この夏のグランドオープン店を概括しつつ、年末を予測する

業界のご意見番・小森勇の一喝 第46回

この夏のグランドオープン店を概括しつつ、年末を予測する

2カ月ぶりの一喝ですが、今日は“糺す(ただす)”内容ではなく、この夏の新規店舗にフォーカスを当てて総括を述べてみたいと思います。よく考えたら個々の新店レポートは在っても、全国十数店舗を総括するレポートは見当たらない事に、今さら気づいたからです(笑)。

【分析の視点】
ⅰ)ぱちんこMAX機の設置が認められないという「想定外」のグランドオープンは、お客様にどう受け止められたのか?
ⅱ)この夏のグランドオープンはどういった形態上の特色があったのか?
ⅲ)この夏の新店は、年末までどうイノベーションしていくのか?

――― 以上の3点の視座で、各地の新店を振り返ってみたいと思います。言うまでも無く、これからの未来を占うために、欠かすことのできない作業です。

今夏、新規出店店舗から見えてくるものは…

❶ この夏の主な「新店」のリストは、以下の通りです。[※新店とは、ⅰ)全くの新規店、ⅱ)経営者が根本的に交替した店、ⅲ)以前の店を解体して一から創り直した店]の3類型があります。

・Dahram S-1(スロ専/Mrパンプキン → ドドンパ → ダーラム)   滋賀県大津市
・123新市街(Venus gallery → テンガイ → 123)         熊本市中央区
・セブンズ(スロ専/モコ → キングコング → セブンズ)       神戸市兵庫区
・GAIA大島(元センチュリー)                   東京都江東区
・ライオンズ(スロ専/元ニチエイ長野東通)            長野県長野市
・AMZ石岡(低玉新台専門館/元P-ZONE)             茨城県石岡市
・キング666東海(元プレイランド大京)              愛知県東海市
・ACTドラゴン倉賀野(ARK → メッセ → ドラゴン)          群馬県高崎市
・テンイチ∞新松戸(スロ専/元しゃらく → そーや → テンイチ)    千葉県松戸市
・一番舘 所沢小手指台(元ブリッジ)               埼玉県所沢市
・つかさ神埼(バルーン → ラ・ポール → つかさ)           佐賀県神埼市
・バージン岡山南本店(元ヨーデル)                岡山市南区
・パラッツオ桐生(元タイタニック)                群馬県桐生市
・キコーナ今津(スロ専/元パラダイス)              兵庫県西宮市
・Z0R0N(元カナイ)                       横浜市緑区
・ニューフェイス茨城総本店                    茨城県日立市
・マルハン福井                          福井県福井市
・メガGAIA那珂                           茨城県那珂市
・キコーナ阪神西宮(元国際会館)                 兵庫県西宮市
・ZAP長岡インター(スロ専/元ジャラン)              新潟県長岡市
・CORONA500                          福岡市城南区

こうして見ると、ハッキリ言えるのは、

➀ スロ専に業態変更しての新店が6店舗もある。
② 従来の建物を壊さずの新店が21店中16店舗もあり、全く新規か従前建物解体は4店しかない。

―― の2つの特徴が看て取れると思います。

やはりこの時期、全くの新規は相当な投資を必要とするため、長期的な出店戦略があったりとか、大手企業ではないと出来ないということでしょう。逆に見れば所謂「居抜き」のチャンスは相当数潜在しているという事にもなりますね。それとスロ専で新規出店した企業は、ぱちんこ機に期待しづらい事を早くから察知していたとしか思えません。しかもDahram(403台)やZAP(522台)の様に大型のスロ専が「この時期」出てきている事も力強く感じます。

今夏、新規出店店舗を分析するためのポイント

❷ さて、ここに取り上げた21店舗のその後の営業状況はいかがでしょう? 個々の店の稼働状況を云々することは避けましょう。たとえグランドオープンに“失敗”されたとしても、その後ジワジワと稼働UPしていく事例はたんまり在るからです。そこで皆様のためにこの夏の新店分析をするための視座のみをご提供したいと考えます。

A.ぱちんこ・スロット併設店の新規開店で“苦戦”しているという事実があることは否めないのですが、その原因は、

ⅰ)ぱちんこMAX機が無いからなのか?
ⅱ)既存の周辺店もお盆でも盛り上がっていないということは、ネット時代でお客様も「今のパチンコ屋は大変なんだ」と気づいておられるセイではないのか?
ⅲ)既存の周辺店のMAX機も20,000発強しか稼働していないことから見ると、お店の機械配置、店内装飾などの総合力をもっと高めないと、来年以降の新店も〈機械情勢とは関係なく〉、満台にできないのではないか?

B.(この夏に関する限)スロ専が多くなっている事実は在るのですが、

ⅰ)この夏だけのたまたまな現象なのか? 3次回収リスト機の撤去がほぼ終わる今年の年末は、PS併設店の出店が主流に戻るのか?
ⅱ)更に、来年中には傾斜値(いわゆる純増枚数)の高いスロットの設置比率を30%未満に抑えなくてはならないと言う中で、果たしてスロット台数が今の150万台強から、更に増えるのだろうか?

❸ 上記の問題提起に対する“正解”は見つけづらいのですが、私の今の見解を述べて、この稿を終えたいとおもいます。

A.に付いて。

・機械の出玉性能だけで新店の帰趨を語るのは、もう“時代遅れ”だと思います。全国遊技ビジネス振興会(全遊振)の元会長で、現最高顧問の三井社長(M.I.D.代表取締役)が喝破されるように、お店の営業力は、

ⅰ)ホールスタッフ・幹部による「接客力」
ⅱ)お客と対面する機械による「接客力」(機械が接客などするわけがない! と叫ばないでください。ぱちんこ店は着席するお客と機械との対面の“孤独な”遊びです。いやウザったい周りを気にしなくてよい、優れて自分一人で楽しめる世界最高の遊技ではないでしょうか?)
※従って、「機械による接客力」と言うものは、厳然と存在します!
ⅲ)店舗そのものの「接客力」
※遊技関連設備、店内装飾、音響、天井高、店内空気など、店の造りなどが全て相俟って、お客様の「店舗選択」が成されていることも、厳然たる事実です!

・従って、「ぱちんこMAX機が無いから新店は上手くいくはずはない」と言うのは、非常に表面的なコメントに過ぎません。
※個人的には、前掲の「メガGAIA那珂」や「マルハン福井」の様にMAXぱちんこ無しでグランドオープンした大型店が、既存ライバル店と遜色がないか、いやむしろ上回る営業を年内継続できれば、『時代は知らぬうちに変わった』という事になると感じています。

B.に付いて。

・長岡(ZAP)の大成功に見られるように、現時点で考え得る“最高の機械構成”と、“最高の設備環境、店内雰囲気”でお客様を迎えれば、細々した将来の不安など口にするのは愚かに見えてきます。スロットも厳しくなる云々を口ずさむ人ほど、スロットの事を本当は分かっていないと思います。スロットコーナーがグランドオープンの成否を決める! という事は、実は2年前からの「常識」なのです。いまだけ「パチンコが厳しいから仕方がない」という消極的な理由で、スロット“重視”を語る訳では毛頭ありません。

・ネットの時代だからこそ、「短時間遊技」がキーワードに成ります。ネットの時代だからこそ、薄っぺらい真似ごとの店は、瞬間的に叩かれ炎上し、瞬間的に“終了”します。逆にオリジナルな重層的アイデアが詰め込まれた店には、ネットは「何もできません」。なぜならネットとは軽いもので、重厚な魅力あるモノに対しては攻撃しようがないからです(笑)。

“ベース18で一撃9,000発”などという幻は歴史から退場せざるを得ない!

❹ 現時点での結論:

ぱちんこ機の方もこれからは通常ベース値が30は当たり前で、上皿の玉持ちがよくなります。瞬発力が落ちて来るから「クソダ!」という人は、いつまでもクソだと言い続けてください。「業界等価」を基準としてベース18で一撃9,000発などという幻は、永遠の幻として歴史から退場せざるを得ません。

いわゆる「玉・メダルの交換レート」についても、今後11割分岐はおろか12割でも、とても持たなくなることは「火を見るよりも明らか」でしょう。

今はお客様のぱちんこ遊技も短時間化してきてますが、「玉モチ」が良くて遊べる機械ばっかりになって来る来年2017年、ぱちんこ機にお客様が戻って来るイメージを読者の方一人ひとりが頭に描いてみましょう。そうすれば、スロ専ばっかりが多くなる現象もやがて止まるでしょう。

カテゴリー: スロット営業,パチンコ,パチンコ営業,戦略・戦術,業界動向,機械

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