第239回 【甲斐の国=甲府市、昭和町 篇 今、新店を立ち上げる意味】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第239回

【甲斐の国=甲府市、昭和町 篇 今、新店を立ち上げる意味】

 

 

 

武田信玄公の旗印として《風林火山》は誰でも知っておろう。
最後の「山」に於いて〈動かざること山の如し〉というのが有る。
而して遂に山が動いた!「マルハン甲府」(750台)のgrand openである。

2年前の年末に居抜き出店した「ニューアサヒ甲府昭和」(700台)以来、ちょうど2年ぶり。
マルハンとしては、2010年の「マルハン石和」以来、実に約10年ぶりの新規出店である。
そういう訳で、今日は2年前の記事以来に、甲斐の国へと巡察に出立じゃ。

 

 

❶ 本来であれば、今回《甲府市、昭和町》だけに焦点を絞る事にはつらさもある。

というのも、甲府盆地は実質“閉鎖商圏”の典型である故、本来であれば甲府市を中核に【甲府市、昭和町、中央市、甲斐市、笛吹市】ぐらいの広域商圏で捉えねばならぬとは思う。
されどこっちもヒトの子故、そんな広域をつぶさに調べて廻るのは並大抵の事ではない。
因って今回は、特に密度の濃い【甲府市、昭和町】に絞り、特に〈新店〉にSPOTを当てて記事をしたためる事をお許し願いたい。

それでは早速新店の「マルハン甲府」を覗かせてもらおう。
おう、けっこう広い敷地じゃな…なんでも、元ホームセンターの〈ケーヨーD2〉跡への居抜き出店のようじゃ。
ここでワシがフト考えることは、以下の3点である。

(1) 何ゆえ今、山梨県の〈甲府〉なのか?
(2) 色々著名なSLOT認定機が外れた、この年末のタイミングでのgrand openは如何なるものか?
(3) 敷地的には充分1000台級の店が造れる広さなのに、何故750台に“抑え”られたのか?

まず(1)であるが、昨年1月から1年間のマルハン殿の新店は、“わずか”2店舗のみである!昨年GW前の「マルハン新大蔵谷」(1007台)と、今度の「マルハン甲府」(750台)との2軒のみじゃ。
この傾向はこの3~4年続く傾向で、いっときのマルハンの如く、1年間に30店舗も出店した如きは夢か幻か…今年の場合、敷地確保から開発許可まで年内に早く完了したのが、ここの〈甲府店〉であった、というだけの事かも知れぬ。
ただそれにしても、どうして〈甲府なのか?〉という素朴な疑問は残る。
どうやらその答えは、次の(2)の中に隠れておるようじゃ。

(2)この時期の新規開店は、何と云ってもPSそれぞれの《認定機》を、どの程度確保できるのか?とりわけ、grand open時に集客の要となるSLOTの“人気”認定機の種類と台数が大きなポイントとなる事は論を俟たぬであろう。
加えて“高射幸性SLOT遊技機”とやらの設置台数比率が【15%以内】でなければならない(!) という点が大きなミソとなろう。
その際、新店の“メインターゲット”となる《ライバル店》も、同様に【15%以内】と成っている筈であるから、《新店の方が競争上、不利である》事には決してならぬ筈である。
いやむしろ、grand openの勢いが期待できる〈新店〉の方が“有利”であるという仮説すら成り立つのである。

そこで山梨県について、この仮説を検証すべく県内におけるチェーン店の店舗数を見てみるとしよう。
県外勢は、《ABC7店》《ダイナム5店》《マルハン3店》《ニューアサヒ2店》《静岡TAIHO1店》。
対する県内勢はと云えば《ダイマル8店》《ニューダイヤ5店》《KOKUSAIグループ4店》等である。
県内勢は店舗増加の傾向が殆ど見られないので、やはり県外勢の動きに着目せざるを得まい。
すると、店舗シェアでも、客数シェアにおいても、静岡から進出している《ABC》による市場けん引力が一番である事がすぐ分かる。

このシェアを、オール新規則機ばかりとなる2021年以降に於いて“うっちゃり逆転”できるか?と云うと・・・実は全く見通しが効かないであろう。
つまり“うっちゃる”ならば今年しかない(!)という結論に至る訳である。
この点、かつて静岡市に営業本部の在った『㈱マルハン』としては、同じ静岡から山梨に来ている『㈱ABC』を相手に、充分“勝ち目”はアル!と判断を下した事であろう。

とは言っても、既に7店舗展開しているABCに対して、既存は3店舗のみのマルハンとしては、この甲府店に“お宝台”の認定機をどれくらい回せるのか?! については並大抵では無い努力が必要であった事と推測致す。
じゃが、そういった杞憂を払拭するほど、見事な“配置転換”は完了しておる。流石…

(3)敷地的には充分1000台級の店が造れるのに、何故downサイズして750台と為されたのか?この点も、ゆるがせにはできまい。
思うに、甲府盆地という閉鎖商圏である事を考えると、あまり大型の店を造ってしまうと自社の他店への影響も出てしまうであろう。
また産業の主力が〈桃、ぶどう〉等の果実出荷であり、6~9月の収穫時期になると、強烈に稼働的にその“農繁期”の影響を受け易いという地域特性がある。

それを考慮すると、関東の開放的商圏と違って、徒に1000~1400台だ(!)などと“背伸びする”必要は少ないと、マルハン社内では判断されておるのではあるまいか?
げんに、㈱ABC殿は県内7店舗中2店舗が800台であり、県下最大台数は「PIA 1000 KOKUSAI」であるが、大きければ〈圧倒的に有利〉という法則は効かなくなってきておると、ワシはみる。
マルハン殿もそう分析されておると確信いたす。ただ、いざと成れば更に100台位は増設可能なので、余裕の構えかも知れぬ。

 

 

❷ 随分長々と「マルハン甲府」ばかりに紙幅を割いたが、それほどに、〈マルハンが久しぶりに山梨県に750台の店を出された〉では済まない“深い理(ことわり)”を感じたからである。

さて、この「マルハン甲府」の影響を蒙る店としては、どのような店が考えられるであろうか。
ワシがみるに、

➀「ABC甲府昭和通」(640台)   ※山梨県最大のイオンモールから200mの好立地。
②「ABC甲府アルプス通」(560台) ※ABCとして山梨県4番目の店。アルプス通に面する。
③「PIA 1000 KOKUSAI」(1000台)  ※モンスターハウスの時代には関東を代表する超大型高稼働店として名声を博した。
④「ニューアサヒ甲府昭和」(700台)※丁度2年前に「ニチエイ」店を取得してgrand済
⑤「ニューアサヒ甲府南」(582台) ※長野県最大手が最初に甲府に進出した店。

以上の5店舗が、今後「マルハン甲府」とシェア争いを繰り広げる主力店だと感ずる。

以前の《漫遊記(151)》では②~⑤を取り上げておるので、今回は➀「ABC甲府昭和通」を覗いてみたい。
イオンモールは約4万坪の広大な敷地で、或る意味“山梨県で最も人が集まる場所”ではなかろうかのぅ。
昭和町とは申しても町の南西端にイオンは出来ており、隣接する〈甲斐市〉〈南アルプス市〉〈中央市〉のどこからでもアクセスは抜群じゃ。
或る意味で山梨県内では最高の立地と云えるのかもしれぬ。

丁度「マルハン南アルプス」(744台)と、今度できた「マルハン甲府」との、ど真ん中に位置しておる。
と云う事は、もしかしてマルハンの最大の戦略は、この➀「ABC甲府昭和」のシェアを徹底的に“奪う”という事ではあるまいか。
いや、きっとそうに違いあるまい。

しかし今日➀を覗いた感じでは、ABCの方はちっともさほどの“緊迫感”は感ぜられぬ。
これはどうしたことか。㈱ABC殿の自信と余裕の表れなのか?できて12年目の店ゆえ、円熟の雰囲気は充分漂ってはおるが…静岡駿東郡清水町に「メガGAIA清水伏見」(1267台)が“襲い掛かって”きた際にも、僅か300mしか離れておらぬ「ABC清水長沢」(872台)は、ほぼ“静観の構え”で、対抗心剥き出しとは感ぜられなんだことを想い出す。
ま、ABC殿の事ゆえ、いずれ何らかの攻勢は掛けられるのであろうが。
今のところは《ABC7店合計で4126台!》という、“王者の風格”を表わす表現にとどめておられるわぃ。

 

 

❸ “甲府・昭和町の戦い”はホンのまだ開始されたばかりであり、今後の動きを暫く時間を置いて観察してゆかぬ事には、まだ何とも申せまい。

➀~⑤のライバル店もどう今後動くか?現時点では皆目見当がつかぬ。
ま、夏の桃の収穫の時期にでも再度来てみる必要が有りそうじゃのぅ。
おぅそうじゃ、東京オリンピックの自転車ロードレースが東京武蔵野から始まって、河口湖の富士スピードウェイまで行われる事を失念しておった。
協議の行われる7月25日に合わせて又参る事に致そう。どうなっておるか、楽しみじゃ。

 

▼昨年度マルハンの2店目の新店となった「マルハン甲府」

▼マルハンの2店に挟まれる位置に在る「ABC甲府昭和通」

▼地元にしっかりと根を下ろす「ダイマル本店」。店の上がホテル

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