第207回【下総の国=柏市 (第一)篇 楽園vsPIAのがっぷり四つ】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第207回

【下総の国=柏市 (第一)篇 楽園vsPIAのがっぷり四つ】

 

 

 

遂に柏を取り上げる時が来たか。

その昔ワシは月に2回は柏に参っておったもんじゃ。いや別に好みの女性が居ったという訳では御座らん。
贔屓にして頂ける独り暮らしの社長が居ってな。
寂しいもんじゃから、ワシと飯を一緒したいというもんで、しょっちゅう呼び出されたもんじゃ。
お蔭で平成の初めごろから柏の地理については多少詳しく成ったもんじゃ。

柏駅は常磐線沿線の中で最も乗降客数が多いと来とる。
松戸市と異なりJRの駅が3駅しかなく、しかも常磐快速や特急ときわも停車することから、柏駅にどうしても集中してしまう。
一日なんと125,000人強が柏駅から電車に乗り込むということじゃ。
どおりで「高島屋」と「そごう」の2つの百貨店が昭和の時代から出来て繁盛しておったちゅうワケである。

じゃが時代は変わり百貨店の時代は終わった。
されどそれとは関係なく相変わらず柏駅は人で溢れておる。
東武野田線(東武アーバンクライン)との乗換駅であるというのも大きいよのぅ。

そういう訳で柏駅前は昭和の時代からパチンコ屋が多くできて、どの店も良く入って繁盛しとったもんじゃ。
最盛期の2000年頃、柏駅周辺には計10店舗あったもんじゃ。
じゃが今、20年前からそのまま残っておるのは、東口の「マルキン」1軒のみと成っておる!こりゃいったいどうしたことなんじゃろう?
他の単線の駅前店からすれば羨ましい程の人通りなのに、こんなに多くの店が廃業閉店してしまうのは。

或る意味この現象は、新宿歌舞伎町に似ておると云えるかもしれぬ。
日本一の繁華街である歌舞伎町は、また、日本一パチンコ屋の潰れる数も多い街なのである。
結局これは、

(ⅰ)パチンコ以外の他の物販飲食の需要が強すぎて、地主(or家主)からすれば〈パチンコ屋に貸すよりは、他の業種に貸した方が実入りが多い〉という厳然たる事実に基づくこと。
(ⅱ)同じパチンコ屋の看板でも、超ド級の強烈な店がこういう超繁華街には往々にして出てくるので、少々の“看板力”では、こうした“超ド級”の店に対抗できない。

……という二つの事実に基づくから、と理解すべきであろう。
新宿歌舞伎町の場合は、よく知られたように2002年以降の「日拓エスパース歌舞伎町店」(1698台)や2015年の「マルハン新宿東宝ビル店」(1160台)がこれに当り、二十数軒あったパチンコ店が、「日拓」「マルハン」の2社による3店舗だけに成ってしまった。

 

 

 

❶ 柏にあってはまず1997年に、東口南側に「PIA柏(現:PIA柏本館。当時327台)が出来た事を、“柏大変動”の嚆矢とする。

駅の隣りに隣接する〈ファミリービル〉を通って階段を降りれば、直ぐに店の2階から入れるという“オシャレな”利便性がウケて、柏のパチンコ屋にショックを与えたものである。
じゃが今は「PIA柏パチンコ館」と成ってしまった=PIAの向かいのビルには、当時業界の大御所=エース電研(⇒エース興業)直営の「ニュー東京」と「柏プラザ」のW店舗が入って、常磐線沿線に名前を轟かせておったものである。
その有名だったエース興業の店に降りるには屋根の無い陸橋をおりなければならず、駅の改札から雨に濡れずに、そのまま東口アーケードに移動できるこの「PIA柏(本館)」の利便性は他を圧倒したもんじゃ。
まるで柏駅への首根っこを抑えたようなPIAが出来た為に、駅から少し離れた「京北会館」にしても「金馬車」にしても、「DIOS」にしても、“路地裏”のいかにも“ぱちんこ屋”らしい店が全盛期だっただけに、各店とも「PIA」の出現に、正直戸惑っていた記憶が有る。

ここまでが、柏駅周辺で起きた【第1章】である。

 

 

 

❷ その後、2006年盆過ぎに〈長崎屋〉の地下1Fに「楽園柏」(当時884台)がテナント入居した事が、柏駅前にとって更にショッキングな第二弾であったろう。

当時も既に、川崎溝の口の「P ARK」長崎屋の立体駐車場の1Fを賃借した店舗は在ったものの、長崎屋と云う有名スーパー売り場の地下にパチンコ店が入居するなどという事は想像できなかった時代である。
今でこそ長崎屋は、ドンキの傘下に入ってしまったが、元々は、日本のスーパーマーケットの草分けの名門企業だったのである。
それが遂に“変なプライド”を捨てて、パチンコ店をテナント誘致する事が始まったのか!と業界人みな驚いたものである。

結果は、言葉では言い表せない位、上々の客入りで、当時はずっとパチンコは50,000発稼働と云われたものである。
こうなると、柏に先行出店した「PIA」の方は如何に柏駅に一番近いとは云っても、4フロアで400台規模の「PIA」と、900台規模でワンフロアの「楽園」とでは、店内の迫力と云う点では、圧倒的に「楽園」の方に軍配を挙げざるを得なくなる。
当然柏駅周辺の「PIA」だけでなく、店名を「パゴラ」に変えて全面改装したエース興業の直営店も、更に「COSMO」も「京北会館」も、甚大な影響を蒙る事になった訳である。

その結果、2013年までには、「金馬車➡M@CS」「COSMO」「京北会館」「パゴラ」と皆、次々に閉店していく事になるのである。
※実はその間、都市計画上の“ある事件”が起こった。
店名変更までし全面改装した「パゴラ」前に、駅に繋がる《屋根付きのエスカレーター》が設置され、「PIA(本館)」の前の階段を通らずに、人の多くは「パゴラ」前に降りるエスカレーターを圧倒的に利用するようになったのである。
これはPIA殿にとっては“不幸な”出来事であるし、「パゴラ」殿にとっては、将に“天の恵み”の如き大ラッキーであった。

以上が、柏駅前で起こった【第2章】である。

 

 

 

❸ 【第3章】は、更にドラマチックである。

店の前に一日何万人もの人が利用するエスカレーターが出来て超ラッキーな筈の「パゴラ」(512台)が、2013年に自社のパチンコ店を閉店してしまわれる!という“大事件”が起こったのである。
大阪難波のエースの直営店も閉めてしまわれたことだし、業界通の間では“遂に関東の拠点=柏もか!”と冷静に受け止めた向きもある。
されど嘗てを知る柏市民にとっては、平成初期までの“柏一番店”が(大改装もした後だけに)急に閉めるという事に、いささかショックを隠し切れなかったのではあるまいか。

しかし更にドラマチックなのは、その閉店した「パゴラ」の後釜に入り華々しくgrand openしたのが、道路隔てた真向いの「PIA」であった!という事だろう。
まさかのどんでん返しで「あっ」という言葉も出ない、まさしく“大事件”である。
これによりPIA殿は中間の道路を挟んで、一時期2店合計で約1000台の規模にしてしまわれたのである。
そう(笑)、「楽園柏」の台数を一時的に越してしまわれたのである。この大事件に伴い、次の様に成った。

「元:パゴラ」 ➡ 「PIA柏パチンコ館」
「元々の:PIA」➡ 「PIA柏スロット館」

そしてこの事件のあった2013年~2019年までは、「楽園≒1000台」、「PIA≒1000台」という2つの企業のスクラッチコンペに成ってしもうて、他の遊技場は(東口に関しては)消えてしもうた。
ちょうどその頃、名店=「京北会館」の土地と、その隣地の広大なJA柏の土地とが、再開発に伴い売却され、そこに巨大なライオンズマンションと商業施設ができた!という都市計画の完成も重なったことも決して忘れてはなるまい。

 

 

❹ 再開発を伴ったこの【第3章】で、当面柏駅前は“平和な”時代が訪れるものと思っておったら、いやはや何と、【第4章】が起こってしまった。

SLOTについては駅直結に近い現「PIA柏本館」をSLOT館に変更して、「楽園柏」に対抗していたピア殿ではあるが、やはりワンフロア447台(オール20円)の迫力には対抗上、苦戦を強いられていたようで、この状況からの“突破口”を必死に模索しておられたようじゃな。
そしてなんと(!)楽園殿の真向いの地下1Fに、広々としたワンフロアのスロ専を4/25のGW直前に、PIA殿はgrand openされたのである。

この場所は、元々《TSUTAYA》が借りておったスペースである。
地下1階までエスカレータの昇り降りが付いておって、極めて入店し易いテナントビルである。
ここに343台の本格的スロ専をPIA殿は開けてこられた。全台オール47枚貸しの本格的スロ専である。

その結果、柏駅東口の遊技場は以下の様になった。

➀「PIA柏本館」(419台)   ※元のSLOT館をやめ併設店に戻した。うち98台のSLOTは、10円貸しのみ。
②「PIA柏パチンコ館」(448台)※オール4円パチンコ専門館
③「PIA柏SLOT館」(343台)※オール47枚貸しのスロット専門館
     ※以上『PIA』3店舗合計1,210台
④「楽園柏」(1068台)    ※SLOT 447台は、オール50枚貸し

つまり《1210台 VS 1068台》という、大手2社による“対決の完成型”である。
いやはや、《PIA》と《楽園》という2社による熾烈極まりない“正面バトル”の始まりである。
これが常磐線の柏駅であるというのが非常に興味深い。
大宮でも川口でも蒲田でもない、まさにこの《柏》に戦線が敷かれたというのも、神様の何かのイタズラかもしれんな。

ま、いずれにしても常磐線沿線最大の強烈な“バトル”が開始されたばかりであるし、柏という優良マーケットの事ゆえ、GWの10連休が明けた今日この頃でも、他の市に較べ充分にお客が柏に集まって来ておる。
今後の推移ついては、当分半年後くらいにまた柏に来てみんと何とも言いようがないわな……

 

 

 

❺ところで、東口ばかりにスポットライトを当てて参ったが、実は柏駅の西口(※国道6号水戸街道がわ)を失念する訳には、勿論いかん。

西口には、

⑤「マルキンかしわ」(381台)※元:都市銀行があった建物に入居。地元の柏を代表する企業で、
               “柏だけは譲れない!”の気合を充分感ずる。
⑥「ジュラク柏」(411台)  ※東京北区王子駅前が本拠で、千葉県には柏と南柏駅前にも出店
               (閉店した元「ポルシェ」を土地建物ごと購入)

の2店舗が出店している。
西口は東口ほど繁華街は無いが、高島屋や中大型ホテルが次々と出来てきているし、何よりも柏駅から西北の住宅地へ向かうバスターミナルやタクシー乗り場があって、遊技場環境としても決して悪いとは申せまい。
じゃが、この〈西口〉については今後“あっ”と驚く変動がまた起こりそうなので、今回は敢えて詳述する事は避けようと考える。
今の時点では文字にする事は出来ないことを“忖度”いただきたい。
多分【柏市(第三)篇】あたりで触れる事に成る事をご容赦いただきたい。

 

 

▼話題満載でグランドした「PIA柏スロット館」

▼元:エースの直営店の居抜き「PIA柏パチンコ館」

▼PIAに発奮されて最高稼働「楽園柏」

▼東口の影響を受けながらもマイペース柏駅西口の「ジュラク」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,業界動向,注目ホール,注目市場

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