第244回【上野(こうずけ)の国=富岡市 篇 世界遺産の街の変容】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第244回

【上野(こうずけ)の国=富岡市 篇 世界遺産の街の変容】

 

 

 

まずは、永らく遊技ビジネス最前線にて、この『漫遊記』をご愛読頂いておる読者の皆々様に、お詫びと一言お断りをせねばならぬ。

2015年2月10日より5年の長きに亘って掲載させてもろうた「漫遊記」の連載は、本号をもって終了することに相成った。
『ビッグコミック』に連載されておる《ゴルゴ13》のような長期連載とは比べ得べきも無いが、満5年の一つの区切りとして、『遊技ビジネス最前線』への寄稿は終了させてもらう事になった。
あまり長いだけが能とも思えんので、後進に道を譲るべきではないか、とワシは常々思うてきた。
今後は新しいカタの寄稿で以って、心機一転、『最前線』がフレッシュに成られることを、ひたすら願うばかりである。

とは云え、この『漫遊記』は(水戸藩による『大日本史』の編纂と同じく)ワシの、いわばライフワークゆえ、楽しみにされておる読者の皆様の為にも、何らかの方法でこの『漫遊記』を継続せねばならぬ。
ちょうどそう考えておったところ、友人の石橋龍馬社長からお声掛けいただいた。
氏の会社(=㈱アールプロモーション)のホームページともいう【マルゲッツ】にて、この3月18日から再び連載を開始することと成った事を、ここに報告させて頂く。
今後とも相変わらずご愛読いただければ誠に幸甚である。

 

 

❶ では、《最前線》に於いては、最後の掲載となる『漫遊記(244)』を始めよう。今回取り上げるのは、上野の国(群馬県)の富岡市である。

富岡と云わば、世界遺産に登録された《富岡製糸場》が国民には知られておると思う。
されど実際に富岡まで足を運ばれたカタは、案外少ないのではあるまいか。
なにせ公共の交通機関で富岡に行こうと思えば、高崎から西富岡まで〈上信電鉄〉で43分ほどかかり、江戸東京からじゃと約2時間の距離じゃから。
富岡市は、僅か人口47,500人の小さな市である。10年前よりも既に約5,700人も人口が減っておる。

長野県の上田から中山道で安中→高崎へと入るのが、“本来の中山道”である。
じゃが中山道に沿って南側を走る《脇往還》というものがあって、この脇往還が、富岡を通る幹線道路と成っておる。
それ故この富岡は、京の都から江戸に至る中山道の脇往還の宿場として、江戸の時代より繁盛しておった様じゃ。
しかし、急速な“江戸集中”の続く今の時代と成った今となっては、全くの過疎の街である。

ならば何ゆえ、こんな富岡くんだりまではるばる来る気に成ったのか?そうじゃ、新店ができたからじゃ。
いや正確に申さば、居抜きによる〈新店〉である。そう、「メッセ富岡」➡「メルヘンワールド富岡」への経営チェンジが起こったのである。
ちょっと待てよ、仙台『メルヘン』の琴社長と云えば、たしか埼玉羽生市の「メッセ」➡「メルヘンワールド羽生」に成ったのが2018年9月の事だった筈じゃな。はは~ん今回も、羽生がらみで富岡もどうじゃ(?!)というカタチに成ったのか…いずれにしても、こうなった以上は、早速覗いてみる他あるまい。

 

 

❷ こういう富岡にとって、唯一といってよい救いは、藤岡で関越道と分かれる〈上信越自動車道〉が走っており、富岡I.C.があることで、かろうじて物流の便が悪くない事ぐらいであろう。

さてさて、この富岡の遊技場とは…
➀「D’STATION富岡」(716台)   ※〈西富岡駅〉西側の計画道路が店の真横を通る事になった為、俄然パチンコ向きの一等立地と成った。
②「メルヘンワールド富岡」(636台)※メッセから営業権を買い、560台→636台に76台増台。
③「ザウス」(408台)       ※地元群馬県の㈲ダイアナという会社の1店舗経営
④「ニューセブン富岡」(326台)  ※東京の㈱蓮沼興業が、1年前に群馬の「634(ムサシ)」から営業権を取得して屋号変更。

泣いても嗤ろうても、以上の4店舗のみである。
ところが25年位前は、(300台自主規制の時代であったが)11店舗も有った事を知らされ、驚きじゃな。

➀の「Dステ」に成る前は、この場所に「ニューシルク」(278台)という、いかにも富岡らしい店名の店が在った。
富岡では最も老舗の店であった様じゃがこの店が閉店した跡をDステ殿が買って、新規の716台の店舗を新築されてより、はや4年半になる。
それ以前は、②「メルヘン」に売却される前の「メッセ富岡」が、一番店であったと聞いておる。

②の元々の「メッセ富岡」だった時代、そう今から十数年前の事じゃ。
当時、三洋販売から〈海物語inカリブ海〉というパチンコ機が発売された。
これが超評判の悪い機械であって、全国どの店も、早く〈カリブ海〉を店から外すことに専念しておった記憶が強い。
しかし②「メッセ富岡」だけは別格で、この〈カリブ海〉1BOXを何と(!)50,000発に持ち上げた“伝説の部長”がおられたのである。
三洋販売の営業マンが、哭いて喜ぶようなデータじゃのぅ。

群馬と長野との県境のこのような田舎町で、かような金字塔を上げられたということは、今考えても驚くばかりじゃ。
当時『㈱メッセ』の宮本殿は、埼玉県では「本庄店」「羽生店」、群馬では「高崎倉賀野店」「太田店」「桐生店」「富岡店」、栃木県でも「足利店」「佐野店」など8店舗を北関東に展開されておったことを、もうお忘れの方も多いのではあるまいか。
今はこの8店舗は全て他社の手に渡るか、もしくは閉店されてしまわれた。
こういう歴史を、この②旧「メッセ富岡」は背負っとった事は、忘れまいぞ。

 

 

❸ されど2015年盆前に、➀「D’STATION」がこの富岡にも進出して来てからは、状況が一変したようじゃ。

設置台数と間口の広さに勝る「Dステ」がたちまち一番店となって踊り出てきた。
「メッセ」にとっては、あの“伝説の部長”が居なくなった事も大きかったのかも知れぬ。
「メッセ」だけではない。今は「ニューセブン」と成っておる以前の「634(ムサシ)」も、(今は無き)「スマイルMAX」も、もろ影響を受けて店をヤメテもうたわぃ。
「メッセ」殿も、ここはもう伸びシロが無い(!)とみられて、密かに店舗の売却を進めておられたようじゃ。
ちょうど2年前に「メッセ羽生店」を買ってもらった、仙台本社の『メルヘン』殿に声を掛けられて、1年前の2019年4月からは「メッセ」の屋号のままで、「メルヘン=㈱カツヨシ商事」が店の経営を引き受けられ、昨年暮れに晴れて②「メルヘンワールド富岡」として、正式に看板の書き換えを為されたという経緯である。

巡察に訪れた1月の正月明けの時点では、②のメルヘンワールド富岡は“苦戦ぎみ”の営業で、➀「Dステ」の“牙城”を崩すには至っておらぬ。今後人口密度が薄いこの富岡において、メルヘン殿が如何なる新規策を繰り出してこられるのか?いずれ夏場にでもまた視察に来ねばならぬであろう。

それよりも“意外”だったのは、②「メルヘン」の国道を挟んだ真向いに、④「ニューセブン」という店が存在しておる事じゃ。
この店は少し前にふれた、元:「634」だった店を東京の蓮沼興業が引き受け「ニューセブン」の看板を掲げたのは、2018年暮れのこと。
その時は、向いの「メッセ」が“弱って”おる時で、蓮沼殿は充分「メッセ」と対抗して稼働を延ばして行ける(!)と判断されたのであろう。
ところが案に反して②は「メルヘン」の経営と成った。蓮沼殿にとってはチョットした“誤算”であったのかもしれぬ。
じゃが、考え方によっては、②と④とが互いに切磋琢磨して➀「Dステ」に対抗していくことにより、もう一度このBasia周辺の国道254号沿いにお客を呼び戻すことは、不可能ではあるまい。
今後の展開に期待すると致そう。

③「ザウス」は、群馬の㈲ダイアナという会社の1店舗経営の店であるようじゃ。
➀②④とはまるで離れた、東隣の甘楽(かんら)町側に在ることもあって、何とか独自の営業を展開する事ができておられるのであろう。
じゃが、あいにく夜も近づいて参ったので、③の方まで廻れない事をお許し願おう。

 

 

❹ 今回の【富岡市】も典型的な例じゃが、今日、高齢化の急速な進行、並びに少子化というダブルパンチにより、関東圏といえども、中心の東京から離れた人口5~6万人程度の「市」であっても、遊技客の減少は著しいものがある。

これに対する方策として、単に規模を大規模にするとか、新台を多めに投入して入替する、とかいった従来の手法では、いかんともし難い状況ではあるまいかのぅ。極端な場合、地域の〈物販〉〈飲食〉〈医療〉〈各種サービス〉〈温浴〉といった、ヒトの生活と密接に結び付いた遊技施設でないと、集客できなくなってきているのかもしれぬ。
富岡に来て、つくづく考えさせられることである。

▼現在の「メルヘンワールド富岡」

 

【ごあいさつ】

冒頭にも記したように、今後この『小森黄門ちゃまの業界漫遊記』は、本号をもって終了と成ります。
今後は『マルゲッツ』という、新台販促ポスター等のソースを有料で提供しているホームページの方で、この『小森黄門ちゃまの業界漫遊記』を、第245号から継続して掲載する事に成りました。
但しこの『マルゲッツ』閲覧は、有料会員にならないと観ることができない事を予めお断りしておきます。
是非、ホール様や、販促業者様、更には機械業者様におかれましても、納入されているホール様に『マルゲッツ』会員と成って頂くようお勧め頂ければ幸甚です。
念のため、『マルゲッツ』http://marugets.comへのアクセスの方法を下記に記させて頂きます。

➀会社名/㈱アールプロモーション(東京都千代田区飯田橋3-7-11大和APビル9階) 代表取締役 石橋龍馬
②連絡窓口/電話03(6256)9025(代表)藤倉 祐紀(ふじくら ゆうき)fujikura@r-promotion.jp

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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