第158回 【武蔵の国=川崎幸区 篇 移り行くせせらぎを聞きながら…】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第158回

【武蔵の国=川崎幸区 篇 移り行くせせらぎを聞きながら…】

 

 

武蔵の国と一口で申しても案外広うてのぅ、今日巡察して廻る川崎の「幸区」は、多摩川を渡った向こうであるが、前回巡察の横浜の泉区の手前までがズッと武蔵国じゃ。

幸区と云う名も珍しいわぃ。
全国にある政令指定都市の中で「幸区」というのは、ここ川崎市のみにある命名じゃ。
なんでも、我が水戸家の尊崇する天皇家のうち、後の明治天皇がしばしばここに観梅に脚を運び遊ばれたことから、「御幸(みゆき)村」と呼ばれた村がこの幸区には有ったようじゃ。
そして後に「幸」の一文字をとって「幸区」と成ったようじゃな。

川崎の街の象徴である川崎大師の辺りからは離れたこの幸区は、これまであまり世間の注目を浴びぬ地域であった。
明治製糖、三菱ふそう、東芝、キャノンといった我が国を代表する大きな工場のある区といった位のイメージであったが、近年、川崎駅北口直結の『ラゾーナ』『ミューザ』という見違えるような複合ビルが出来てからは、優良な住宅地への玄関口として人の流れる向きも変わってきたようじゃ。
川崎駅の北口の変貌に伴い、立川までを繋ぐJR南武線の沿線も、居住地として人気が増しておる事じゃろう。

それにしても幸区はある意味不思議な区である。
区の中央をほぼ南北に〈南武線〉と〈横須賀線〉がほぼ平行に走っておって、「南武線・鹿島田駅」⇔「横須賀線・新川崎駅」の両駅が近接しておるし、「南武線・向河原駅」⇔「横須賀線・武蔵小杉駅」の両駅間も、歩けぬ距離ではない。
さあて、幸区の散策に参ろうぞ。まずは区の南端からスタートじゃ。

 

❶ 川崎駅北口を出て約10分歩くと、「アクセス」(357台)と「ミユキ」(242台)の2軒が現れる。

特に駅前でもなく超繁華街でもない。
強いて言えばもう少し北側に〈県営河原町団地〉という大きなのが有るので、そこまでの途中の商店街交差点とでも申すべきか。
2年程前にここらを散策した際には「凱旋門」「ヒカリ」というもう2軒も在ったのじゃが、今は閉店してもうて他の用途に転用されておる。
じゃが2年前はこの合わせて4軒とも、ようけお客が入っておった事を記憶しておる。

おそらくワシの推測じゃが、昭和の昔この周辺は東芝やらキャノンやらの工場に勤める労働者が今よりもっと多く住んでおって、そうした労働者や家族にとって、ワザワザ15分もかけて川崎駅南口のパチンコ銀座まで出かけていくまでも無かったのではあるまいか?
それがこの2~3年の遊技人口の減少に伴い、客の少なかった店から順番に閉めていったという訳であろう。
そうしてみると、残ったこの2軒は今後とも充分足許に支持されて生き残って行くのであろう。
特に聞き及ぶところでは「アクセス」殿は賞品問屋か賞品買取り屋さんが経営されておるようじゃから、安泰というところじゃろう。
「アクセス」殿は南武線の更に北側の〈武蔵新城駅〉前でも計730台位の大型店をやっておられるようじゃから・・・。

 

❷ 次は南武線で川崎から一駅目の「尻手駅」じゃ。

この駅前に1軒だけ「パチンコ南武線」(205台)という店が在る。
この駅は小さな駅じゃが、この駅の東100mには天下の国道1号線が走っておるし、駅の目の前を川崎駅まで通ずる県道の幹線道路が走っておって、ある意味車での交通の要所であろう。

この「南武線」の営業権の譲渡を受け、居抜きの賃借で或る会社が新規で営業開始される事に成った。
その会社というのが、何と!東京江東区森下駅前の『アサヒ』殿である。
『アサヒ』殿と云えば4年半前に、京王線幡ヶ谷駅直結の店(渋谷区)を安価で借りられ、242台で大成功を為されておる。
その余勢を駆っての川崎進出というところじゃな。

いくら世の中【居抜き出店】ばやりとは申せ、200台クラスは規模が小さ過ぎてチョット普通手を出されないもんじゃ。
この点「アサヒ」殿は、幡ヶ谷で小型店での利益の確保の仕方を充分心得られた故、今回の居抜きはトントン拍子で話しが進んだようらしい。

ところで、一日の乗車人数が14,200人という“悩ましい”乗車人数である。
何が“悩ましい”かと云わば、地方都市から見れば羨ましいくらい乗車人数は“充分”と云えるじゃろうが、「鹿島田」18,700人+「新川崎」27,200人の合計の約46,000人の“鹿島田エリア”と比ぶればやはり見劣りしてしまうから“悩ましい”のじゃ。
但し「鹿島田駅」単独で見れば、18,700人の乗車人員に対し、遊技場は3店ある“激戦”であるにもかかわらず、「尻手駅」は14,200人で遊技場は1店じゃから、やれそうだとも言えまいか。
もっともこれはJR利用者のみで採ってみた指標に過ぎず、これに《バス》の乗車人数等も加味せねばならぬのじゃが、これは手許にデータが無い。
ま、そんなところで「尻手駅」前はそろそろ“卒業”して、次の「矢向駅」に向かわむ。

あ、そうそう。尻手駅から国道1号沿いに車を走らせると「吉兆プルミエ」とか、「マルハン鶴見」(1172台)とかいう有名店も存在しておるが、あまりにも規模が違う故、今回は取り上げるのを割愛させて頂こう。

 

❸ 「矢向駅」周辺では、西口に「オリンピア+セブン」(462台)、低貸しの「オリンピアNEO」(183台)の2軒がある他、矢向駅から北350mの所に「三益球殿川崎塚越」(254台)の、計3店が在る。

どうやら「オリンピア」殿の2店舗は“ここだけ”で営業を為されておられるようじゃから、必死の度合いがヒシヒシ伝わって来るわい。
じゃがこの「矢向駅」周辺も、バスで簡単に「川崎駅」へ行けてしまうので、【大商圏の川崎パチンコ銀座】を相手にせねばならぬようじゃ。
よって、平日は上記の3店とも、限られた固定客を大事にせねばならぬようで、けっこう大変であろう。

ただ地政学的に“救われて”いるのは、更にJR横須賀線を跨線して西の〈日吉〉方面には全くライバル店が“皆無”と云ってよいので、しっかりとした営業を為されれば“大票田の”「小倉(おぐら)」「加瀬」エリアから、バスでの途中下車を狙うことは不可能では無いという点であろうか。

 

❹ JR南武線の最後の巡察は、いよいよ遊技場密度が比較的濃いといわれる「鹿島田」駅周辺である。

この駅の東側には立派な商店街が〈古市場〉方面に延びていて、この商店街道路に面して「平和会館」(240台)、「南武線ホール」(260台)、「グレイス」(155台)の3軒が“仲良く”連なっている。
この3軒のうち“一番入っている”のは、何と(!)駅から一番遠い「グレイス」であるのには驚かされるわぃ。
今からちょうど10年前に鹿島田周辺を巡察した折には、「南武線ホール」が圧倒的な集客人数を見せつけておったもんじゃが、この10年で“順位”が入れ替わってしもうたのには驚きじゃ。

今回の「南武線尻手駅前店」を手放した事と重ね合わせてみると、この10年で「南武線」殿にはなにか内部的に課題が有ったのであろうか?と思いを馳せざるを得ない。
10年前の“映像”が今でもはっきりとワシの網膜に残っておる。当時の「南武線ホール」殿は、商店街の歩道から店内が丸見だったもんじゃ。
あの衝撃的な映像が、今、消えてしまったのは残念至極と云わずして何と云おう・・・。

━新店との競合が気になる2店舗━

 

❺ 暫く来ぬうちにかように変化しておるのを見せつけられるにつけ、次回はいよいよ南武線の「武蔵小杉駅」から下りの「武蔵中原駅」、「武蔵新城駅」をジックリ探査せねばならぬ事を感じ入ったわぃ。
じゃが今日は所用でそこまで見て廻る時間が無い故、ご勘弁願いたい。

江戸に帰る前に、横浜鶴見区との区境にある「MONOS川崎」(400台)と、「SPARK」(522台)の2軒をどうしても見ておかねばならぬからじゃ。
何故と云うに,❶で見た「南武線尻手駅前」店の目の前のバス停から僅か5分でこの2店に辿り着いてしまうからじゃ。
「アサヒ」と店名が変わる新店の成否は一重にこの【郊外型2店】との引き合いに懸かっておる!と云っても過言ではあるまい。

鶴見川にかかる〈末吉橋〉を渡って左に曲がった所に在るのが「SPARK」殿じゃ。
街路樹が見事な幹線道路沿いの店で、外観も街の景観とマッチして良いお店じゃのぅ。
探索ガタの情報によると、富士鋼板㈱というメーカー様の為されておる遊技場の様に思われる。

こういう会社名を耳にするにつけ、ワシの拙い人生の中で同様な事例が幾つか脳裏に残っておるのが思い出される。
○茨城・北茨木の「㈱ムラタ」殿の「ニューフェイス茨城総本店」(772台)
○千葉・木更津の「三和アルミ」殿の『メトロ清見台』(720台)
○大阪・住之江区の「旭金属熱錬㈱」殿の『ハイパーアサヒ』(303台)
○静岡県・長泉町の「金井工機㈱」殿の「サンパレス」(※静岡、山口に4店舗在ったが今は無い)
等々じゃ。
在日韓国人の中では、かように工場を構えられて金属加工や金型製作等を生業とされておって、後にパチンコ業に入られた御仁も多かったのではあるまいか。
そういった事を思うと、この「SPARK」殿の、まるで自社工場跡地をそのまま遊技場に転用されたような構えもなるほど!と納得がいくというものである。
頑張って頂きたいものじゃ。

最後に〈末吉橋〉に戻りもう一度川崎市幸区側に渡って暫くすると見えてくるのが「MONOS川崎」殿じゃ。
店の前面道路はズバリ〈川崎駅〉⇔〈日吉駅〉または〈元住吉駅〉を繋ぐ幹線中の幹線道路じゃ。
それにしてもシッカリお客が入っておるのぅ。

「MONOS」殿は茅ヶ崎の本店、寒川町の新店といい、どこもシッカリお客を入れて居られる故、余程組織がしっかりして、よく勉強されておるのじゃろう。
江戸への帰り際にかかる優良店を観て帰れるとは、今日は何たる幸運な事よのぅ。

帰りの川崎臨港バスの車窓からは、鶴見川の豊かな水量が、ゆっくりと横浜の大黒ふ頭に向けて流れていくのが見える。
大学のボート部の練習にこの鶴見川は無くてはならぬらしい。
しかしワシにとっては、横浜・鶴見区出身と云われる美空ひばり殿の“川の流れのように”の歌の方がしっくり来るわぃ。
どうかこの鶴見川の流れをあと何年後かにも来て眺められるようにありたいものじゃ。

 

▼川崎駅から歩いて10分の繁盛店[アクセス]

▼アサヒが居抜きで出店する[南武線尻手駅前]

▼矢向駅前の[オリンピア]

▼駅から一番遠い鹿島田の[グレイス]

▼行政区域では鶴見区となる[SPARK]

▼新店と競合する可能性の店舗[MONOS川崎]

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

メッセージを残す

メールアドレスが公開されることはございません。