第222回 【武蔵・下総の国=春日部市 篇 駅前立地の隆盛と郊外の沈下】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第222回

 

【武蔵・下総の国=春日部市 篇 駅前立地の隆盛と郊外の沈下】

 

 
いよいよ今日は春日部の巡察である。

昨年は南隣の越谷で大きなイクサがあって、なにかと世間を騒がせたのぅ。
埼玉北東部もこれで一服かと思いきや、左に非ず。今年はこの春日部が焦点となりおった。
春日部でずっと一番店を誇っておった「イーグルR-1」が、よもやの店舗売却をなされ、それを買われたのが『ガーデン』(=㈱遊楽)殿であるという一大事じゃ。

遊楽の蜜山殿は、春日部より更に北の幸手市に昨年出店されたばかりじゃというに、この春日部も押えられたという訳じゃ。
そこで春日部のことをよう分からぬカタの為に、何が論点なのか?を整理しておくとしよう。

 

❶ 先ずは春日部市というものを、地政学的にしっかり理解しておく必要があろう。

家康爺様は、外様である伊達氏の万が一の反逆の備えとして、この春日部と、東隣の野田市の〈関宿〉を非常に重視なされた。
何故というに、よもやワシの領国の水戸藩内は通らぬとして、下野・小山市(オヤマ)を経て下総・野田市の〈関宿〉で、利根川(坂東太郎)を渡るのが一番渡り易いからである。
逆に申せば、関宿を突破されたら一気呵成に江戸まで攻め込まれる惧れがあるちゅう訳じゃ。

現在の国道の配置を見ても、さいたま岩槻から春日部を通って、野田・柏から千葉市に至る《国道16号》と、日光方面から南下する《国道4号》とが、この春日部のど真ん中を見事に交差しておるではないか!まさに物流の“十字架”の如き位置づけじゃろう。
更に申さば、江戸の真北の日光山に大権現として祀られておる家康公のとこまで〈日光街道〉〈日光例幣使街道〉は今も天下の街道で、この春日部を通っておるし、日光と浅草を結ぶ東武鉄道も、ここ春日部で野田線と交差する重要なターミナル駅となっておるちゅう訳じゃな。
どうであろう、この説明で以って《春日部》の戦略的重要な位置づけがお分かり頂けたであろうか。

しかるにかかる戦略的重要な所にこの春日部市はありながらも、遊技業界で見た場合イマひとつ業界の話題の中心に成る事は無かった。
何故じゃろう?そこで春日部市の遊技場の年表の様なものを作って観てみるか。

〇昭和の時代  ぱちんこ現金機の時代、国道4号沿いに燦然と夜ネオンが輝く「エメラルドプレイランド庄和本店」が圧倒的な高稼働を誇っておった。

〇1993~1995年 「BINGO」(250台)➡現「Rihga」(736台)、「エメラルドプレイランド庄和本店」(250台)、「さくらんぼ」(250台)➡現「ゴープラ」(568台)、「エメラルドプレイランド春日部」(250台)、「Laフェスタ」(25SAKURA0台)➡現「P ARK春日部駅前」(436台)等の店が、一挙に10店舗以上grand open致す、春日部の遊技場の“全盛期”

〇2002~2007年 越谷市の『千成group』が既存の閉店した店を吸収して、一挙に4店舗を新規出店「SAKURA備後東」(216台スロ専)、「BICハートSAKURA春日部」(307台)、「Rihga(リーガ)」(736台)、「ORANGE春日部」(176台スロ専)

〇2011~2016年 「イーグルR-1」(800台) ※全く新規          2011年12月 開店
        「P ARK春日部」(437台)←元「Laフェスタ」       2013年 4月開店
        「ダイエー春日部」(850台)←元「ニューグランド」    2015年12月開店
        「ゴープラ春日部」(568台)←元「さくらんぼ」      2016年11月開店
        「新!ガーデン春日部」(894台)が「イーグルR-1」    2019年3月24日~「イーグルR-1」の店名のままで営業。その後5月24日に「新!ガーデン」として1階Pのみgrand open、7月11日~1階と2階のSフロアを併せ888台としてgrand open

いかがじゃろう。
1993年~95年の新規出店に在っては、みな【250台の自主規制】を見事なくらい守っとる事に、暖めて気付かされるではないか!更に2002年からの千成グループの4店舗出店を見ても、SLOT4号機の時代までは、春日部は“非常にオイシイ”マーケットであったことが改めて理解できる次第じゃな。

 

❷ さて、では今現在の春日部はどうなっちょるんじゃろう?春日部駅前がかように忙しく成るのに併せ、春日部の郊外の方もさぞかし賑やかなのか?と思いきや、実は全く逆の現象がおきておる。

以下は【撤退店舗】の記録である。春日部より西の〈さいたま市岩槻区〉において「スーパー夢らんど」(1224台)と、「メガGAIA岩槻」(1430台)との勇ましいイクサが繰り広げられておる事は、皆も承知のことと存ずる。
しかし、それにしても…
×「宇宙センター春日部」(220台) ※2014年7月閉店 (郊外店ではなく)春日部駅西口の繁華街にあったが…
×「パール武里」(合計558台)   ※2014年8月閉店。足立竹の塚を「メッセ」に売却した、あのパール(㈱武蔵産業)殿である。
×「チャレンジャー春日部」(295台)※「チャレンジャー幸手」とともにレトロ台のメッカとも云われたが…
×「AVIVA春日部」(555台)    ※2018年10月閉店。神奈川県有数の企業として元:「ONLY ONE」を取得したものの、1年半で埼玉県から撤退
×「エメラルドプレイランド春日部」(276台) ※2018年11月閉店。撤退する前の「AVIVA」や、「メガGAIA岩槻」「スーパー夢らんど」の影響をモロ蒙ったか。
×「エメラルドプレイランド庄和」(本店とSLOT館合計:454台)※2019年1月閉店。嘗て国道4号で最も繁盛したお店であった。

上記の様に一通り名前の通った郊外店が一斉にこんなに閉店するのも、チト珍しいのではなかろうかのぅ。
「AVIVA」殿はこの埼玉での“失敗”を教訓に、このお盆に神奈川の綱島南に“リベンジ”の新店を出店されたので問題ないとして…これ以外の閉店店舗について一様に云える事は、スマホ時代に成り世の中がまるっきし変わったのも関わらず、時代に適応できるだけの【組織】というものをお持ちでは無かった!と云う事ではあるまいかのぅ。
いずれにしても、【駅前が流行り】【郊外が廃れる】という、世にも不思議な現象がおこっているのが、ここ春日部であるという事に驚かされる訳である。

 

❸ さて、では具体的に主だった店にお邪魔してみようかのぅ。先ずは…

➀「新!ガーデン春日部」から。
「イーグルR-1」を吸収分割で取得された後、暫くは「イーグル」のままで営業継続され、敢えて7月と8月とに分けて、フロア毎に2回に分けてgrand openされる!という近年稀にみる開店のされ方を為された。
思うに1階パチンコと2階SLOTとを別店舗として許可を取られる事により、レートの問題やら店休日の問題のベストな解決策を取られたという事であろう。いやはや恐れ入る。
元々の「イーグル」時代から非常に高稼働で春日部でもトップと言ってよい店であったので、『ガーデン』に屋号変更されても余裕の営業であろう。
1階パチンコの方は玉積み無しの各台計数器で充分に勝負できておる。
スロットの方はメダル積みである。なにせ設置されておる遊技台の品揃えと台数の凄いこと!相当以上の気合が入りまくっておるのぅ。
やはり【埼玉県下一のフロンティア企業】の面目躍如というべきであろう。かたや➀の真向いの…

②「ダイエー春日部」についてはどうじゃろう。
半年前の4月に「イーグル」が実質撤退直後に視察した際には、残念ながら「イーグル」にトリプルスコアで水を空けられておったので、心配じゃったが…今日覗いた感じではダブルスコア位にまで差が縮まっておるので、なにやらホットした気分じゃ。
向いどおし、是非とも切磋琢磨してこの業界を盛り上げてもらわんと困るわぃ(笑)。

③「ピーアーク春日部」の方は、マイペースかつ、ピーアークらしい細かな気配りで、落ち着くお店じゃ。
同じ春日部駅前でも➀②とは全然台数も違うので、この生き方で良いと思う、元々は東武鉄道系のパチンコ店「Laフェスタ」じゃたのを、ピ-アーク殿が数年前にМ&Aされた立地じゃけん、ま、悪く成る事は無いじゃろう。

そうそう、今改めて気付くことじゃが、東武春日部駅というのは案外不便な駅じゃな。
東口と西口は駅ナカ通っては繋がっておらぬので、東口から西口に抜けるには、駅の入場券を買わねばならぬ!何たることじゃ。
これを解消せぬ事には、春日部駅前の真の活性化は来ぬとワシは思うがのぅ…だから東口にはパチンコ店が存在しないのか。

 

❹ 春日部までせっかく参ったのじゃから、駅前だけでは無く、ちょっと頑張って気になる郊外店も見ておこう。

まずは“話題の”④「ゴープラ春日部」じゃ。
かつて昭和の時代には、『オータgroup』と共に、『さくらんぼgroup』は50店舗ほど展開しておった記憶がある。
しかしメインバンクであった足利銀行が一度アウトになるとともに、どんどん“切り売り”を余儀なくされて、今は10店舗を切る店舗数と成っておるようじゃのぅ。
ここ春日部店も『ゴープラ』(=㈱USEI)殿に引き受けてもらったのが約3年間。“外野の方々”は、〈場所が悪いから、いくらゴープラでも難しかろう〉という意見の方が多かったと記憶する。

さてその後どうなったのじゃろう・・・いやはや大変賑わっちょるではないか。
先だって新所沢の「ゴープラ」殿の9割稼働を目の当たりにして腰を抜かしそうになったもんじゃが、ここの春日部も、新所沢ほどではないにしてもようけ入っとっるのぅ。
『ゴープラ』殿は、皆が諦めたような物件でも、モノの見事に再生される“料理の鉄人”のごとき会社ではないか!? ただゴープラ殿の凄さは、ただ単に居抜きで入るだけでは無くて、駐車場を店の周辺でしっかり確保されとることじゃ。
ここのところを多くの方は見逃されておる様な気がする。
こういう“再生案件”を目にすると、ホンマにこの業界は逞しいなぁと、改めて感ずる次第である。

最後にもう一軒、気に成っておる「Rihga(リーガ)」(736台)を覗いてから江戸に戻ろう。
この「リーガ」は春日部駅西口から(冒頭でふれた)〈関宿(せきやど)〉方面に向かう途中に在る。
国道4号の交差点にも面しておるし、戦略的には極めて重要な場所に店は建っておる。

じゃが、如何せん周辺の人口密度は薄いようじゃな。
強力なパワー営業をガンガンやれば十二分に集客できるとは思うが、千成の佐藤殿は、そこまでテンパることはないとお考えなのじゃろう。
マイペースの営業である。
ま、再来年当り、現行機械の撤去問題が一段落した暁には、なにかアクションを起こされると面白い立地だとは思うがのぅ。

ああ、今日も一日暑かったわぃ。
いったいいつになれば、涼しい秋風の中を廻る事ができるのやら・・・

▼戦略的なグランドオープンを果たした「新!ガーデン春日部」

▼徐々に稼働を上げて来ている「DAIEI春日部」

▼駅前ロータリー隣接の老舗「ピーアーク春日部」

▼低貸しではあるが見事な稼働を誇る「ゴープラ春日部」

▼地元の競合チェーンで知られる「リーガ春日部」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

メッセージを残す

メールアドレスが公開されることはございません。