第234回 【武蔵の国=日野市 篇 懐深い郊外・駅前混在市場】

   小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第234回

【武蔵の国=日野市 篇 懐深い郊外・駅前混在市場】

 

 

 

あの強烈な大雨を降らせ、多数の川を氾濫させた〈台風19号〉が日本を襲ったのが、10月12日の事であった。
あれから早や2カ月に成ろうとしておる。

長野市の北部では千曲川が氾濫し、多数の住宅が破壊され、北陸新幹線の車両基地が水没して、六つの車両編成が使い物にならなくなってしもうた。
また伊豆半島に於いても、狩野川に流れ込む支流が多数氾濫し、幾多の遊技場が水に浸かってしもうた。
最も被害の大きかったのは、宮城県の阿武隈川の中流域で、住宅多数の水没や、死者・行方不明者も多かったことは、まだ記憶に新しかろう。

東京においては(隅田川や荒川の氾濫は、かろうじて防がれたものの)、多摩川の支流が所々で氾濫し、立川市と日野市とを結ぶ〈日野橋〉の橋脚が一部流されてしまい、その結果〈日野橋〉などは復旧の目処も立たず、未だに通行不能の状態である。
それ故、台風19号による大雨と川の濁流被害に遭われ“その後”はどうなっちょるんじゃろう?と気になりつつもナカナカ来れなんだ【日野市】にようやく脚を運ぶことが叶ったという訳である。
なにせ橋脚が一部陥没するという事は、半端ではない量の水流による水圧がかかったという事であろう。
それを思うと、〈日野橋〉の上流に在る「マルハン日野店」殿などは、さぞかし夜の間、“生きた心地”がせなんだ!のではあるまいか?今日は幸いにして快晴じゃ。

喉元過ぎれば何とかやらで、人間ちゅうもんはイヤな想い出は早く忘れてしまいたいらしい。
されど、堤防が決壊するかどうか?!という、瀬戸際の思いに駆られた八王子・日野市民と連帯する意味も込めて、今日はジックリと日野市を廻らせてもらうと致すぞ。

 

 

❶ 日野と云う街は、武蔵野台地の西側で、市の南部は多摩ニュータウンの一角を占めておる。市の一番北を〈多摩川〉が、市の南側を〈浅川〉〈程久保川〉が流れておって、水の便はバッチリの様じゃ。おかげで国土交通省からは「水の郷100選」にも認定されておるようじゃ。

またワシにとって嬉しいのは、幕末幕府を助けるために新選組の副長として函館五稜郭まで行って闘ってくれた《土方歳三》殿の出身地であるという事じゃ。
高幡不動の南側の広大な住宅地には、富裕層も多く住まわれておるようじゃな。
さあ、土方殿の如き熱き国士の血が流れておる人を探しに、遊技場を巡回すると致そう。今日巡察してみるのは、泣いても笑っても以下の7店舗だけじゃ。

➀「マルハン日野」(952台)※市の最北の多摩川沿いの大型一番店。やがて6年目となる。
②「SAP日野P館」(808台)※25年前に出来た時は日本一集客する店との評価もあった。
   〃  S館      店舗位置は八王子市であるが、店名通り日野の店として扱う。
③「BEAM高倉」(336台) ※国道20号沿いで首都大学の近く。立駐186台分も確保する。
④「AION豊田」(494台) ※JR豊田駅前で⑤と真向い。1階P、2階Sとして500台弱を確保
⑤「KING会館」(262台) ※JR豊田駅前で、②のSAPとほぼ同時期にオープンゆえ満25年経過
⑥「日野JUMBO」(288台) ※JR日野駅前で唯一残る老舗店。➀のマルハンまでは一本道
⑦「RAMO」(206台)   ※京王高幡不動駅前で唯一残る遊技場

 

 

❷ こうして見てみると、➀~③がカーパチ郊外店、④~⑦が駅前店ということになる。

➀~③の中では、実は③「BEAM」が一番良い立地じゃと思うが、いかんせん1994年に②の強烈な「SAP」、その20年後の2014年には、➀「マルハン日野」が自店の3倍近い大型店を出して大成功を納めるに至っては、影が霞んだ思いにかられた事であろう。

そもそも今日の巡察の最大のテーマは、【➀②の立地で、どうして大成功したのか?!】の検証を行う事にあると云うても過言では無い。
最初に人が全く住んでおらぬ〈石川工業団地〉のど真ん中に②を出店されたのは、SAP=㈱サンキョーの阿部殿である。
1994年と云わば、CR花満開やCRギンパラは出ておったと思うが、まだ“現金連チャン機”もバリバリ動いておったと記憶致す。
遊技人口も1600万人を超え、業界貸し玉売上も30兆円産業に向けて突進しておった頃であろう。そんな“昇り龍”の如き最盛期の出店であったとは申せ、夜になるとライトも消えて人っこ一人居なくなる工業団地で556台(※当時)の大型店を造ること自体、大変な勇気と“冒険”であったとは思わぬか?! 

しかし、そうした心配は杞憂に終わったどころか、当時700万部は売れておった写真週刊誌にも見開き2頁でこの店の事がデカデカと紹介された。
ワシも当時買って読んだが、なんでも23時の閉店と同時に翌朝の台を確保するべく、100人以上のお客が徹夜で並んだという“武勇伝”が残っておる店として“大成功”なされた。
当時ワシは大阪に住んでおったが、さすがに関西にはそういった遊技場は存在しておらなんだわぃ。

あれから25年経って店を覗くと、いま位のレベルでの繁盛店といえる水準には、お客が打っておるが、かつて50,000発は優に超えておったことは幻であったかの如くに感じられる。
ま、今日の遊技環境の厳しさを考慮すると、致し方ない事ではあるがのぅ(※5年程前に年商2000億円あった大手チェーンが、直近では1500億円以下というのが、現在の偽らざる遊技環境じゃ)。
何はともあれ、25年もこの工業団地のど真ん中で繁盛店として頑張れたことじたい、アッパレとして素直に拍手するべきであろう。
さすがは、全日遊連の阿部理事長殿のお店じゃ。

 

 

❸ 実はこの②の繁盛ぶりを観られて、その20年後の2014年2月に出店為されたのが➀「マルハン日野」じゃ。(韓裕社長に直接聞いた訳では無いが)
おそらくこの推測は間違っておらぬと確信する。

②の立地で大成功するのであれば、たとい多摩川べりの場所であろうとも、店舗東側の住宅地から近い現在の➀の場所でも、充分“勝てる”と判断為されたのであろう。
また“こんな市街地中心から離れた場所”でないと、日野市内では3000坪以上のフラットな土地が確保できなんだこともまた事実であろう。

実は、今だから明かせる話しを致そう。
マルハン殿に決まる前の2012年頃だったか、或る人から現在のマルハン店舗と成っておる土地の売却について相談を受けて、当時関東での有力数社に話しを掛けてみたことがあったのじゃ。
その時の各社の反応と云えば、やれ《こんな何にもない日野市のはずれでは成功する見込みが全くつかない!》とか、《多摩川の北側の昭島市からお客を引っ張る為には、多摩大橋が渋滞し過ぎる》とか云った断り文句じゃった。
日野や八王子の事が詳しくないワシも、思わずつられて、そうかもしれぬと半ば諦めたもんじゃ。

それが、マルハン殿になってからどうじゃ!マルハン店舗の中でも上位にくる程の成功店舗となっておる。
当時の自分の予見力不足を、今にして恥じ入るばかりじゃ。
Grand openされて後の2013年頃以降に、5号機SLOTの名機が続々と世に出て来たという“幸運”もあったにせよ、日野市ハズレのこの場所で繁盛店に為されたマルハン殿に、心より敬意を評さざるを得ないであろう。

当然の如く、➀「マルハン」の成功により、②の「SAP」殿もかなりの影響を受けた事と推測致す。

➀②の“まさか”の繁盛店の影響をモロに受けるカタチとなってしまった③「BEAM」殿は、チト“不運”であったと申さざるを得まい。
最高に良い場所を確保されておるのに…。

 

 

❹ さて、➀~③の郊外店(※地方の方からご覧になれば、人口も多い“半郊外店”と云う事になろうが)の視察はこれ位にして、駅前の4つの店の分析に参ろう。

ところがこの4店は、〈日野駅〉〈豊田駅〉〈高幡不動駅〉という、相当お互いに離れた駅の駅前店で、相互の引っ張り合いは、ほぼ全く無いと云ってよかろう。
同じJRでも〈日野駅〉と〈豊田駅〉とは全く商圏が異なるというべきである。例えてみれば、同じJR中央線でも、〈国分寺駅〉と〈西国分寺駅〉とは、隣どおしの駅ではあるが、商圏がおよそ異なるというのと似ている関係である。

その観点で⑥「ジャンボ」殿をみると、随分と前から、日野駅前で一軒のみで営業を継続されておる事に、今更ながら気付く。
5年前には車で5分位の所に➀「マルハン日野」ができて、相当お客が引っ張られてもよさそうな直線距離である。
また一つ東京寄りは〈立川駅〉で、駅前には“東京最強”との誉れも高き「ZIATH立川」(993台)が、相当広域からお客を集めておると聞いておる。
そんな中で、今日まで持ちこたえて頑張っておられる「ジャンボ」殿には、ただただ頭が下がるばかりじゃ。

次に豊田駅前の④「AION」と⑤「キング会館」じゃが、残念ながら日中は1円パチンココーナーにしかお客が居らぬ気がする。
せめて向かいどおしのどちらかが“突き抜けた強さ”を持っておれば話は別じゃろうが、どちらも“ボチボチ”で、豊田駅前への集客のポイントは見つけづらい。
これは何も豊田駅前に限らず、東京都内の主要な駅前に共通して言える事じゃ。遊技人口がかつての60%位まで下がっておる今日では、たとえ東京の駅前店と云えども“苦戦する店”が続出する事はやむを得ない実情なのだと感ずる。

最後に(ガラッと路線が変わって)、京王線の〈高幡不動駅〉に脚を延ばしてみる。
この駅は、《多摩都市モノレール》が交差し、京王線を使って新宿へ通勤する重要なターミナル駅と成っている。
駅前は並木道のモールと成っておって、高架駅下の京王スーパーも大賑わいじゃ。
なんか、東京郊外に住んでおるという充実感に満ちた、つくづく良い街じゃ。
かの有名な高幡不動尊があるというだけで、こうも街に潤おいが出るものなんじゃろうかのぅ。

ここには一軒だけ⑦の「RAMO」という小型店が存在しておる。多摩都市モノレールの〈高幡不動駅〉を降りて目の前の店じゃ。
街に人間の潤いがあるせいか、この遊技場もどこか暖かみが有って殺伐とはしておらぬ。
別の言い方をすれば、“品の良さそうな”お客に恵まれておる。
買い物に高幡不動駅まで出て来たついでにパチンコして帰るといった感じか…なにせ「RAMO」は恵まれたお店じゃ。
多分、駅前には全く風俗営業の“ニオイ”が存在せず、ライバルとなる店が出店する余地も無いのであろう。
半径3km圏内にはパチンコ店が全く存在せず、完全な閉鎖型商圏という恩恵を充分に受けておられるお店とみた。
ここまで来ると、➀や②の郊外型大型店の影響もほとんど受ける事は無いというべきじゃろう。
巡察の最後に良い店を発見させてもろうて御馳走様じゃ。

▼多摩川沿いの「えっ」と思われる場所にあるが、圧倒的に集客する「マルハン日野店」

▼「SAP」になって25年だが、じつは46年前から日野に進出していたサンキョーgroup

▼立地的には一等地のカーパチ店ながら、「SAP」「マルハン」の直撃を受けた「BEAM高倉」

▼京王高幡不動駅近くで唯一の店として頑張る「RAMO」

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