【肥後の国=熊本市:(前篇)】、復興過程の逞しき熊本を見届けるべく、小森黄門ちゃま巡察に向かう

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第109回

【肥後の国=熊本市:(前篇)】、復興過程の逞しき熊本を見届けるべく、小森黄門ちゃま巡察に向かう

昨年4月14日と16日の大地震により、熊本県全域、なかんずく熊本市の南部と北部、益城町を中心に甚大な被害が発生してからやがて9カ月に成らんとしておる。現地の人間でも「熊本は地震の無い県だ」と思っておった人が多いというから、人間の認識というモノは曖昧なことが多いものよのぅ。実は明治22年(1889年)にも熊本地震が有って、相当被害を受けたというに、127年経つと4世代の移り変わりのうちに、痛みは消えてしまうと云う事なのかのぅ。今回の熊本大地震の特徴は「縦揺れ」が激しかったことじゃと聞いておる。それ故、10階建て以上のマンションや立体駐車場を店の上に乗せたタイプの遊技場の被害が甚だしかったようなのじゃ。この点では21年前の阪神淡路大震災よりも厳しかったと言えるかもしれぬ。熊本市内でも東バイパスに在った頑丈そうな立駐付の「モナコパレス熊本店」が建物を使えなくなって廃業される等、今までの地震では考えにくかった事態が起きて居る。

しかし「がんばるばい、熊本」の掛け声とともに、熊本の民の再起は早かった。今回の巡察はわが熊本の民の逞しさをしかと見届ける意味でも至極重要じゃ。前回の熊本視察(※昨年6月の第84回)は熊本市北部の激戦区=菊陽町であったが、今回は熊本市そのものじゃ。なにやら市内に九州有数の大きさの店もこの度出来て、話題をかっさらっておるとも聞く。いざ参らむ。但しじゃ、熊本市と云っても広すぎる故、とても一回の特集で全体を概括するわけには参らん。よって此たびは、復興後の主要ポイントの概括分析にとどめて、エリア毎の詳細は、いずれ日を改めて【後編】にて行う事に致そう。

他県のホール企業にとって参入しずらいと言われる熊本!?

❶ まず熊本市の概要を押さえておく必要が有ろう。熊本市は人口74万人の政令指定都市で、九州では3番目の人口を誇る大都市じゃ。明治時代には旧制第五高等学校もこの熊本に(※福岡市ではなく)設置され、日清戦争後の明治30年代は、九州最大の都会であった! というから驚くではないか。北九州から鹿児島までを貫く九州自動車道も、最初に開通したのは、この熊本の〈熊本IC~植木IC間〉であったとも云う。じゃから、熊本は今でも〈福岡なんかに負けるものか!〉という気風がどこかに在る筈じゃ。何を隠そう、遊技業界こそまさにそうで、いまや九州の中心=福岡県とは相当異なる営業スタイルがとられておると言っても過言ではあるまい。

不思議な事に、九州の大手遊技業会社と云えど、何故かこの熊本県への出店は実に少ないという事に気付かされる。最大手の「ワンダーランド」は1軒のみ、「プラザ」「FACE」「ユーコー」「P・ZONE」「ビッグアップル」は0(ゼロ)。「まるみつ」殿が2軒、という状況じゃ(勿論全国大手の御三家も出店されておるが、ダイナム殿以外では、マルハンが3軒、ガイアがこの度の1軒のみ)。これはどう見ても“尋常ならざる”事態と言わねばなるまい。探索がたの報告によれば《賞品流通システム》が独特で、他県の者はそう容易く“入り込みづらい”とのことである。う~ん、ますます“肥後もっこす”じゃわい。

考えさせられる“地域との共生”

❷ そんな中、大地震のあったこの熊本に東京のガイア殿が何と県下最大台数の「メガGAIA本山店」(1,406台)を12月26日にグランドオープン為されたわけじゃ。しかも敷地内で建設を始めようという矢先の大地震で(或る意味ガイア殿にとってはラッキーじゃったわけだが)、周辺の住民の避難所として4,300坪ほどの店舗建設予定地が無料開放されることになる。まさかこんなことで地域住民に貢献できるとは、ガイア殿も考えもしなかったじゃろうて。そういう信じられないような“ドラマ”が有ったればこそ、年末の開店時には九州全域と言ってもよいエリアから広範囲にヒトが集まって来よったのかも知れん。

ところが、ドラマは話題の「メガGAIA」殿だけに留まらないのじゃ。ガイア殿のすぐ西隣と言って良い「金馬車世安(よやす)店」殿も昨年4月16日の震度6強という強烈な揺れによって店内は滅茶苦茶になり、奮起して8月盆前のリニューアル再開(760台に増台)に漕ぎ着けるまでには、4カ月近くの休業を余儀なくされたのじゃぞ。南区にはなるが、近くの「モナコパレス浜線店」(981台)も全く同じじゃ。また東区の「コア21熊本インター店」(780台)も全く同じで、このインター店は未だに休業したままである。先にも申したように今回の熊本地震では縦揺れが激しかったため、背の高い建物ほど被害が甚大じゃったという事である。お金をかけて頑丈に造ったはずの立駐付の遊技場であっても、大自然の激震と言う災禍には無力であることを今回思い知らされたわけじゃな。

しかし無力な人間ではあろうが、災禍の後の遊技場の復興は思ったよりは早く、殆どの店舗が地震災害から約4カ月以内にリニューアルに漕ぎ着けた。これは(或る意味)感嘆すべきことじゃろう。しかし、喜んでばかりはいられない。旧い民家やマンションでは崩壊の危険性が高く、退去させられ放置されたモノがまだたくさん残っとると聞き及ぶ。胸が痛むような話しである。こうしてマクロにみれば〈ぱちんこ屋さんはカネが有るから復興が早い〉という密かな怨嗟も現実にはあるのかもしれぬ。つくづく、地域との共生とは何なのか? と考えさせられるのぅ。

熊本市内パチンコマーケットを考察

❸ 熊本市全体の遊技場をエリア分けしてみると、

ⅰ)熊本城より北の〈北部エリア〉=北区を中心に
[シルバーバック上熊本、コア21上熊本、つかさ清水、ユートピア、金馬車北部、GOLD MEDAL]

ⅱ)熊本東バイパスより東の〈東部エリア〉=東区を中心に
※東部北側 [まるみつ東バイパス、大劇長嶺、つかさ東バイパス、ダイナム戸島、コア21戸島、フェスタ戸島、ユートピア新外、人生劇場、エンペラー空港通、マルハン小山(おやま)]
※東部南側 [コア21健軍、ユートピア健軍、U-NEXT健軍、つる健軍、Pams県庁東]

ⅲ)熊本市内中心部を中心とした〈中部エリア〉=中央区を中心に
[湖月藤崎、大劇通町本店、123新市街、プラザ新市街、つかさ新市街、メガGAIA本山、金馬車世安、ダイナム二本木、ファミリー三愛南熊本本店、大統領白山、コア21水前寺、Eスペース八王子、大劇浜線、モナコパレス浜線、浜線まるみつ]

ⅳ)環状バイパスより南側の〈南部エリア〉=南区を中心に
[ベルエアーMAX南高江、つかさ南高江、コア21川尻、つる近見、つる川尻、大統領田迎]

という具合に、区ごとでちょうど4つのエリア分けができると思うのじゃ。そういう意味で熊本市の行政区分は住民の生活圏とも上手に合致して区分けされておるようじゃな。

総じて言えることは、震災後の復興過程で市内のホールが「稼働率」や「遊客人数」において、全国のベスト20位以内に入る店がいくつも出ている事である。「ダイナム戸島」や「モナコパレス浜線」などがそうであるし、今後は「メガGAIA本山」がほぼ確実に全国上位に食い込んでくることは、ほぼ間違いなかろう。いったいこれはどういう事なのであろうか?

ハッキリしているのは、「ダイナム戸島」の場合、平屋の木造店舗でありながら三角形の木組みを多用して、それが極めて揺れに強かったという事である。木造とは言っても、支柱はコンクリがしっかり地中に食い込んでいるので、単なる木造店舗ではない。しかもガラスの嵌め込み店舗でもないので、外壁ガラスが割れてしまうような被害も無かったようなのじゃ。こう見てくるとダイナムの佐藤洋治相談役というのは、20年先を見据えて、かかるローコスト型で頑丈な店舗を開発されたという事になる! まさに天才ではなかろうかのぅ。

次に「モナコパレス浜線」の場合は、先程も記したように多層階の立駐付店舗であることが“災いして”盆前まで休業し、4カ月後のリニューアルで一気に集客したと。地震で休業中の他店舗を尻目に、休まずに集客しまくれた「ダイナム戸島」は、まさに幸運というか神の恵みとでもいう無休業が成功の要因であるし、「モナコパレス浜線」の場合は“本命”店舗が長期間の休業で、もともとの顧客の“打ちたいという欲求不満”が一気に弾けたという至極自然な流れが堅調の理由でもあろう。

❹ とは言え、両店とも震災に遭遇されたことは厳然たる事実である。歴史が教えてくれる事実としての教訓は、大震災に遭われた22年前の神戸、6年前の福島、仙台なども、復興過程で多くの人足が流入し、復興建設資金の大量流入、それと被災者への復興支給金などによって、“好景気”のような事態が発生することである。さすれば、ここ熊本の遊技場の昨年5月以降の〈好調〉の原因も、同じところに求められるのではあるまいか。

そしていよいよ「メガGAIA本山」(1,406台)の年末ギリギリのグランドオープンと相成るわけである。台数も県下ピカイチの規模もさることながら、店内の配置、装飾も最新のよく考えられた店舗と云うわけで、申し分のない稼働状況である。なんでも、グランド2日前に市民を対象に行われた〈マーク・パンサーの演奏会や、肉フェスティバル等〉には4,000人程の来場者が有ったというから、市民(県民)の〈復興・がんばるバイ〉のエネルギーは相当なものであったと再認識せざるを得んわい。店舗にくっついておるLAWSON店舗も、ぱちんこ店併設としてはけっこう大きなものじゃ。色々な意味で、これからの遊技場の姿を暗示してくれるとみてよかろう。

❺ GAIA殿の視察レポートはこれ位にして、ⅲ)「中部エリア」のど真ん中にある「123新市街」(621台)についても触れておかねばなるまい。おの店はVenus galleryを経営する㈱イクティス → ㈱テンガイ → NOBUTA GROUPへと3社目の交代という“因縁付き”であった。ふつう、こういう店へは居抜き出店もしづらいものであるが、福岡市で成功された123殿は迷いなく出店された。今のところ、有能な店長のもとで「プラザ」殿に対抗できる程に好調を維持されておるのは驚嘆すべきなのかもしれぬ。震災後の昨年7月の出店というのも、(或る意味)幸いだったかもしれない。側壁を補強しつつの営業ながら、やはり関西最大手企業として思い切った機械投入などもされておって、九州とは違う関西風こってり営業で成果を出しておられるようじゃ。延田殿の“兄弟会社”とでもいうべき「スタジアム」の八城殿が福岡県の遠賀町と八女市で極めて成功されておることも励みと成って、延田殿も九州での2店舗目にこの熊本新市街を迷わず選ばれたという訳じゃな。

ついでに山口・下関の「湖月」殿の選ばれた藤崎宮前の店も覗きたかったところじゃが、いかんせん時間が無い。またの機会に覗くとしようぞ。ここも、まるみつ→PAMS→ラポール→湖月と、今度で4番目の経営者である。ここが成功と言えれば、熊本県外勢の出店として、従来の“常識”が崩れてくる可能性もあることから、是非とも注目しておかねば成らぬな。

❻ 今回は〈熊本の賞品流通システム〉について深く探索することは見合わせよう。しかしいずれじっくり熊本に逗留してその運用実態を把握することに致そう。でないと、“日ノ本一”個性的な営業県である〈熊本の秘密〉の解明はおぼつかないと覚悟しておる。

ささ、昔、細川殿が参勤交代でよく使ったという八代の港へ急げ。最近は外国の数万トン級の豪華客船が観光でしばしばこの八代港に停泊するそうじゃ。その時は観光バスが100台も列を作って九州探索の小旅行に出かけるという。細川の殿様が生きておって聞いたら目が飛び出るような話しではないか。いや待てよ、ひょっとして数十年先には横浜港よりも外国人に認知される港に成るのではあるまいか、のぅ。

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年末巨大な話題を提供したメガGAIA本山店

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メガGAIAの隣で頑張る金馬車世安店

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延田グループ71店舗目は熊本市新市街の繁華街店

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一時期は全国トップクラスの85%稼働をしたダイナム戸島店

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べニアを外に貼って頑張る震災直後、地元企業のユートピア

カテゴリー: 注目ホール,注目市場

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