第209回 【武蔵の国=横浜市港南区 篇 3駅に跨る歴史深いマーケット】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第209回

【武蔵の国=横浜市港南区 篇 3駅に跨る歴史深いマーケット】

 

 

 

 

いやはや改めて、横浜が武蔵の国であることを失念しておった。

境川から西側が〈相模国〉である筈じゃが、何故か港南区の南西部も〈相模国〉となっておる。
いかようにして、かかるクニ境が決められたのかについて、今日は論ずまい。

さて武蔵国の南端にあたるのが、本日廻る《港南区》である。
港南区はもともと南区であったものが切り離されて、1969年独立した区となって後、人口がドンドン増えてきたようじゃの。
もともと南区のほうは、江戸の末期に横浜港が外国に開放されてより、人口増加の受皿の区として、大岡川を挟むように成長発展してきた老舗の区というべきであろう。

電車の駅で云えば〈黄金町〉〈南太田〉〈井土ヶ谷〉〈阪東橋〉という、よく知られた名前の駅ばかりである。
人口密度でみても、横浜市の18区の中で、今でもこの南区の人口密度は約15,000人で、市内トップであるぞょ。

驚いたのは昭和40年頃までは、桜木町から阪東橋を経由して、なんと南の磯子区の杉田あたりまで、《横浜市営の路面電車》が立派に走っていた!という事である。
横浜の様な外国に開かれた街で、市電が無いことの方がオカシイというものじゃろうが、今の55歳以下の人は、横浜に市電が有ったことじたい知らぬようで、そちらの方が却ってビックリじゃ。
南区から磯子区にかけては、海風を感じられる住宅地として、市電も通っていて、それはそれは人気が高かったじゃろうという事は、容易に推測できるというものじゃ。

さて、南区~磯子区にかけての方に話題が逸れてしもうたが、今日の巡察先は《港南区》じゃ。
港南区を端的に表現せよ、と云われればズバリ《上大岡⇔大船にかけて走る鎌倉街道が、区内を襷がけに縦断する区》とでも申せよう。
今でも上大岡⇔大船の間を神奈中バスがしょっちゅう走っておるから、この“斜め動線”は極めて重要なヒトの移動動線と云えるじゃろう。

いっぽう電車の便はというと、区の北部を『横浜市営地下鉄ブルーライン』が東西に横断しておる。また区の南部は『JR根岸線』が東西に走っておる。
この2本の鉄道を、鎌倉街道が襷がけに斜め縦断しておるという訳じゃ。
つまりは、《Z》型という訳じゃな、ガハハ。
ささ、前置きはこれ位にして早速に、港南区内の遊技場を巡察と参ろうか。

 

 

 

❶ 港南区内での遊技場はといえば、僅か4ケ所にしか存在しない。北から順に見ていくと、

《A区》上大岡駅周辺の5店舗

 ➀「ZIATH上大岡」(812台)※オーバルgroupの中核店舗
 ②「AVIVA上大岡」(555台)※2017年8月~(旧ハイライト&スマロの2店を買収)
 ③「プラザ上大岡&ミラージュ」(541台)※「パーラーカナイ」の系列店
 ④「ジャンボ上大岡」(266台) 
 ⑤「apis上大岡」(スロ専:163台)※神奈川区大口のスロ専を閉めたので、ここ1店のみ

《B区》『ブルーライン』上永谷駅周辺の3店舗

⑥「楽園上永谷」(479台)※2001年のopen時は「海3R」「海6」で5万発だった話題の店舗
 ⑦「D’station上永谷」(645台)※一心同体の関係にあるヤワタgroupの「WAKO」を引き継ぎ
 ⑧「NOAH上永谷」(395台)※1990年代関東を沸せた愛知の「キング」の系列店舗か

《C区》『JR根岸線』港南台駅周辺の2店舗

 ⑨「ZIATH港南台」(399台)※前身は「GAIA港南台」
 ⑩「P・BANK港南台」(274台)※キコーナに3店売却した「パサージュ」groupのお店

《D区》鎌倉街道沿いの1店舗

⑪「グランドホール港南」(508台)※地元横浜の㈱千歳観光の主力店舗で、11年前に取得

以上の11店舗であるA区とB区とは、微妙に引き合う関係にあると思われる。
他方C区とD区とは殆ど無関係と、ワシには思える。では順次見て参ろう。

 

 

 

❷ 《B区》は別として、《A区》については実は2年前に『黄門ちゃま(129)』で取り上げておる故、簡単に触れておく事に留めておこう。

2年前は②「AVIVA」の上大岡進出で“いざ鎌倉”の一大事とも思われたもんじゃ。
AVIVA殿に触発された「ZIATH」殿が、➀の隣りに在った「レッド・サガン」(382台)を閉め、➀に全精力を集結されるは、➀の設置台数を、722➡812台へと増設されるは、様々な対抗策を取られたようじゃ。
結果、A区では➀「ZIATH」のシェアが益々高まるということで推移しておるみたいじゃな。

注意深くみれば、➀の地下1階を、神奈川県中心に圧倒的な集客力を誇る『OKスーパー』に賃貸されて、噂通りの活況をみせておる。
ZIATHの400台の立体駐車場まで、買物後エレベーターで昇ってゆけるというのが集客の大きな原動力となっておる。
さらに➀の隣に構える自社の『赤い風船ビル』の1階には、なんと生鮮スーパーの『マルシェ』もテナントで入れておるではないか!『OK』の方は生鮮野菜、鮮魚などは極力置かずに、『マルシェ』との共存共栄を図っておられる。
全く舌を巻くような集客戦略と云うべきであろう。

③④⑤の中・小型店も、②の進出にもかかわらず、耐えて頑張っておられるようじゃ。⑤「apis」殿などは先だって神奈川区大口駅前の店を閉められたので、ここ上大岡の1店のみとなってしもわれた故、是非ともこの上大岡で踏ん張って頂きたい。

 

 

 

❸ 《B区》の上永谷地区は昔からパチンコ遊技場の盛んな場所として、何故か有名だった所じゃ。

調べてみると色々オモシロイ事が分かってくる。
まず、市営「地下鉄」と云いながら、この〈上永谷駅〉はブルーライン唯一の地上の高架駅である。
そのおかげで、2階の改札口からペデストリアンデッキで繋がった駅南口に商業ビルができたというラッキーな“地下鉄”駅である。

そして駅南の商業ビルの1階にパチンコ店が入店する余地ができた訳じゃな。
つまりじゃ、駅前の家賃の高いフロアを借りられる候補として、当然〈パチンコ店〉に白羽の矢が立つのも無理からぬことと云えよう。
そして駅直結の2階から一つ降りた1階フロアに入ったのが「トーヨーホール」という店であった。1995年の事である。
この「トーヨーホール」、何を隠そう、火事で焼失した赤坂の『ホテルニュージャパン』のownerでもあった故【横井英樹】氏=東洋郵船groupの店であったというから驚きではないか。
やはり横井氏の“政治力”は相当なもんで、こんな一等立地の駅直結ビルのテナントとして入る事ができたのであろう。

しかし、横井氏最盛期には10店舗も有った保有遊技場も次々に手放され、ここ上永谷でも2001年に浜松本社の『楽園』に店名が替わったという次第である。
「楽園上永谷」がgrand openした時には、現金機の『海6』や『CR海物語3R』全盛期の頃で、信じられぬ驚異的な稼働をしておったのを、このワシも直々検分しておる!あれからはや18年も経ったのじゃのぅ。
今は“海ブーム”もすっかり終わって、この「楽園」も“フツー”の店として営業を継続されておる。
ま、投資額の何倍もこの店で稼がれたことであろうから、な~にも申し上げる事はござらん(笑)。

次に上永谷に登場するのが、今は「NOAH」となっておる旧「パーラー上永谷」である。しかしこの店も1996年に➡「キング上永谷」に替わってしもうた。
この「キング」こそ嘗て世田谷千歳船橋や練馬の中村橋、八王子の南大沢などでもブイブイいわせた、韓国民団系の㈱協商の店舗である。
そして今は、キングから分かれた「NOAH」の店名で川崎溝の口でも2店舗を構えておられる。
さすが情報通の会社とお見受けして、パチンコ好立地ばかりに店を構えておられるわぃ。

上永谷で最後に出来たのが現在の「Dステ」入店以前の「WAKO」殿じゃ。
云わずと知れたDステ殿と“一心同体”みたいなヤワタgroupのお店じゃ。
ちょうど2000年の事である。2013年にWAKOから「Dステ」に看板を付け替え、今や6年目の営業である。

《B区》に紙幅をとってしまったが、結論的に云うと、現在の《上永谷》は平日の日中はホンマに“ヒマ”な状態である。
何故なのか?上大岡に引っ張られているのか?西隣の戸塚区に引っ張られているからなのか?港南区に住んだことの無いワシには、皆目見当がつかん。

 

 

 

❹ 次に区の南部の《C区》を観て参ろう。

港南台というJR根岸線の駅は、隣の洋光台や本郷台という駅と同様に、まさしく横浜の高台のベッドタウンという雰囲気に溢れる駅じゃろう。
横浜北部の〈港北ニュータウン〉の方が若い世代には人気なようじゃが、ワシの様な歳の者にとっては、やはり関内から鎌倉にかけての横浜南部の高台のほうが、暖かみを感じてよろしかろう。

さて港南台駅北口には⑨⑩の2店が仲良く隣り合わせに営業されておる。
⑨「ZIATH」殿は上大岡に本店が有るせいもあって、この港南台も外せない場所であることは容易に想像がつく。
なんと元は「GAIA」であったというから、改めてビックリじゃ。

⑩「P・BANK」殿は昨年「キコーナ」殿に3店を吸収分割で渡された「パサージュ」殿ではないか!ここ港南台店は売却されずに必死で頑張っておられる様子がヒシヒシと伝わってくる。
ま、将来的にもこの港南台に新たに遊技場が出現する事はあるまいから、当面は安泰というものじゃろう。

 

 

 

❺ 最後は、《D区》ということになる。

鎌倉街道に唯一存在する立体駐車場付の大型店⑪「グランドホール港南」じゃ。
実は今から23年程前、ここに「ラ・ヴーン」という名のお店が華々しくgrand openした。
「ミナミ・インターナショナル」と云う“ミナミgroup”の知る人ぞ知る銘店であった。

まだ〈海物語〉とかも世に出ておらず、花満開やギンパラの全盛期の事であった。
この「ラ・ヴーン」は実はその画期的なアイデアのサービスで、パチンコ業界をアッと云わせたもんじゃ。
なんと、【クリーニング取次代行サービス】やら、【玉・メダルでVIDEOレンタル可】とかのサービスである。
業界人が誰も考えつかなんだようなサービスじゃ。
今日でもこのサービスは、なんら射幸心を徒に煽ることなく、もしやり切れる技量が有れば取り入れてみたいサービスじゃろう。

※ただその後、消費者の注文も厳しくなり、クリーニング店でのボタンの緩みや黄ばみチェックが当たり前と成った今日では、余程の目利きできる経験者を配置しないと、この【クリーニング代行サービス】の復活は難しいのかもしれん。
いっそのこと複合店舗であれば、ずばりクリーニング店をテナント入店させればよいのかもしれぬ。
またネットで音楽・映像がダウンロードできるようになってからは、パチンコ店の賞品としてのCD・DVDの需要は一気に下がってしまったであろうが…

いずれにせよ、この「ラ・ヴーン」=ミナミインターナショナルという会社は、どういう訳かは分からぬが、せっかく造った画期的な斬新店舗を㈱千歳観光どのに売却されてしもうた!今となってはこの500台規模の郊外店は、世間の注目の的になる超大型店ほどの迫力は無いかもしれん。
じゃが、港南区の鎌倉街道沿いでこれだけの規模の店舗を開発する事は、金輪際むずかしいであろうから、この⑪「グランドホール」は、良い買い物をされたことは間違いあるまい。

因みにJR「港南台」駅から歩いてこの⑪まで行くことは不可能に近いので、⑨⑩とは客層が全く異なるというべきであろう。
実際⑪のお客の多くは近くのマンション建築工事で働いておられるような、所謂“ブルーカラー”のお客様達じゃ!港南台という“高級住宅”に住まわれる住民というイメージとは全く違うことに驚きじゃわぃ。

さてさて⑪の近くにバス停が有る故、江戸に戻ると致すか。ところが、バスに乗って暫し経ってまたビックリ。
近くの港南台駅前には全く寄る気配など更々なく、鎌倉街道をひたすら南進して、結局、鎌倉の〈大船駅〉まで、ワシは運ばれることに気付いた(笑)。
いやはや恐るべし。冒頭に記した、【Z型】の導線の港南区ということを、身に浸みて実感させられる一日であったわぃ。

 

 

▼地下にOKスーパーを入れている「ZIATH上大岡」

▼地上駅である上永谷駅と繋がっている「楽園上永谷」

▼川崎溝の口でも頑張っている「NOAH上永谷」

▼JR港南台駅前でZIATHと隣同士で頑張る「P・BANK港南台」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目市場,計数管理

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