第201回【伊勢の国=鈴鹿 篇 堅牢な地元強豪とブラッシュアップする大手のせめぎ合い】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記  第201回

【伊勢の国=鈴鹿 篇 堅牢な地元強豪とブラッシュアップする大手のせめぎ合い】

 

 

 

いよいよこの『漫遊記』も200回を超えて参ったのぅ。
これから益々濃いものになって行く故、ご期待に副えるように精進してまいる所存じゃ。

さて5月1日より新たな年号=「令和」になるちゅうんで何故か伊勢の国に来てみたくなったという訳じゃ。
じゃが〈伊勢市〉については過去に二度も取り上げておる故、今日は名古屋にもっと近い鈴鹿市を逍遥してみる事に致そう。

と申すのも、昨年末に「マルハン鈴鹿」が480台➡700台に大幅増台をしておるので、正月明けよりずっと気には成っておったからじゃ。
更に同じ三重県では「マルハン名張」も、旧店を捨てて、道路隔てた真向いに“お引越し”をして、その際400台➡640台へと変身したことも気にはなっておる。

なんか伊勢の国が少々騒がしくなってきたようじゃな。ささ急ぎのぞみ号に飛び乗るぞ。

 

❶ 鈴鹿という街は不思議な交通導線の街である。

元々〈東海道〉と伊勢道との分かれ道になる事から、四日市宿の次の44番目の〈庄野宿〉というのが、今の《平田》あたりに在った訳じゃ。
ここから〈関宿〉を経て近江の〈水口〉に抜け上方に入る事になる訳じゃ。
その名残りか、今でもJR関西本線は鈴鹿市内を東西にぶった切って、西の名張方面に向かってしまう。
その代わりと云ってはなんじゃが、JRで南の松坂・伊勢方面に向かう際には、《伊勢鉄道》と云う名の線路を経由して行くことができるように成っておる。

いっぽう海側の伊勢湾に近い〈白子〉地区に行くには、《近鉄名古屋本線》を利用する事になる。
JRと近鉄とは仲が良くないのかどうかワシは知らぬが、桑名駅からずっと南の〈津駅〉までは、全くお互い連絡できる駅も無く、別々に走っておる!

という鉄道路線の関係で、鈴鹿市全体を観ようと思えば、
A《近鉄鈴鹿市》周辺エリア
B《近鉄平田》周辺エリア
C《近鉄白子》周辺エリア
の3つに渡って観て廻る必要がある事になってしまう。
今日は日程の関係で江戸に日帰りで戻らねばならぬ故、A、Bの2エリアの散策でご勘弁を頂きたい。

 

❷ まず最初は気になる「マルハン鈴鹿」からのスタートである。

この店はちょうど上記のAとC両エリアの中間で、国道23号と県道8号とが合流する交通の要に位置しておる。
永らく三重県は、県下最大手の《キング観光》の店舗が県下主要都市に殆ど大型店で店舗展開しており、日本最大手のマルハンと云えど、三重県下では“地域一番店”というものが存在しない状況であった。

この状況が少し変化を見せ出したのは、丁度2年前の2917 年4月に「マルハン伊勢店」(560台)が新規出店してきた当りであろう。
折りしも丁度「パラッツオ伊勢店」が居抜き+増築で三重初進出をした時期と重なり、県中南部の伊勢・玉城地区が大いに沸いたことは間違いあるまい。
伊勢では「キング観光伊勢」のほうが688台と台数的には上回っておるのじゃが、新店の“強み”とでも申そうか、稼働率では爾来このマルハンが、地区一番店の座を張っておるようじゃのぅ。

マルハン殿は現在三重県内に8店舗を展開為されておるが、7年前に7店舗であった時までは、判で押したように全て〈480台〉という店舗であって、当時から1000台を超える『サウザンド』シリーズを展開しておった『キング観光』には、全て“後れをとって”おった。
そして満を持して7年前に「マルハン四日市北店」を480➡810台に建て直したわけじゃが、それでも近くの「キング観光サウザンド生桑店」(1120台)の圧倒的一番を揺るがすことは出来なんだという痛切な思いを味わっておられる。

このマルハン殿の“閉塞感”から脱却の兆しを摑んだのが、上記に記した「伊勢店」の560台店舗での“実験”であった訳じゃ。
伊勢店が非常に上手くいった事で感触をつかんだマルハン殿は、「新名張店」(640台)、今回の「鈴鹿店」(700台)と、この2年間で一気に攻勢をかけて来られたとワシはみる。

 

❸ で、その「マルハン鈴鹿」であるが、今のところ「伊勢」「新名張」のようには“順風満帆”とはいかぬ面があるようじゃ。

おそらくではあるが、鈴鹿には「キング観光サウザンド鈴鹿」(1248台)という巨艦店が5年前からブイブイゆわしておるので、一筋縄では地域一番の稼働店とはいかぬのではあるまいかのぅ。

という訳で、早速「サウザンド」の方にも廻ってみたが、やはりSLOTの608台というのは強烈じゃのぅ。
マルハン殿はSLOT300台じゃけん、ちょうど2倍の規模じゃ。
この体制を崩すのは一筋縄ではやはりいかぬぞぅ。
ま、両店が競い合って鈴鹿と云う工業都市の労働者の娯楽の楽しみを増やしてくれるのは、大いに結構なこっちゃが(笑)。

この「キング」と「マルハン」のちょうど中間に存在しておるのが「МGМ鈴鹿」(680台)である。
この大型店は4パチと20スロが無いものの、2パチと10スロでお客を付けることに成功しておる。
さすが全国展開されておる一六商事の黒木殿。ちゃんと「キング」と「マルハン」との間で生き残って儲けてゆく戦略を早くから察知しておられるとみた。

 

❹ 次は市の中心部から西へ4kmばかし行った所の〈平田地区〉を廻ってみるとするか。

今は県外の者には忘れられているやも知れぬが、太平洋戦争時、この〈平田〉から〈白子・玉垣〉にかけては巨大な《海軍航空基地》や《海軍工廠》があって、“軍都”として非常に大きな役割を果たしたものじゃ。
おそらく今の鈴鹿サーキット場も海軍施設の跡の活用で出来たものではあるまいかのぅ。
昭和40~50年代にかけては恐らくこの〈平田地区〉の遊技場が、鈴鹿市を代表する“ぱちんこ村”として活況を呈したであろう事は、優に想像がつくというもんじゃ。

いま〈平田地区〉には、「ホームラン平田」(572台)、「ダイナム鈴鹿」(510台)、「ホームラン三日市」(345台)、「ランドマーク鈴鹿」(1241台)の4軒が営業しておる。
「ランドマーク」殿だけは、平田駅前と云うよりは、より西側の本多技研の工場近くに位置しており、なんと神奈川県の企業というから驚くではないか。
「キング観光サウザンド」に大増築するまでは、鈴鹿市内での圧倒的一番台数を誇っておったもんじゃが、今は「サウザンド」との1200台クラスが2店聳えて、鈴鹿マーケットを牽引するカタチとなっておる。

「ホームラン」(=㈱有馬)殿は、キング観光の権田殿がここまで大きく成長してくるまでは、永らく三重県下遊技場のトップ納税企業であったことは有名な話しじゃ。
現在はほぼ償却がとっくに済んだ店舗を中心に、350~500台クラスで安定した営業をなされており、徒にマルハンとかキング観光とかの大手と張り合うような営業スタイルは採っておられないようじゃな。
県下でも中小店舗を中心に廃業が徐々に増えて来ておるなかにあって、この有馬殿の姿勢は、県下の遊技場の安定のためにも大切なことではあるまいか。

 

❺ それと、残るはダイナムじゃな。

実はダイナム殿は、9年前に地元スーパーの㈱オークワジャパンの経営する遊技場を2店舗だけM&Aされておる。
1軒は松阪市の「やすみ時間」(432台)であるが、もう1軒はココ鈴鹿の「やすみ時間」(388台)である。

従って鈴鹿市には、ダイナムの低貸し館が2店舗存在するということになる。
『信頼の森』といい『やすみ時間』といい、ホンマにギャンブル感とは一味も二味も離れた“名コピー”であると絶賛したい。
低貸しで真にお客付けをしていこうと思わば、かかる店のネーミングにも最新の注意を払うべきじゃろうとワシは考える。

注目すべきは、最近のダイナムでは全社的に【SLOTコーナーの増設】が相次いでいることである。
この「ダイナム鈴鹿」にあっても例に違わず、510台という(従来の480台店舗とは異なり)“攻める”ダイナムであることじゃ。
「マルハン鈴鹿」の480➡700台の大増台や、それに合わせた「キング観光サウザンド鈴鹿」の1248台への増台の方にばかり目を奪われて、大手ダイナムの“さりげない”スロット増台の動きを見逃してはいかぬと考えるしだいである。

やれやれ、やっと鈴鹿の2/3を廻って来たが、そろそろ時間じゃ。
まだ旧:海軍航空基地のあった〈白子地区〉は残っとるが、ここはひとつ別の機会にさせて頂くことにしよう。何卒ご容赦願いたい。
せっかく鈴鹿まで参ったのに、サーキット場にも寄れず、F1レースのレースクイーンとやらも見ずに江戸に帰るとは、返す返すも口惜しい事ではある。
せめて松阪牛の駅弁でも買って満足することに致そうか。(;´д`)トホホ……

 

 

▼正月オールナイト営業直前にgrand openした「マルハン鈴鹿」(700台)

▼5年前から鈴鹿市中心部で繁盛している「キング観光サウザンド鈴鹿」の巨体(1248台)

▼マルハンとキング観光に挟まれて上手に生き残る「MGM鈴鹿」(680台)

 

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