスロ営業が潰れる! と言うならば、潰れることも致し方ないと言わざるを得ないと思います(※誤解を恐れずに言うならば)。ちょうどブラック企業といわれる企業が、バイトやパートのサービス残業の犠牲の上に高決算を上げていましたが、ブラック雇用で大騒ぎされると<ウチは潰れてしまう>と悲鳴を上げるのに似ているかもしれません。ハッキリ言ってそんなブラック企業は社会に存続させる意味は見出せませんよネ。我が業界も、大衆娯楽の原点から決して逸脱しないと誓うならば、20円のコインが20円で返ってくるという違法は必ず避けなければなりません。

では、いわゆる7枚交換とか8枚交換という形態は本当に市場からソッポ向かれるのでしょうか? “人類”はこの20年間経験したことの無いことを、これから試行錯誤して作り上げていかねばなりません。たしかに今までのスロット機は、例え設定①でもソコソコ遊べる性能に仕上がっている“名機”もありましたから、その想いから離れるのはチト辛いものがあるかもしれません。しかし、ぱちんこ機が大幅に、真に遊べる玉持ちの機械に大変身を遂げることに対応して、スロット機の方は「運用方法」において②③④⑤などの設定も混ぜ込んで使いこなしていくことにより、「遊べて」「それなりの闘争心」の湧くゲームを目指す努力をすべきでしょう。

お客様はホールの誠意と熱意を分かってくれるはず!

幸いか(不幸か)スロット機の方は、検定機と異なる性能云々の指弾を受けていません。一物一価の交換原則(=民法第586条の交換)という原則に則り、赤差メダルの上手な使い方を習得して、一時期減るかもしれないスロット顧客が再びお店に戻ってきてくれるように創意工夫の努力をせねばならないと思います。先程、仲間から今は無き名鉄アソシアホテルの奇蹟的V字回復のネット記事を読ませてもらい、目がウルウルしたところです。4期連続赤字で100人程の従業員に転職してもらわざるを得なかったアソシアホテル。名古屋駅前に一番近いビジネスホテルという立地条件にあぐらをかいていた古いホテル。これをV字回復させて、解体前に稼働率94%にまで持ち上げた総支配人のまず為さったこと。それは40人だけ残ったモチベーションがボロボロのスタッフ、パートの満足度を高め、スタッフ自身が誇りと自信を持って働ける為の環境整備でした。

その結果、お客の中に8人の食中毒の疑いを出したにも拘わらず、それを発表し、逆にその後リピートの宿泊予約に繋げた感動の物語から学ぶことは多く有ります。

7枚や8枚交換と言って、一時期離れていくかもしれないお客様を、いずれはいつかきっと取り戻せると思います。アソシアの総支配人に抜擢された方は、元名鉄の労働組合の委員長だった方で、ホテルはズブの素人でした。お客はきっと、ぱちんこ店の誠意と熱意を分かってくれるはずです。

 

カテゴリー: スロット営業,パチンコ,業界動向

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