第219回 【摂津の国=堺市(北部) 後篇 巨艦店が及ぼす市場への影響】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第219回

【摂津の国=堺市(北部) 後篇 巨艦店が及ぼす市場への影響】

 

早いもので暑かった八月も終わりを告げんとしておる。

盆前に一通り廻った熱き堺も、朝晩を中心に多少過ごしやすくなっておる事であろう。
とまれ大阪最大規模と成る「GRANキコーナ堺」が成功裡にスタートを切る事ができ、堺市の遊技場の歴史に大きな大変革のページが加わる事になった。
さて、
ⅰ)「GRAN」が牽引役となって、このまま堺市P市場を今後も膨らませていくのか?
ⅱ)堺市内に数多くある中小店舗は、どうなるのか?
ⅲ)大型店の中でも「GRAN」の影響を大きく受けて“大苦戦”する店が出てくるのか? 
ⅳ)はたまた、事は堺市北部に留まらず、堺市東部や南部にも何らかの変革の波が押し寄せるのか?
分からない事だらけである。

「GRAN」が出来てまだ1カ月の時点で、堺市パチンコ市場の未来予測など分かる筈もあるまい。
じゃが逆にこの2~3年前に歴史を遡って分析してみることは、(今だからこそ)できると云うものじゃ! 
そうすれば上記ⅰ)~ⅳ)の問いにも多少の予測の様なモノが見えてくるのかも知れぬ。

 

❶ 堺市は、人口は83万人弱の政令指定都市で、7つの区に分かれておる。

堺区、北区、西区、中区、東区、美原区、そして南区である。
今回の「GRANキコーナ堺」は単店としてみても余りにも巨大ゆえ、厳密に申さば、7つの全ての区に幾ばくかの影響は及ぼすとは思う。
じゃがそれでは余りにも範囲が拡がりすぎるので、今回は上記7つの区のうち、堺区、北区、中区、西区の4つの区に絞って巡察を敢行する事に致したい。

※〈東区〉については、南海高野線の《初芝駅》《北野田駅》周辺の遊技場が、“何らかの”影響を受ける可能性も無きにしも非ずとは思う。されど、一番遠い〈南区〉〈美原区〉もからめて、いずれ年末にでも改めて漫遊記に纏める事と致したい。

 

さて「GRANキコーナ堺」は、堺区のど真ん中に位置する。
そこで今回は最もお客を引きあうと思われる“競合する”店舗を廻り、その他の中小型店はワシの勘で以って論究を進めて参りたい。

 

❷【堺区では…】
➀「KING OF KINGS大和川」(1360台)※日本オカダエンタープライズの基幹店舗
②「マルハン遠里小野」(1092台)  ※大和川沿いに在るという点では➀と同じ。隣の③と競り
合いつつ、必死に存在感を出そうとしておる。
③「P-ROOTS CASINO」(526台)   ※㈱共栄groupの経営する9店舗の中では最大店舗。②の1/2の規模ながら、よく②と競り合っている。

【北区では…】
④「ZEROファイター堺本店」(480台)※㈱岩本興産の旗艦店舗
  「ZEROファイターNEO」(100台)   かつて4号機の「ミリゴ」専門店として全国誌を沸せた。
⑤「HALULU」(888台)       ※中区の⑪「GOLD HILL」と併せ、強豪店と思われる。
⑥「アロー中環堺」(480台)    ※大阪府の強豪チェーン「アロー」
⑦「ARUSAⅠ・Ⅱ」(523台)     ※㈲エスコ21ホールディングスの旗艦店舗
⑧「シエラ3」(480台)      ※オーケー・コトブキ㈱の本店店舗

 

【中区では…】
⑨「はりまや北深井」(500台)   ※大阪の老舗企業の店舗
⑩「ハイパーアロー」(581台)   ※泉北高速〈深井駅〉前で、平川商事㈱が計3店で拠点化
 「深井アロー&SLOTアロー」(688台)
⑪「Gold hill大野芝」(720台)  ※北区の「HALULU」と同系列
⑫「K’ZONE」(640台)        ※かつて大阪天六で「サザン」という驚異的な店をやったこともある㈲貴大の店舗
⑬「NEOパティオ堺」(472台)   ※東京の『パラッツオ』が経営する店。 

 

【西区では…】
⑭「マルハンメガシティ堺」(1065台)※マルハンとしては遅ればせながら2008年に堺初進出店
⑮「RAKUEN PLUS」(810台)     ※30年前の大阪府下では最強として知られた老舗店。
  「RAKUEN 2」(436台)       3店合わせると1660台の超大型店であると云っても
  「MEGASLO RAKUEN」(S専414台)   過言ではあるまい。
⑯「VERDE」(1032台)        ※⑮と同じく㈱楽園の強豪店。⑮から800m南に存在。
⑰「SUPER COSMO CITY & ACTY」(1005台)※元々『新井興産』groupの基幹店であったが、⑭に“ぶつけられ”、今回「GRANキコーナ堺」に“ぶつけられ”た。この艱難を跳ね返せるか?

 

❸ 長々と、➀~⑰の中・大型店のリストを挙げてみた。

おそらく読者の皆様は、(ワシも含めて)この店舗全部を廻った事のある人は、殆どおられないのではなかろうか?
しかし全部は廻る事はできなんでも、堺市内における店舗配置の“戦略マップ”を手元に置いておけば、だいたいの将来予測というモノは出来得るし、また必要な範囲で予想は立てなければならぬ!そこで、大型カーパチ店を観る場合に必須となる〈幹線道路〉づけからチェックして参ろう。

 

鍵となるのは
〈国道26号〉
〈大阪中央環状線(中環)〉
〈国道310号高野街道〉
の、3つの幹線道路であることは、論を俟たないであろう。

 

🈩〈国道26号〉は、大阪難波から阿倍野区、西成区を縦貫し、大和川を越え、泉大津、岸和田を通って和歌山市に至る、大阪の大動脈であろう。
沿道には
➀「KING OF KINGS大和川」
⑭「マルハンメガシティ堺」
⑮「RAKUEN」3店舗
⑰「スーパーCOSMO」
の計6店舗が待ち構えておる(笑)。

 

🈔〈中環〉は、北摂の茨木市→門真市→東大阪市→八尾市→松原市を経て堺市に至る、文字通りの大阪の環状動脈である。
〈中環〉沿道には、
④「ZEROファイター」2店舗
⑤「HALULU」
⑥「アロー中環」
の4店舗が横一直線に並んでいるゆえ、当然の如く相互にお客の往来は、し易かろう。

 

🈪〈国道310号高野街道〉は、「GRANキコーナ堺」前から大阪狭山市→河内長野市を経て、奈良県五條市に至る国道である。
今回は考察の対象外としたが、大阪府一の巨大ベッドタウンである《泉北ニュータウン》からこの310号に乗れば、“自動的に”「GRANキコーナ堺」前まで来てしまうので、沿線上のホールにとっても気が気でならぬ事じゃろう。
310号沿いには
⑪「Gold hill大野芝」、
⑫「K’ZONE」
の2店が店を構えておる。

 

❹ 上記の3つの幹線道路以外にも、あと一つ《泉北1号線》という、泉北高速鉄道に沿って走る“弾丸道路”があり、⑭「マルハンメガシティ堺」まで一直線に来れる路線も有るが、今回は詳述を控えさせて頂くとしよう。

今回は汗が滲み出る酷暑のさ中の巡察ということで、上記の関係する店舗のうち、➀④⑭⑮の4ケ所に絞って、巡回した感想を述べさせて頂くに留めたい。

➀「KING OF KINGS大和川」は2010年に“こんな”大和川大橋の脇の土手沿いの様な場所に1000台超で出店を“敢行”なされたときは、皆が一様に“えっこんな場所に!?”と首を傾げたものである。
しかし、後になって、今は撤退してしまった「AMUSE堺」(640台)を徹底的に“とっちめる”目的もあってこの場所を選ばれたと分かり、二度驚嘆の声を挙げたものである。
結果は『日本オカダエンタープライズ』殿の思惑通り、「AMUSE」殿を撤退に追い込まれた訳じゃから、今回の「GRANキコーナ堺」の進出に際しても、“かかってこい”の心境であろうと想像致す(笑)。今後が楽しみじゃ。

 

④「ZEROファイター」2館は、これすなわち“零戦”のことじゃな。
なんとも勇ましい店名で血沸き肉踊る気分にさせてくれるわ。
日本中探しても“零戦”などという店は他に存在せぬじゃろうて。

大阪門真市には昔「トマホーク」というミサイルもどきの店名もあったが、大阪人はオモロイ店名が好きなようじゃのぅ。
この「ZEROファイター」殿、盆前の土曜日の視察ではパンパンに入っとるではないか。
これほど「GRAN」に近いというのに、影響は全くと言ってよいほど蒙っておらぬではないか!
と云うか「GRAN」の出店を上手に捉まえて、両方とも浮き上がるという“高等戦術”じゃな。

⑭「マルハンメガシティ堺」は11年前の2008年のgrandである。
ワシの記憶が間違っておらねば、SLOT4号機が撤去され、パチンコのMAX機に頼らねばならぬ状況下での新規出店であったはずじゃ。
その当時の1000台超といえば、たしか堺市初じゃったと思う。
爾来、⑭は堺市内での“圧倒的”一番店としての名声をほしいままにしてきた。
⑭の2年後に➀「KING OF KINGS」が出店したものの、⑭が一番店であるという地位は揺らぐことは無かったと記憶しておる。
当時⑭のマルハンは、次に述べる⑮「RAKUEN Ⅰ&Ⅱ」の1200台超をターゲットとした出店であったはずじゃ。

ところが時代は過ぎ、なんと「GRANキコーナ堺」の出店に際し、⑭と⑮が【奇跡のコラボ 堺No.1決定接客バトル始動】というチラシに、一緒の写真に納まっておるではないか!! おったまげて一瞬目を疑ったくらいである。
逆に申さば、それほどまでに⑭も⑮も「GRANキコーナ堺」に対し、尋常では無い対抗心を燃やしているという事になろう。

最後は⑮「RAKUEN」の3館、併せて1660台を覗いて帰ろう。
昭和の時代は「RAKUEN1」のみであったが、当時から“大阪府最強”とも噂される伝説の店であった記憶が有る。
何故と云うに、平成の初め頃までは、大阪府下にて【駐車場】を200台以上持っているホールは、ほぼ皆無だったはずじゃ。
その中にあって、この「RAKUEN1」は広大な敷地に多大なる駐車場を保有した、稀有な存在だったからじゃ。
当然この“伝説の店”の回りには、ライバル店が必ず“ぶつけてくる”のが世の常というもんじゃろう。
⑭の「マルハンメガシティ堺」こそが将にその“刺客”であったわけだ。
あれから11年経過し、今度は更にずっと北に「GRANキコーナ堺」という巨大な大型店が訪れた!というのもまた、時代の流れというものであろうか。

 

❺ この【(後篇)】では、堺市内の400台以下の店舗の今後の予想については、ふれる事が出来なかった。

暑さと疲れだけのためではない。
今回の堺のような“一大事”においては、そう簡単に予想などを披露するものではないからじゃ。
従来の人智では判別できないことが起こりうるからである。

ちょうど名古屋市北区で「ZENT名古屋北店」(2100台)が2014年4月にgrand openした際のことを想い出す。
立地的には名古屋市の一番北とも云うべき場所でありながら、中区、瑞穂区を始めとする名古屋市全域に、その影響は及び、現在もその状況が継続中とも云える。
あのような状況がここ堺でも起こらないとも限らぬわぃ。

パチンコ営業は、ホンマに“生き物”である。各店の弛まざる必死の努力さえあれば、マーケット全体が膨れ上がる事も充分起こり得るもんじゃ。
さてさて、堺よ、お前はどこへ行く。

 
 

▼一時期は堺を震撼させた「KING OF KINGS大和川」

▼マルハン遠里小野と隣同士ながら、善戦する「P-ROOTS CASINO」


▼マルハン遠里小野と隣同士ながら、善戦する「P-ROOTS CASINO」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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