第221回 【播磨の国=神戸市西区 篇 業界最大手のドミナントとスクラップ&ビルド】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第221回

【播磨の国=神戸市西区 篇 業界最大手のドミナントとスクラップ&ビルド】

 

前回は、神戸市垂水区の丘側の大型カーパチ店の現状を視察してみた。

東の六甲山から西の丘陵地帯である須磨区、垂水区は、たしかに神戸を代表するハイランド住宅地で、お金持ちの一戸建て高級住宅も多い。
ワシの知っとるパチンコ企業のオーナーの自宅も、この須磨・垂水に多いわぃ。

ところで今日は、垂水区と明石市に接し、明石市より北側の〈神戸市西区〉を踏破してみたい。
しかし神戸市西区はとてつもなく広い。
区の南は明石市に、また区の北は三木市と接する広大な区である。
遊技場の密集しておるのは、区の〈南東端〉の【大蔵谷・伊川谷エリア】と、〈南西端〉の【玉津・森友エリア】の2エリアだけ(!)と申しても過言ではない。
いざ、神戸の遊技場の奥の院に突入じゃ。

 

❶ 今年の3月にチト驚くことが有った。

15年前は、西区だけでマルハンの店舗が8店舗もあり、さながら“マルハン・ドミナント”の様相を呈しておったもんじゃ。
その後小型店ばかり3店舗を閉店なされた(森友店、岩岡店、潤和店)ものの、逆に「マルハン玉津店」を取得され、6店舗による相変わらずのドミナントを形成されておった。

しかるにこの6店舗のうち「マルハン伊川谷店」(400台)と、「マルハン大蔵谷店」(400台)の2店を3月10日に閉店され、新たに『マルハン新大蔵谷店』(1007台)を4月19日にgrand openするという“一大改革”を敢行されたのである。
これにより、現在、西区のマルハン店舗は以下の様になった。

 ➀「マルハン新大蔵谷」(1007台)※2019年4/19 grand open
 ②「マルハン森友北」(497台)  ※1997年乃村工藝社でデザインした、当時の最新店舗であった。
 ③「マルハン神戸」(456台)   ※1975年できた、当時の兵庫県のマルハンの中核的店舗であって、44年経った現在もバリバリの現役の店舗
 ④「マルハンプレンティ」(302台)※市営地下鉄〈西神中央駅〉前。1991年開店か。
 ⑤「マルハン玉津」(545台)   ※2013年開店ではあるが、元は1991年にできた、高山物産の「JACK & BETTY」

❷ 上記の様な経緯を経て、満を持してgrandした➀「マルハン新大蔵谷」はいったい如何なる店であろうか。

なんと2017年末に福島県の田舎町でgrandした「マルハン矢吹」(560台)以来、1年半ぶりの本格的な“マルハンらしい”大型店なのじゃな!そりゃ気合いが入らぬ訳がない店じゃろう。
なにしろこの➀の為に、近くの伊川谷店と(旧)大蔵谷店の2店を閉めたくらいじゃからのぅ。

約6000坪の広大な敷地を活用し、立駐なしの平地駐車で700台駐車できるという“贅沢さ”である。
フラットな土地が本当に少ない、神戸という坂の多い街で、この面積は驚異的ですらあるわぃ。
お盆期間中とは申せ、パンパンの客入りである。
玉積みなしでのこの盛況は、よほど立地条件と営業に自信がある賜物であろう。

ではこの➀「新大蔵谷店」の影響を少なからず受けるであろう店舗はというと・・・

⑥「キコーナ伊川谷」(600台)※大阪堺でも激突する両社であるが、直近の因縁はこの神戸に有ったのか(!)と唸らせられるわぃ。
⑦「マルカ伊川谷」(396台) ※京都府八幡市の国道2号交差点でも「スタジアム2001」や「KING OF KINGS」と、互角に“闘う”スロ専を保有している個性的な
会社の店舗
⑧「Toon Park大蔵谷」(380台)※➀とは100mも離れていない“直撃店”であるが、いかに“接近戦”に持ち込めるか?
⑨「ミクちゃんガイア西神戸」(399台)※先週号の垂水区でみせた営業力を、規模で2.5倍の➀に対しどう見せられるか?

の4店ということになろう。

⑥と⑦とは住所こそ〈伊川谷〉となっておるが、➀の如き大型店ができると、従来の様に〈伊川谷〉と〈大蔵谷〉とは異なる、などとは到底云うておられぬじゃろぅ。
では具体的に見て参ろう。

⑥は明石駅方面から、地下鉄の伊川谷駅に向けて流れる伊川沿いの交通の要衝に在り、16年経った建物ながら、非常に頑張っておるのぅ。
やはり総店舗数で実質は約160店舗に成る『キコーナ』殿の実力かのぅ。
賞品カウンターの前に休憩スペースを設けるという個性的な店で、非常に居心地が良い店に仕上がっておるわぃ。

⑦「マルカ」殿は、⑥「キコーナ」とは伊川を挟んで対岸に在る店舗である。
しかし主要道路からは全く店舗が見えず、究極の袋路地店のごとき驚くべき立地である!まさに近くの工場従業員の隠れ家的なお店と云ってよかろう。
この立地でよくやれておるものじゃ、と感心することしきり。
よほど資金力なり営業力がお有りなのではあるまいか?かつてこの伊川谷には、大阪中堅の「TEXAS」「パステ」の2店舗が有ったのじゃが、今はその2店舗とも店を畳んでしまっておる。
しかるにこの⑦「マルカ」はテキサスよりもはるかに“よくない立地”で生き残っておるのじゃから、これまた感心することしきりである。

❸ そして、いよいよ➀のすぐ“ご近所”となった⑧「Toon Park」殿じゃ。

なんのことは無い。これまでも旧:「マルハン大蔵谷」(400台)と、“隣どおし”で長いこと営業を続けて来られた故、マルハンに対しては“免疫”をお持ちのようじゃ。
されど今回の「新大蔵谷店」は流石に旧来の2.5倍の規模である故、これまでとは勝手が違うと云わざるを得まい。
この状態で1年以上利益を出し続けられるならば大健闘といきたいものじゃな。

⑨の「ミクちゃんガイア西神戸」は、➀の場所から⑧の前の県道を、西に真っすぐ行った所に在る。“常識的には”当然➀と商圏が被る筈である。
ところが不思議な事に、市民の足であるバス路線を見ると、この東西の幹線道路にはバス路線は無い(!)のである。
という事は、東西でのヒトの流れはあまり無いということになる。

はたしてパチンコ客にとって、東西の道路の行き来は少ないものなのか?ワシには全くつかめぬ次第である。
あるいは⑨より西に存在するマルハンの3店舗と、お客の行き来があるのかもしれぬ。

❹ という訳で、西区のもう一つの遊技場の塊りである②③⑤の店を覗いてみぬ事には分からぬ事になりそうじゃ。

すなわち・・・
②「マルハン森友北店」は出来た当初、外壁デザインが大型花模様だったような記憶がある。
なにせ、乃村工藝社というのは、西友とかLOFTとかのデザインを企画する会社で、遊技業の施工店舗としては、茨城県の「REITO鹿島」しかやらぬくらい“敷居の高い”設計デザイン会社であった。
森友北店も、あれから既に22年経過し、今はそのデザインの面影とてない。
③「マルハン神戸店」とは200m以内の近接した距離に存在するので、③とのイメージの棲み分けが、どうしても必要であったのだろう。

③「マルハン神戸店」は昭和50年に出来た、マルハンとしては神戸最初の店ということに成るのだろう。
良くも悪しくも、現在の韓裕社長の打ち出された“マルハンイムズ”以前の、“コテコテの”パチンコ屋風の店舗であったと聞いたことがある。
まぁ、例えれば“一発殴られたら、三発打ち返す”位の“根性店舗”であったようじゃ。
その頃から徐々に、“マルハンの近くには店を出さぬ方がよい”といった“神話”がカタチ作られていった訳じゃな。
44年経った今も、マルハン神戸全店のシンボル的お店であることには変わりないのであろう。

上記のことは⑤「マルハン玉津店」を巡る“歴史”の経緯を振り返るとき、しみじみと理解できようというものである。
今でこそ(2013年以来)マルハンの看板を掲げた545台の店と成っておるが、実は平成3年(1991年)、京都の高山物産の亡き高山会長が、マルハンの強力地盤である神戸市西区に“挑戦”してこられた記念すべき店舗なのである。

当時、高山物産の最先端の『Jack & Betty』というツイン店舗(計590台)であったのじゃ。
しかも当時としては画期的な、大和工商リースによる複合開発の一角としての出店であった。
どれほどの意気込みを込めてマルハン殿の牙城に“殴り込みをかけられた”のか想像が付こうというものじゃ。
しかし、歴史と言うものは或る意味皮肉なもんで、当の高山物産は2006年、約700億の負債を抱えて“倒産”➡会社更生法の適用という運命をたどる事になるのである。

会社更生が完了し、この⑤「Jack & Betty玉津」は、なんと“ぶつけた筈の”マルハン殿に看板が付け替わったという、大河ドラマの様な宿命の店舗なのである。
今はマルハン殿の下で、明石市→三木市に向かう国道175号沿いの基幹店として、②③と共に“マルハンの砦”と成って盛業中である。

❺ まさか今回の巡察の最後に、歴史的“闘い”の“戦場”を廻る事になるとは思いもせなんだが、しかしこれも何かの縁であろう。

静岡と並ぶ、マルハンの地域的拠点である兵庫県の最新状況をみることができたわぃ。
酷暑の中を汗を垂らして廻った甲斐があったというものじゃ。

あぁそうじゃ、④「マルハンプレンティ店」は西区の遥か北に位置しとるゆえ、今回は残念ながら視察を断念せざるを得ない事をご勘弁願う。 

ささ、早う明石の魚の棚商店街へまいり、明石焼きのタコを口いっぱいに頬張りたいもんじゃ。

▼今回の視察の目玉である「マルハン新大蔵谷店」


▼マルハン新大蔵谷店の足許に食らいつく「Toon Park大蔵谷」

▼大蔵谷に対峙する「キコーナ伊川谷店」

▼これぞ究極の隠れ家のような立地の「マルカ伊川谷店」
▼今のマルハンになる為の礎であった「マルハン神戸店」

▼写真右に立つ衝立壁に、乃村工芸社のデザインの片鱗が残る「マルハン森友北店」

▼幾多の歴史の流れに翻弄されてきた「マルハン玉津店」

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