第133回 【相模の国=厚木 篇 強豪六卿が出揃ろった稀有なエリア】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第133回

【相模の国=厚木 篇 強豪六卿が出揃ろった稀有なエリア】

 

いやぁホンマ久しぶりの厚木じゃのぅ。
20年前程前までは毎月の様に伊勢原、そして大山(おおやま)詣でをしておったし、15年前には大山近くの七沢温泉で遊技業の経営者と一緒に温泉に入った事が懐かしい思い出じゃ。

20年前の貴重な思い出と云えばのぅ、小田急の本厚木駅前に横浜から「PIA」が出店してきた時の事じゃ。
今頃は横浜西口のPIAと云い、八王子駅カブリ付のPIA殿と云い、驚かのう成ってしもうたが、20年前の本厚木出店時は、信じられんような超高稼働ぶりじゃったものじゃ。
なにせビルの地下店舗であのような稼働をたたき出すもんじゃから、驚くほかなかったわい。
PIAとしても本拠の川崎から遠く離れた厚木の地下店舗で、まさかあのような大成功を修めるとは予想外だったのではあるまいか。
当時の厚木市と云えば、ジャパンニューアルファ(JNα)とジリオン(ZILLION)」の350台規模の店が数店舗あるくらいのもんで、今のような超大型“戦争”なるものとは無縁であった。

ところがどうじゃ。
この5年間と云うものの急激な変化というものは!暫く大山詣でをせぬうちに厚木もすっかり変わってもうたみたいじゃ。
幕府の分からんところで、如何に変わってしまったか?を探知するのが今回のmissionじゃ。
相模の国と云うと何と言うても、亡き北条早雲や氏康の北条家の人気が依然として高い地域じゃから、常に用心に越したことは無い。
という訳で久々の相模巡察と参るか。

 

━マーケターも首を捻る不思議なエリア━

❶ 厚木という街はホンマに不思議な街じゃ。
横浜・川崎の様に江戸東京の至近距離の大都市という訳でも無し、相模原の様に“軍需工業”の一翼を握る富裕な工業都市という訳でもなく、藤沢、逗子、横須賀の様な高所得者の多いベッドタウンの街という訳でもない。
また東京八王子、多摩のように大学が集結する学生の多い街と云う訳でもない。
新宿まで快急・急行で小1時間もかかる。
しかるに人口は毎年微妙に伸びて既に225,000人となっておる。
しかも、〈夜間人口よりも昼間人口の方が30,000人も多い!〉という世にも不思議な街なのじゃ。
さしずめ、東京のベッドタウンと云うよりかは、相模のヘソに位置することから、周辺の小田原や海老名、秦野、藤沢辺りから通勤客を集めておるとしか言いようがないのではあるまいか。

面白いことに「本厚木駅」は厚木市じゃが、「厚木駅」(小田急、JR相模線)の「厚木駅」は、なんと海老名市に在るのじゃ(笑)。
ついでに笑い話を付け加えると、在日米軍の「厚木基地」は厚木市とは無縁で、隣の綾瀬市と更に向こうの大和市にまたがっておるのじゃ。
何で厚木基地と名前が付いたかは、ワシにもさっぱり分からん(笑)。

もう一つ不思議な事がある。
高速道路網が余りにも便利に市内を走っておる。
東名高速道路、小田原厚木道路、国道246(二―ヨンロク)号、129号(茅ヶ崎⇔相模原)、412号(厚木⇔相模湖)は勿論のこと、2年前には寒川⇔海老名JCT間が開通することにより、「圏央道」が厚木市内を北から南端まで縦に“ブッタ切る”かのように全通しおったわぃ。
かように高速・高規格道路の便が良いにもかかわらずじゃ、市内の生活道路はいつもトロトロの慢性渋滞じゃ。
その訳は案外と簡単で、厚木市内をぐるりと取り巻くような環状道が無くて、本厚木駅から各住宅団地に向かう“放射状の”道路のみという「根本的な」問題点に尽きるといってよい。
これもまた不思議な話しじゃ。

 

❷ さて、いよいよ店舗巡察に参るか。
本厚木駅前の店の方は最後に回して、まずは放射状に伸びる郊外の店からと致そう。
何と云っても最近できたばかりの「マルハン新厚木」(720台)からじゃ。
つい先月の8月10日に処女オープンしたばかりじゃ。
と云うか、すぐ南隣の複合施設=メガマックスの3階に在った元の「旧:厚木店」からの、“引っ越し”店舗という珍しいパターンの店なのじゃ。
元の店が668台であったから、少し拡張しての開店と云うことになる。
普通に考えれば、視認性の悪い複合施設の中から脱出し、晴れてその真隣に堂々と自前の駐車場付きの店を構えたのじゃから、成功することはほぼ確実なはずであろう。

しかし、どうも店内には活気が足りぬように感じるのは気のせいであろうか?
ついでに蘊蓄を述べるならば、隣のメガマックス。
じつは潰れてしまったが90年代にはグループ売上が2兆6,000億円もあった巨大『ダイエーグループ』の「Kou’s」という施設じゃった。
オーナーの中内㓛(こう)殿がご自分の名前を付けられた、アメリカの流通業に倣った会員制ホールセールクラブの関東進出第1号店であったのじゃ。
15年前の2002年にコウズとしては閉店してもうて、その後メガマックスと施設名が変わっても、マルハンはその3階に居座り続けた。
じゃけん厚木の人でも若い人は殆どKou’sのことを知らぬじゃろうな。
改めて世の移り変わりの激しい事に嘆息するしかあるまい。

この「マルハン新厚木店」はダイコク電機殿のデータ表示器“premium BIGMO”を導入しとるのが珍しい出来事というべきかは。
元マルハンの大幹部殿の話しでは、お盆のグランドオープン時には、遠く相模川を越えた自社の「マルハン相模原店」(960台)にまで影響が在ったという事らしい故、スロット客を中心に今でも大掛かりな開店狙いのお客というのが健在なようじゃな。
ま、マルハン殿の事じゃから、これからじっくりと稼働を付けて来られる事とは思うが。
ここの後背地には「森の里」という巨大な住宅団地が拡がっておるのでマーケットは決して悪くは無いと思うぞ。

 

━マルハンの歴史と周辺店舗の推移━

❸ さてこの新厚木店から北に6km離れている、もう一軒の「マルハン厚木北店」(1020台)の方も覗いてみようではないか。
もうやがて5年半前に成るかのぉ。
名古屋のノリタケの持っておった広大な敷地に、この「マルハン厚木北」と「コーナン・ジョーシン・DEPO」の2つの巨大施設がオープンしたのは。
出来た当時からマルハン関東の中では指折りの高稼働店として大繁盛であったが、さて現在はどうであろうかのぅ。

おぉ、平日水曜の昼過ぎというに相変わらず5割位の客入りではないか。
前面道路が厚木名物の渋滞する生活道路だという点は致し方ないにしても、立地条件といい土地の形状といい、適正な台数規模といい、全てが揃っちょると云っても良い店じゃからのぅ。
こういう“一生モノ”の店をワシも造ってみたいものじゃ。
聞くところによるとこのノリタケの土地を巡っては、福島の大手、山形の大手等数社も取得に手を挙げられておったというから、この厚木北店の盛況ぶりを今ワシの様に覗くと、さぞかし悔しい想いをされておるじゃろうのぅ。

ふと気付いたことなんじゃが、同じマルハン殿でもこの「厚木北店」と前の「新厚木店」とを比べてみると、厚木北店の方が今でも“華”があるようにワシには思えるのじゃが。
たしか5~6年前まではマルハン社内に「新しいパチンコ店を創造するチーム」が在って、「千葉北店」「横浜町田店」「千葉みなと店」「鹿浜店」「亀有店」などの名だたる優良店が陸続とできていった事は歴史が認めるところじゃろう。

しかるに3年前の2014年辺りからは“徹底したコスト削減”の号令のもと、このチームは解散し、“こだわり”を持った店づくりは“お止めに”なったと認識しておる。
そのせいか、3年程前からのマルハン殿の新店はむしろ“普通っぽさ”を恥じることない店づくりに徹しておられるようにワシには思えている。
どちらの行き方が“良いのか?”等はよその第三者が軽々に評するべきものでも無いじゃろうから、これ以上は語るまい。
ただマルハン殿は、ここ厚木だけではなく、相模原市、群馬県太田市、前橋市などの人口80万人以下の都市に於いて、1つの市に複数店舗を展開されておる。(100万都市は除いて)
こうした1都市複数店舗の展開は、極めて高度のその都市の知識とマーケティング能力が必要とされる事だけは断言できるじゃろう。

 

❹ さてと、これから更に北の(愛甲郡)愛川町から相模原にかけても馬を走らせたいところじゃが、何かとそうも事情が許さんので、本厚木駅へ向けての道すがら気になる幾つかの店を覗いて今日の巡察の終了と致そう。

まずは今見たばかりの「マルハン厚木北」の50m南側に、マルハン以前からドッシリ店を構えていた「ジャパンニューアルファ(JNα)厚木北店」(504台)を是非とも覗いて見にゃならぬの。
おぉ、低貸専門館にみごとに変身して、しかもしっかり集客しておるではないか!
これが中途半端な4円、20円と低玉との混成店ならば、確実に今頃は潰れておったじゃろうから、この果断な決断に大いに敬意を表さねばならぬわのぅ。
と同時に反対側の「マルハン厚木北」の北側に“在った”「JNαアルル館」は早々と閉店されたのも、また正しい決断であった。

思い起こせば今を去る事24年程前までは『遊技場株式公開協議会』(遊公会)という、当時この業界のリーダー的存在の会社5~6社集まって、真面目に株式上場を狙っておった。
この遊公会の同じメンバーとして、マルハン殿もジャパンニューアルファ殿も席を同じくされておったのにのぅ。
しかも厚木市と云えば、ジャパンニューアルファ殿の本社所在地で、自店の店舗も最も多いエリアではないか。
ジャパン殿としても心中穏やかならぬのではなかろうかのぅ。
厚木には他に「オータ」殿も「SAP」殿も出店されておることから見ても、厚木という街はやはり相模の“へそ”的中心都市なのであろうな。

 

❺ 最後に、このエリアで見逃すことのできない動きがある。
それは厚木、伊勢原、海老名、秦野に計7店舗を経営する『ジリオン(=㈱藤光)』が、大阪に本社のある「キコーナ(=アンダーツリー㈱」にM&Aされたことである。
これにより、このエリアでは店舗数において一躍ジャパンニューアルファ殿に次いで、第二位のチェーン店と成られた。
この7店舗のうち「東海大前店」は既にキコーナに店名変更を完了しておる。
この結果「キコーナ」「タウンライト」「ジリオン」「こがね会館」を合わせた神奈川県内のグループ店舗は、計17店舗と成った。

これはどういう意味かと云えば、『アビバ』『ジャパンニューアルファ』『PIA系』『キコーナ系』『GAIA』『マルハン』の“六卿”が、13~17店舗で“相並んだ”状態に入ったという事なのじゃ。
考えたらこれは凄い事じゃ!この六卿のうち、初めの3社が神奈川県の企業で、後ろの3社が全国チェーンという事になる。関東の1都6県のなかで、かような6本の脚での「鼎立状態」の県というのは、よく考えたらこの神奈川だけなのじゃ。

ということは、今後更なる“勢力図の変化”が起こってくるという事を感じさせる、本日の厚木紀行であったわい。
今晩は七沢温泉の湯に浸かって、あす天気が良ければ伊勢原から「大山」に登って、旨い豆腐料理でもお腹に入れるとするか。

 

▼本厚木駅前の、かつてのレジェンド店=PIA厚木

▼16年ぶりに隣地に引っ越してグランドした「マルハン新厚木店」

▼5年前から神奈川有数の稼働を誇る「マルハン厚木北店」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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