パチンコ・スロットのW規制にオタオタしてどうする!

業界のご意見番・小森勇の一喝 第4回

パチンコ・スロットのW規制にオタオタしてどうする!

1.3月5日大阪でのパチ元会で、全遊振の三井慶満会長が、この「W規制」という問題の投げかけをしました。丁度2月末~3月3日にかけて、日工組(金沢全求理事長)がぱちんこ機のTSの上限値を、現行の1/399から、1/320未満に引き下げる(=大当たり確率を上げる)という内規変更案を提示し、全日遊連にも正式に説明がありました。実に10年ぶりの内規変更となります(※2005年にTSが1/500→1/400未満に確率が上げられた)。

2.昨年の7月頃には、スロットの長時間試験=17,500Gでの出率(=機械割)が55%以上120%未満という解釈につき、左→中→右のような押し順が6通りあるので、「押し順ナビ」を無視して全6通りのリール停止において、どの押し順でやっても全て55%を超えないと型式試験に落ちることを警察当局が明言しました。スロットの場合、その後スロットメーカーの技術者が慌てて会合を開き、昨年9月16日以降に持ち込むマシンについての技術的詳細を決定したという経緯があります。

3.この結果、今年の11月1日以降はパチンコもスロットも、こうした“新基準”によって試験に合格した機械のみが新規販売できることになりました。普通に考えれば、東京の行政指導により「新基準」が定められたわけですから、あとは粛々とその指導に従えば商売は何ら問題なく続けられる訳ですよね。
ところが、ホール業界は上記1.2.の行政指導に逆らうかのように、「新基準」前の現行機械の生き残りを図るべく、この10月ぐらいまでに中古機として現行メイン機を購入し、あと1年でも1年半でも使っていこう! という方向に向いているようです。こんなことは他の業界、例えば車の排ガス規制や、空調機のフロンガス禁止規制の場合には、まず起こりえない出来事ですよね! しかるに我が業界はどうだろうか? 当局の指導に精一杯レジスタンスするという態度です。たぶん多くのホールの言い分はこうでしょう。
「来年以降より厳しくなるであろう環境に適合するため機械代を削減していかなくてはならない。だから今の売上の上がる機械を買い集める!!」

4.これは詭弁というものです。これまで粗利の25~35%位を新台購入に充ててきたくせに、ここにきて借りてきた猫のように大人しく機械代を削減するために現行機の中古を買い集める、という理屈は笑えてしまいます。自動車業界や空調機業界では絶対に起こりえないことが、わがパチンコ業界では今後中古機の大量流通というカタチで起ころうとしています。これは明らかに監督官庁に対するレジスタンスでしょう。この原因はやはり、監督官庁とホール業界(※特に大手)との間に、ホントの意味での信頼関係が欠如している! ということでしょう。ここで参考にすべきは1994年~96年にかけて当局の相当強引な指導であったにせよCR花満開、CR黄門ちゃま、CRネプチューン、CRビッキーチャンス等を“半ばしぶしぶ”導入していったけれども、結果としてその後ホール業界の大幅な売上増と脱税防止などの業界健全化におおいに進んでいったことでしょう。

5.ところが、2000年頃でしたか?『社会的不適合機』という意味不明なレッテルによって、店内でまだ1/2程の比重を占めて活躍していた「現金セブン機」「アレパチ」「現金3種権利物」などはおろか、当局が“応援した”であろうCRの花満開、大工の源さん、黄門ちゃま、ギンギラパラダイスの様な機械までもが1年ちょっとかけて“強制撤去”させられる! という事態が起こりました。
僕は、あのとき(約15年前)が、ホール側と監督当局との信頼関係がおおいに傷ついた節目だったように改めて思います。あれから約15年、ホールは機械メーカーに対しても、監督当局に対してもどこかで疑念をもつ、という不幸な関係が続いているのだ、と思います。

6.では今後の対策と心構えです。よく考えると今回、Pの規制と、Sの規制では規制のあり方がまるで異なるのです。

① Pの方は昨年夏ごろから盛んに“射幸性を抑えた遊技機”という言葉が、行政講話の節々に見え隠れしていた筈なのに、今年に入る頃からか? むしろ「のめり込み防止対策」の方にいつの間にか軸がズレてしまったようです。この結果、射幸性といえば大当たり以外の通常出玉率の問題(いわゆる通常ベース)を避けて通れなかったはずなのに、それを日工組はスルーしてしまって、大当たりまでのハマり時間(=BO)を短縮するべく、特賞確率(TS)をUPする方向で今回収拾を図った!というのが本音じゃないでしょうか?その結果が、1/320未満と、小当たり特賞でも最低600個の出玉ということなわけです。
※TSが1/320未満となったからと言って、一気に“爆発力”が落ちてしまうわけではなく、1/320でも最大連続大当たり出玉=8400発の機械を造ることは理論的に可能である! ということは、我が畏友=高橋正人(T.K.C.社長)が力作論文を発表する筈なので、ぜひそちらも併せて読んでいただきたい。

② Sの方は、メーカー側が64ビットのサブ基板をフル活用して、メイン基板上では何ら高確状態ではないものを、あたかも高確のART状態を“取りこぼした”ペナルティ機能により、その分をもっとあとの継続ARTの時の純増枚数に“回す”というバーチャルなテクニックに対して、NO! の烙印が押されたというだけのことです。もともとメイン基板では当選していないのだから、保通協としては、試験の際に押し順ナビに従って出玉率を検査する必要は更々ない!という至極ごもっともな見解です。ですから「規制の強化」というと、当局からはアタマおかしいと言われそうですね。この擬似小当たり状態で、第1ボタンを押した時の出玉率を異常に低く抑えることによってしか、後の継続ARTで純増3枚といった大量の出玉を見せられなかった、という悲しい現実だったわけです。いずれにしても設定⑥の最高出玉率が120%未満と、PもSも決められているわけです。

ですからそんな保通協を騙すような“裏技解釈”を使うのではなく、設定①で出玉率56%、設定⑥で出玉率118%という機械をAタイプでいくらでも作れるわけですから、僕はスロットの未来に実はあまり暗い悲観論ではありません。

カテゴリー: その他,パチンコ,機種構成

メッセージを残す

メールアドレスが公開されることはございません。