第152回 【肥前の国=長崎市、長与町、時津町 偏 黒船襲来に変容する市場】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第152回

【肥前の国=長崎市、長与町、時津町 偏 黒船襲来に変容する市場】

 

だいぶ前に〈佐世保〉を巡察したことが有る。
2016年9月7日〈漫遊記(98)〉においてじゃから丁度一年半になる。

あの時は
《一度できたらそう簡単には潰れないのが佐世保の特徴と云って良かろうが、今後とも大きな波乱は無くて過行くのではあるまいかのぅ》
と書いたが、これはモノの見事に裏切られてもうたわぃ。

まさか佐世保市内だけでも7店舗展開しておった、「P-ZONE」=㈱パラダイス殿が、その15店舗全ての店を、全株の売却と云う形で「D’ステーション」=ネクサス㈱に一気に売ってしまわれるとは、さすがのワシも全く予想も付かなんだわ(笑)。
というか、世間の誰も想像もつかなんじゃろう。参ったわい。
なにせ県内の大手企業、例えば「まるみつ」「ビッグアップル」「ユーコーラッキー」等にとっては、まさに“黒船来襲”にも匹敵する出来事であったわけじゃから。

いずれ改めて佐世保については精査することにして、今日は県都=長崎市の方を先に巡察致すとするか。
長崎・長与・時津と云えば、「まるみつ」殿の本拠地である。
ここに“黒船”Dステの2店舗が“来襲”したことによって、如何様に市場が変化したかを主眼に今日は纏めてみようぞ。

 

❶ 問題のDステーションは「スーパーDステーション女神店」(1200台)と、「Dステーション長与店」(834台)の2店である。
女神店の方は、長崎市の西南の端と云ってよく、また長与店の方は長崎市のベッドタウンと云ってよい立地である。

ここで、長崎がよう分からぬ人の為に〈長崎市周辺の地理と歴史〉を掻い摘んで説明しとかねばならぬじゃろう。

〚長崎市周辺の地理環境〛
長崎市周辺は大きく云って5エリアとして分けてみると分かり易い。時計の針の向きになぞらえて、
ⅰ)長崎市・中心部(路面電車で移動可能な、北は「赤迫」から、南は「石橋」「正覚寺下」まで)
※すり鉢の底の様な、商業中心地&人口密集地帯
ⅱ)長崎市・東南部(市内中心部から国道34号沿いに諫早市に向かう「矢上」地区まで)
ⅲ)長崎市・西南部(三菱重工造船がらみで、「ダイヤランド」まで)
ⅳ)長崎市・西北部(女神大橋から北に国道202号に沿って、「京泊漁港」辺りまで)
ⅴ)長崎市・北部(文字通り長崎市北部から長与町、時津町にかけての最も人口の多いベッドタウン)
※長崎市中心部は広い土地が殆ど無いので、住宅は市内中心部から四方に拡散する。その中でもⅴ)の長与町、時津町方向に人口が移動しているようじゃ。

〚長崎市周辺の近代歴史環境〛
・(佐世保市が在日米海軍基地と海上自衛隊の街とするならば)長崎市は長崎湾を利用した三菱重工造船と、中華街、グラバー邸、大浦天主堂等の歴史的な建物を目玉に、〈観光の街〉として不動の人気の街となっておる。
・県の人口は現在こそ135万人強であるが、2040年には104万人強へと26%減少が予測されている。
県都長崎市自体が、今は42万人強であるが2040年には33万人強へと25%の人口減少予測である。
・その中にあって、稀に人口が目下増加中なのは〈大村市、長与町、時津町〉の3自治体のみであるわぃ。
特に生活利便型のスーパーマーケット等は、長与、時津方面に更に出店が増加するであろう。
・あと4年後以降には「長崎新幹線」が〈(佐賀県)武雄温泉⇔長崎〉間で開通する予定じゃ。
これにより、新幹線の(佐世保方面への)ターミナルと成る〈諫早市〉と、その北隣の大村市が若干の人口増が見込まれるというものじゃ。

さて、上記の様な環境分析により、遊技場の場合も、ⅲ)ⅳ)は人口減が充分予測される故、そのエリアで営業する店舗は今後いかにその人口減に対応していくのか?が真剣に検討されねばなるまい。
ワシが個人的に心配しておるのは「festa・京泊」「festa・南長崎」「festa・東長崎」「festa・赤迫」の4店舗である。
かつてはFESTA=㈱テンガイの最も主要な店舗であったものが、“黒船”の来襲と、今後の地政学上の長崎商圏の変容により、最もその影響を受け易い立地と成ってしもうたのではないか?と今回初めて感ずる次第である。

━関東店舗が長崎市に及ぼすインパクトは━

 

❷ それでは早速、県内8店舗のうち長崎市周辺商圏に大きな影響変化をもたらしたと思われる「スーパーDステーション女神」と、「Dステーション長与」の2店舗周辺の現状から見てみよう。

まず「女神店」の方から。
この店はⅲ)の商圏の文句なく主要な店舗となることであろう。
この商圏は長崎市内中心部から国道499号線で20~30分南下した辺りから、
スロ専の「BIG APLLE長崎」(200台)、
「ラッキーランド戸町」(402台)、
「P-ZONE女神」(1200台)、
「festa・南長崎」(636台)
の4店舗が、まあなんちゅうか、さほど稼働が宜しくない(失礼!)状況で営業されておったと記憶しておる。

まあしかし、とは言っても4軒だけの営業ゆえ、各店とも充分利益は出ておった事じゃろが。
未来永劫こんな状況で推移していくじゃろうとワシも思っておったわぃ。

と云うのも、最大店舗の「P-ZONE女神」(※当時から1200台)といえども、当初から利益率が高過ぎて、1~2割稼働に過ぎなかった。
その同一店舗が突然関東の超有名企業に“変身”してしまったわけだから、お客の方も〈さぞや新店の出玉を期待〉するのは当然の理というべきものじゃろう。
しかも1200台と云う、長崎県下で最大の店じゃけんな。
幸いと云うべきか、P-ZONEはダイコク電機の設備フル装備じゃから、元々ダイコク一辺倒なDステ殿としても内装設備には殆どお金をかけずに開店できた(!)と来ておる。
こういう訳で、「Dステーション女神」は外装の一部変更のみでグランドできた、という極めて希少な事例となった。
稼働の方も、グランドから約3カ月弱経った今も極めて好調ということらしい。

幸いというべきか、女神店は市内中心部から相当南に離れているおかげか、“すり鉢”のようなⅰ)の中心部の店舗群には、今のところ深刻な影響は及ぼしてはいないと思われる。
中心部と云えば県下最大手の「まるみつ」の複数店舗や、同じく香港で上場した「BIG APPLE」=王蔵㈱の店舗も必死に生き残りの工夫をしていて、郊外店との差別化に余念がない。
※ⅰ)の長崎市内中心部については、最後に論述したい。

次に一気に長崎市内を北へ突き抜けて、「Dステーション長与」まで足を運ばむ。この西彼杵郡長与町は先ほども見た様に、長崎のベッドタウンとして人口がどんどん伸びて来た町で、現在は人口42,300人強にまで至っておる。
更に西隣の時津(とぎつ)町も同様に人口が伸びて来た町で30,000人弱の人口じゃ。
ワシの見るところ長与町と時津町とは併せて《長与町+時津町》で、72,000人の一個のマーケットとして観察して問題は無かろうと思われる。

 

❸ ところが、この《長与町+時津町》には、「Dステーション長与」以外に、
・「まるみつ長与」(770台)、
・「まつみつ時津」(617台)
・「ユーコーLUCKY長与」(480台)
・「スロットBIG APPLE時津」(Sのみ221台)
・「ラッキーランド時津」(240台)
の計6軒が有り、このうち「まるみつ」殿の2店舗はこれまでも稼ぎ頭の店舗だったようで、Dステ殿の進出に対して“全力投球”で対抗の構えである。
視察に来ておる今日、なんと(!)「Dステ長
与」と「まるみつ長与」は、同時に店休を取っておるではないか!!ライバル店の店休を利用した半休営業の利よりも、新台同時開店(!)という“真っ向勝負”の構えとみた。
まるで薩摩の示現流ではないか。
いやぁ、九州モンの根性を久しぶりに見たわい。

あっ、そう言えば福岡の伊都地区の《メガFACE1030 VS スーパーDステーション伊都》や、宗像市の《メガFACE1500 vs スタジアム2001》での、FACEグループの戦ぶりも、ここを更に上回る凄まじさである。
待てよ、FACEの福山専務と、「まるみつ」=ひぐちグループの樋口社長とは、日遊協の九州代表という点では同じではないか! 恐るべし、日遊協の加盟企業。
さては福山専務から樋口社長に戦術面での策が一献、秘密伝授された可能性があるやも知れぬ。ガハハ。

《長与町+時津町》エリアの激戦のあおりを受けるのが、ギリギリ ⅰ)エリアの北端に位置する「festa・赤迫」(550台)と「peace park葉山」(595台)の2店舗ではあるまいか。
ホンマにエライ事になっちょるのぅ。

 

❹ 最後に、何かと激変の影響を受け易い、ⅰ)の長崎市・中心部の現状も見ておこう。
中心部では、
★「まるみつ浜町」「まるみつIN」「まるみつ銅座」「まるみつ駅前」「まるみつニュー」「まるみつ浦上」「まるみつ城栄」「まるみつ稲佐」
★「BIG APPLE出島」「K’sプラザ大波止」「K’sプラザ大橋」「K’sプラザ住吉」「BIG APPLE住吉」
★「ユーコーLUCKY長崎駅前」「ユーコーLUCKY浜町」
等の地元ブランド店の店が軒並み多く、ここもまた別の面で激戦区である。

最近3月頭に、上記のうち「BIG APPLE・出島」(P館S館合わせて666台)がPS比率を大幅に変えてリニューアルオープンを敢行した。
その直前に「スーパーDステーション女神」にも近いスロ専の「BIG APPLE.長崎」(200台)を2月28日で以って閉店し、その代わり「出島店」のSLOTを173台➡322台へと大増設した。
という事は「長崎店」に在った認定済みのSLOTマシンを「出島店」の方に持ってきた(?!)のではなかろうかのぅ。なかなかおヤリになるではないか。

たしか同系列の「K’sプラザ大波止」(692台)も、元は4パチ、20スロが主体の“勝負店”だった記憶が有るが、昨年〈大型低貸し専門店〉へと変身されたのではなかったかのぅ。
「スーパーDステーション女神」が出店してくる事を、あたかも予想したかのような変身ではあるまいか。

さすがこの辺り、秋葉原に超収益店舗を持たれる他、兵庫県加古川市という激戦区でも営業経験を積まれておられる故か、情報先取りが素晴らしいのぅ。

いやはや、久しぶりの長崎詣でゆえ、年甲斐も無くハシャイで、ようけ回り過ぎてもうたわ。
ささ、長崎名物の『卓袱(しっぽく)料理』でしっかり腹ごしらえをしたいものじゃ。
来月は佐世保にまた参るぞ。

 

▼長崎にインパクトを与える[スーパーDステーション女神]

▼SLOT大幅増台でDステに対抗して来た[ビッグアップル出島店]

▼繁華街のまるみつ基幹店[まるみつ浜町]

▼長崎駅前にそびえる[ユーコーラッキー長崎駅前]

▼改築前は「喫煙館」「禁煙間」のW店舗として全国の先駆けと成った話題店[まるみつIN]

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

メッセージを残す

メールアドレスが公開されることはございません。