第238回 【伊豆国=函南、三島 篇 地元企業と全国チェーンの大一番】

小森黄門ちゃまの業界漫遊記 第238回

【伊豆国=函南、三島 篇 地元企業と全国チェーンの大一番】

 

 

 

ちょうど1年前に静岡県の駿東(すんとう)郡の清水町、長泉町と三島市の一部を巡回して、「メガGAIA清水町伏見」や「ABC清水町長沢」の“大激戦”を目のあたりにした事が思い出深い。

あれから1年経って当然“落ち着き”を取り戻しておるじゃろう、とタカを括っておった。ところがじゃ。
新店「メガGAIA」殿の快進撃は一向に衰える気配が無く、かつ“対抗馬”たる筈の「ABC」殿の稼働が下がったまま、この1年が過ぎるという“異常な”状況が続いておる様じゃ。
そればかりか、「メガGAIA」の集客力は10km以上南に下った〈伊豆国〉の伊豆の国市あたりまで及んでおるというではないか!

そうこうする裡に、昨年10月12日夜半には、史上最強とも云われる《台風19号》が、伊豆半島を直撃して、昭和の〈狩野川台風〉以来の大水害を齎したのである。この19号によって、狩野川の支流の〈大場(だいば)川〉〈来光川〉〈柿沢川〉が氾濫を起こし、幾つかの遊技場が水に浸かり使用不能となった。
ちょうど「メガGAIA」の影響を受けて、改装を予定しておった『マルハン函南』(昨年まで792台)も、モロ店内が腰のあたりまで水に浸かるという大被害を蒙られたのである。
即日〈改装休業〉に入られ、74日間ほどの改装休業を経て、年末12/26に新「マルハン函南」(836台)として一大リニューアルオープンを仕掛けられたのである。
嘗て静岡に営業本部があったマルハンとしては、まさに起死回生のオープンというものであろう。

はたしてこれにて、“メガGAIA特急”の快進撃にブレーキを掛けることができるのか?また、この1年間というもの、“メガGAIA対策”として決定的なカンフル剤を注入することができなかった「ABC」の旗艦店舗が、いよいよその底チカラから魅せてくれるのか?まさに見どころ満載の伊豆半島北部エリアなのである。
いざ早速出陣じゃ。

 

 

❶ 今でこそ新幹線の三島駅を起点として、北は裾野市から、南は伊豆の国市まで、マクロなパチンコ商圏が形成されておることに、異論はないじゃろう。
じゃが、歴史的背景からみると、事はそう単純なものでもないかもしれぬ。と申すのは、こうじゃ。

我が国の歴史に於いて、今の駿東郡(=清水町、長泉町)は永らく駿河の国の静岡藩の領地、裾野市は相模の国の小田原藩の領地、そして三島市から南の函南町、伊豆の国市は伊豆国という具合に、3つの国に分かれておったのじゃ。

ところが今はモータリゼーションとか申して、〈国道1号線〉〈伊豆縦貫自動車道〉の大いなる影響により、【長泉町、清水町、三島市、函南町、伊豆の国市】が、あたかも一つの商圏の如く連関してしまっておる! ここがミソじゃな。
即ち巨大な「メガGAIA清水町伏見」(1267台)殿は、そこまで見通してgrand open為されたフシが十分あるようなのである。
より正確に申さば、僅か375台の旧「GAIA」を解体して、3.3倍強の1267台に大変身された!と云うことは、よほどこの【広域商圏】の実態を把握しておらぬ事には、絶対にできぬワザであろう。

 

 

❷ さて早速この大商圏の最南端に在る「アプリイ伊豆の国」(560台)から観て参ろうか。

ここも台風19号のせいで狩野川が氾濫し、店内の床が水に浸かったようじゃ。
じゃが、大被害には至らず数日の店休の後、店を再開することができたそうじゃのぅ。
後に廻る「マルハン函南」が水没のせいで長期の店休に追い込まれたこともあって、結果的には11月12月は大繁盛であったと聞き及ぶ。

今日観た感じでも、良い立地を確保された事も有って、ケチのつけようのない良い店じゃな。
「マルハン函南」がgrandされたこれからも、好調を維持される事を祈るばかりじゃ。と云うのも、この「アプリイ」から南には、もう大きな店は存在しない訳じゃから、伊豆半島中南部の遊技業が衰退しないためにも、大いなる役目を担ってもらわにゃならぬからじゃ。

次は少し北上して、伊豆長岡温泉の入口に在る「タムラ古奈」(285台)と「ツイン長岡」(304台)の隣り合った2店舗じゃ(※時間の関係で「レインボー長岡」まで廻れぬ事をお許しいただきたい)。
この2店舗とも温泉街で働く人達にとっても必要な近場の遊技場としての役割を果たしておるとみゆる。
「マルハン函南」までは約5㎞の距離ゆえ、しっかり手綱を握りしめて、地域身近に必要な存在である事を十二分に納得してもらえる努力を期待したい。

更に4㎞北に向かうと「フジコー韮山」(354台)が見えてくる。
三島市を中心に御殿場市~伊豆の国市までに6店舗を展開する、地元有力チェーンであり「フジコー」という店名からも想像されるように、〈富士山〉に強いこだわりを持った企業である。
4年前には何と富士山が丸見えの日本一長い吊り橋=《スカイウォーク》を三島市北東の山あいに完成され、毎年100万人以上が渡橋する一大観光名所とされておる。
「韮山店」の方も、実は台風19号による柿沢川の氾濫により、床が水に浸かってしまう被害を受けられ、床絨毯を張り直してのrenewal openを為されておる。
実質“低貸し専門店”にされておるので、「マルハン函南」がgrand renewalを仕掛けられた今も、充分生き残っていける事と思われる。

 

 

❸ そしていよいよ「マルハン函南」に到着じゃ。

「フジコー韮山」から僅か1㎞北上した《来光川》の真そばの大型店じゃ。
今日改めて訪れ、この来光川の土手の上に立ってみると、確かに川床の方が店舗の敷地よりも高いような気もする。
来光川の川幅も実に狭い故、1時間に200ミリほどの集中豪雨に遭うと、こりゃたちまち危険水位に上がって来そうじゃのぅ。
じゃがこんな危険と隣り合わせの場所でないと、3000坪以上の大きな敷地が無い!という事も、また現実なのじゃろぅ。
将来また氾濫するかも知れぬ(!)という危険を覚悟されてまで、大規模renewalで“勝負”に出られたマルハン殿の気合が充分伝わって来るというものじゃ。

店内を覗かせてもらうと、SLOTは完全なR島に造りかえられ、しかも従来よりも80台の増台である。
逆にパチンコの方は36台ほど減台し、トータル792台→836台への増台である。
7㎞北に位置する「メガGAIA清水町伏見」の1267台という台数を考えると、もっと多くの台数が欲しいところかもしれぬが、そこは【田方郡函南町】から南の商圏狙いという事で、このあたりで十分の大きさではなかろうかのぅ。

12月26日のgrandリニューアルopenということで、今日の大晦日も滅茶よく入っておるのぅ。
ほぼ80%は埋まっておるとみえる。さてこれで、1年前から約7㎞北にできた「メガGAIA」に“奪われた”お客を取り戻すことができるか?大変楽しみじゃのぅ。

 

 

❹さてと、今回の【裾野市~伊豆の国市】までの長細い商圏の〈南の拠点〉=「マルハン函南」を視察致したので、久しぶりに〈北の拠点〉=「メガGAIA清水町伏見」の状況を観に行く事に致そうか。

途中この中間の位置に存在する、地元勢の店舗も観て行かにゃなるまい。
観て廻るのは、
「プレイステーションタムラ函南本店」(800台)、
「甲子園ゴールド」(300台)、
「フジコー長伏」(706台)、
「ABC清水町長沢」(872台)
の4軒である。〘※その他の店は、コースの関係で廻れなんだ事をお許し頂きたい〙。

『プレイステーションタムラ』(=田村総業㈱)は1976年以来の老舗中の老舗企業の店だけあって、堂々たる造りの店じゃ。
設備的にはチト旧い気がするが、パチンコ営業で特段焦っておるとは思えぬわぃ。
というのも、パチンコ以外に、不動産を沢山持っておられて、賃貸事業の方も好調の様じゃからのぅ。
本館と新館をドッキングさせたこの本店は、独特の雰囲気を持ったよいお店じゃ。
そしてあたかも、「メガGAIA」も「マルハン函南」もまるで無かったかのような、独自固有の道を歩んでおられる様にお見受けする。

『甲子園』殿は、「新甲子園」の方が旗艦店と成っているようじゃが、この「甲子園ゴールド」は随分年季が入っとるみせじゃのぅ。
「フジコー長伏」は、これから廻る「メガGAIA」の出店時にも大きな影響は受けなんだ(!)と聞いておるが、今日30日の状況では、多少「マルハン」と「メガGAIA」に引っ張られておる気もする。
ま、三島の強豪企業だけに、必ずや元の高稼働に復される事と思うが(笑)。

 

 

❺ さぁてと最後に残るは、「ABC清水町長沢」(872台)と、「メガGAIA清水町伏見」(1267台)の、【大関vs.横綱対決】の千秋楽じゃ。

ちょうど1年前の〘漫遊記(191)〙で、この両店を中心にreportしておるので、再述は避けよう。
片や東海中京地区の最大手=㈱ABC、片や売上全国第3位の㈱ガイア、共に沽券にかけても絶対に負けられぬ大一番じゃ。
よって、“水入り”を挟んで1年以上、ガップリ四つで組み合ったまま(!)という状況じゃ。

噂では、ABC殿はこの春から割も上げての“攻勢”に出られる(!)のではないか、と云う事で期待も膨らむわ。
今日大晦日前の㉚日という盛り上がりの中で、「ABC長沢」はだいぶ“押し返し”てきておる事は間違いあるまい。
さすがは東海中部地方の“雄”だけあって、“大人の相撲”というべきじゃ。これからツクシが目を出す頃が、ホンマ楽しみじゃのぅ。

と云う感慨を胸のうちに留めて、300m強しか離れておらぬ「メガGAIA清水町伏見」に到着じゃ。
1年前に訪れたというのに、なんかgrandからまだ数カ月しか経っておらぬような錯覚に襲われるわぃ。
何じゃ!この熱狂は。ほぼ9割稼働ではないか…!いくら元旦2日前とは申せ、これは凄過ぎるのではあるまいか。こんなGAIA殿は初めてではあるまいか。
さすが横綱と大関との“水入り”試合じゃ。
このシーンを観ると、「マルハン函南」が大リニューアルを賭けざるを得なかった事も、充分に納得できるというもんじゃ。
2019年の末に、ホンマに血沸き肉躍る光景を観る事が出来て、良い初夢が見られそうじゃ(笑)。

▼昨年10月の台風による水没から復帰し大renewalした「マルハン函南」

▼マルハン函南と同じく台風で水に浸かった「フジコー韮山」

▼伊豆地方の老舗企業の「プレイステーションタムラ函南本店」

▼地元三島の企業として存在感を放つ「甲子園groupの「ゴールド店」

 

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