データの見方が90度変わる!

業界のご意見番・小森勇の一喝 第36回

データの見方が90度変わる!

そもそも「DATA」って何の為のモノなのでしょう? それをひとつ、歴史を振り返って再考してみませんか?

80年代のデータ管理は店舗責任者の経験と勘によっていた

⒈ 80年代は、「差玉」がどれ位出ているかの把握が主目的でした。つまり「赤差玉」が暗黙の前提と成っていて、それに「黒差玉」の台が何割か混じり、その赤と黒のバラつきや多く出た場所のバランスをみて、明日の機種毎の「割数」をイマジュネーションし、そして台毎の「開け閉め」〔※と言っては支障が有るでしょうから(笑)〕各台の黒と赤の“調整”をするための標識灯がホールコンピュータの役割だったと思います。

大事なことは、ホールコンは直接各台の「台粗」をシミュレートするものではなく、あくまで<出過ぎたものは、ちょいと絞める、渋かった台はちょいと開ける>と言う指標を提示するに留まるものであったという事です。ですから最終的に「割数」を合わせるのは店舗責任者の「経験と勘による」ところが大きいという、優れて人間中心の道具であったという事です。今から思えば非常に店舗責任者の「人間性」を“尊重した”ツールであったといえます。

80年代には、「一般入賞口」を“絞めて”その分をスタートに回す、などと言う発想は大して重要なこととは、認識されていなかったと記憶しています。

93年頃からは多くのデータ取りが必要となってきた

⒉ ところが93年頃からは、CR花満開などがホールに導入されてきて、スタート賞球も5個返しになってくると、データの取り方に不思議な変化が起こってきます。それは、当時パチンコ業界の“王者格”であった、アレジン、エキサイトのようなアレパチや、F.パワフル3、F.クイーン2、麻雀物語、春夏秋冬のような7個賞球で出玉が早く見せやすい機械に“対抗”していくために、CR機を“より”回せるんだ! ということを具体的に顧客に体感してもらう必要性が出てきました。

その為に、「特賞間のハマり時間」(BO=ベースアウト)は何十何分か? そのハマり時間中の「吸い込み玉=Bサ」は幾つか? その吸い込み玉をモノともせずに遊技を継続してもらえるにはスタートは最低何回は回さねばならないか? そのためには特賞に絡んでいかない「一般入賞口」による賞球はできるだけ“抑えて”いけないものか? 等に関心が移っていきました。

ホールコンにもそのことが要求されてくるし、遊技台に取り付けられるセンサーも増えていった事でしょう。つまり「一般入賞口」にもセンサーが必要となってくるだろうし、確変機能付きのCR機ならではの、「確変中のスタート回数」を分けて取る信号の取り方が工夫されなければならなくなってくるし、「確変中のベース」を単発特賞時とは別に分けてデータ取りする必要も出てきます。あるいは確変終了後の「時短中」のベースを取り分ける機能も必要になってきたわけです。ある意味では、ホールコンの進化であり、センサーの進化でもありましょう。

「各台データ」を追いかければ顧客の心理は分かるという“妄信”

⒊ ところがそうなって来ますと、困ったことが起きてきます。それは「ホールコンDATA絶対主義」ともいうべき“弊害”です。つまり、人間がコンピュータを使いこなすのではなく、ホールの責任者がコンピュータに“従っていく”という現象です。

更にハッキリ言えば「各台データ」を追いかけて把握していきさえすれば、顧客の“勝ち負け”の心理は分かる!という「妄信」でしょう。たしかに、各台ごとの詳細なデータが手元で見れることは、ホール管理者としては心強い事でしょう。しかし、そのことで本当に顧客の心理は捕捉できたことになるでしょうか? これは、間もなく“幻想”となるのに時間はかかりませんでした。

この頃すぐに<持ち球を持っての台の移動が自由>、<持ち球の共有OK>という便利な営業方法が開発されてきたからです。

「一般入賞口問題」の遠因となった皮肉

⒋ “自由化”も遂にここまで来てしまいますと、いったい1台毎の遊技台データを詳細に分析することがどれだけ意味があることになって来るでしょう? ハッキリ言って実際の顧客の遊技実態を把握するDATAとしては、はなはだ誤差の多いデータが上がって来るとしか言えません。いきおい、機種別のデータで良しとするか、4円なら4円のデータ、1円なら1円全体のデータで大体の店の顧客の遊技傾向をザックリつかむようにするしか方途がありません。

でも変わらないのは「一般入賞口」をしっかり“絞めた”BYデータだけは遍く(あまねく)上がって来るという事です。そして今回この事が、当局よりしっかり厳重注意される遠因になったことは大変皮肉な事と言わざるを得ないかもしれません。

⒌ これからのパチンコ機が保通協の検査に合格しようとすれば、どうしてもスタート賞球個数は3個では不可能なことは明らかで、4個ないし5個にせねばならないことは、業界通であれば当然と言えましょう。しかも「一般入賞口」には10分間に断固として10個以上の入賞が必須条件ですから。そうなると、早い話が1998年頃の海物語3Rのような5個賞球の18年前の“原点”に戻るだけの話しです(笑)。

顧客ごとのデータ分析でデータ管理も変わる!?

⒍ このように今までの“各台データ至上主義”ともいうべき閉塞状況に限界を感じていた矢先に、知人の紹介で、「顧客ごとのDATA」の取り方が在るという話しを聞き、なにかピーンと来るものを感じました。

顧客毎のデータを分析できるツールとしては、実は2年前からユニバーサルエンターテイメント社の「FALCON」というシステムツールを知っていました。これは入金ユニットに優秀なカメラが付いていて、50ルックスの暗い環境でも95%位の精度で「顔認証」ができるというものです。これを採用されているホールでは、現金貸しメダルと、持ちコインの移動によるIN枚数の誤差が正確に計数され、何番台で獲得された何百何十枚のコインが次の何番台に持ち込まれたかまで分かる優れモノです。

このFALCONを使うと何が有りがたいかと言えば、一人ひとりの遊技客の「負け金額」が顔認証により紐づけられるという事だとおもいます。例えば北斗強敵262番台で1,230枚出されたお客さんが、次にマイジャグラーⅢに移って567枚を打ち込んだ、という風にデータが上がってきます。顧客の名前までは分からないものの、顔認証により同一顧客が262番台➡328番台➡611番台という遊技歴と、その遊技結果がユニバーサル指定のサーバーにデータとして挙がって来るというものです。

⒎ そうこうしているうちに、今度はヒューテック社のCISシステムを紹介され、またまた思考回路が一気に2段階位上昇してしまいました。このヒューテック社の「トラッカーシステム」です。お客様が風除室から入店された瞬間から、個々の入店客に個別番号が付られ、店内の何番コーナーからどのように店内を回遊されたかまで、全て追跡できる超優れものです。超が付くだけあって、今のところこの「トラッキングシステム」は相当高価なものですが、できれば顧問先には是非導入して頂きたいシステムかと感じています。詳細は次号にお話しさせていただきたく存じます。

今後の新台は従来データの見方では通用しなくなる

いよいよ22日には全日遊連の全国理事会にて警察庁のほうから相当厳しい内容の御講話が話されるであろうと巷間いわれております。そして1月中には21世紀会での説明を終えて、例の「第一次撤去・回収リスト」が出てくると言われています。その後も順次リストが続いて発表されることでしょう。

今後出てくる新台は、従来的データの見方では通用しない要素が多々多くなるでしょう。なにせ17年以上前のベースの高い、玉持ちの良い遊技機の時代です。従来のデータ管理手法では、今後の「真に遊べる遊技機」を顧客がどう受け止めて、どう店内を回遊されるのか? どのような機械配置が最も店の稼働を上げていけるのか? 智慧の時代に突入します。17年前のことを覚えている店長さんは殆どと言っていいほど残っていません。

さあ、新しいデータ管理、分析手法を模索し、見つけ、構築していかなければなりません。次号に頑張ってみます(笑)。

※ 文中、ホールコンシステム最大手様の使われる用語「BO」「Bサ」「BY」等のデータ用語を引用させていただいたことをおことわりしたく存じます。もう、この業界の共通言語で、英語みたいなものでしょう。自分もこの業界に関わるようになってより90%近くダイコク電機様のデータ用語で必死に勉強してきたものです。ここに謝して益々の業界のデータ革新が進むことを、業界人の端くれとして祈るばかりです。

カテゴリー: その他,パチンコ,業界動向,計数管理

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