第220回【播磨の国=神戸市垂水区 篇 非干渉だったエリアに及ぶ新たな影響】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第220回

【播磨の国=神戸市垂水区 篇 非干渉だったエリアに及ぶ新たな影響】

前回、前々回と浪速の堺市を巡回して廻ったが、折角の機会じゃから上方にいま少し逗留して、今回からは神戸の方をも巡察する事に致した。

神戸と云えば平成7年(1995年)の阪神淡路大震災からはや24年にもなったのぅ。
街はすっかり復旧し、かつての悲惨なビルの倒壊はまるで幻の如くじゃ。7,000人近くが犠牲者となられた事を想い起すと、あらためて合掌して神に平安を祈らねばなるまい。

一つだけ24年前の遊技業界の思い出話をここで致そう。
神戸市にあっては、東灘区~須磨区に至る東西のラインの激震で、パチンコ店の島設備もガタガタになり、とても玉・メダルが流れる状態ではなくなったものじゃ。それ故1月17日の大地震から5月いっぱい迄は、神戸市内の殆どの遊技場は休業を余儀なくされ、なかには廃業された小型店もあった。
しかるに明石市に近い【神戸市西区】だけは、地盤の関係か大きな被害は免れ、実は震災翌日からも“通常営業”を続ける事が可能じゃったのだ!これを“恩恵”と呼んで良いのかどうかは躊躇われるが、神戸市西区に4軒営業なされておったマルハン殿の店舗はことを営業を続行なされていた事を想い出す。
結果は“大賑わい”であった。

大地震により生活の基盤が損なわれ、避難所生活等で極度のストレスと疲労の溜まっておった市民にとって、【パチンコ店と風呂設備】が何よりのストレス解消の場であった!という事も、よくよく記憶しておかねば成らぬ。
いまどきはパチンコに対して“依存症”云々が取り出される訳じゃが、人間の極限的疲労状態に於いて、【パチンコと風呂】がいかに大切なモノか!を知らしめさせられた時であった。

さて、その後1995年の夏前ぐらいから復旧しだした【神戸のパチンコ店】は、果たして今どうなっちょるのじゃろう? 
厳粛な気持ちで廻らせて頂こうではないか。

❶ 隣の大阪府では2001年に「キョーイチなんば」(出来た当初は1833台)が、千日前のビックカメラビルの地下に出現し、2005年には「マルハン加島」(淀川区:出来た当初は1400台)ができ、2011年には東大阪市布施で「123+N布施」(出来た当初は1320台)が、元SATYの跡地にできる、とかの大きな話題店が続々と出来て、なにかと騒がしかったもんじゃが、ここ神戸ではどうじゃったのかのぅ?

街なかで最初に復興の光を照らし出したのは、壊滅的損壊を受けた三宮商店街に現れた「Venus Gallery」(出来た当初は1201台)であった。
福岡から兵庫県姫路に進出されている溝江グループが、神戸の街の復興を願って勇躍進出された店である。
倒壊した旧:ダイエーのあった場所と云う事で、元々認知度の高い場所で、連日凄まじいお客で賑わったものである。勿論現在も高稼働であろう。

街なかで次に復興したのは、神戸の“パチンコのメッカ”=【新開地】の「メトロワールド」(708台)、「メトロガーデン」(620台)の連続grand openの衝撃的デヴューであった。
ワールドの方は震災8年後の2003年新築、「ガーデン」の方は旧メトロ新開地の大改築ということで、震災10年後の2005年のgrandであった。
両店は向かいどおしにもかかわらずよく頑張り、特に「ワールド」の方は、全国トップ20にも入るような高稼働店である。
新開地という所は昔から、川崎重工で働く労働者が、神戸電鉄〈湊川公園〉駅で降りて、阪神・阪急の「新開地駅」まで歩く、超繁盛商店街であった。
複数の映画館やボートピア等も有って、なにかと賑わっておった商店街である。
今でこそ神戸電鉄が〈新開地〉駅まで接続してしまったので、アーケード商店街を(乗換の為に)歩く人はいなくなったが、《パチンコの伝統》だけは健在である。


ただし、広域から車で集客する《カーパチ店》については、新開地よりももっと【西】を観なければならない。
郊外店でみると、兵庫県内企業で一番出店意欲が高いのは、おそらく『ミクちゃん』の屋号で知られる『タツミコーポレーション』殿であろうと思われるが、神戸には2000年、2001年にかけて「ガイア垂水・垂水東」(垂水区:出来た当初は1059台)を出され、大震災後の鬱屈としたムードを吹き飛ばしてくれるかのごとき大型店の出現を演じなされた。

今日の巡察は、まずはこの垂水区の山手住宅地に林立する、《大型郊外店》の実地検分であるぞよ。
 

❷ 大震災から早や24年。神戸市営地下鉄の「学園都市」駅を中心にして、西区と垂水区のベッドタウンは、見違えるように発展しておるのぅ。

この辺りには〈第二神明道路北線〉の〈学園南I.C.〉もあり、大型の商業施設も多い。
COSTCO、ニトリ、スポーツDEPO、XEBIO、K’Sデンキ、ヤマダ電機など皆大型ばかりで、集客力が高い。

この神戸市郊外有数の集客エリアに、パチンコ店が進出した順に並べてみる。

➀「ミクちゃんガイア垂水」(P820台)  ※2000年12月~
②「ミクちゃんガイア垂水東」(S300台) ※2001年10月~、➀とはW店舗の関係
③「モナコ垂水」(736台)        ※2002年12月~
④「ミクちゃんアリーナ学園南」(777台) ※2012年12月~
⑤「オーギヤ垂水」(1200台)      ※2016年12月~。愛知県豊橋市から兵庫県初進出

以上の5店舗である。

みての通り、➀~④は兵庫県企業であり、⑤だけが中京愛知の企業である点が異色を放つ。
実を申せば中京地区のホール企業が、関が原を超えて関西地区に進出して来るというのは、驚くほど少ないのじゃ。
たしかに最近では、隣の三重県から『キング観光』の権田殿が、彦根、長浜と連続出店なされて成功されてはおる。
しかしワシの記憶では、2010年の「オーギヤ彦根」(777台)の進出までは、ホンマにトンと無かったと思うので、実に不思議と云えば不思議な話しじゃ。
中京地区の大手にとっては、関西進出は“悲願”であるのじゃろうが、関ケ原の峠は、そう易々とは通してくれなんだちゅう訳じゃな。

よって2010年に無事に関西進出に成功した『オーギヤ』殿が、京都、大阪を飛び越して兵庫・神戸に超大型で出て来られるという事は、あり得る話しではあるものの、やはり驚きの声を持って兵庫勢に受け止められた事であろうのぅ。

❸ 今回の巡察の主眼は、まさに⑤の兵庫進出から2年8カ月を経過して、その結果➀~④が如何なる様相を呈しておるのか?の一言に尽きると云っても良かろう。
順次振り返って参ろう。

➀②のW店舗が垂水に進出した当初のことは、ワシにはよう分からぬ。
ただ、《CR海物語3R》の絶頂期に当たる事からも、恐らく大成功しておったであろう事は想像に難くない。
勢いに乗るタツミコーポレーションが④をも同一商圏に畳みかけてこられた事で、学園南という“美味しい”エリアは、タツミ殿の独壇場に成ったかの様相であったろう。
勿論、自社の➀②には多少の自社競合は起こしたであろうが、それくらいは止むを得ざる事で、“想定の範囲内”と云うべきであろう。

④が当時の最新店舗としてgrandした当時は、パチンコ業界誌でも話題沸騰で、ワシも当時いち早く視察に馳せ参じたものである。
別棟の2階建て立駐から、店舗玄関に直接降りてくる下りエスカレーターのオシャレであったこと!ふつう立駐からは階段かエレベータじゃわな。
また当時ユニバーサル製の最新の大型データ表示器(Hot Stadium)をパチスロ全台に設置するなど、時代の先端を行く店づくりじゃったと、いまだに記憶しておる。
タツミ殿の店づくり力と云い、その営業力と云い、これにて垂水区の丘側の商業地区は“ミクちゃんのドミナントで決まり!”という感が在ったもんじゃ。
(※ただ一つだけ気掛かりな事が有った。④は店内がタッチパネルのガラスドアで【2ケ所】に区切られた様な構造になっていて、ワンフロア777台という迫力には、多少欠けるものが感じられた事である。)

しかるに、④と高速道路を挟んで真北に、その4年後に⑤『オーギヤ』殿が1200台もの規模で進出してきたもんじゃから、話しは振り出しに戻ってしもうた。
実は⑤の土地は、もともと“2段グリーン”の如き変則的な敷地で、ワシも⑤が出店を決める前に物件として下見させてもろうた事が有るのじゃ(笑)。
当時まさか、かかるフラットでもない敷地に1200台もの遊技場が駐車場付きで出来ようとは、正直計算できなんだもんじゃ。
しかしそこは大型立駐付パチンコ店の“本場”である、中京大手の『オーギヤ』殿。2段グリーンの難点を難なくクリアされて、実にゆったりとした1200台の超大型店を造ってこられたわけである。

結果は、2016年~2017年いっぱいぐらいまでは神戸市内でも有数の高稼働店として、⑤は見事に成功したのである。
こうなると、④「ミクちゃんアリーナ」で懸念された“ワンフロアでの迫力不足”という点がやはりお客にも比較対象とされ、④はその後ジワジワと稼働を下げていってしまったと聞き及ぶ。

❹ 今回、お盆中に垂水区の丘側を一通り廻った感じでは、④「アリーナ」店はけっこう“へこんでいる”と感じる。
やはり規模に於いて1.5倍の⑤「オーギヤ」の影響と、➀の自社店舗の大改装の、ダブルパンチを食らっておる感じである。

思えば⑤が新規出店した2016年暮れと云えば、所謂1/399の《MAX機》というパチンコ機が、丁度市場から全撤去された後である。
さすれば「オーギヤ」殿は」1/319のミドル機と、5号機スロットでの“玉の出し方”が相当お上手であったとしか想像しようがない。
それと恐らくタツミコーポレーション殿は、⑤の“目の前”の④「アリーナ」で競うよりも、2.5km離れた➀②店で以って、⑤と対峙するという様に、“作戦変更”を為されたのではあるまいかのぅ。
⑤の“最前線”で戦わざるを得ない④にすれば、ちとツラい中での営業持続というmissionが課せられたのかもしれない。

③「モナコ」殿も➀②と⑤の1000台超の大型店の影響を受けて、ちとツラそうな気配じゃ。
冒頭の一覧表で観たように、この学園南エリアに出店された2012年は、④「アリーナ」とほぼ同時期openということで、何かと新企画盛りだくさんの④の方にやや人気を奪われておった、と記憶する。

まして愛知県から⑤「オーギヤ」という新規参入がある等とは、“想定の範囲外”だったのではあるまいか。
ただ『モナコ』殿は、宝塚市に圧倒的な一番店をお持ち故に、余裕の営業であろうとは推測するが…

❺ という訳で、2012年~2016年にかけて大変動した【垂水区北部郊外エリア】を一通り巡回してみた。

クエスチョン(?)は更に、実はもう一つある。
次回の【(221号)】で取り上げるが、今回の(220号)エリアから西へ4kmばかし“水平移動”した辺りの【大蔵谷・伊川谷エリア】の影響じゃ。

本来今回の【学園南エリア】と【大蔵谷・伊川谷エリア】とは、相互の“干渉”なく、お互いに潤沢な中身でそれぞれ営業してこれた筈であろう。
しかるに、大蔵谷に「マルハン新大蔵谷店」(1007台)が、今年のGW前にgrand openしてからは、“干渉”もあり得る状態に成って参ったのではなかろうか?というのが次回【(221号)】のテーマである。
天下のマルハン殿が、今年上期に唯一、気合を込めてgrandされた店である。さあ、次回までにもうひと調べしよう。


<追記>中京地区大手の『オーギヤ』殿の出店という事で、さぞや【30φの沖スロ】を引っ提げての進出かとおもいきや、案外30φ無しでの神戸進出じゃった。
ワシの私見では今後2021年にかけて、この30φというものがホールの必須メニューとなってくる!と存ずるが、いががなものであろうか?しかしSLOTにおいて兵庫県は、嘗ては“高砂王国”、今は“ジャグラー王国”プラス“パルサー”と云ったところであろうか。
それでヤッてこられた(!)ちゅうことは、大変メデタい事ではあろう。さて、兵庫のSLOT文化、これから変わるのか、変わらないのか?これまた見モノであるのぅ。

▼住宅地の中の一等地で威容をみせる「ミクちゃんガイア垂水・垂水東」

▼いかにもモナコらしい外観の「モナコ垂水」

▼「ミクちゃんアリーナ学園南」。左の立駐は2弾である。

▼「オーギヤ垂水」の威容。コンビニの「ポプラ」を併設している。

カテゴリー: パチンコ,マーケティング,注目ホール,注目市場

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