第225回【下野(しもつけ)の国=鹿沼 篇 全国チェーンと戦う地元強豪の包囲網】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第225回

 

【下野(しもつけ)の国=鹿沼 篇 全国チェーンと戦う地元強豪の包囲網】

 

久かたの下野の国じゃ。

これまで〈宇都宮〉〈栃木〉〈小山〉と、この漫遊記をモノして参ったが、いよいよ今回は《鹿沼》の順じゃな。
鹿沼と云えば、3年前の年末にマルハン殿が栃木県内での5店舗目の出店をしたことで、チョット話題になった。
と云うのも、マルハンは群馬10店舗、茨城8店舗であるのと較べ、それまでは4店舗と、出店が“出遅れ”た感があったからじゃ。

どうもその訳は、マルハン会長と昔から懇意である『でるでる』が栃木県内に店舗網をもっておられ、マルハンとしては、『でるでる』の出店しておらぬエリア、若しくは営業を取り止められたエリアに優先的に出店するという戦略であったため!と思われる。

そして丁度『でるでる』が閉店した鹿沼店の跡の敷地を使って、3年前に640台のマルハンの新店が鹿沼に立ち上ったという訳じゃ。
これでマルハンとしては一歩、県都宇都宮に近づくという構図が出来てきた訳である。
当然こうなると、鹿沼市を元々の地盤とする『ライブガーデン』=五月女総合プロダクトとしても、安閑と座視する訳には到底いかぬことになることは、火を見るよりも明らかであろう。早速、東北自動車道鹿沼I.C.近くの旧「JACK & BETTY」店を買われて、「ライブガーデン鹿沼インター店」をgrand openさせるカタチで、きっちり対抗されてきた。

と云ったような訳で、いよいよ鹿沼へ参ろうぞ。
なんと北千住駅から《リバティ号》という全車指定のお洒落な特急電車が出ておる。
しかもこの《リバティ号》、日光の東武下市を過ぎてからは、会津鉄道にも乗り入れて福島の会津まで乗換なしで行けるではないか!日光の東照大権現であられる家康爺様が聞いたら、ないて慶ばれる事を東武鉄道はしてくれるではないか。
どれどれ、《リバティ号》に揺られ、1時間15分で鹿沼到着じゃ。

 

 

❶ 《鹿沼》と云わば、咄嗟に頭に浮かぶのは、園芸に無くてはならぬ〈鹿沼石〉じゃ。

群馬の赤城山の爆発で出た軽石が、日本海側からの風に流されて、ここ鹿沼に大量に堆積したものらしい。
地元のタクシー運転手に聞いても、格別自慢する様子も無く、“数メートルも掘れば、鹿沼ではどこでも石が出てきますよ”とのツレナイ返答じゃ。
別に街の自慢ネタでもなさそうじゃな(笑)。

実は鹿沼と云えば《家具・木工の街》というのが産業の主体の様じゃ。
そして県都=宇都宮への通勤圏としての人気の街なのじゃろう。
ワシは下野の国には住んだことが無いが、おそらく県東部の真岡・益子方面に住むよりは、日光山の麓に住む方が誇りをもてるのではあるまいかのぅ。

そんな想いに浸りながら、鹿沼の街を廻ってみると、以下の様な遊技場の配置になっておる。

➀「ライブガーデン鹿沼grandシティ」(880台)※木工団地のど真ん中に位置する一番店
②「一円の達人鹿沼」(520台) ※ライブガーデンgroupの低貸し専門店
③「ライブガーデン鹿沼インター」(420台)※マルハンの鹿沼出店に合わせるかの如く、その5ケ月後に新規出店(元「JACK & BETTY」)
④「マルハン鹿沼」(640台)   ※「でるでる」閉店後を解体新築し2016年末に新規出店
⑤「ダイナム栃木鹿沼」(400台) ※今年9月で10年を経過。
⑥「鹿沼ジャンボ」(601台)   ※福島県の吉原産業㈱による優良店で23年経過の老舗店
⑦「ワンダーランド」(424台)  ※いわゆる「さくらんぼグループ」の店舗
⑧「パーラーダイトー」(236台) ※地元企業による1店舗営業

以上8店舗が鹿沼に於ける遊技場である。
➀~⑤の5店舗が、宇都宮に向かう鹿沼市東南部に固まっており、⑥は東武線の〈新鹿沼駅〉に近く、日光例幣使街道沿いに店を構える。

 

 

❷ 今回の巡察の目的は、出店してやがて3周年を迎える④「マルハン鹿沼」と、➀~③の3店舗で④を“迎え撃つ”『ライブガーデンgroup』=五月女総合プロダクト㈱との“対決”構図の現状視察であると云ってもよかろう。
と同時に、開店して23年間経過し安定した地元の支持を得て居ると評判の⑥「鹿沼ジャンボ」を、一度観ておきたいものじゃ。

ヒトの噂では④の「マルハン」殿は、稼働率でも一番店には成れておらぬという事である。
実際に観させて頂くと、道路からの視認性も良く、前面道路は広く渋滞するわけでもなく、立地条件的になんら問題が有るとは申せぬ。
じゃが、今日廻った感じでは➀のライブガーデンの牙城を崩すには至らず、⑥の「ジャンボ」殿と稼働的に同等のように感じられる。
この現象はどのように見ればよいのであろう?

一つは、④「マルハン」殿の広々とした前面道路が国道では無く、むしろ狭い国道121号の方にある②「一円の達人鹿沼」「ライブガーデン鹿沼インター」⑤「ダイナム栃木鹿沼」の方に、パチンコのお客の流れがあるのではないか?と思われる事じゃ。
そういう意味では、低貸し大型店である②「一円の達人」(520台)と、その隣の⑤「ダイナム」(400台)の2軒の低貸し店が、国道121号の“首根っこ”を押えておる!というのは、戦略的に非常に重要なポイントなのじゃあるまいか。
この辺りの事情は、鹿沼という市に住んでみんと分からぬかもしれぬの。

もう一つは④「マルハン」の前面道路をまっすぐ走ると、有料の〈さつきロード〉を経由して、宇都宮で話題の超大型店=「BIGマーチ西川田」(1238台)とは“一直線で”繋がっておる事じゃ。
ある意味、「BIGマーチ」の影響を受け易いとも云えるし、他方では、〈さつきロード〉の有料料金を払うのがしゃくで、心理的に利用したくない!という地元民の意見もあるようじゃのぅ。

三番目には、やはり五月女総合groupの3店舗“ドミナント”のど真ん中にあって、その“包囲網”を破り切れておらぬ、という分析にもなろう。
特に➀の「ライブガーデン鹿沼grandシティ」の店舗支持率が高いという牙城を打ち崩せておらぬという事が大きいのかも知れぬ。

 

 

❸ ところで、鹿沼を観るとき、五月女総合group VS.マルハンという構図だけでは十分ではあるまい。⑥「鹿沼ジャンボ」の存在も大きいと感ずる。

地図で見ても、鹿沼市の西側は、東武日光線の働きが大きく、その中心は東武〈新鹿沼駅〉であることは明白である。
この新鹿沼周辺にあって、ヨークベニマルの直ぐ南側に在る「ジャンボ」殿は、出来てはや23年を経過し、完全に鹿沼の遊技場にあって充分な存在感を示されておる。
この事もワシとしては嬉しい限りじゃ。
遊技場マーケットちゅうもんも、多数の会社が切磋琢磨してこそ盛り上がっていくものじゃから。

また⑤「ダイナム」殿は、今年でちょうど10周年を迎えられたようじゃが、“ダイナムらしい”マイペース営業じゃ。
台数も400台と、敢えて今どきのダイナムのような512~515台店舗を狙われてはおらぬ。
ただこれから2~3年の業界動向次第では、拡張なされてくるやも知れず、要注意じゃぞ(笑)。

あとは⑦「ワンダーランド」「パーラーダイトー」の2店舗のみじゃが、ちと元気が無いのぅ。
特に⑦は《さくらんぼチェーン》として、昭和60年代には関東最大級の50数店舗を誇った巨大チェーンであった事を知る者としては、昔日の思いに駆られてしまう。
30年前は、⑦のような400台店舗で充分に圧倒的一番店をとれたものじゃが…⑧「大東」殿は、単店として唯一200台クラスで必死に生き残る地元店である。
ご健闘を祈るばかりじゃ!

 

 

❹ 鹿沼という市は、五月女総合プロダクトgroupにとっては、或る意味、創業の地と云っても過言では無いと聞き及ぶ。

ダンプカーで古くより採石業を為されておられ、その後、遊技場経営に参入されたと聞き及ぶ。
ワシがこの業界に注目するようになった頃には、『プライム21』という店名で栃木(しもつけ)、群馬(こうずけ)に数店舗を展開される中小チェーンであった。
今は数社をM&Aされ、埼玉、茨城にも店舗網を広げる二十店舗チェーンに成長されておる。
幹部の中にもマルハン出身のカタがおられて、その意味でも“鹿沼の闘い”は興味深いものがある。

さあて、ここまで足を運んで来て日光に参拝しないとは、亡き家康爺様に対し無礼千万というものじゃろぅ。
ささ、もう一度〈新鹿沼駅〉まで行き日光まで参るぞ。
最近も台風15号により上総、下総、房総が甚大な被害を蒙られた。
関東の守護の柱である日光にて、よくよくお参りするぞょ。

▼鹿沼一番店を確保している「ライブガーデン鹿沼grandシティ」

▼五月女総合groupの「一円の達人」

▼3年前に鹿沼に進出した「マルハン鹿沼店」

▼従前の店舗解体し、10年前から鹿沼で続ける「ダイナム栃木鹿沼」

▼23年間の営業で存在感が強烈な「鹿沼ジャンボ」

▼JR鹿沼駅方面でいにしえの存在感を示す、さくらんぼ系列の「ワンダーランド」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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