第173回 【下野の国=宇都宮市(南西部) 篇 規模から質へ 変化を続ける市場】

 小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第173回

【下野の国=宇都宮市(南西部) 篇 規模から質へ 変化を続ける市場】

 

 

宇都宮に付いては2年以上前の『黄門ちゃまの業界漫遊記(81)』(2016.5/27付)で既にチャンと立地環境やら、(2年前の)“最新勢力図”分析しており、その後も大きくは変動は無い筈じゃ。

ただあのとき、宇都宮で元気のあるのは6つの企業グループであるとして、
ⅰ)BOSS
ⅱ)DELGRAND
ⅲ)でるでる
ⅳ)Max
ⅴ)ZENT
ⅵ)BIGマーチ
の6グループを挙げた筈じゃ。

しかしこの2年の間に、ⅲ)でるでるは1店舗をⅵ)Maxに、またⅱ)DELGRANDは「ライブガーデン」に売却され、どうも元気がイマイチじゃ。
相変わらず「マルハン」「ダイナム」「GAIA」「キコーナ」という日本の4大チェーンの店舗は宇都宮には見当たらぬので、結局「BOSS」「Max」「ZENT」「BIGマーチ」の4ブランドによる宇都宮市内“陣取りゲーム”の様相が濃厚になりつつあるところじゃ。
そして案の定・・・

 

 

❶ 上記4社による“陣取りゲーム”に大きな影響を与えかねない動きが、この夏の盆前に起こった。

宇都宮の西側(の環状道路沿い)に「BIGマーチ西川田」(1216台)という“栃木県内最大級”の超大型店がグランドopenしよったのじゃ!
同じ宇都宮の
「ZENT御幸」(1004台)
「KING OF KINGS宇都宮」(1000台)
「BIG BOSS1000」(1000台)※真岡市
「ベガスベガス栃木」(1000台)※栃木市
「スーパーライブガーデン小山喜沢」(1152台)
を超える超大型店の出現である。

というか、本社のある茨城の『マーチ』ですら1000台を超える店は無く、同社にとっても創業以来初めての大きなプロジェクトとなる訳じゃ。

しかもこの「BIGマーチ西川田」のロケーションに注目じゃ。
実は3年前まではこの辺りは「日本ランコ」という精密機械メーカーの工場跡地で、実はワシもこの「日本ランコ」の1万坪以上の土地の処分を依頼されて、実際に動いたことのある場所なのじゃ(笑)。
当時は宇都宮環状道路沿いに高い木がズラリと茂っておって、とてもじゃないが〈ここで遊技場ができるの?!〉と感じてしまう場所だったことをよくよく覚えておるわぃ。
しかしワシは違うぞ(笑)。
一般的に遊技場のオーナーが見ても“ここにパチンコ店”のイメージは沸いて来ぬかもしれんが、ワシは宇都宮環状が必ずや将来の立地としては有望である事を確信しておった。

なにより《BIGMOTOR》の巨大な店舗が環状道路沿いの約5000坪程の土地を買い、先に出来てしまって、東隣の《三菱自動車販売》と並び一大《車販売・修理ゾーン》が出来上がっておったのじゃ。
その結果残った奥の5000坪ほどの“袋地”に「BIGマーチ」殿は店を建てざるを得なくなった訳じゃな。
さてどうなったことか??

 

━布石のように出店を続けるBIGマーチ━

 

❷ なんと、宇都宮市内の東側からの進入し易さを図るため、隣の「でるでる西川田」(348台)を買ってしまわれたのじゃからのぅ!!これで東側からの進入はバッチリじゃ。

それでも問題は環状道路西側の〈鹿沼市〉方面からの店へのアクセスは困難を極める。
なんせ店の前面にあるはずの唯一の信号は〈車屋さん2軒の為の信号〉で、奥にある「BIGマーチ」へはフェンスで仕切られて入って来れぬ!
じゃけん、しょうがないゆえ、鹿沼方面からは店の前を行きすぎて〈兵庫塚〉の信号を右折し、少し遠回りして駐車場に入ってくるしかないのである。

今のところgrand open約1カ月なので、西側からの進入のし難さは《超大型新店の魅力》で充分カバーできておるように見受けられる。
じゃが今後の事は誰も解らん。
人間ちゅうもんは、一旦ホントに好きになれば、少々の困難は逆に乗り越えて行きたくなるもんじゃろうて(笑)。
これから3~4カ月かけてホントに好きな店に仕上げられるかどうか?が、この店の評価の試金石じゃな。

「BIGマーチ西川田」の設計は、なんと河野設計福岡の河野先生ではないか!さすが外観フォルムも隣の〈BIGMOTOR〉に負けぬインパクトを表現しちょるのぅ。
あいや待て!この建物デザイン、なにか見覚えがあるぞぇ・・・
そうじゃ、この2年程立て続けに全国に大型新店を展開しちょる『メガGAIA』にチョット似とるじゃろう(笑)。
やはり金や銀の斜めストライプの入ったこのデザインが、重厚感と安心感を醸し出すのかのぅ?

「BIGマーチ西川田」の1,216台という規模は、MARCH(=㈱ジョイパック)殿の本拠のある茨城県においても試みられたことの無い大きさじゃ。
それくらいこの宇都宮マーケットにかける“意気込み”は相当のモノがあるという事じゃな。
それによく考えてみぃ。
宇都宮市の南西方向だけでMARCH殿は5店舗の“固め打ち”ではないか!
出来た順に参ると、
ⅰ)「BIGマーチ幕田」 (400台) 1996年
ⅱ)「BIGマーチ簗瀬」 (419台) 1997年(現在は低貸し専門店)
ⅲ)「BIGマーチ石橋」 (739台) 2001年(宇都宮市南端から2km南の国道4号沿いで、住所は河内郡上三川町)
ⅳ)「BIGマーチ宇都宮」 (915台)2013年(DOME➡WIN➡マーチと変遷。マーチが大増台!)
ⅴ)「BIGマーチ西川田」 (1216台)2018年(今回話題の超大型店)
という具合で、最初の栃木1号店は、宇都宮の南西端の〈幕田〉という、ロードサイド商業店舗の全く無い様な場所に出店されておる。
今回できたⅴ)「西川田店」の立地からすれば雲泥の差があるような“辺鄙な”場所である。
じゃが、この幕田店が上手く行ったことで、今日の様な“栃木全面進出”の発端と成ったのが「幕田店」である。

 

 

❸ ここで宇都宮南西部について、一通りマーケットのおさらいをしてみよう。

今では市の東を襷がけの如く縦断する国道4号の〈簗瀬地区〉には、「Maxヤナセ」(739台)が圧倒的に“強い”店舗として有名である。
じゃが今から25年前の1993年頃の“パチンコ全盛”の頃は、「Maxヤナセ」の南1kmにあった400台位の「チャンピオン」(ⅰ)BOSSのグループ店)という店が宇都宮で一番人気の店であった。

更に自衛隊駐屯地の東の今はⅱ)DELGRANDと成っている店も、25年前は「スーパー1」という、宇都宮では当時ケタ外れの大型店を九州の法人さんが出されたことをよく覚えちょる。
栄枯盛衰とは激しいもので、今はⅰ)ⅱ)両店とも嘗ての旧店の時の様な勢いなど無く、“普通の”お店となっておるのぅ。
97年に「BIGマーチ簗瀬」がグランドした時も、ビックリするくらい繁盛したものじゃが、今は〈低貸し専門店〉と成ってしまっておる(※ま、とっくに回収は終わっとるじゃろうから余裕の営業じゃろうが)。

これだけ変化の起きた50万都市の宇都宮であるからして、当然の如くマルハン、ダイナム、ガイア等のビッグネームの名前を見かけてもよさそうなものじゃ。
ところが不思議なことに、宇都宮市内にはこの3大ブランドが存在しないのじゃ!50万人強の県庁所在地に3大ブランドが存在しないというのは、日本国広しといえど、ここ宇都宮だけじゃろう。

マルハンが存在しないのは或る意味よく解る。
マルハンの会長と極めて親しい関係にある『でるでるラッキー』さんがこの宇都宮に本拠を構えておられる故、影響を及ぼす出店を“遠慮”されとるのじゃろう。
いわゆる紳士協定ちゅうやつじゃな。

ダイナム殿の店が無いというのは、原因は1つしか考えられん。
ダイナム殿の出店の基本である借地料が、ダイナムの基準を満たさない高い地代ばかりじゃということじゃろう。

GAIA殿に関しては単純に、栃木県を“攻める”計画を当面持っておられぬという事ではあるまいかのう。
上野(こうずけ)の群馬では「メガGAIA高崎」「メガGAIA伊勢崎オート前」「メガGAIAアピタ伊勢崎東」などと、たて続けに責めておられるのと好対照じゃな。

 

 

❹ 宇都宮と云わば、昔は駅前の「白十字」がCRキューティバニー等の爆裂機で小型ながらバリバリ強かったし、「南大門」「でるでる」「有楽会館」「スーデン」等の地元チェーンが完全に市場の人気を独占しておった。

しかしこの中で現在も勢いのあるのは『南大門ホールディングス』のみと言って良かろう。
ハッキリ申して、《機械の力で繁盛させる》やり方に、かつての地元企業は依存しておったと云えまいか。
皮肉な事にこうした“旧い”宇都宮流に風穴を開けたのが、九州から進出して来た「スーパー1」の600台という、【規模の論理】であったわけじゃ。

そうした【規模の論理】の流れに見事に乗っかって勢力を伸ばしてきたのが茨城の「ZENT」や福島からやってきた「Max」グループ(※ミナミエンタープライズ)、そして地元の「BOSS」グループであったと云えるのではあるまいか。
特に「BOSS」(※南大門ホールディングス)殿は、文字通り“栃木県の指導的企業”として、しばらく県遊協の理事長をも務めておられただけに、かかる【規模の論理】に自らも乗っかって行かれる事には“忸怩たる想い”がお有りになられたことは間違いあるまい。
しかし、【時代の流れ】に逆ろうておっては市場の敗者と成って行くしかないので、「BIG BOSS」「SUPER BOSS」等の大型店も数店舗造ってマーケットの支持を試されたのかも知れんのぅ。

こうした【規模の論理】を一気に1200台クラスまで引き上げたのが、今回の「BIGマーチ西川田店」だという見方もできよう。
ただ、ワシは、今回の「西川田店」から、単なる【規模の論理】だけでなく、新たな【質の論理】に一歩も二歩も踏み込んだ時代に突入したのではなかろうか?とみておる。

 

 

❹なぜならば、今回の「西川田店」は従来の常識では、【住宅の張り付きの疎らな〈宇都宮環状道路〉沿いには、かかる大型店は“無謀”なんじゃないか?!】と思われ、飛びつくような場所では無い!と思われておったからじゃ。
そこにかかる1,216台もの県下最大店を出すという事は、もう“規模”だけではない“何か”が要求されるからじゃ。
その答えの一つは、既に先んじて〈BIGMOTER〉さんが超大型の店舗で立地を開発しておられた!という事も大きかろう。

更には店名の《マーチ》に合わせて、日産マーチに【ビグマッ娘】というキャラクターのペイントを施した店のシンボルcarを店舗入り口に飾るという工夫じゃ。
宇都宮の隣の上川町では日産の巨大工場とテストコースも有って、宇都宮市民には日産ブランドは浸透しておるだけに、こうした店名【マーチ】と【日産】との“コラボ”は小さな事かも知れんが、非常に来店客にも“響く”ものがある!とワシは観ておるのじゃが。

ま、いずれにしても“新型コンセプト”を備えた「BIGマーチ西川田」が出来てしまった以上、今後エリア外の「Maxヤナセ」(739台)、「スーパーBOSS」(704台)、「Maxミズホ」(528台)等に、如何ように影響を及ぼすのか?
また半年後を楽しみに餃子でも食いに参ろうか(笑)。

 

▼正面の信号からは入店出来ないアクセスハンデを跳ね返して固定化するか「BIGマーチ西川田」

▼BIGマーチの入口として買われた「でるでる西川田」

▼21年間マーチの旗を宇都宮に挙げて今は大型低玉館の「BIGマーチ簗瀬」

▼両店のコンペが見ものである、永らく宇都宮一番店を維持する「MAXヤナセ」

▼25年前、九州から600台の出店で宇都宮に衝撃を与えた店も、今は地元「デルグランド」

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