【上野の国=太田市:篇】、騒がしくなりそうな群馬P市場、その行方(ゆくえ)や如何に…

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第86回

【上野の国=太田市:篇】、騒がしくなりそうな群馬P市場、その行方(ゆくえ)や如何に…

またもや先月の桐生に続き、群馬まで脚を伸ばしてきた。今年は何かと群馬が忙しいことに成りそうじゃわい。桐生にまもなくパラッツオ殿が出店されると言うし、高崎倉賀野のマルハン殿も、同じ倉賀野の別の場所に店をお出しになるようじゃ。それよりも何よりも、8月初旬より、所謂「業界等価」とやらを止めて、11割分岐営業の形態に持っていこうという事になられた様じゃ。本当に皆の足並みが一斉にそろっ、てお客にアピールできれば良いものじゃが…、はて、さて。

北関東最大の工業都市といわれる太田市、その歴史的背景

❶ 太田と言う市は、群馬と言うても足利と接しておって、下野(しもつけ)との国境の市じゃ。隣の館林は、武蔵の熊谷や常陸の古河とすぐ近くという様に、ここらあたりは群馬とは言うても、ちと様相を異にしておる。げんに東武太田駅の南口に降りてみぃ。「南一番街」だか、アリゾナのツーソンだか、テキサスのエル・パソだか知らんが、まるで西部劇の舞台に出てくるようなケッタイな酒場が駅前にズラッと軒を連ねておって、まるで京都太秦の映画村にでも降り立ったのか? と勘違いする景色じゃ。聞けば北関東最大の歓楽街なんじゃと! もひとつビックリなのは北関東最大の工業都市でもあるという事である。太平洋戦争前、軍の主導で(茨城の鹿嶋市を超える)大規模な軍需工場施設群誘致の都市計画が策定され、一部実行に移されておったようじゃ。

その代表格が「中島飛行機」という会社じゃ。この会社は1社ではないぞ。戦前巨大な軍事工業のコングロマリットの1つの頂点に位置する会社なのである。三重の四日市、愛知の半田、静岡の浜松、東京武蔵野、栃木宇都宮など全国に拠点工場を持ち、全国の工場の数だけでも数十にのぼることが分かっておる。今で言えば「トヨタグループ」の様なモノじゃ。飛行機のエンジンを米英独などに頼らず独自で開発製造できとった。日産に吸収合併された「プリンス自動車」の「スカイライン」とか言う車も、元は中島飛行機グループの作品じゃ。日本が連合軍に敗戦後、中島飛行機は徹底的に解体され、その飛行機技術は二度と日の目をみないように壊滅させられたと言われておる。太田市や宇都宮市で造られた陸軍戦闘機「疾風(はやて)」は、海軍の「ゼロ戦」より早い時速650kmを記録したという。今のボーイング787などのジェット旅客機でも時速850kmというから、今から72年前の技術としては、中島飛行機は相当なものであったと言わざるを得まい。

(※ワシはなにも“軍事オタク”などではないぞ! 家康爺様の成し遂げられた天下統一により、戦の無い時代へと移行したことは何よりじゃ、と常々思うちょる。戦争のない世の中を維持するためにも、過去の中島飛行機の果たしていた役割を冷徹に認識しておく必要があると言うものじゃ)。

さて、この中島飛行機の解体後の後身のひとつが、今の富士重工のスバル自動車の工場と成っておる。また隣町の大泉町に6年前まで在った「パナソニック大泉工場」の場所も、中島飛行機の跡地じゃ。ふぅ、だんだん過去の記憶が薄らいでいくようで寂しいのぅ。

26万人マーケットに遊技台が約13万台と、妙に需給の均衡がとれている!?

❷ とまれ、先の大戦での敗戦と切り離しては語れない太田市じゃが、人口自体は微増のようじゃ。なにせ太田市だけで、外国人は8,100人程居ると言われておる。また西隣の伊勢崎市には約10,000人、東隣の人口4万人強の大泉町には何と6,400人もの外国人が居住していると聞き及ぶ。しかもそれらは六十数か国に及ぶというから、この2市1町で25,000人余りの外国人がいるという事に成る。

この外国人がぱちんこ遊技場で遊ぶことが有るや無しや? も重大な関心事であろう。おそらく彼らの手取り額からすると、とても4円ぱちんこや、21.7円スロットで遊ぶことは不可能に近いと思われるが、日本の工場労働者からすれば、そうした外国人の契約派遣労働者の低賃金の“おかげで”、遊技場や、駅前の南一番街の飲み屋街が賑わっておるのやも知れぬ。これは益々難しくなって参ったぞ、今回の特命は…。

❸ ここで太田パチンコマーケットとやらを概括してみむ。商圏としては太田市22万人に、大泉町の4.4万人と、足利市のほんの一部が入る故、計26万人マーケットと言うべきか。この圏内に遊技台が約13万台ある故、1台当たりの支持人口は約2.0人。まあ激戦区に於いてはよくあるタイトな数値じゃが、特段日本有数の厳しさという事も無いわい。傍(はた)から見れば、4年前に太田コロナの跡に「スーパーD’ステーション」(1,129台)が出来たり、2年半前に「ZENT」(1,140台)が出来たりと、随分忙しいマーケットに見えるが、他方閉店した店も多い故、妙に需給の均衡がとれているという訳じゃな。

いまひとつのマーケットの注目点は、高崎、前橋の時と同じように、「マルハン」殿3店(合計1,879台)、「D’ステ」殿2店(合計1,957台)、「ダイナム」殿W店(合計880台)と、またもや“競り合って”おられる所に、茨城ひたちなかの「ZENT」殿が1,140台で“殴り込み”(失礼!)を掛けられたという構図であることじゃ。

もともと、上野(こうずけ)群馬は関東1都6県の中では、「連休制度」がある等、最ものどかで店舗間の協調性のある県であった。ところが今は、他県の並み居る強豪が陸続と群馬に進出して来て、関東で最も栄枯盛衰の激しいマーケットと成っておる。代表的なところでは、マルハン、ダイナム、つばめ、ダイエー、やすだ、ビッグマーチ、ZENT、MGM、ユーコーラッキー、そしてパラッツオ(※間もなく)である。特に県都=前橋、高崎にこの傾向が顕著である。

太田市場も、もう既に、前橋、高崎並みの競争環境に成って来た! というのが正直な感想じゃ。特にこの22万都市に「3店舗出しているマルハン」殿の様な例は、全国に二つと無いであろう。

太田圏内のパチンコマーケットを巡察

❹ さて、そろそろ太田市内の散策開始じゃ。広い故、馬の準備は出来て居ろうな。まず、

ⅰ) 市中心部から北東部(丑寅=鬼門の方角)
ここは1,100台を超える「スーパーD’ステ」殿で決まりじゃろう。なにせ、北関東有数の複合レジャー施設であった「太田コロナ」を、ホールダーが買ってDステ殿に賃貸しておる故、規模もバカでかいし、国道50号沿いでよく目立つ故、足利、桐生方面からも集客しやすい。

※ 25前にはこの近くに横浜の青木殿の「あもーれ」と言う店も有って、超高稼働じゃたもんじゃが、会社が倒産してもうて今は無い。「あすか倶楽部イースト」(332台)という店だけが地元の意地を見せて、低貸専門店として「Dステ」殿に対抗しておられる。この「スーパーD’ステ」から更に北東に進むと、そこには東京の「メッセ」宮本殿の560台の北関東有数の規模を誇るスロ専が有るぞよ(※一応栃木県の足利市には入るが、実質太田市商圏じゃ)。

ⅱ) 太田駅南口近辺
ここが一番の激「変」地区らしいのぅ。駅周辺で今も残るのは「タイガージャンボ」のみと言ってよい。閉鎖したのは「オータ」「東武アリーナ」「宇宙センター」。正直言って今の太田市では、パチンコ遊技をするために太田駅前まで出向いてくる必要性は殆ど無くなったとも言えるのではあるまいか。そんな中にあって「タイガージャンボ」「タイガーエンドレス」の2店は290台規模のお店ながら、昔から在って、頑張り切ったのが実に偉いわい。やはりパチンコは粘り勝ちじゃな、ガハハ…、案外太田駅周辺には住宅が多く人口も多いのが幸いして、市内空洞化と言われて久しいが、遊技場としては住宅が多いのが却って幸いじゃな。

ⅲ) 市内中心部
激戦区はまさにここじゃろう。20年前に太田市駅から真っすぐ伸びる国道407号沿いに、宇都宮から「マドンナ」が出てきたときには、当時お洒落な店で話題を独り占めにしたものじゃ。上場企業のステーキ宮がやっているパチンコ店という事も話題に成った。今はステーキ宮は遊技場経営から足を洗って、ここは「メトロヒルズ」の清本殿が「メッツスクエア」という店名でやっておる。

更に407号を南に下って利根川近くまで行くと、そこに「ニューグランド」という“玉三郎スタイル”の店が有ったもんじゃ。ここは景品債権の代物弁済のような格好で神奈川の景品会社が実質店を見とられたが10年程前に廃業されてもうた。更に東京の有力どころの「メッセ」宮本殿も、先の「メッツスクエア」のすぐ南で“ダイナム風の”木造店舗で盛業でやっておられたが、何故か突然止めてしもわれた。想像するに薄利競争に嫌気がさされたのではないかとワシは思うておる。決して場所が悪かったわけではない。その証拠にその後改装して入られた「Dステ」殿は改装、増台されてかなりの成功を収めておられるではないか。

そして何よりも見どころは旧サティの横の広大な敷地にW店舗を構えられたダイナム殿の、「ダイナム太田」(480台)、「信頼の森太田」(400台)であろう。計880台はダイナム最大の集積地と言って良かろう。このうち「ダイナム」の方は低玉貸無しの本格店で、「信頼の森」の方は全館禁煙の低貸専門店という様に、上手に2店を差別化しておるわい。ところが、「信頼の森」の翌2010年末に「MGM」黒木殿が参戦され、更には2013年末に茨城「ZENT」片桐殿が1,000台超でまたまた参戦されるに及んで、群馬を代表する“激戦区”の様相を呈するに至ったという訳である。

どっこい忘れてならぬのは、市内中心部にデ~ンと広大な工場敷地を構える富士重工様の正門前の好立地に、いにしえより店を出されている「アスカ」森山殿と、西門前にこれまたいにしえより出されている「メトロヒルズ」清本殿の両店じゃろう。駅前の「タイガージャンボ」殿と同じく市内老舗として頑張っておられるのが心強く思われるわい。

ⅳ) 市西部の広大なエリア
ここはマルハン殿の店が3軒もあると言う、世にも不思議なエリアである。特に人口密度が濃厚という訳でも全然ないのにのぅ。このうち「新田店」(520台)は、北に位置する「Dステ伊勢崎」(788台)への防護壁として存在意味が分からんでも無い。されど昨年2015年9月に出された「新道店」(877台)は、明らかに「ZENT」殿か「スーパーD’ステ」殿への明確な対抗馬という位置づけとしか思えん“攻撃的な”出店と覚ゆ。

いや、もしかしてマルハンの韓会長は、鎌倉幕府を倒した同じ源氏の新田義貞を尊敬されているのか、はたまた上州新田郷出身の木枯し紋次郎を演じた中村敦夫殿の大ファンであられるのか? と邪推してしまうくらいじゃわい。

❺ さて相当馬を走らせたゆえ股関節が疲れてもうた(笑)。丁度今しがた隠密から知らせが届いた。8月5日を以って群馬県下一斉に「業界等価」を是正して、11割分岐での営業に切り替えることを県遊協で取り決めたばかりだというに、ここ太田組合が「延期」申し入れをしたとかしないとかの未確認情報じゃ。やれやれ、栃木との県境ゆえか、栃木も同じように足並みを揃えてもらいたいものよのぅ。気持ちは多少分からんでもないが、今はお上の強力な指導で射幸心を逓減化して健全な娯楽に皆が取り組もうとしておる時じゃ。太田よ、どこへ行く?

カテゴリー: パチンコ,注目ホール,注目市場

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