第227回【相模の国=厚木市・海老名市の境界 篇 躓いた新規店の復活劇】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第227回

【相模の国=厚木市・海老名市の境界 篇 躓いた新規店の復活劇】

 

厚木はこの漫遊記(133)号にて、また海老名については(203)号に於いて、それぞれ一度だけ巡察報告をしておる。

じゃが、その後「キコーナ海老名」(1200台)が当初の苦戦を跳ね返し、予想以上に好調を続けておる。
その事によって、小田急線の沿線に例えるならば、〈海老名〉〈本厚木〉〈愛甲石田〉に亘る商圏を一つのモノと捉えて、別途新しく考察してみる必要性が出て参った。
そこで今回の特集では、厚木市南部エリアに対し、海老名の「キコーナ」が如何なる影響を与えているのか?という問題意識を持って本厚木駅前および、厚木市南部を一通り廻ってみる事に致そう。

ところが、厚木市と海老名市との市境には《相模川》という一級河川があって、常識的に考えるならば、この相模川により両市は《商圏が分断されておる》ハズであろう。
ワシもそう考えて、前回の漫遊記(203)号においても、わざわざ海老名市の最南端の「JNαサンファイア」(401台)まで脚を運んだにもかかわらず、(恥ずかしながら)敢えて相模川を越えて厚木市まで見て廻ろうとは、つゆ考えなんだものである。
“商圏”というものも、固定観念にとらわれておったならば、正確なことは見失うおそれを感じるしだいである。

 

❶ 海老名に「キコーナ」としては関東最大となる1200台もの超大型店をgrand openさせられたのが、今年の4月20日のこと。

元の「ジリオン」7店舗を丸ごと買収された事により、海老名に在った386台のジリオンを解体して➡1200台に3倍強の規模でopen為された訳じゃから、その“気合い”の籠り方は尋常では無い事が誰でも分かるであろう。
じゃが、最新式のパチンコ各台計数でもって開店されたものの、北斗無双とかの出玉感を出すことができず、GW後みるみる来店客を減らしてしもうて、一部では“こんどのキコーナ海老名ヤバいぞ”の声も聞かれたほどである。
ワシもgrand直前に下見して、その結果大丈夫(!)とタカを括っておっただけに、grand直後の“不振”は意外であった。

しかしそこは“天下の”キコーナ殿、6月末に一旦店を閉められ、即“玉積み”コーナー開設に踏み切られ、7月12日に“実質的再度の”grand openを敢行された訳である。
結果は上出来で、爾来3カ月間というもの、見違える程の稼働に急回復されて今日に至っておる。

そこで今回の最大のテーマである、〈海老名〉と〈厚木〉の両商圏を分け隔てる《相模川》を如何に捉えるのか?という問題である。
今回の台風19号でも、一歩間違えば大氾濫と成りかねなんだ相模川である。
「キコーナ海老名」はちょうどこの相模川の海老名側にデーンと店を構えておる。
今年4月のgrand open当初の“苦戦”をみて、多くの“識者”は、やはり立地が中途半端で良くない!とか、海老名駅前の「GAIAネクスト」(1040台)や「スーパーD’STATION」(1000台)の方が集客力はある!とか云っておったもんじゃ。

しかし、今どき珍しい強烈な“球出し”営業でモノの見事に海老名一番店の地位に上った「キコーナ」をみるとき、《はて、この状況は本当に海老名だけのお客によるものなのか?》という根本的な命題にぶち当たる。
本当のところはどうなのか? については、実際のところお客さんを追跡調査でもしてみん事には分からぬまい。
じゃが、ワシの予想では間違いなく厚木市方面から多くのお客が、相模川を越えて海老名に流れ込んでおる。地図をみると、「キコーナ海老名」と〈本厚木駅〉との車での走行距離は、僅か2km弱である。
両市の市境の相模川には立派な《相模大橋》が架かっており、仮に想定を遥か見越える大水が来て、この相模大橋が通行止めにならぬ限り、パチンコ愛好家にとっては、簡単に厚木市から海老名市に来れる距離感であろう。

 

❷ 上記のワシの仮説が正しいとした場合、厚木市のどの辺りから海老名への“流入”が起こり得るのであろうか?

厚木市の基幹駅である〈本厚木駅〉から北の方には「マルハン厚木北」(1020台)を筆頭に、愛川町(愛甲郡)にかけて独自のパチンコ商圏が拡がっている。マルハン以外の店舗としては、『キコーナ系』が2軒、『ジャパンニューα』が2軒、『SAP』1軒、『ドキわく』1軒など、計10軒の遊技場が日々“激戦”を闘っておる。要するに、厚木市の北半分は、国道246号と、412号、129号の3本の国道に沿ってヒトの流れが形成されておって、相模川を越えてまで海老名市に向かう流れは非常に少ないからじゃ。

ところが、厚木市の中心の〈本厚木駅〉周辺からは、容易に川を越えて海老名に向かう事が出来る。〈海老名駅〉周辺には、《らら・ぽーと》《ビナウォーク》《イオン》等の大型商業施設が固まっていて、厚木市中心部からも充分車で行く目的になる。こう考える根拠の一つは、皮肉なことに、本厚木駅周辺には、集客力のある大型の商業施設が見当たらないからである。
以上の観点から、〈本厚木駅〉を含む厚木市の南半分は、既に「キコーナ海老名」の影響圏内に入っていると、ワシは思うに至ったのじゃ。
思えばこれはチョットした商圏構造の“一大事”ではあるまいか。

 

❸ 20年前に遡ってみると、この驚きの意味が理解できるはずじゃ。

本厚木駅前に「PIA」が鳴り物入りで登場したのが、たしか1997年(平成9年)の筈じゃ。
当時はパチンコ現金機が撤去され、その代わりに〈CRギンギラパラダイス〉やら〈CR黄門ちゃま〉やら〈CR大工の源さん〉等の“歴史的名機”が勢ぞろいした“絶好調の頃”であった。
小田急沿線では2年後の1999年に、当時驚異的な800台の大型店=「コンコルド相模大野」も相模大野駅前に登場したもんじゃから、小田急沿線は業界の注目の的であった。

しかし反面、相模原市と厚木市とに挟まれた〈海老名市〉には、なぜかパチンコ店は数軒しか無く、その営業場所も〈相鉄線「さがみ野駅」〉前に固まっておって、肝心の〈海老名駅〉前には、当時「プラザ21」という500台の店が1軒あるのみで、本厚木や相模大野と比べても、話題になる事すらなかった。
たしかに2001年には、現在話題の「キコーナ海老名」の場所に、「ZILION海老名」が440台規模(当初)で出店したが、あまり話題にすらならなかったと記憶する。
じゃから、今「キコーナ海老名」がかなりな好調を維持して多数の集客をみせていることに驚きを禁じ得ない訳である。

 

 

❹ さて早速、肝心の《厚木市南部》の遊技場を巡回すると致そう。対象と成る店舗は以下の通りじゃ。

➀「PIA厚木」(Pのみ396台)    ※1997年に駅前ながらほぼ地下店舗として話題を独占
②「ロペステーションⅡ厚木」(308台)※➀の裏手のビルの2階
③「PIA厚木アネックス」(S専245台)※②の裏手の西部劇風のビル
④「ミナミ厚木」(470台)     ※東京の「ミナミ」の系列店
⑤「マルハン厚木」(720台)    ※旧:厚木店のすぐ近くに2017年に引っ越しした新店
⑥「キコーナ長谷」(412台)    ※旧「ZILLION」を今年8月に「キコーナ」へ店名変更
⑦「GRANDオータ厚木」(834台)  ※旧「カイザー」を買取り2007年に複合大型店に新築
⑧「JAPANニューαティアレ」(394台)※愛甲石田駅に近い店で、1983年からの老舗店

以上の8店舗である。
※上記➀~⑧以外に、厚木市のホンマ最南端に⑨「トワーズ厚木」(800台)という店舗も有るのじゃが、こりゃ殆ど伊勢原市の店舗と云ってもよいロケーションである故、今回は視察を割愛させてもらうことをご容赦願いたい。 

➀②③はPIA殿の“固め打ち”で、昔から本厚木“独占”といってよい体勢である。
昔よりは稼働率が下がった気もするが、遊技人口が20年前と較べ4割ほど減少しておるようじゃから、或る意味“自然減”と云うべきかも知れぬ。
因ってこの減少の要因が「キコーナ海老名」の影響によるものなのかどうか、については検証が難しい。

「キコーナ海老名」はSLOTも相当“出しておる”ようじゃが、③のPIAのスロ専もなかなかどうして頑張っておる。
八王子駅前といい、ここ本厚木駅前といい、確実に駅前の最高立地を押えられるPIA殿のパワーには、改めて脱帽するしかあるまい。

じゃが、ネット社会の進化により、駅前商業ゾーンを出歩く人の数は確実に減っておるのは、ここ本厚木とて例外ではあるまい。
パチンコ・SLOTを打つという明確な目的意識を持った人間は、バイク・車等で目指す店まで移動する時代である。
その意味では、この本厚木駅前からも「キコーナ海老名」や「メガアイオン海老名」「スーパーD‘STATION海老名」などの、大型駐車場付きの店舗に流れて行く傾向は生じておるのではあるまいか。
④の「ミナミ」殿は、嘗てはPIAの好敵手として活躍されたと思われるが、上記の様な理由で、現在は“苦戦ぎみ”の営業で耐えておられるというところか。

 

❺ 問題は⑤「マルハン(新)厚木」(720台)が海老名方面の1000台3店舗の影響を受けているのかどうか?であろう。

たしかに⑤と「キコーナ海老名」とは、ほぼ車で“一直線”とも云ってよい位置関係である。
じゃが、この両店の影響度合いの検証もかなり難しい。
現在の常識から考えると、SLOT客に関しては、確実に両店の間を行き来するじゃろう!じゃが、露骨な“釘開け”など有り得ない現下の状況に在っては、さほど頻繁に両店を行き来するなどは考えにくいであろう。

ただ閉店時386台だった旧「ZILLION海老名」を潰して、3倍強となる1200台の新店をこさえられたアンダーツリー㈱の木下殿としては、当然⑤のマルハンを視野に入れておられた事は、ほぼ間違いなかろうと推測致す。
お互いに関西を発祥の地としてここまで全国展開されて来られた両雄じゃ。⑤もまだ出来て2年少々しか経っておらぬ。
現時点で軽々に両店の力具合を単純に論評する事は早計というもんじゃろう。
ま、しかし今後の旧基準機の撤去と新規則機への全面移行の流れの中で、当然おもしろい鍔迫り合いが見られる事であろう。

❻ あと残るは⑥⑦⑧である。なんとまあ⑥もキコーナ殿である。と云う事はこれも元「ZILLION」である。

アンダーツリー㈱に全店店を売却された㈱藤光の後藤殿は厚木の会社である故、この辺りの立地特性は知る抜いておられたことであろう。
という事はつい最近8月に「キコーナ」に店名が変わった⑥の長谷という場所も、“有意”の場所という事に成る訳じゃろう。
はては七沢温泉方面からの街道客という事なのかのぅ。
店名変更に当り、設置台数とかの一切の変更は無かった。と云う事は察するに、「キコーナ海老名」で以って湘南地域に名声を響かせることに成功された故、ブランド名の浸透の為にも、敢えて「キコーナ長谷」へと名称変更された、として理解すればそれでよいと思われる。正直⑥には、力を込めてはおられぬように拝見する(笑)。
 
そして⑦「GRANDオータ厚木」である。
ボウリングや飲食施設を併設されて、随分と“気合い”の入りまくったお店じゃのぅ。
店内に脚を踏み入れた瞬間、ビビんと来るものが有るわぃ!オータ殿独特のレイアウトに、トレードマークの30φSLOTの配置ぶり。
今どきこんなドキドキさせる店を創られる社長も少なくなってもうたのぅ。
徒に建築コストの削減に走る事無く、遊技客の目線・動線で店造りを指揮される大田会長の心意気がビンビン伝わる痺れそうな店じゃのぅ。
わざわざ厚木の端まで脚を延ばしてきた甲斐があったというもんじゃ。

⑧「JNαティアレ」は、実質〈小田急の愛甲石田駅〉近辺の店としての存在価値であろう。
30年程前には、㈱ジャパンニューアルファの小巻殿は、愛甲石田周辺や伊勢原市にも早くから拠点を設けられ、大いに神奈川県の遊技場市場に貢献されたもんじゃが、この⑧も既に出来て36年も経過し、充分その役割を終えられたと云っても良いのではなかろうか。
どうか更に10年は頑張ってもらいたいもんじゃな。

 

❼ いやはや、1200台の「キコーナ海老名」が“やり直し”のgrand openで以って、ここまで頑張って玉メダルを出し続けられるとは、当初予想もつかなんだ。
じゃが、結果として大成功の集客をなされ、いったい何処からヒトは集まって来ておるのか?! を根本から考えさせられるキッカケとなった。

今回改めて厚木市南部を廻ってみて、やはり相模川を越えて、厚木市からも相当数集客しておるな…との仮説の正しさを確認することができた。
こうした、従来商圏の常識を打ち破る出来事は、横浜センター南駅の「パールショップともえ」殿以来である。世の中もドンドン移り変わってゆくもんじゃ。

 

▼話題継続中の「キコーナ海老名」

▼本厚木駅の目の前の「PIA厚木」


▼「PIA厚木」の裏手の「ロペステーションⅡ厚木」

▼本厚木駅前で3軒目となるスロ専「PIA厚木アネックス」

▼複合大型店の「GRANDオータ厚木」

▼厚木市西の抑えとしての「キコーナ長谷」

▼元のダイエーKou’sの3Fから移転した「マルハン厚木」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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