ルールを形骸化させないために、基本業務ルールを評価制度に連携させる

現場力を強化するために…! 第5回

ルールを形骸化させないために、基本業務ルールを評価制度に連携させる

基本業務の整理、その作業自体が目的になっていませんか?

今回は、テーマ「実行力」の締めくくりとなります(体系図参照)。これまで、フェーズ1「サービス接客基本業務」、フェーズ2「既存業務の見直し」、フェーズ3「新人アルバイト教育」の基本的な運用をご説明させていただきましたが、本稿では、これらを維持継続するための仕掛けについてお話したいと思います。

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店舗には、基本業務に関するさまざまなルールが存在していると思います。ですが、現場においてこれらのルールが形骸化していることも少なくありません。なぜでしょうか? 最初は実務に役立てることを目的に、基本業務を整理しようとするのですが、その過程で、基本業務の整理そのものが、目的にすり変わってしまうことがあります。つまり、ルールが完成した時点で作業が終了してしまう。ルール作りばかりに目がいき、定着のための実践的な視点が置きざりにされている状態ですね。方法が目的に変わってしまうというパターンです。

仕組みやルールは絶対的なものではありませんが、異なる価値観を持つ個人がチームとして活動するためには必要最低限、これを整備し、現場の第一線で運用されねばなりませ
ん。では、こうした基本業務ルールを、実践レベルで定着させるための運用方法を説明していきましょう。

評価基準が明確になれば、スタッフのモチベーションも維持される

基本業務ルールの定着手法として一般的なのは、それを評価制度と連動させることです。ポイントは、評価項目が基本業務とリンクしていること。要するに、ルール化された基本業務の習熟度をスタッフの昇給や昇進に直結させて、その定着と業務の品質向上をはかる、といった意味合いなのですが、以下に述べるのは、それを実践するための細かい手順です。

まず、基本業務をすべて棚卸します。そして、棚卸した業務を優先順位の高いものから格付けします。本来、すべての基本業務を評価に反映したいのですが、店舗状況やスタッフレベルの問題もありますから、格付けした業務項目のどこまでを評価の対象とするかを決めます。

次に、評価対象となる項目を四つに分類。この四つの基本業務項目群を、「1週目強化項目群」「2週目強化項目群」「3週目強化項目群」「4週目強化項目群」として、1週間の強化徹底事項とします。4週間で一巡できるよう、休憩室や更衣室などに張り出して周知徹底させます(図表参照)。

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さらに、日々の点呼で特に徹底してもらいたい項目を、「本日の強化項目」として指定し、朝終礼、OJT、インカムなどで指導します。

このように、評価項目と強化基本業務を一体化することで、基本業務におけるルールが、優先順位の高いほうから定着していきます。スタッフにとっても、どこで自分が評価されるのかが明確となり、モチベーションも維持しやすくなります。

指導するトレーナーの質も重要

さて、指導する内容や強化項目が決まっても、これを指導するトレーナーの質が劣っていては意味がありません。トレーナー自身が、基本業務をすべて実践できるのは最低条件ですが、ほかのスタッフを上手に指導できるかは別問題。また、トレーナーを育てるために、店長がトレーナー候補者に手取り足取り指導することも、現実的には難しいでしょう。

そこで、かなり思い切ったやり方ですが、基本業務がすべて実践できるスタッフ(トレーナー候補者)に、実践できていない3〜4人のスタッフの指導を任せてしまうのも手の一つ。原則として、トレーナー候補者に任せたスタッフは、店長が直接指導することを控えます。あくまで、トレーナー候補者を通して注意指導してください。

一方で、トレーナー候補者が担当しているスタッフの評価は、店長が行います。そして、そのスタッフの評価を、そのままトレーナー候補者の評価とするわけです。担当したスタッフが、全員一定基準の評価を満たしていた場合は、トレーナー候補者も合格です。

気をつけなくてはならないのは、トレーナー候補者を選択する基準。「社員であるから」といった、安易な理由でトレーナー候補者とすることは、極力避けるべきです。トレーナー候補者は、基本業務がしっかり実践できていること、そうしたスタッフの中から選抜された存在であることを、全スタッフによって認められた人物を指名する必要があります。

 

カテゴリー: 人事,人材教育,接客

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