第165回【蝦夷の国=札幌市手稲区 篇 札幌最北端の地に見た信念】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第165回

【蝦夷の国=札幌市手稲区 篇 札幌最北端の地に見た信念】

 

 

これで四週続けて蝦夷の国の巡察報告となる。釧路、函館と観て廻って、今日は最後に札幌の手稲へと参ろう。

巡察の眼目は勿論「KEIZ手稲店」(1060台)じゃ。
昨年末にグランドされたのじゃが、今年の北海道は吹雪の日が多くて、巡察の予定が次々と順延してもうて、遂に半年以上経ってしもうたわぃ。
いまどない成っちょるんじゃろうのぅ。

KEIZ殿の場所は、元大型ゲームセンターの建っとった所で、最初はそのまま居抜きで使われるのかと思っとったが、結局元の建物を解体されて、一から新築で立派な大型店を建築された様じゃな。
手稲と云わば
「マルハン」
「ハッピー」
「ダイナム」
「DAIGORO」
「パンドラ」
「太陽」
がしっかりと根を下ろしておる地域じゃ。
永らく新店の出店が無かっただけに注目の店舗じゃ。さて、列車で手稲まで参ろうぞ。

 

 

❶ 手稲区は札幌の一番北の区で、さらに北はもう小樽市と成る。

じゃが手稲駅から札幌駅までは〈いしかりライナー〉で僅か10分で行けるので、ベッドタウンとしては申し分ない環境と云えよう。
但し冬は小樽方面からの吹雪が多いので、人口の伸びは現在の142,000人で留まっておるようじゃのぅ。
とは申せワシは〈銭函温泉〉の隠れ家の如き宿があるので、実は手稲を殊の外好いておる(笑)。

手稲区と申さば(現存するホールでは)、
[Ⅰ]「太陽稲積公園」(420台)がいちばん古く、
[Ⅱ]「ハッピー手稲前田」(600台)←前身「ビクトリア」←前々身の「GINZAエグゼ」
「DAIGORO Z手稲」(405台)←前身「GAIA」←前々身の「ゴールドラッシュ」
「PANDRA手稲」(547台)
  「ダイナム手稲」(480台) ※1996年11月~
「Pタウン手稲」(164台)
[Ⅲ]「ハッピー西宮の沢」(576台) ※2001年12月~
「マルハン手稲」(768台)   ※2003年 6月~
[Ⅳ]「KEIZ手稲」(1060台)   ※2017年12月~
という成立順と成っておる。

注目すべきは「ハッピー」の新井殿の店舗群じゃ。
西区の「二十四軒店」(688台)、「八軒店」(648台)からこの手稲の「西宮の沢店」、「手稲前田店」へと、見事に強力店舗を4軒並べておられるからじゃ(※元々、手稲区は西区から分離してできた区ゆえ、こうした西区との流れで観察せぬと見誤る事になろうと云うものじゃ)。

要するに、「KEIZ」の東野殿は、ハッピー、マルハン、ダイナムが店を構える“ど真ん中”に進出為されたということになるわな。

 

 

❷ 手稲区は2003年6月の「マルハン」殿の進出以来、15年間近くも新店の進出が無かったということでは、たしかに“空白地帯”であると云えるかもしれぬ。

問題は、手稲区が“おいしい”市場なのかどうかじゃ。
ワシには、「ハッピー手稲前田」に落ち着くまでに、「GINZAエグゼ」(96年頃竣工)➠「ビクトリア手稲」(2004年にギンザから引受け、2008年にハッピーへと譲渡)という流れがどうも引っ掛かって仕方ない。

と云うのも、「GINZA」のオーナーであった木下殿は90年代半ばまでは札幌を代表するオーナーの一人として、札幌方面遊技業組合のたしか副理事長も務めておられたカタで、ワシも二度ばかし面識がある。
働き盛りの真っ最中と云う時に、西町の本店と、この手稲前田の2軒を手放されてしもわれたからじゃ。
ワシの推測では、パチンコという商売が益々設備投資のかかる産業に成っていく事に嫌気されて、実にサッサと見切りをつけてしまわれたように感じておる。

もし仮にここの「エグゼ手稲前田」が“笑いが止まらない”程儲かる店であったなら、手放す事を見合わされた可能性もある。
木下殿の親友であるビクトリアの松谷社長は、今や北海道の500店舗弱の“長老中の長老”であられ、北海道中のホールの動きに精通されておられる。
その松谷殿もこの「手稲前田」を一旦引き受けられたものの、3年半でハッピーの新井殿に渡しておられるのが、えらい引っ掛かるのじゃ。
「GINZAエグゼ」が竣工した際には、遊技雑誌がこぞって特集に取り上げたくらい豪華で、話題の店舗であっただけに…。
どうも密偵の報告によれば、設備も含めて全て豪華すぎて、メンテナンスに多くのおカネがかかるのが売却の遠因らしいのじゃが…。

 

━店舗の歴史を振り返る━

 

❸ こうした推測を裏付けるのが、「KEIZ」が出店してきたにも拘らず、他の周辺ライバル店が殆どと云ってよいくらい、さしたる動きを見せておらぬ事じゃ。

「マルハン手稲」だけが外壁工事をしちょるが、遊技台数等はなんも変わっちょらん。
強敵と思わば間違いなく100%手を打って来られるハッピー殿にもさしたる動きは見られぬ。
このあたりは、北海道のしたたかさと申そうか、急いて事を急ぐことは無いという風土じゃのぅ。

「太陽稲積公園」も「パンドラ」も「ダイナム」も何事も無かったかの如く、店を閉めるでもなく、“平常営業”の状態である。
ワシの記憶ではこの15年間で手稲区ではもう閉店は起こっておらぬはずじゃ。

ここで「ダイナム手稲」についても多少触れておかねばなるまい。
全国400店舗強のダイナムの中で、立体駐車場を造っておるのは、この「手稲店」ぐらいのもんではなかろうか(しかもこの立駐、外観が木造に見えるところがニクいわい)。
逆に申さば、コストに日本一厳しいダイナム殿を以ってしても、立駐を造ってまで進出する魅力がこの手稲には【あった!】ということじゃろう。

どういうことか少しく地形的に解説致さば、札幌⇔小樽を結ぶ幹線道路の「国道5号」は平野部の中でも少々高さが高い所を走っておって、特に手稲では国道5号の両脇は3m以上下がっておる。
それ故国道沿道に店を出そうと思わば、店の裏は斜めに下がった地形となる故、立駐を組んでフラットにしないと、満足な駐車台数がとれぬ!ということ。
その典型が「ダイナム手稲」という訳じゃ。

かたや「マルハン手稲」の方は手稲区では珍しくアップダウンの無い平地が確保されておるので、立駐は要らぬということじゃ。
全国の他のエリアで見る《マルハンvs.ダイナム》の対決構図とはちょうど逆のパターンということで、どこか微笑ましく思えてくるわ。

「DAIGORO Z」についても触れて置かねばなるまい。
13年前、まだGAIA殿が今の様な超大型店志向では無く、とにかく“がむしゃらに”店舗を増殖されておった頃、「GOLD RUSH」の店を買われて出店為されたものの、当時『郊外店』のノウハウが乏しかったからか、なかなか上手く行かれず、店名を「CYBER」に変えられた。
一時、もの凄い復活をしたものの最後は営業不振と成り、結局いまの「DAIGORO」殿に渡された!というのが“時の流れ”である。
「DAIGORO」としては、「KEIZ」の影響を蒙りにくい低玉パチンコでヘッジしておるようじゃが、スロットに関してはKEIZの412台の設置台数分はヘッジするのが困難かもしれぬ。

 

 

❹ 手稲区のみならず、札幌市全域に付いて云えるのかもしれぬが、ここんところ数年間はホンマに『新店』の動きがめっきり減っておる。
7年前までは、【イーグルvs.ハッピー】という構図を中心に、これに「マルハン」や「ひまわり」が絡んで、札幌市全域で次々と新店が花開き、全国でも有数の“見応えのある”200万人都市と云ってもよかった。

然るにその後は、例えば
「がちゃぽん新川」
「ベガスベガス発寒」
「M’S1121西岡」
「ベガスベガス狸小路」
「ベガスベガス狸小路2丁目」
ぐらいしか目立った動きは無いと云ってもよい。

札幌中の出店有力地にほぼ完全に大手の店も出揃ってしまって、まだ有望な“未開拓地”なるものはほとんど残っておらぬと言って良い状況じゃろう。
むしろ札幌中心部の「狸小路・すすきの」に見られるように、結局「ベガスベガス」の2店舗と「ハッピーすすきの」の3店舗のみに成ってしまったという空洞化の方に眼が行ってしまうくらいじゃ。
まさにその“空洞化”の一端に成ってしまったのが、昨年6月に閉店して、今はドン・キホーテと成っておる「KEIZ狸小路」であったわけじゃ。

これで北海道から「KEIZ」のブランドが消えて無くなってしまうのか?と嘆息しておったところ、どっこいちょっと待て!とばかりに、北海道唯一の旗を立てられたのがこの手稲店というストーリー付の店なのである。
さすが東野殿のゴッドマザーの“執念”たるや、常人のはかり知らぬところと云うべきかは・・・
それだけに、頑張って「KEIZ」の名を北海道から絶やさぬためにも、また札幌遊技業の活性化の為にも頑張って頂きたいものじゃのぅ。

 

▼昨年末に堂々グランドオープン[KEIZ手稲]

▼北海道有数の強豪チェーン[プレイランドハッピー手稲前田]

▼KEIZの新店対策で外壁を変更した[マルハン手稲]

▼低玉で新店に対抗[DAIGORO Z手稲]

▼現存する手稲区のホールでは最古参となった[太陽穂積公園]

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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