第236回 【播磨の国=尼崎市 (上篇) 昭和の雰囲気残す中小規模店が元気な市場】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第236回

【播磨の国=尼崎市 (上篇) 昭和の雰囲気残す中小規模店が元気な市場】

 

 

 

 この漫遊記の(232号)で【伊丹市】を、(233号)で【西宮市】を巡察して参った。

今日はいよいよ尼崎市(※以下「尼」と略す。関西では「尼」で十分通じるからである)にやって参った。
大阪市と西宮市との間に位置する「尼」は、分かり易く申さば〈猪名川〉と〈武庫川〉とに挟まれた兵庫県で一番東の中都市で、人口45万人である。
位置的にも大阪市西淀川区と豊中市とに接しているため、何かと大阪の影響を受け易い。

そして街の性格としては、実は《川崎市》と非常に良く似ている。
つまり“ミニ川崎”という所が重要ポイントじゃろう。
川崎も尼も元々“重工業都市”として“労働者の街”である。
そして市の北半分は住宅地として南半分とはかなり性格を異にする。市の北側の駅名で申さば、阪急神戸線の〈園田〉〈塚口〉〈武庫之荘〉という市内の3駅周辺じゃ。この辺は川崎で云えば〈武蔵小杉〉〈鹿島田〉〈元住吉〉と云ったところか……

しかも〈川崎駅〉周辺にパチンコ屋が仰山集まっとるのと全く同じく、〈阪神尼崎駅〉周辺に“関西最大級”のパチンコ集積が有るところまでソックリじゃ!こりゃワクワクしてきそうじゃ。しかし、川崎を巡察するにしても、とても一日では検分できぬ事は明白であろう。
川崎区だけでも大変な広さと軒数が有る故、とても〈幸区〉〈中原区〉等と一緒くたにして論ずることはできぬ。

尼にあっても同様で、遊技場集積の多い【阪神電鉄】だけで充分1回分のreportとなろう。因って【JR神戸線】【阪急神戸線】沿線のパチンコ店については、また機会を改めて巡回すると致そう。

 

 

❶ まず最も遊技場が集積する〈阪神尼崎駅〉から。

ここには実に14店舗が密集しておる。これまた川崎駅周辺と全く同数じゃ!以下の店舗となる。駅に近い順に記す。

➀「パチギン尼崎」(605台)    ※元々は大阪・西成のパチギンだったが㈱北信に賃貸か?
②「べラジオ・PLUS尼崎」(393台) ※元は尼崎最古参の有名店「名人荘」
③「Foro Maggiore661尼崎」(478台)
④「キコーナ尼崎P館」(352台)   ※元兵庫県の老舗企業の「モコ」であった。
⑤「キコーナ尼崎S館」(203台)   ※元「BOSS」
⑥「パラキング」(188台)      ※⑦と同系列のスロ専で、尼の地元企業=チェーズ
⑦「グランパラダイス神田」(377台) ※元「キングコング」
⑧「阪神尼崎」(484台)       ※営業中の➀~⑭の中では、今や尼崎の最古参店舗
⑨「あまスロ」(142台)       ※元「第3名人荘」
⑩「メトログラッチェ阪神尼崎」(214台)
⑪「a2パステ尼崎」(732台)     ※国道2号に面し立駐300台を有する。
⑫「キコーナ尼崎」(360台)     ※市内キコーナ4店舗の第1号店で、⑪の斜向かい
⑬「キコーナ尼崎中央」(777台)   ※元はスーパーニチイ。長崎の「P-ZONE」➡kiconaへ
⑭「RUMOR(ルモール)」(560台)   ※岡山のメトロgroup。商店街の一番外れながら大健闘

以上の14店舗のうち➀~⑨が文字通り商店街を挟んで密集しておる。

この密集度合いは、今日現在“日本一”ではなかろうか。誠に見事なもんじゃ。
昔は大阪梅田の〈阪急東通り〉~〈お初天神通り〉にかけても、かなりの“パチンコ銀座”があったが、今はすっかり少のうなってもうた。
じゃが阪神尼崎駅周辺は、いまだに昭和のパチンコ通りが健在である!駅から一番近い所にP店が密集し、その“奥に”一般商店がズラリと軒を並べる様は、理想的な店舗配置と云うても過言ではあるまい。
それでは早速、個性豊かな各店を覗かせて頂こうか。

 

 

❷何と云っても圧巻なのは、『キコーナ』店舗が阪神尼崎駅周辺に、4店舗固まっておる事じゃ。
(232号)の阪急伊丹駅周辺もそうじゃったし、(233号)の阪神今津駅周辺でも、まさに同じ集中出店であった。しかも④⑤⑫⑬のキコーナ4店舗のうち、自前での建設は⑫のみで、あとの3店は居抜き出店じゃ。

いかにも【М&Aが大得意】のキコーナ=アンダーツリー㈱よのぅ。
注目すべきはキコーナ4店のうち最大台数の⑬である。確か2012年に佐世保の「P-ZONE」撤退後のこのビルに入店した時は、オール低貸し専門館だった筈じゃが、余りに調子が良いとみえて、その後4パチも導入されたようじゃな!4店舗集約の効果とでも云えようか。

それにしても②のべラジオの正面ガラスのデザインは派手じゃのぅ。
阪神尼のパチンコ屋の元気度のバロメータみたいなもんじゃ。
東京板橋・大山商店街のパチンコ街も活気が有るが、この尼には完全に負けるわ(笑)。

また➀の「パチギン」は元々、大阪・西成の南殿の店であった筈じゃが、いつの間に大阪・和泉市の㈱北信に営業譲渡されたのかのぅ?
③Foro Maggiore661尼崎(478台)と②が真向いに出て来たせいか、一時期稼働が下がって心配であったが、㈱北信の新井社長の店と成ってからは見事に盛り返しておって、ホッとするわ。

ワシが先月巡察した直後、⑥パラキングと⑦グランパラダイス神田の店の近辺で、神戸山口組の古川組長が名古屋弘道会の脱藩組員にマシンガンで射殺されるという、とんでもない事件が起こった。
そうじゃった、この尼の商店街一角は大平組のシマじゃったのぅ。
勿論、兵庫県遊協の組合員は暴排運動の先頭に立っておられるが、現実問題、まだヤクザ組織が壊滅せずに残存しておることもまた事実じゃろう。
パチンコという遊びは、“界隈性”の多い空間とよく似あうもんじゃ。
しかし界隈空間にはヤクザも巣食う。
パチンコ経営者は、それゆえ“カラダを張って”ヤクザと対峙せねばならぬ!という“宿命”を嘗ては背負っておった。
こうした混沌とした状況は、この兵庫県では、暫し続くのじゃろう。

阪神尼の神田北通りの9店舗集積の一番西に、永年頑として頑張る村上殿の⑧「阪神」が位置しておる。
さすがに“昭和レトロ”の感じは無くなってしまったが、それでも尼のパチンコ屋の中で、最も“パチンコ屋らしい”雰囲気はしっかり出しておられる。
何と云ってもこのネオン管じゃ。
贅沢を言わせてもらうと、絶対にLED看板には替えんで頂きたい!店名の「阪神」も英語表記にする必要などはこれっぽっちも無いですぞ(笑)。

そうそう、昭和のパチンコ屋の雰囲気を概観で残しておると云えば、⑩のスロ専「メトログラッチェ」の山本殿の店もそうじゃろう。
写真を観て頂いてお分かりと思うが、赤・緑・白の色使いが絶妙じゃのぅ。
こう見えてワシも全国を巡察で廻っておるが、この⑩の外観などは“芸術品”の部類に入ると云っても良いぞよ(笑)。

 

 

❸ それでは神田中通り・北通りの9店舗から少し離れる⑪~⑭の店を覗かせて頂こうか。

⑬キコーナ尼崎中央については既にふれたので、残るは3店舗じゃ.⑪「a2Paste」は元々大阪『テキサス』の津田専務が、7年前の2012年に始められた店じゃ。
天下の国道2号線に面した本格的なカーパチ店である。
それでも阪神尼崎駅近くの12店舗との関連性は切っても切れぬので、敢えて駅前店舗と同列で観察させてもらう。
広々とした空間はさすが本格的カーパチ店の風格じゃのぅ。今日観た感じでは、稼働もけっこう良いのぅ。
カーパチ店ながら、駅前で頑張る商店街パチンコの影響を受けざるを得ない点で、全国的にも珍しい事例かもしれぬ。

⑫の「キコーナ尼崎」も国道2号に面したカーパチ店じゃな。
⑪よりもずっと古く、1995年の建築と思われる。
25年前は駐車場を備えた360台の店として、さぞかし繁盛した事じゃろうな。
しかし(後述するように)2005年に、大阪淀川区の空港線沿いに1400台の、マルハン最大の「マルハン加島店」が出来た事で、カーパチである⑪⑫はもとより、➀~⑩、⑬⑭も皆、甚大な影響を受けたと聞き及んでおる。
現在は15年前とは異なり「マルハン加島」の影響はそれほどでもないとは思われるが、それでも流石に25年経過した建物は新鮮味が薄れておる事は致し方あるまいのぅ。

ここで、「ハッ!」と気付いたことがある。
もしかして、『キコーナ』の木下殿がマルハンに追い付追い抜くべく、強烈な決意を以って店舗展開を加速される〈キッカケ〉となったのは、この2005年に尼を襲った“事件”ではなかったのか?!と…。そう思うと、この尼崎の旅が、俄然面白う成ってきおったわ。
 
最後に、尼崎商店街の最後の“外れ”に位置しておる⑭「ルモール」を覗かせてもらおう。
「ルモール」などとフランス語で云われると、何のこっちゃ?となるが、英語じゃと〈噂=ルーマー〉の事じゃな(笑)。
経営為されておるのは、岡山本社の『メトロ=岡和興産㈱』ではないか!
ところがこの会社、調べてみると、何と(!)2001年に大阪環状線のJR今宮駅構内に「メトロ」店を出店されておるではないか。
まさかその菊田殿が、この阪神尼にも出店されておるとはツユ知らなんだわ。

ところがこの⑭、阪神尼からは5分近く歩かねばならぬ立地で、神田中通商店街のちょうどハズレに位置しておる。
今どきの常識ならば、“間違いなく苦戦”する筈の立地というべきじゃ。
ところがどうじゃ!大いにお客が入っとるではないか(!)。これはチトたまげた。

そこで思案してみるに、早くから“脱・岡山”とばかりに、大阪市内でもガラがよろしゅうない〈今宮〉に出て来られ、“修羅場”をくぐって来られた経験が、この阪神尼でも十二分に生きておるのではなかろうか?
もう一つ考えられるのは、⑭「ルモール」の場所まで来ると、むしろ阪神尼崎の一つ西の〈出屋敷駅〉からの方が歩いて近いという事じゃ。
因って、出屋敷界隈の住民の最寄り店と成っておるのかも知れぬのぅ。
いやぁ、そう考えると、尼崎マーケットも“深い”のぅ…

 

 

❹ そうそう、〈出屋敷駅〉近くまで来たゆえ、出屋敷駅カブリツキの「JOYガーデン」という店を観ておかねばならぬことに気付いた。

この店、現行は317台の営業であるが、広々としており、実は優に400台以上は余裕で入る大きさじゃ。
なぜ観ておかねばならぬのか? なんとこのお店、鳥取本社の『マンモス=㈱丸信商事』の岩本殿が営業権を買われた店ときておる。
鳥取県では『デルパラ』に負けぬ強い営業力で知られたマンモス殿。遂に太平洋側(瀬戸内側)への進出であるぞょ。
岩本専務も40代の脂の乗った世代じゃ。
鳥取という日本一人口の少ない県で終わるカタではないと観ておったが、やはりそうじゃったか。これまた尼崎での新たな発見じゃ。

観るとこの「JOYガーデン」の入居するビル、2階の物販テナントが現在すべて閉店して、全てシャッターフロアと成っておる。
ハハン、駅と直結する2階フロアに、これから何か有力な大型テナントが入居して来るのじゃな(?!)と、直ぐに見当が付く。
そのタイミングを見計らっての新規出店であろう。今から、〈いつマンモス屋号の看板がたつのか?〉大いに楽しみじゃのぅ。
きっと尼崎市場にチョットした影響を与える営業をしてこられる事であろう。

 

 

❺ やれやれ、多くの店を観て頭がフル回転した尼崎であったわ。

先ほどもチョットふれたが、今から15年前の2005年に、「マルハン加島」が1400台の巨体で、大阪・淀川区に華々しくgrand openした。
淀川区とは云うものの、猪名川を超えれば、もうそこは《尼崎市》じゃ!当時、阪神尼の「パチギン」を経営されておった南殿から伺った情報では、【阪神尼のお客の1/3が「マルハン加島」に持って行かれた!!】という驚くべきニュースであった。
当時ワシもまだ尼崎の事が不勉強で、まさか猪名川の橋を渡って、そんなに多くの客がマルハンにまで行ってみるとは想像だにせなんだもんじゃ。

しかし、いくら阪神尼の周辺は、電車・バスの便がイイとは云うても、尼の遊技客がみんな、切符を買って来ておる訳では毛頭ない(!)という事を見落としておったようじゃ。
大阪中心部ならいざ知らず、尼崎という市は、阪神高速神戸線と中国自動車道が市内を横断しておって、やはり人の移動に車はつきものだ!という事を痛感させられた。あれから15年が経とうとしている。未だにマルハン内部の“不文律”として、マルハンでは「加島店」の1400台を超す店舗は作らないようじゃ。
それ程にこの「マルハン加島店」は“特別な”存在なのであろう。

誠に、ドラマがたっぷりと詰め込まれた《阪神尼崎マーケット》であったことよ。読者の皆々様も、何卒良い御年となることを深く祈るばかりである。

 

▼阪神尼崎駅から丸見えの「パチギン」

▼遊技場の雰囲気を200%出している「べラジオPLUS」

▼尼崎の威容「フォロマジョーレ661」

▼堂々たる昭和の雰囲気で尼の遊文化を作って来た「阪神」

▼芸術的と云っても良い外装「メトログラッチェ阪神尼崎」

▼国道2号を見おろす「a2PASTE尼崎」

▼ドミナント出店の中で最も台数が多い「キコーナ尼崎中央店」

▼尼崎商店街の一番はずれに在りながら高稼働の「ルモール」

▼鳥取マンモスが営業権を取得した「JOYガーデン出屋敷」

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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