第208回【下総の国=柏市(第二) 篇 感慨深い柏郊外の遍歴と歴史を振り返る】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第208回

【下総の国=柏市(第二) 篇 感慨深い柏郊外の遍歴と歴史を振り返る】

 

 

 

前号では初めて柏を取り上げるにつき、先ずは話題沸騰の柏駅周辺を、エピソードを踏まえて分析したつもりである。

今回は目を転じて柏の郊外全般を巡察致す事にしよう。
これまた皆が忘れてしまっておるエピソードを踏まえていっぱい纏めてみたいが、果たして紙幅が足りることやら(汗)。
柏の郊外もまた《柏駅前》に負けぬ程想い出がいっぱい詰まっちょるわぃ。さてと……

❶ 柏郊外といえば、北から時計回りに以下の店舗を一周せねばなるまい。

➀「やすだ柏」(640台)  ※1998年頃開店
②「マルハン柏」(1040台)  ※2007年開店(元ダイエーハイパーマート2Fテナントから出発)
③「キコーナ柏」(357台) ※2017年開店(元「上総屋玉五郎の居抜き)
④「マルキン松ヶ崎」(524台)※2011年開店(元「P501北柏の居抜き)。㈱柏丸金会館で7店舗
⑤「Vゾーン柏」(515台) ※1995年頃開店。㈱湖北台産業で8店舗経営
⑥「GAIA増尾」(323台)  ※2003年開店。(元「パーラーFF」)
⑦「アリーナ柏」(920台) ※2010年開店で大都販売の系列の大王興業㈱の経営で6店舗
              元「ニューカジノ」を買って2回に分けて増設
⑧「一番舘柏」(640台)  ※2012年開店。㈱山和ホールディングスで17店舗
⑨「パンドラ柏高田」(569台)※1997年頃開店。現在は長野の「100万ドル」系列だが、「パンドラ」としては全国に11店舗

という布陣である。

どうじゃ、錚々たる面子が揃うておるではござらぬか。
その中にあって、④⑤の地元チェーン店が健闘されておる事にも着目すべきでもあろう。

早速、各個に覗いて参ろう。

➀「やすだ」殿が最初に千葉県に進出されたのは、四街道市駅前店であるが、その小型店での成功の秘訣は、玉を放出する際にはライバル店が白旗を掲げるまで徹底して出し続ける!という“やすだ神話”が確立されていった事であろう。

この四街道店の成功に気をよくなされて、次に本格的な郊外店にチャレンジなされたのが、この「やすだ柏」である。
まだ②のマルハン殿も柏に来られる10年も前のことである。
爾来“柏にやすだアリ!”の名声は轟きわたり、当時は全国からこの➀を観に来られたものである。

しかしその10年後、当時“売上1兆円”をスローガンにされておったマルハン殿が、➀「やすだ」の800m東にある《ダイエーhyper mart》の2階にテナント入店してこられて以降は、状況がチト変わってきた。
ショッピングビルの2階“空中店舗”という“不利”にも関わらず、そこはさすが200店舗を超え、豊富な人材を保有されておるマルハン殿のこと、次々とエリート店長を投入されてきて、柏市北部での一番店の地位を奪っていかれる事になった。

 

 

 

人の運命とは不思議なモノで、日本一の巨大小売業=ダイエーを創りあげた中内コウ会長は2005年に亡くなられ、バブル期には2兆6千億円の総売上を誇ったダイエーは、結局《イオン》に吸収される事になった。
そして軌を一にして、ここ柏のhyper martをダイエーに貸していたビルオーナーも破産してしもわれた。
結局テナントであったマルハン殿がこのビルを買取られ、晴れて2階➡1階へと引っ越しをされた!というのが事の推移である。

ま、そんな訳で次々とエリート人材を投入されたマルハン殿に、この“十余二戦争”の軍配は下ったカタチじゃな。
じゃが、待てよ。
これまで千葉幕張にせよ、埼玉戸田駅前にせよ、既存店を悉く約2倍の大きさに拡張して大成功されてきた『安田屋』殿が、このまま素直に引き下がられるものかのぅ?と思って②「やすだ柏」の東隣を見ると、3000坪は優にある土地が整地されておるではないか。
ひょっとしてこれは……と思い間者に探らせてみたところ、人々の噂では「やすだ」殿が大幅拡張されるらしい、との事じゃ。

なにせ②も既に出来て20年経過し、設備も旧いまま使うておられる。
これはやはり、来るべき○○の前兆とみてほぼ間違いないのではあるまいか。
いやはやホンマの“イクサ”ちゅうもんは20年経ってもまだ決着はつかぬという歴史の教えであろう。
柏郊外が更に活性化することを請い願うばかりじゃ。

 

 

 

❷ さて次は③「キコーナ」と④「マルキン松ヶ崎」の2店舗じゃ。

いずれも柏市の最北部に位置し、水戸街道(国道6号)の北側じゃ。
「キコーナ」殿は隣の松戸市に於ける「キコーナ松戸」(1000台)の大成功に気をよくされて、ここ柏にも脚を延ばされた訳じゃが、この③はチト小さくて、どうやら拡張はできまい(※店の裏の卸売市場が移転でもすれば話しが全然違ってくるが…)。
ま、野田市に向かう国道16号に出城を一つ構えたという位置づけで良いのではなかろうか。

④「マルキン松ヶ崎」殿は1km東に、自社の「マルキン北柏」(310台)が在るにもかかわらずの出店じゃ。
という事は《北柏エリア》に余程の“うまみ”が有るという事か。
確かに昔ここから4km東の我孫子市の「チャレンジャー我孫子」(➡現「Vゾーン我孫子」)は、➀②の安田屋・マルハンが来た後もウハウハの客入りであった事を想い出す。

柏駅と異なり、〈北柏駅〉前には「PSシルバー」(188台)と云う小型店しかない。
よってマルキン殿の2店舗はなんとか成り立つと計算されたのであろう。
そこは柏の事を知り尽くされておるであろうマルキンどのじゃ。抜かりはないというもんじゃ。

 

 

 

❸ 引き続き今度は、水戸街道から南に移動して、⑤⑥⑦を見て参ろう。

⑤「Vゾーン柏」は実は今日廻る➀~⑨の中では最も旧く、1995年頃の“現金連チャン機”の時代にできておる。
経営される㈱湖北台産業殿は、手賀沼の周りの、柏市、我孫子市、印西市、白井市等にガッチリとした基盤を築いておられる優良企業じゃ。
この辺りはなかなか新規のパチンコ店の許可が下りない所ばかりじゃけん、まずは安泰じゃわな。

⑥「GAIA増尾」は東武野田線の〈増尾〉駅前のカブリツキで、出店されてから相当稼いでくれた店と聞いておる。
なにせ直接この出店を担当したカタの情報じゃけん、間違いあるまい(笑)。
ま、ガイア殿の事ゆえ、今後〈NEXT〉への変身もあり得るかもじゃ。

いよいよ⑦「アリーナ柏」に到着じゃ。
ここが「アリーナ」に変わる前の「ニューカジノ」の時代には、ワシも散々ここに来ておったので想い出満載の場所じゃ。
元のニューカジノの時は、敷地が3000坪も無かったのに、この「アリーナ」の広さと云ったら何じゃ!たしか駐車場の裏にゴルフのショートコースが有って林が拡がっておったのに、今は完全に平らな駐車場じゃ。
みたところ9000坪は優にあるなぁ。
さすが大都殿、為さる事がデカいわぃ。

先に観た②「マルハン柏」も昔から有名店じゃが、この「アリーナ柏」の方が“外観的迫力”では遥かに圧倒しておる。
大都=大王興業どのは、墨田区の「X(エックス)アリーナ東京」(1170台)、松戸の「Xアリーナ」(730台)と合わせ、水戸街道方面に『アリーナ』ブランドを3店続けられて、何やら水戸街道の方向がお好きとみゆるのぅ。
という事は、元:水戸藩主のワシをも好きと解釈してよろしいかな(笑)。

 

 

 

❹ 最後は時計の針でいえば8時の方向から12時の方向に向かうと、⑧「一番舘」と⑨「パンドラ」の2店が在る。

このうち「一番舘」は豊四季という流山市に極めて近く飛び出したような場所を出店場所に選ばれたわけじゃ。
元々この辺りは、➀②の〈十余二〉エリアの影響を受けづらいと思われる。

実は⑧の直ぐ近くには大都系列の「大王柏」(377台)という中型店があって昔からけっこう繁盛しておったのじゃが、南柏からずっと南に自社の⑦「アリーナ柏」が2010年末に出来てからは、存在感が薄くなったためか、2013年半ばに閉店してしもわれた。
2012年暮れに出店してきた⑧「一番舘」にとっては、ライバルが閉店してくれて或る意味“ラッキー”だったとも云える。
まっこと店の運命というモノは、人の運命と同じく不思議なモノじゃのぅ。

さて、柏市の郊外店の最後に⑨「パンドラ」の巡察と参ろう。
実は⑨は柏の郊外店としては➀の「やすだ柏」よりも1年早く1997年に出来ておる事に気付くならば、少々意外な感も致す。
じゃが、当時ダイエーの中内会長の鶴の一声で、辣腕のダイエー開発部隊が全国のパチンコ有望地を一斉に隈なく探し回っておった事を記憶する人も、今は少なくなってしまっただろう。
おそらくじゃが、当時ダイエーhyper martがあった十余二から約1kmの〈高田〉という場所に丁度パチンコ向きの土地がある事を、当時のダイエー開発部隊は知っちょったのじゃろう。
今にして思えば、その後《つくばエクスプレス》が開通し、途中駅の〈流山おおたかの森駅〉が東武野田線との乗換駅となり、住宅地としての人気が急上昇する事を、当時は予想し得なかった筈である。

歴史に〈たら・れば〉という言葉はタブーではあるが、もし中内会長の御子息が超優秀で人望も厚かったとし〈たら〉、スーパーダイエーはイオンに吸収合併されなかったかもしれないし、「パンドラ」チェーンも、長野の『百万ドル』に吸収合併されることなく、業界大手にのし上がっていたかもしれない。
そんなことをツラツラ妄想してみると、再びここに脚を運んだ今日、感慨深いものがある。
中内一族のダイエーが潰れてしまって、写真週刊誌に“中内御殿”とも揶揄された、田園調布と芦屋の豪邸を落札されたのは、何を隠そう『マルハン』殿であった(!)というのも、何とも言えぬ歴史のイタズラというやつであろうか…

 

 

 

❺ 総じて、柏郊外店のうち市の南半分は⑦「アリーナ柏」で“決まり(!)”という印象であるが、北半分は、もしかして安田屋殿の動き次第では、まだまだ大波乱が起こるかもしれぬ事を感じさせる今回の巡察であった。

 

▼旧:沼南町でひっそり営業する優良店「Vゾーン柏」

▼柏から流山に向かう好立地にて、大型店を設置する「一番舘柏」

▼郊外店ではないが、柏の隣駅前に位置する「UNO南柏」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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