新店、話題店は必ずと言ってよいほど見に行こう!

業界のご意見番・小森勇の一喝 第5回

新店、話題店は必ずと言ってよいほど見に行こう!

 

25年前はパンチパーマの店長さんでも、ライバル店をじっくり観察した

先日、関東の親しいとある企業様で幹部相手の講習会を行いました。気心はイヤになるほど分かる間柄です。分からなくなった時は「現場」に戻って「現場に聞け!」。あるいは求める答えは必ず「現場に眠っている!」というのは、“現場主義”の基本中の基本です。当然、最近の新規オープン店舗は、それが現状で成功裡か苦戦しているかも含めて、最新の営業情報の“宝庫”な筈です。そこで例えばということで、①「ピーくんガーデン(730台)」(足立区谷中)、②「スーパーD’ステーション座間店(1000台)」、③「マルハン小岩パチンコ館(588台)」、④「マルハン小岩スロット館(300台)」の話題店をどの程度見に行ったか? 挙手してもらいました。

結果は思ったとおりでした。40名余りの受講生のうち①~④のうち一つでも見に行った人は1割にも満たない状態でした。別段この企業の情報感度がいたく劣っている訳ではありません。サービス面、接客面、営業情報面の武装は人一倍行ってらっしゃる企業様なのです。しかし・・・店は自店の周辺の店しか見に行かない。それも二日に1回でも行くかと言うと? そんなには絶対行かない!

これが現実です。なにもこの企業様に限った話ではありません。大体どこの大手企業で講習会を行ってもみんな同じようなものです(笑)。一昨年での大阪のパチ元会の基調講演で、神戸市垂水区にグランドオープンした「ミクちゃんアリーナ学園南店(777台)」を見に行った人の挙手を求めたところ、120人ぐらいの聴衆で手が挙がったのは10人もありませんでした。その年の兵庫県下で唯一と言ってよい新店で、スロット各台のデータ表示器がユニバーサルのHOT STADIUMという関西初のお店だったので、相当数見に行ってるかと思いきや! ちょっとショックでした。要は自店の近くに「ミクちゃん」という店が出店してこない限り、見に行かない! というのが大概の幹部なのです。

いつから我が業界はこんなに出不精になっちまったんでしょうか? ここでいつも私が講演会でお話しする“小森節”を披露します。25年ほど前のパチンコ全盛期の店長は、不振店が少なかったせいか、夜9時を過ぎないと出勤しない店長さんが多くいらっしゃいました(笑)。しかも殆どの店長さんはパンチパーマでした。こんな“ロクでもない”店長さんでしたが、ひとつだけ尊敬すべき点がありました。それは、出勤前に必ずと言ってよいほどライバル店をじっくり観察して、時にはライバル店で自分で打って、釘をチェックしたり、ライバル店の客付きの良い台の玉の流れをチェックしてから出勤してくることでした! 当然命釘のサイズのチェックだけではないはずです。

ところが、データ分析の項目がやたら増えて、例えばスタート回数(ex5.4回/分)、BY値3、BA値86で30,000発稼働するとどれ程の「台粗」か? というような『シミュレーション』が流行しだすと、ライバル店の台を打ちに行かなくても、自店の利益コントロールが十分できる! との『錯覚』が一般化してしまいました。つまり、相手を観察するよりは、自店のデータを詳細分析する方が目標数字を確実に捉えていけるという“自分主義”が蔓延してきたのです。

度し難い出不精症候群、現場不勉強症候群

もう一つ出不精になった理由があります。今の中堅以上のホール企業の店長さんは大卒入社が多く、会社のイントラネットを通じて上司に報告書を上げたり、中古書類をチェックしたり、入れ替え検査の書類を精査したり等々、事務能力に長けていらっしゃいますが、まるで事務屋官僚みたいになってしまって、カギを持ってホール現場で2時間以上働くということが本当に無くなってきたのです。店長、ストアマネージャーとかは間違いなく「営業部」です。「営業」の基本は現場に出て、現場から答えを見つけ出すことです。コンピュータ会社から送られてくる全国データをパソコンで分析することで業績が上がると思うのは間違いです。

関東の話しに戻りますが、前出の①「ピーくんガーデン」は環七を挟んで真向かいに系列の「ピーアーク北綾瀬・ネクスト」があり、730台の遊技台数に駐車場700台という、都内でも珍しい話題店なのです。しかも足立区は竹ノ塚と、この谷中がピーアークの2大拠点です。この新店舗を見に行かないというのは自分には理解できません。②の「D’ステーション座間店」は激戦区の大和・座間エリアに敢えて関東大手のネクサス㈱が参入した話題店です。しかもヤマダ電機の撤退した跡へのパチンコ店入居ということで、大手電機店にとっては悪かった立地でパチンコ店が成功するのか? を占う先駆的事例なのです。結果は今のところ成功裡です。決して球出し営業を旨としないD’ステが何故激戦区で健闘しているのかは、店づくりに興味ある幹部にとって見逃せないところです。また③④は江戸川区地元企業の大野屋さんのTOPSをマルハン様が比較的安価で取得され、低コストで改装してグランドオープンしたものです。従来の巨艦店主義ではない新しい都内の出店形式であり、結果は大成功です。この新しい出店形式に興味を抱かない中堅以上の企業幹部は、正直5年後に生き残ってはいないと思います。

こんなふうで、最近の幹部の出不精症候群、いや現場不勉強症候群はちょっと度し難いものがあると思います。原点に返って、常に新鮮な現場を追い求め続けるように変わりましょう。

カテゴリー: その他,パチンコ,マーケティング,注目市場

メッセージを残す

メールアドレスが公開されることはございません。