第193回 【三河の国=豊橋市 (前篇) 革新的な出店で12年の眠りから覚めた市場】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第193回

【三河の国=豊橋市 (前篇) 革新的な出店で12年の眠りから覚めた市場】

 

 

家康爺様の故郷=三河は不思議と漫遊記で取り上げた事は無かったわのぅ。

なにせイラチのワシからすれば、〈こだま〉で江戸から豊橋へ2時間20分もかけるくらいなら、〈のぞみ〉だと同じ時間でとっくに京都まで到着する。
じゃけん、上方に行くほうが仕事も便利からじゃ。されど、此度は訳が違うぞ。

2月1日に「ZENT豊橋藤沢店」(1111台)ちゅう超大型店がgrand openしよったからじゃ。
そう、かの有名な「ZENT名古屋北」(2100台)を5年前に開店させたあの㈱善都どのじゃ。
愛知県の豊田市を本社とし、愛知・岐阜の両県に23店舗を展開する中京地区有数の大手企業であるぞぇ。

あれだけ話題の超大型店を大成功させられたにもかかわらず、何故かその後4年10ケ月というもの、次なる新店は出されなんだ。
おそらく、当時日本一の規模の店を出し“一皮も二皮も剝けて”急成長したがために、この間じっくりと皮剝け後の“内部固め”にじっくりと時間をかけておられた事じゃろう。

善都殿は岡崎市に「ZENT岡崎インター」「ZENT上地」の2店を出されておった故、三河地方初とは云えぬが、今回のは満を持しての豊橋初進出という構えなんじゃろう。
それほど《豊橋》という人口373,000人強の中核都市のもつ“重み”はある種“別格”といえよう。
さて、早速参らむ。

 

 

❶ ところで《豊橋市》とはいったい如何なる街なのか?簡単に列記してみる。

ⅰ)東海道新幹線の〈こだま・ひかり〉が停車するという意味で、三河の玄関口の街である。

ⅱ)人口は西三河の〈岡崎市〉よりも1万人程少ない故、三河最大の街とは云えない。

ⅲ)昭和40~60年代は、農業粗出荷額で〈日本一〉を継続した“農業生産の地方大都市”である。

ⅳ)豊田市や浜松市のような工業都市では無いが、三河港の東端に位置し、自動車輸出入高では日本一である。

ⅴ)昔から〈豊橋競輪〉があり、その関係から『夢屋』『名宝』『オータ』の“御三家”の事業出発の原点の街である。また御三家と親戚筋の『がちゃぽん』の本社も豊橋である。
〈㈱オータだけは、本社を東京に移している〉。

 

以上の事から豊橋のパチンコ業については次の事が特長として挙げられよう。

➀昭和の時代より、《豊橋のパチンコ屋》に拘ってきた企業は、『名宝=名豊観光㈱』と、『大木屋』の2社が群を抜いている。
名宝殿は昭和の時代から30年以上経って(増築、改装)された店を市内に6店舗も維持されておる!

同じく『オーギヤ』殿も30年以上経ったお店を6店舗維持されておる。
他には『オータ』殿は30~40年経ったお店をず~っと2店舗維持である。

他方『夢屋』殿は30~40年経った店は閉鎖してしもわれて、発祥の地=豊橋に残っておるのは、その後平成になってできたスロ専1軒のみである。
また『がちゃぽん=㈱立岩』殿は35年程前の店と、17年目の平成初期の“新店”の2軒を、ここ豊橋に残しておられる。

 

②平成の90年代に入って豊橋の西側の蒲郡市を本拠とする『タイキgroup』が、本格的に豊橋、豊川に店舗展開し出すことになる。
今回の「ZENT」の斜向かいの「タイキ豊橋藤沢」(1007台)の1997年の出店がその代表である。

更に西三河・岡崎市の『コスモジャパン』も2006年から豊橋に参入してくる。
この2006年という年には瀬戸市の『ベガス=㈱ダイハチ』も豊橋進出を果たす。

 

 

❷ つまりじゃ、今みたように豊橋という比較的大きな街には、2006年以降の約12年間というもの新規出店が無かった(!)という事に改めて驚くしだいである。

あいや待てよ、もしかしてこの現象は何も豊橋に限らず、名古屋市以外の愛知県内都市について、あまねく云える事ではあるまいか?そういう視点で再度検証してみると、たしかにこの12年間というもの、名古屋市以外で話題と成った大型店の新規出店はと云えば、

〈豊田市〉「GOLD玉越浄水」(2013年)
〈岡崎市〉「ZENT岡崎インター」(2011年)「ベガス岡崎駅前」(2011年)
〈弥富市〉「LUCKYプラザ」(2012年)〈丹羽郡大口町〉「メガコンコルド1177大口41号」(2014年)
〈知立市〉「メガコンコルド1020刈谷知立」(2012年)
〈東海市〉「キング666東海」(2016年)

ぐらいしか思い浮かばんのじゃ。

それくらい、中京人の遊技場経営者は人口密集の名古屋市内に出店を集中してきたと云えるのかもしれぬ。
とすれば、今回のZENT殿の豊橋出店は2021年以降を見据えた、中京地区大手の新たな動きである!という見方が出来るかもしれぬのぅ。

しかもgrand open前のプレ内覧会では、業界関係者にTwitterで参加申し込みをさせるという【前代未聞】の方法をとられた。
これ等も、インフルエンサーを通して新店の話題を拡散させようという、“全く新たな”試みで注目すべき出来事ではある。

 

 

❸ 早速覗いてみようぞ。

おぉ、ドンキのテナントとしてのパチンコ出店に有りがちだった【ドンキの地下フロア】への出店では無く、ドンキの店内の一角を大きく貸して、1F・2Fに出店させるという方式じゃ。
このあたりは、金沢のメガ・ドンキの一角への『KEIZ』の出店と同じパターンじゃな。
そりゃ地下店舗よりは、地上店舗の方が営業者としてみれば遥かに良いに決まっておる。
但し家賃の方はそれ相応かもしれぬがのぅ(笑)。

「ZENT豊橋藤沢」の要点を掻い摘んで整理してみる。

➀1F2Fとも【全館禁煙】。喫煙ブースも〈電子たばこ用〉と〈紙巻きたばこ用〉とに分けて有る。

②中京地区大手の最近の“常識”に成りつつある、〈PS共に玉・メダル積み無し!〉セルフスタイル。働き手不足でもある今日、益々このスタイルが普及しそうじゃ。

③1Fパチンコ、2Fスロットで計1111台と云うのは、千葉県で圧倒的一番店と成った『AMUSE千葉』と全く同じ!なんか「AMUSE千葉」を意識した気配も感じられる。

④賞品カウンターでの賞品交換については、賞品払出し機4基のうち2基は対面では無い“自動払出し”となっておるのが斬新じゃのぅ。

この“近未来志向型”の店舗コンセプトが、どこまで三河のお客のココロを摑むのかは、まさにこれからの営業努力次第であろう。
名古屋市を含む【尾張】ではなく、【三河】でのこの新しい“実験店舗”が順風満帆に船出する事を祈るばかりじゃ。
因みにワシが見た2月1日から4日経過した5日の時点では、(ワシの間者の報告によれば)「オーギヤWO」が集客人数で圧倒しちょったようじゃ。
やれやれ未だ予断は許されぬと云うことよのぅ。

 

 

❹ さて、この機会に豊橋の“主要店舗”というものを観て廻る事に致そう。

❶―➀にも記した如く、豊橋と云う競輪場のある街の遊技場を語るとき、『名宝』『オータ』『夢屋』の3大ブランドを抜きにしては何も語る事が出来ぬ。
“御三家”のそれぞれの父上の時代には、この競輪場に絡むビジネスで、ホントに中京地区を代表する三大brandじゃったと思う。

今はそれぞれ従兄弟さんの時代となり、『名宝』以外は豊橋から外に勇躍展開されておる。
『オータ』の太田会長などは一度全店営業取り消し!という困難を乗り越えて、今や沖縄県では三十数店舗のビッグチェーンとして復活を遂げておられる。
『夢屋』殿も北は北海道から、南は鹿児島に至る全国展開をされ、今や『ダイナム』傘下のチェーン店として新しい道を歩んでおられる。
かたや『名宝』の藤野殿は、豊橋にこだわりを持ち続けられ、今でも豊橋、豊川を中心に頑張っておられるのには、頭が下がる想いじゃ。

という訳で“御三家”の店舗から先に観て廻ろう。

「オータ西店」(303台)はこじんまりと昭和のスタイルを今に残しておられ、良いもんじゃのぅ。
『夢屋』殿は「SLOTクラブ夢屋豊橋佐藤」(360台)のみを豊橋に残すだけと成っておられるが、昔は、今話題の藤沢地区の「SLOT123」の目の前あたりに、「ダイエー7」という、CRギンパラでエライ強い店をやっておられたもんじゃ。
もう知っとる人間は殆ど居なくなったと思われるが…

「名宝柱店」(702台)は、今回の〈藤沢地区〉の“直撃”を受けそうな立地じゃ。
1997年の「タイキ豊橋藤沢」(1007台)が出来るまでは、「オーギヤWO」(932台)と共に、豊橋市を代表するお店じゃったろうことは容易に推測が付く。
それにしてもこの柱店、立駐の柱が異様にたくさん並んで、ここから“柱店”と名付けられたのではないか?と冗談半分で思えてしまう。
でも店舗入り口で働いておるコーヒーレディのおネーチャン、えらい別嬪じゃのぅ。イカン!こんなところに眼が行っとっては(笑)。

最後に豊橋駅と〈藤沢地区〉とのちょうど中間に位置しておる「COSMO JAPAN汐田橋」(896台)+スロ専「COSMO JAPAN217」(217台)を覗いてから新幹線で江戸まで戻ろう。
ここはちょうど〈藤沢地区〉と豊橋駅との中間地点で、非常に面白いロケーションじゃと思う。
ところが如何せん、遊技場のホットSPOTが〈藤沢地区〉に成ってしもうておる事もあって、COSMO JAPAN(三和観光)殿はエライ苦戦気味じゃのぅ。
愛知県内に19店舗も展開されておるコスモ殿は、春日井市の勝川に出店された当時(2005年頃)はエライ勢いじゃったが、4年前に出店された名古屋市中区、千種区のドン・キホーテの地下店舗は、苦戦されておるのぅ。

因みにこの豊橋のスロ専「217」は、元「SLOTがちゃぽん」じゃった場所である。
なんとか頑張って〈藤沢地区〉への一極集中だけは避けるよう頑張ってもらいたいもんじゃ。

 

 

❺ こういう訳で、古くは『名宝』『オータ』『夢屋』の御三家から始まり、『オーギヤ』がドンドン店舗を拡げ、その後同じ三河の『タイキ』(蒲郡)、『COSMO JAPAN』(岡崎)が進出し、更には尾張方面から『ベガス』『ZENT』と力のある勢力が進出してきた、豊橋市内を概観して参った。
ここ12年間というもの、新規の進出が無かった!というのも豊橋の一つの“不思議”であった。

しかし遂に今回の「ZENT豊橋藤沢」(1111台)の進出によって、ようやく12年間の“眠り”から豊橋は目覚めた。
最新型の「ZENT」を取り囲む“古くからの”豊橋既存勢はこれから如何なる戰さを仕掛けるのか?仕掛けないのか?まっこと見モノであろうのぅ。
但し、決めるのは全て【お客様】である。

 

▼2月1日に話題満載でgrand openした「ZENT豊橋藤沢」

▼ZENTの斜向かいに存在感を見せる「タイキ豊橋藤沢」

▼タイキの隣りで昔から900台超を続けている「オーギヤWO(ダブルオー)」

▼豊橋にもあるスロ專の「123」

▼名豊groupの旗艦店舗「名宝柱」

▼オータgroup発祥の地でもあるが、その面影を残す「オータ西」

▼夢屋groupにとっても発祥の地であるが、唯一残った「slot club夢屋豊橋佐藤」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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