業界の禁止用語(その1)

業界のご意見番・小森勇の一喝 第41回

業界の禁止用語(その1)

「割を下げる」とはどういうこと!?

❶ 「割数・営業」(※割を下げて利益を確保する ➡ ✖ )

この業界に入る人の殆どが最初に耳にする言葉が、「割を合わせる」という事でしょう。

※もっとも、PCSAさんに代表されるように「玉粗利」で以ってお客様の負担具合を図る重要指針とされてらっしゃる会社様においては、逆に「割数」って何? という向きもお有りでしょう。

1) 言うまでも無く「割数」とは、「貸し玉個数」に対して「賞品玉個数」がどれだけの割合でお客に提供されたかの比率を見るモノです。これによって「今日は結構球出したな!」とか、「今日は出玉が渋かったから、明日は出さないとヤバいかも!」とかを判断する最大の材料だからです。パチンコは「貸し玉」を“売ってナンボ”の世界です。貸し玉売上がどれだけか? 分からずには、「台粗利」が多いのか少ないのかの判断も付きにくいからです。

賞品玉数    ・・・・(a)
―――――
貸し玉数    ・・・・(b)

※この点、ダイナム様は「玉稼働数」×「玉利」=「台粗利」という革命的方程式を編み出されて、「台売り」額が分からずとも台粗利が導き出されるという、コペルニクス的転換を果たされましたが、これについては後程少し詳しくふれたいと思います。

昔は全国的に“16割分岐営業”が主流でしたから、19割だと「今日は結構出たなぁ」とか、11.5割だと「ちょっと今日は厳しすぎたんじゃない?」とかオーナーから言われて「明日は1割、割を上げろ」とか言う世界がパチンコ現場の“原風景”だったと思います。

いまは“等価に近い”営業が主流ですから、9.5割で「よく出た」とか、7.8割で「渋かったかな?」という感覚でしょう。

では、「割を下げる」とはどういうことでしょう?

上の式だと、(b)の貸し玉数はお客様がお金を入れて借りてくださる個数ですから、お店では直接コントロールしようが有りません。そこで(a)の賞品玉数を“コントロール”することで割を下げるしかありません。

2) では、どうやって賞品玉数をコントロールして「割を下げる」のですか? それは、パチンコだと

① 「スタート回数を下げる」
② 「ベースを下げる」
③ 「特賞の寄り(TY)を下げる」

の大きく言って3つの方法を駆使すると言われてきました。

❷ ハイ、STOP! 上記に書いたことは全部、完全に禁止事項ですよね(笑)。

「ぱちんこ営業」については、全国的にこの15年間ほどは「業界等価」が主流だったので、10割で分岐点、よって日々の営業では、15%の粗利を確保せねばならぬ時は「8.5割」。22%の粗利確保の時は「7.8割」営業でやって来られました。ラスベガスやマカオ、シンガポールのカジノであれば、これで何にも言う事はないですね。「よくやった、マネジャー!」でお終いです。

ところで、パチンコには『賞品』というものが有りますね。カジノと違って、現金をお客様に渡すという訳には到底イカヌわけです。何のために『賞品』というものが有るのですか? 例えば10,000発の玉を獲得されたお客様に40,000円「相当」の賞品を渡します。普通の物販業であれば、その40,000円相当の賞品を提供した時点において、例えば12,000円の粗利益が生まれます。なぜならその商品の仕入れ額は28,000円だからです。5年前に大阪府警が指摘したのは、まさにこの点なのです。

※20,000円“投資”して(20,000円÷4円=5,000玉の貸し玉)、10,000発=40,000円相当の賞品を持っていかれたとした場合、その商品の仕入れ原価が28,000円であれば、お店の赤字は-8,000円なわけです。また30,000円“投資”して(30,000円÷4円=7,500玉の貸し玉)、40,000円相当の賞品を持ち帰られたとしても、その商品の仕入れ原価が28,000円であれば、お店は実は(赤字ではなく!)+2,000円の黒字なのです。

業界人が気づかずにいた「悪しき慣習」を捨て去り、真の『等価営業』に立ち返らなければならない 

❸ 結論として言えば、【10割営業しても、ちゃんと商品を一般定価の70%で仕入れていれば、30%の粗利益を確保できるでしょ】という“バカバカしい”ほど「当たり前の事」を監督官庁は仰っているわけです。

このことを昨年6月の行政講話の際に、ハッと気づいた方は何%いらっしゃいますか? 分かっておられたら〈9割営業だと機械代も出ない!〉とか、〈8.2割でも店の営業利益は出ない!〉等という発想そのものがオカシイ、と気づかれませんか? 当局からすると、「業界等価営業」は、

◎20,000発打ち込んで、16,000発お客に返してあげる営業により、8割営業で20%の機械粗利……4,000玉の黒差玉。この場合「出玉率」=80%=「機械割」=「営業割」

こんな営業がまかり通ってイイんですか? ということになります。

なぜなら、保通協で試験をパスした機械は、「通常ベース」が30~40%有ることで合格していて、ふつう出玉率=機械割も100~103%ぐらいのラインで試験を通過しているはずです。という事は、月間で8割営業に“抑える”ためには

① スタートを相当抑え(ex.1,000円で14回スタート≒分間4.79回スタート)
② ベースを限りなく下げ(ex.スタートベース18+一般入賞口ベース2=トータルベース「20」)
③ 特賞出玉を削り(=TY削減)

をしながら営業してるんでしょ! という風に、当局は突っ込まざるを得なくなってくるわけです。

❹ お客さんの最も素朴な遊技動機で見てみると、更にスッキリ分かるはずです。

10,000円の投資(2,500発の貸し玉)で、途中当りを何回か引きながら、最後に10,000円相当の景品が帰ってきたら、チャラ。やれやれ充分遊べた筈です。投資した分が「返って来る」わけですから。

つまり、これすなわち「10割、出してあげられる営業」!
じゃあ、お店はどこで儲けるのですか? と聞かれれば…
「ハイ、うちは賞品の仕入れ原価を抑えて粗利を戴いています!」♪♪♪
と答えるだけで合格です。

更に、じゃあオタクは賞品を自家で買い取っておられるのですか? と聞かれれば…
「トンでもありません! 店の外の買取りショップで3%の手数料を戴いで買い取っておられるみたいですよ」♪♪♪
と答えれば、99.99の最高得点です(笑)。

❺ そもそも、昨年1月から始まる、「ぱちんこ機」に対する当局の“締め付け”は、その根源に8.5~7.5割くらいに割を下げて営業せざるを得なくなったホール業界の実態が有ります。

・スタートは「回せない」…、だけど、
・それでも目いっぱいスタートを回すために、元々「20」くらいあったBYを「2」くらいに落とす為に一般入賞口に「全く玉が入らない」くらいになっている!
・特賞出玉(TY)も「スタートを回すために」できるだけ削る。

こうした悪しき慣習が10年以上続いてきました。でもほんの2~3年前までは、ほとんどの業界人が、「悪しき慣習」とは思ってきませんでした!

「検定と異なるおそれがある遊技機」とは、まさしくこうした風土の中で、オペレーターとしてのホールも、サプライヤーとしてのパチンコメーカーも、こぞって「業界等価」向けの機械を開発し、買い求めてきた、この現実から産まれた鬼っ子のようなものです。

当局は常にSISのような全国データを見ておられます(笑)。失礼、笑っちゃいけない! もう適当な美辞麗句で隠し事ができる時代ではありません。一日も早く、この間の「業界常識」を捨て去って、真の『等価営業』に立ち返らなければなりません。

カテゴリー: パチンコ,業界動向,計数管理

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