第229回 【武蔵の国=川崎駅周辺 篇 多面的なマーケット構造の本質を探る】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第229回

【武蔵の国=川崎駅周辺 篇 多面的なマーケット構造の本質を探る】

 

 

 

ちょうど4年前に川崎区を取り上げて以来、久々の川崎詣でとなる。
その間なにか大きな変動が川崎区に起こった訳でもない。

じゃが4年前は、ほんの“さわり”程しか触れなんだ川崎区の実態を、今回は本質的な視点で以って分析してみたくなって、再び訪れてみた。
川崎区の遊技場マーケットの骨格は、基本的には2014年の「マルハン川崎桜本」の出店でもってほぼ出来上がった!とみてよいじゃろう。
結論的にまとめると、次の様に成るとワシは考える。

❶ 《川崎区パチンコマーケットの構造》

(1)25年前には川崎区だけでおよそ50店舗もあり、日本TOPクラスのパチンコメッカであったが、現時点では30店舗となっておる。
それでも(大田区、世田谷区のような広大な区ならいざ知らず)川崎区のような小さな区で30店舗もあるのは、やはり驚くべきであろう。

(2)川崎区30店舗のうち、所謂大手チェーンと云われる店舗が13店舗、川崎の地元中小零細店舗が17店舗。
ほぼ五分五分の軒数と云ってよかろう(※勿論、設置台数では大手チェーンの方が圧倒的に多い台数ではあるが…)。

(3)川崎区30店舗をエリアで分けてみる。
JR・京急川崎駅周辺の“最も繁華街”に15店舗、それ以外の“半郊外”の店舗が15店舗で、ちょうど五分五分に分かれておる。
このうち“最も繁華街”の15店中7店舗は、マタハリーgroupの店舗である事、更に「楽園」「シティ」「GAIA」等の大手の4店舗も、皆“最も繁華街”に固まっておる事は、4年前と全然変わっておらぬ。
※チト悩ましいのは「吉兆川崎中央」(1128台)を、どちらのエリアに区分すべきかである。ワシは“半郊外”の方に分類した。

(4)4年前の巡察の時は、(3)のエリア別配分は、“最も繁華街”が15店舗、“半郊外”が19店舗であったのじゃが、この4年の間に“半郊外”の4店舗が閉店した。

(5)エリア別を問わず、この川崎区には、50台~111台という《小規模スロ専》が、いまでも7店舗頑張っておって、これまた全国でもココでしか見られぬ景色というものじゃろう。

 

❷ でき得るものであれば、(超小型店を含め)川崎区の30店舗全部の現状を観て廻りたいものじゃが、とても時間的にその余裕は無い。
チト乱暴な云いかたになるかも知れぬが、川崎駅前の15店舗という集客力が、“今以上”に高まるような事態になれば、“半郊外の”小型店はさらに影響を蒙るであろう。
逆に駅前の集客力がこれ以上伸びないか、若しくは減る様な事が有れば、再来年の2021年にも、“案外”(失礼!)“半郊外”の15店舗が上手に生き残っておるやもしれぬ。

ただ、【旧規則機の全台撤去➡新規則への完全移行】という高いハードルが来年控えておる!!ここは再来年2021年の秋にでも再び、この川崎区を、しかも“半郊外店”を中心に、つぶさに観て廻る必要が有りそうじゃのぅ。

という訳で、本日巡察する店舗は、JR・京急の両〈川崎駅〉の東側の以下の店舗となる。

➀「PIA京急川崎」(690台)   ※マタハリgroupの旗艦店舗
②「PIA川崎ダイス」(722台)  ※大型複合施設=川崎DICEビルの地下1Fで、➀と並び基幹店
③「PIA川崎銀柳」(585台)   ※全国に先駆けセンター通路をくねらせたオシャレな店
④「ロペステーションⅠ」(430台)※Pは全台各台計数で、向いの③と差別化を図る
⑤「ロペステーションⅡ」(242台)※1円パチンコ専門店。SLOTは置かず。
⑥「St.Tropez京急川崎」(363台) ※PSとも各台計数。St.tropezブランドでは唯一と成った店
⑦「SLOT PIAラ・チッタデッラ」(250台)
⑧「楽園川崎」(1049台)※旧モナコを解体して新築したビルで、4Fまでエスカレータ完備
⑨「楽園One Wien川崎」(181台)   ※1円パチンコ専門店。SLOTは置かず。
⑩「THE CITY/BELLE CITY川崎」(484台)※元「萬両園」の居抜きで、横浜から出店
⑪「GAIA川崎SLOT専門店」(390台)  ※40年前に川崎最強と云われた「平和会館」の居抜き
⑫「セブンS」(611台)        ※マタハリと共に地元企業として駅前に踏ん張る名店
⑬「タイガー7」(173台)       ※昔から有名な強烈なスロ専で⑬と通路で繋がる。

以上の13店舗を中心にして、川崎駅前を廻りたい。

 

 

❸ どうじゃ、個性の強烈な店の集合体だとは思わぬか?➀~⑦の店舗をほぼ150m圏内に集中されておられるマタハリgroupにしたところで、単純に“ドミナント”の一言で片づける事は到底できまい。
そんな安直なドミナントなど成り立つ時代ではもう無いわぃ。
7店舗がそれぞれ独自の“一番”と云われるモノを持っておればこそ、なんとか7店舗が成り立っておるというべきじゃろう。
例えば➀と②の両基幹店の関係もそうじゃ。
直線距離で僅か20mしか離れておらぬ。
共に京急川崎駅とJR川崎駅との乗換の導線上に在り、そして➀は地上、②はB1Fじゃ。
お客が溢れかえる時代ではないだけに、両店のマネージャー氏にとっては、簡単そうにみえてけっこう難しい戦術を駆使せねばならぬ筈じゃろう。
⑤なども強烈な⑧「楽園」の真横である。たしか昔は⑤は決して“1パチ専門店”ではなかった(?)記憶がある。
➀~⑦は、各店個性の強化に努められたからこそ、4年前と変わらずヤレているとワシはみた。
 
今のところ⑧の「楽園川崎」が集客人数で一番で、この点では『漫遊記(224)号』の池袋の状況と同じと云えば同じじゃ。
思えばgrandからもう12年になるのじゃのぅ。でも今にして思い返さば、【fashion entertainment PIA】のキャッチで、今でも“日本有数”の接客レベルを誇るマタハリ殿の“牙城”で、マタハリ殿を凌ぐ稼働の店を造るというのは、一見できそうに思えて、実は針の穴を通るくらい難しいものである。

その点、『楽園』殿は、元の昭和風レトロ店であった旧「モナコ会館」を解体して4階建てのビルを建築し、川崎では珍しくエスカレーターを4階まで付けられたという事自体も、今にして思えば“思い切った勝負”であったというべきではあるまいか。
その“勝負心”が「吉」と出たのが、今日の⑧「楽園川崎」というわけである。

⑩「シティ」殿にしても、40年前は「平和会館」と並び川崎を代表する店であった「萬両園」という老舗パチンコの建物を借りて2005年に横浜から新規出店してきた時には、さすがシティ殿!と舌を巻いたものであったが、その2年後の2007年に⑧「楽園」がシティを追いかけるかの如く1000台超で勝負して来て、当初の想定が少しズレたのではあるまいか。
立地的に《川崎駅に近い》⑩が、少し離れた⑧よりも、必ずしも有利とは云えなくなっているのは、やはり台数規模の事も考慮せねばならぬからであろうか?

それよりも一番“想定外の事態”に直面したのは、⑪「GAIA」殿であろう。
2001年に旧「平和会館」を買収されて勇躍川崎駅南に出店為された。
然るに2005年には、より駅近に⑩「シティ」殿が出店され、人気をさらわれたかと思う間もなく、2007年には店の⑧「楽園」殿がモナコを買われて新築の4階建てのビルを、自店の真横に堂々と出店してこられ、完全に人気を奪われてしもうた。
しかしそこで落ち込まないところがガイアらしいとこ。一旦“低貸し専門店”に変更されたかと思うと、2015年からは390台の大型スロ専へと転換されて、しっかり生き残りを図っておられる。
近くには⑫、⑬の岩本開発groupが、〈393+173=566台のSLOT〉を設置されているものの、ガイアとしては“相乗効果”で充分成り立つとの計算をされたのではあるまいか。

そしていよいよ⑫⑬の両「7(セブン)」店である。⑫と⑬は中で店が繋がっておる故、実質784台の大型店で、⑧「楽園」に次ぐ規模である。
ワンフロアでこの規模は“最も繁華街”の中では、実はTOPなのじゃ。

⑬「タイガー7」の方は、大昔から川崎一番のスロ専として、県下にも名が轟いておって朝から店前に並ぶ客が多い事で有名じゃ。
立地的には⑫⑬は“最も繁華街”の端っこと云える場所じゃ。
より川崎駅に近い好立地に「GAIA」「シティ」「楽園」といった大手外部勢力が進出してきたにも関わらず、この立地で18年間の対抗して稼働を維持してきたと云う事は、或る意味“驚異的”とも云えよう。ま、いつ来ても〈カエル〉のシンボルキャラで迎えてくれる故、忘れることのできぬ名店である。

❹ 今回の巡察では、敢えて海岸側の産業道路沿いに5年前にできた「マルハン川崎桜本」(1000台)の影響度合い等には触れなんだ。

川崎駅周辺の“最も繁華街”の15店舗への影響は、比較的少ないじゃろうと考えたからである。
むしろマルハンの影響を受けるのは、川崎区の郊外に点在する15店舗の“半郊外店”の方であろう。

川崎駅近の“最も繁華街”には、正直言ってこれ以上「新規のパチンコ店」ができる余地はほぼ無い!と言って良かろう。
つまり、川崎の“最も繁華街”エリアのパチンコ店は当面動きが殆どみられない、という結論になる。
これ以上台数が圧倒的に増えることも無ければ、そう簡単に大幅な台数減も起こらないというべきかと感ずる。

唯一の心配は、上記➀~⑬以外にこの繁華街で粘り強く頑張る超小型のスロ専2店舗が、どこまで踏ん張れるかであろう。その2店舗とは…
⑭「ギガ川崎」       (スロ専67台)
⑮「クラブベローナ京急川崎」(スロ専111台)
この両店とも、同一経営のようである。2000年以前から営業を継続されていて、➀~⑬の様な大手・強豪にもまれながら、よくもこの小型規模でやって来られたものだと感心することしきりである。
ここまで頑張られた以上、2021年以降の“オール新規則機”の時代にあっても、生き残って頂きたいものじゃ。

 

▼20年前から変わる事なき不動のファサード=「PIA川崎銀柳」

▼名物アーケード商店街=銀柳街の入口の「ロペステーションⅠ」

▼川崎区から幸区に抜ける微妙な位置の「St.Tropez京急川崎」

▼繁華街側で一番集客している低專「楽園川崎」

▼元:萬両園の跡で目立つ「ザ・シティ/ベルシティ川崎」

▼元:平和会館跡の「GAIA川崎SLOT館」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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