第200回 【上総(かずさ)の国=木更津市 篇 内房有数の都市を紐解く】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第200回

【上総(かずさ)の国=木更津市 篇 内房有数の都市を紐解く】

 

 

今回の地方巡察は、房総上総の木更津じゃ。
以前に茂原に〈新型ダイナム〉が出現した際に取り上げてより、実に2年ぶりの上総入りじゃ。

茂原は外房を代表する街であるが、内房には、木更津を挟んで市原、袖ケ浦、君津などの市が並んでおって、どの街が内房の中心であるかは一概に決めづらい。
このうち市原市については、3年近く前に『漫遊記(87)』でマルハン vs D’ステーションの対決構図を中心に取り上げておったのぅ。

じゃが木更津については(何回か店を廻っとるが)何故か漫遊記には纏めておらぬ事に今更気付いた。
木更津といえば、昔はアサリの潮干狩りで有名じゃったもんじゃが、今ではすっかり寂れて、今頃は《三井アウトレットモール》と《自衛隊基地》の街と言った方が良いのかも知れぬ。
また東京湾対岸の川崎市とは《アクアライン》で結ばれ30分位で川崎から来れるもんじゃから、住宅建築と人口増加が一時期見込れたもんじゃが、それも今は期待薄となっておるようじゃな。

 

 

❶ かような木更津市であるが、遊技場については多少昔から賑やかな話しもあって、千葉県最大手の『ともえ』=㈱ビショップの店と、元は福島会津地方が拠点じゃった『DAIEI』=㈱ダイエーの大手2社が進出しているほか、札幌から個性的な『スマイル』=㈱大宝グループも出店しておる。

今日見て廻るのは、市の北から順に

➀「ダイエー木更津」(960台)    ※当時会津に本社が在って、2007年の民事再生申請の1年前に出店。
②「Pearl Shopともえ木更津」(574台)※千葉県最大手企業の店。1990年出店の老舗であるが、2002年に隣地に移転し新築再オープン。
③「プラザDo長須賀」(364台)   ※1.25円パチンコ専門店。
④「メダル王SLOT」(180台)     ※市内中心部にある市内唯一のスロ専。
⑤「スマイルマックス」(520台)    ※今は北海道の大宝groupが経営するド派手なピンク建物で、2014年から4社目のテナントとして出店。
⑥「プラザDo木更津」(1000台)   ※地元木更津の㈱大原産商の気合の入る地域最大台数の店。
1984年の出店時は294台の小型店であった。2015年10月に従来の600台➡1000台へと大増台にてgrand open。
⑦「メトロ清見台」(720台)     ※市内住宅団地のど真ん中の店。2011年に480台➡720台に大増台。

の7店舗じゃ。
ま、有り体に申さば、千葉最大手の『ともえ』殿が房総半島=上総の国にも早くより出店されている事と、2006年まで破竹の勢いじゃった福島会津(※当時)の『ダイエー』殿までが、この木更津に出て来られているという位の市場環境と云う事になろうか。
1997年に東京湾アクアラインが開通して、東京湾対岸の川崎から直接上総の木更津まで僅か20分で行けてしまうという事で、木更津が一躍〈横浜・川崎のベッドタウンに成るんじゃないか?〉という思惑が世間に拡がってもうた。

ところがあれから20年経ってどうじゃ。
どうやらその目論見は空振りに終わったようで、今は木更津市街も“閑古鳥”が泣いておる。
という訳で、大手ホール企業の進出は、『ともえ』『ダイエー』で止まってしもうた。
木更津で唯一便利と思われておるのは、《三井アウトレットモール》と《ゴルフ場》だけじゃな(笑)。

 

 

❷ さて、早速上記の各店の状況を観て参ろうぞ。

➀「ダイエー」は一時期稼働が苦しい時も有ったが、今は普通に平日でも300人程のお客は集めとるから、先ずは安泰というところじゃろう。

なにせ、在日米軍のオスプレイとやらが一時的に立ち寄る事も可能な陸上自衛隊木更津駐屯地のすぐ隣の店と来ておる。
屈強のアンちゃんがたにとっても利便性は高いのであろう。
今になって思えば、ダイエーの先々代の金井社長が思い切り1000台クラスの店を造っておいたのが今と成っては良かった!と云う事に成るから、人間の歴史ちゅうもんはホンマに分からんもんじゃのぅ。

 

②「ともえ」の現在の店は、実は旧店からほんのチョット場所を移して存在しておる店であるはずである。

機械構成を見てみると、パチンコ機は160台(4パチのみ)、SLOTが414台という、“極端に”SLOTに偏ったカタチとなっておる事がわかる。
やはりランチェスターの法則とやらで、「ダイエー」の方が「ともえ」殿の約1.7倍という台数比率による“重み”はどうしても如何せん有るのじゃろう。
それ故「ダイエー」のSLOTの320台に対して、「ともえ」のSLOTの414台という地域一番台数で包囲の“突破”を図るという作戦に出る他ない、という事なんじゃろう。

本来資金力の豊富な「ともえ」殿であれば、ここは1000台超の店を造って対抗する事はわけない事と思われる。
されど今の木更津には、そんな多台数を支える元気は無いという、賢明な分析を為されておろう事と推測致す。

 

③「プラザDo長須賀」は364台の「ぱちんこ機」がオール1.25円貸しパチンコのみという、極めて分かり易い店である。

古くより㈱大原産商としてやっておった中型店であったが、1km西に「ともえ」の640台クラス(当時)の出店により、“精彩を欠いた”営業を余儀なくされておった。
そこで低玉貸しブームが関東にも拡がった2011年に、思い切って全館を1円パチンコ専門店に切り替えてこられた訳じゃ。
これが見事に功を奏して、2012年にかけては40,000発を切らぬ盛況であったと、ワシも記憶しておる。
今はさすがにそこまでは行かぬが、良好な1.25円パチンコ繁盛店である。

 

④「メダル王」は木更津市内の中心部に位置する“唯一の”遊技場と成ってしまった。

しかし街なかには人通りがホントに少ない。市内最大のショッピングエリアが、市南部の東京湾側のイオンモールに移ってしまったので、市中心部に残るイオンタウンのすぐ近くに在る「メダル王」殿も、ヒトの流れの“恩恵”は受けておられぬようじゃ。
遊技台数も180台のSLOTということで、市郊外の②ともえや⑥プラザDoの400台クラスのスロット併設店にはヒケをとっておるのが残念というものじゃ。
また木更津には大きな大学というモノも無いので、学生客も殆ど居らぬ。悩ましいところであろうのぅ。

 

 

❸ 眼を市南部に転じてみよう。

いよいよ此処には⑥「プラザDo木更津」(1000台)の巨体が、国道16号が127号と分岐する手前に姿を現してくる。
1000台の新店舗に造り直す前は、すぐ北側の隣地に「SLOTプラザZEX」(340台)というスロ専とのツイン店舗体制であったのだが、⑥を造られてよりはこの「ZEX」の方は閉めたままに為されておる。
そりゃそうだわな。「ZEX」の方は役割を終えておる訳じゃから。

この⑥は、どうみても木更津市内で、遊技場としては最高の立地であろう。
というのは、単に幹線国道に100m以上接道しておると云うのみならず、市内最大の住宅団地である《清見台》から国道16号に出る“出口”に位置するからである。
謂わば住宅地の首根っこを“押えとる”ちゅう事じゃな。

それと“純粋に”地元木更津の企業である!という大いなるプライドが、ただでさえ最高の立地である以上に店の“品格”を持ちあげておるように感じられる。
その証拠にPもSも各台計数器で玉メダル積み無しでの高稼働じゃ。
今日の金曜と云う本来“ヒマ”な日にも拘らず550人は客が入っとるわぃ。
➀の「ダイエー」の960台に対して、“意地でも”それを超える1000台に為されたという大局観が伝わって来るというものじゃ。

⑤の「スマイルマックス」も見て参ろう。
ここは仮に⑥の「プラザDo木更津」が存在しないのであれば最高の立地かも知れぬのじゃが、如何せん古くより地元の㈱大原産商が最高立地を広い敷地面積で押えとることにより、3回ほど営業者が変わってきておって、今度の「スマイル」で4社目の役者交替という訳じゃ。
「スマイル」の金沢会長とはやがて20年のお付合いと成るが、旧屋号「玉五郎」時代から相変わらず事業意欲旺盛であられるのぅ。
今では北海道だけでなく、岩手、群馬、埼玉、そして東京西八王子にも出店為され、計20店舗の小型店チェーンである。

ここ木更津店はピンクの外観が派手でよかことじゃのぅ(笑)。
巨艦で最新設備の⑥「プラザDo木更津」から車でほんの3分の近さゆえ、如何に自店の個性を表現できるかが真剣勝負じゃろぅ。
なまじっかの“低貸し専門店”というだけでは生き残れない時代じゃからのぅ。

 

 

❹そして最後に市東部の住宅地のど真ん中に唯一“独立峰”の如く営業されておる⑦「メトロ清見台」を久しぶりに覗いて今日の巡察は終了じゃ。

経営為さる㈱三和コーポレーションは、元々アルミ製品の加工会社から遊技場経営に参入された、異色の会社である。
ワシも若い頃に市原の古市場にある本店にお邪魔したことがある。

この清見台店は会社の全力を挙げて出店為された名店である。
なにせ住宅団地の中によくぞまあパチンコ店ができたものだ!と感心せざるを得ない立地条件じゃからのぅ。
おかげで➀②⑥の大型店の出店にも関わらず、今日まで盛業を続けることができておる。

しかも⑥が大増台を仕掛けるよりも4年早く480台➡720台へと増台攻勢を仕掛けられたのが、今日まで生き残れてこれておる最大の決断であった。
これからも、余程のことが無い限り、安定した遊技場経営を続けて行かれる事と思われる。頑張ってくだされ。

このまま真っすぐに海ほたるを通って江戸まで戻るのも詮無きこと故、奥方に頼まれておったジャンパーでも見に「三井アウトレット木更津」に寄って参ろうかのぅ。
なんでもpoloラルフローレンのが気に入っておるようじゃ。
ワシは何にもわからぬが、店員さんにお勧めでも聞いて買って参るとするか。

いつの時代も奥というのは亭主を財布代わりだと思っとるようじゃ。やれやれ。

 

 

▼宇宙基地かと思わせる外観「ダイエー木更津」

▼スロット設置比率72%を超える併設店「パールショップともえ木更津」

▼1.25円パチンコ専門店として異色の盛業を続ける「プラザDo長須賀」

▼現在の木更津市内で一番店の「プラザDo木更津」の巨体

▼居抜き出店が成功するのか「スマイルマックス木更津」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目市場,計数管理

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